元はその後ブースを出てすぐにトイレに向かった。そしてトイレの個室に入り盛大に嘔吐した。
元々彼はあまりソロランク戦をやる人では無かったが、あの三バカに誘われてソロランク戦をやる事になったのだ。しかしそこで彼は一切として戦わずただ防御に徹していた。
理由は簡単だ。彼は人が斬れなかったのだ。
「ふう、ふう…」
青ざめた顔で元はトイレの個室から出て食堂に向かった。
食堂に入るとキョロキョロと周りを見回して一人のメガネをかけたB級隊員かま座っている席に向かって歩いた。
「三・雲・先・輩!!」
「あ、元さん。」
「元でいいですよ元で。それよりも見てました?僕の試合!!」
「いや、ごめん。見てないや。」
すると元は不機嫌そうに机にうなだれた。
「今日頑張ったんですよ。まあ吐いちゃいましたけど…。」
「そうなんだ。」
「なあオサム、こいつと知り合いなのか?」
「あ、空閑先輩こんにちは。話は三雲先輩から聞いてます。藤田元です。C級のアタッカー志望です。宜しくお願いします。」
「どうもどうも、空閑遊真です。オサムとはどういった関係で?」
「前に三雲先輩に助けられて、それでボーダーに入りました。」
「へぇー。じゃあ何で人が斬れないのにアタッカーになったの?」
空閑がそう言うと三雲と元は目を見開き空閑を見た。
「空閑、なんでお前…」
「僕、あなたに言いましたっけ?」
「いや、あの戦いを見れば人が斬れない位は分かるよ。それで?何でアタッカーになったの?オサムはシューターだぞ?」
「いやあ、僕が入った時にはまだ三雲先輩はレイガスト使いでしたので。」
「ふーん、だったらレイジさんに教えて貰えば?」
「レイジさん?」
「玉狛支部の先輩でレイガスト使いなんだ。」
「人が斬れないなら殴ればいいんじゃないのって思ってさ。」
「人を殴る?それでダメージは与えられるんですか?」
「まあ見た方が早いんじゃないの?オサム、これから基地に連れて行けば?」
「あ、ああ。」
そして元と三雲は基地を出て玉狛支部へ向かった。
「ここが玉狛支部・・・なんか本部とは全然違いますね。」
「まあね、でもまあいいとこだよ?」
そう言いながら三雲はドアを開けた。
「ようオサム、隣のそいつは新入りか?」
「こら陽太郎!!そいつじゃないでしょ!!」
「えっと、どうも。」
「ああごめんね。藤田元君だよね?一応修くんから話は聞いてるよ。レイジさんに用があるんだよね?上がって上がって。」
「は、はい。失礼します。」
元は応接室に案内された。そこには何処と無く落ち着いている筋肉が座ってお茶を飲んでいた。
「レイジさん、この人が連絡した元さんです。」
「お前が元か、」
「は、はい。レイジさんですか?」
「ああ、それで?何の用だ。」
「えっと、僕に、僕にレイガストの使い方を教えて下さい!!・・・って痛った!!」
元は思い切り頭を下げて机に思い切りぶつけた。
するとレイジさんは「ふっ」と笑いソファから立った。
「よし元、着いてこい。」
「宜しくお願いします!!」