『元、もう時間だぞ。何処にいる。』
「すいませんレイジさん。ちょっと体調を崩してしまって。本当にすいません。」
『体調管理も訓練の内だ。きちんとしとけ。』
「はい。僕昔からそうなんです。昔から身体が弱くて、ちょっとした気温の変化でもすぐに体調を崩すんです。」
『分かった。もし良くなったら飯を食いにでも来い。話がしたい。ちなみに今日は小南が中華に挑戦するって言ってた。』
「・・・でしたらすいません。僕辛いの食べれないんで。」
『好き嫌いをしているから身体も弱くなるんだ。』
「すいません。でも辛いのが食べれないのはサイドエフェクトのせいなんです。体調を崩しやすいのも同じ理由です。」
『サイドエフェクトだと?』
「はい・・・ゴホッゴホッ...ハアハア...すいません。ちょっと辛いのでこの話はまた後日…」
元は咳き込みながら電話を切った。
そして次の日、レイジさんと元と三雲はラーメン屋に外食をしに行った。
「レイジさん!!ここのラーメン美味しいですね!!」
「ああ。俺がよく来る店だ。」
「ねえ元さん、昨日レイジさんから聞いたんだけど・・・」
「サイドエフェクトの事ですか?」
「ああ。ちょっと気になって。」
「その事は俺も気になっていた。何のサイドエフェクトなんだ?」
「僕のサイドエフェクトは『強化痛覚』です。簡単に言えば温度や振動、痛み等触って得る情報に敏感なんです。」
「へぇー。」
「だからちょっとした気温の変化でも敏感に反応してしまって、そのせいで体調を崩しやすいんです。」
三雲はラーメンの湯気でメガネを曇らせながらも聞いていたが、レイジさんは何も言わずにただラーメンを啜っていた。
「僕が人を斬れないのもこのサイドエフェクトが関係しているんです。」
元はラーメンを食べながら話し始めた。
元は小学校の頃から体調を崩しやすく、よく学校を休んでいたためクラスでも虐められていたのだ。それでもそんな元と仲良くしてくれた子がいたのだ。しかし、4年半前の第一次大規模侵攻の際に目の前でその友達がネイバーに攫われたのだ。
友達を攫ったネイバーは旧ボーダーによって倒されたのだが、結局友達は身体を真っ二つに切り離されて死んでしまった。
そして今でも人を斬るとその光景を思い出してしまい、それが嫌で人を斬ることが出来ないと言った。
「元さんにそんな事が・・・」
三雲は元の話を聞いて少し顔を曇らして言った。しかし、レイジさんから出た言葉は予想外の言葉だった。
「確かにそんな経験をすれば人が斬れないのも分かる。しかしそれは理由にならない。いつまでも過去に引きずられてはいざと言う時に困るのはお前だ。せっかくお前が人を斬れない理由が分かったのだ。あとはそれを克服するだけだ。」
「分かりました!!」
「それまでは結構辛い訓練になると思う。しかし、それを超えればお前の戦いの幅はもっと広がる。」
「は、はい!!」