1 硝煙吹けば名無し
2025/12/14(日) 10:15:33.54 ID:MaCHoP/prpr
ワロタwww
2 硝煙吹けば名無し
2025/12/14(日) 10:16:26.19 ID:Tommy/1o3
( ゚∀゚)o彡゜ノーキン!ノーキン!
3 硝煙吹けば名無し
2025/12/14(日) 10:16:45.36 ID:Leafa/SuG
それでもキリトかなーやっぱwww
「なーんか、嫌な予感がするんだよなぁ」
引き続き2025年12月14日、午前十時過ぎの事。
空は曇り、近未来的な建物の連立するそのエリアは、名前をSBCグロッケンという。何でも移民船団の宇宙船の上にそのまま都市を築いたという設定らしく、その圏外では打って変わって世紀末的な荒廃したフィールドが広がっている。
だけどまあ、ログインしたての彼にはそんなフィールドになんぞ不用心に出る余裕などなく。まずは自分のアバターの確認から……と、取り敢えずその
なんかおかしい。何と言うか、手のハリが違うというか、若々しいというか。
(……まあ、そういうちょっとした違和感は、VRMMOを渡り歩いてるとたまにあるって聞いたけどさ。
このゲームも洋モノだっていうし、ちょっとVR空間のモデリングがSAOやALOと違うのかねぇ……)
んな訳ないのだグラント君。ザ・シード規格である以上その基本的な構造に違いはないのだから。
まあその事はひとまず置いておこう。今は目下の彼の目的の為に行動する方が先である。
「そうそう、忘れちゃダメだ、俺は例の一件を確かめに来たんじゃない。
とにかく、ハルくん達がどこに行ったのかを今は突き止めないと」
ぶっちゃけ彼もGGOにコンバートしている時点で神代博士との約束を破ってしまっているのだが。
だけどその最後の一線として……例の事件への直接介入を避けつつハルキや北海いくらを見つけたら、すぐにログアウトしてこのゲームを切り上げなければならない。彼女達が今後、行っているであろう調査をGGOにて続けるかどうかは……まあ、その後に考えるとして。
そう、取り敢えず心に決めて、グラントはその広大なフロアがいくつも連なる多層構造の街に向かって、繰り出したのだった……が。
「あぁ?
「ったく、これだから
「あら、
仕方ないわね、お姉さんが道案内をしてあげるわ……え? 声が低い?」
「そこの
私も最近現実の仕事で失敗しちゃってさ……。私ってホント馬鹿!」
「いやいやいや待て待て、おかしいぞ」
いい加減に違和感に我慢できなくなった落武者男の図である。なんか暫定一人ヤバイお姉さんと、暫定一人知り合いが混じっていたような気もするけど、気にしない。っていうか、この性別詐称がムズい世界で、なおカマっちゃう強者がいたとは。グラントも真っ青である。
え? 性別詐称と言えば本作序盤早々からやらかしたノーキン娘がいただろって? そんなヤツぶっ飛ばしちまえ。
違う、そういう話じゃない。ひとまずはハルくん達の手掛かりをと、その近未来都市を闊歩して手当たり次第に彼女達の目撃情報を聞き回ったグラントだったのだが、そうすればするほど掛けられる、子ども扱い的な言葉の数々。
ま、まあ確かに未成年ですけどね? グラントはぶるっと震える。でも十九ですぜ? 流石に大学生のユーザーくらいなら、こんな殺伐とした世界観のゲームだったとしてもそこそこいるんじゃねーか?
……そう思って、グラントは思わず、周囲に屯しているプレイヤー達を見上げる。
見上げる。
「……まさか」
一つの予感に、グラントは自分の眉がピクピクするのを感じながら……近くにある、如何にも掘り出し物がありそうな怪しいショップのショーケースに、自分の姿を映してみて。
「な……なんじゃこりゃああっっ!?」
ぱっちりおめめに、ふっくらとしたほっぺた。
日焼けのない無垢な白い肌にはもちろんヒゲの一つもなく、髪はロングヘアーはおろか……いやロングヘアーじゃない事はうすうす気づいていたんだけど、よりによっておでこの出たベリーショートな茶髪である。
そして、極めつけはその身長。先程ショーケースに姿を映したと言ったが、その他のプレイヤーの胸下程までしかない高さのショーケースに、グラントの身長は届いていない。
つまりだ。
「ガキじゃん俺!?」
そういう事である。なんだ、このGGOってゲームはアバターがおかしくなる呪いでもあんのか。トミィのポジがなくなるからやめたげてよお!
「うわー……こりゃナメられて納得だわ……どうすんだ……まさかハルくんもこんな事になってないだろうな……」
大丈夫だよ落武者男……いよいよ落武者男と言えなくなってしまった落武者くん。向こうは逆に綺麗なお姉さんになってるから。本当に大丈夫なのかは完全にノーコメント。
しかし、これは困ったことになってしまった。グラントはしょぼくれる。さっき彼自身も言っていたけれど、このアバターじゃあこの硝煙漂う世界のゴツい戦士達と対等に取引するのなんて無理に決まっている。何かしら武功を上げて実績を知らしめればその限りではないけど、それをしないという事が神代博士との最後の一線であり、
「うーむ……課金アイテムを使ってアバターの変更が出来るか、試してみようかしらん……」
「あら、話には聞いていたけれど、本当に可愛い男の子なのね~」
その時だった。
突如としてグラントの背後から降りかかったそのほわんほわんした声は、先程の外見だけ女性のネカマプレイヤーとは違い、本物の女性の声で。
だが、過程はどうあれ、この瞬間に他人とのコミュニケーションが成立しようとしている、逃がしてはダメだ―――と、その落武者くんは振り返って。
「もしあなたが本当にパパとママを探しているのなら、私も手伝ってあげるわ~。
……でも、もしあなたが、ニュービーのプレイヤーを追い回す迷惑なプレイヤーさんなら、見過ごすわけにはいかないわ~」
「そういう事だったの~。それじゃ、グラントくんは子ども扱いされて大変だったのね~」
「……まだ子供扱いっすよねその言い方」
「あら、私はいつもこういう話し方よ~?」
紫を基調をしたブレストアーマーと、右腰だけを覆うコートを纏うその銀髪の女性プレイヤーは、そう言葉を交わしながらもげんなりとした様子のグラントくんに微笑みを絶やさない。
彼女の名はツェリスカ。実は出元がイレギュラーで、「ソードアート・オンライン フェイタル・バレット」というゲームのオリジナルキャラクターなのだが……SAOアニメ三期にてもう二人の同作品のオリキャラと共にまさかのカメオ出演を果たし、正史時間軸にもその存在が確認された数少ないゲーム産のキャラクターなのである。
その他の二人も個人的にはお気に入りなので、出来ればどこかで出してあげたいなあ。いっその事FB編作っちゃうか?
「それなら、私の知り合いのプレイヤーに色々と話を聞いてみる事にするわ~。これでも私、結構古参のプレイヤーで、顔も広いのよ~?」
「……それは、とてもありがたく」
なんかよくお姉さんキャラの女性と行動を共にする事の多いグラントである。神代博士といい。
現在二人がいるのは、SBCグロッケンの中でも深層に位置する、知る人ぞ知る隠れ酒場エリアの一角である。どうやらこの街の傾向として初心者用のショップは表層に、そこから薄暗い下のエリアへと降りれば降りるほど専門性の高い怪しげな店が増えていくと言った仕様になっているようで、そうとも知らずにグラントはずけずけとその、ふかーいくろーとエリアに足を踏み込んでしまっていたそう。
そしてそんな場所で他のプレイヤーの目撃情報を聞き回っていたそのちびアバターの噂が瞬く間に辺りに広まっていたらしく。それが本当に保護者プレイヤーからはぐれてしまった少年プレイヤーなのか、はたまた他人をつけ回す悪質なプレイヤーか……いずれにしても心配になったツェリスカが様子を見に来たのだとか。
「でもね〜、ニュービーの人探しって言っても、このGGOにデビューしてくるプレイヤー数は毎日、かなりのものなのよ〜。
お目当ての人が、そう簡単に見つかるかどうかわからないわ〜」
「それはそうだと思うんですけど。
まあとりあえず、お願いしますよ。ちょっと思うところがありましてね」
あらあら〜と微笑みを絶やさずに、そんなぶすっとしたグラントの言葉を面白がるように聞くツェリスカ。側から見れば完全に迷子の子供を保護したお姉さんの図である。ただ、この酒場に出入りするほどに腕のあるプレイヤーなら、その目の前の女性が巷では何と呼ばれているかを当然知っている筈であり、おいそれとその状況を揶揄する事は出来なかったりする。
すなわち、「無冠の女王」。表立った大会に殆ど出場することはないにも関わらず、そのプレイヤースキルはローカルなPvPはおろか、BoBですら通用するレベルではないか……と噂される程の実力者なのである。
だがそんな銀髪の女王様はまだ知らない。世の中には、自分の考える常識を遥かに上回った、筋金入りの馬鹿野郎というものが存在するという事を。
「あら、早速一つ報告よ〜。
ついさっき、GGOサービス開始直後に解禁された女性用レアアバターを、今になって当てたニュービーがいるって話題になっていたみたいね〜。
あら、銃士Xと色違いのアバターなのね〜、確かに珍しいわ、美人さんなのね〜」
「……じゃあハルくんじゃないかもなぁ。あの子自身は美少女だけど、アバターとして女性らしさ全開ってのを当てた事無かったし」
「あら? でもその子、やけに言葉遣いが男らしくて、自分の事も俺って言っていたらしいわ〜?」
「絶対ハルくんやないかい」
いきなりガバッと身を乗り出してきたグラントに若干苦笑いしながら、ツェリスカはさらに彼女のもとに寄せられてきたフレンドからのメッセージを読む。
「そうね〜。でもすぐに他のGGOプレイヤーに声を掛けられて、一緒にいた男性プレイヤーも入れて三人で武器を買いに行ったそうよ〜。
すぐに三人とも打ち解けていた様子だったそうだわ、知り合いだったのかしら〜」
「だったら、やっぱハルくんじゃあないかー。一応ここにくる前にトミィやフカ嬢やマロンちゃんがまだALOにいる事は確認済みだし、GGO内にあの子の知り合いはいないよなぁ」
「そうなの〜、残念だったわね〜。
あ、でもたまたまGGOプレイヤーの誰かがショップで武器を買う時の彼女達の音声ログを撮っていたみたいね。……本当はあまりこういうのはいけない事なのだけれど。あとでしっかりと注意しなくちゃダメね〜」
驚く程にポンポンと情報が入ってくる。それだけツェリスカがGGO内では人気がある事の証だろう。グラントも先ほどから薄々、この目の前のお姉さんが実はものすごい人なんじゃないかと内心ビクビクだったりする。
だが次の瞬間。そんな凄腕プレイヤーも、ネットに上がっていたよとフレンドから送られてきた音声ログを再生したその時……向かいに座るグラントに倣って、その表情からすっかり余裕を消し去る羽目になるのだった。
『おねぇさーん! それでメインウェポンはどうするか、決まったかい?』
『ん? ああ、主力武器って事か。
えっと、この……スパス? ってやつにしようかなって』
『SPAS12。イタリアの銃器メーカーが開発したショットガンですね』
『おっ! そっちのお兄さんはなかなか分かってるじゃないの!』
……もし彼女達がハルくん一行なら、上からピトフーイ、ハルキ、北海いくら、そしてピトフーイ二回目だろう。
それにしてもショットガンか。ある意味近接戦闘がメインのハルキらしい選択である……と。
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
『Special Purpose Automatic ShotgunでSPAS。
ポンプアクションとセミオートを……つまり、手動式と自動式を切り替える事の出来る面白い散弾銃だけど、その分重くてサイズが大型化したから、狭い場所で上手く取り扱うのが難しくて、開発された当時の軍にはまるで採用されなかった、ちょっと玄人向けの一品だねぇ』
『うーん、私たちはニュービーなんですから、もう少し標準的なショットガンにした方がいいのでは?
例えばこちらの、レミントンM870とかはどうですか?』
スラスラと解説するピトフーイと、それに賛同して別のショットガンを提案する北海いくら。さてはお主らそこそこのガンマニアだな?
ちなみにその北海いくらが差し出したもう一つのショットガン、レミントンM870はアメリカで七十年以上前に開発されて以来(2025年)、未だに狩猟用としても軍・警察用としても、絶大な人気と支持を得ている優秀なショットガンであり、GGO内でもこの二つでは圧倒的にレミントンM870を使っているユーザーの方が多いとか。
だが。そんな常識はこの
「いや、そこのペネリM3ってのも
『えっ』
『えっ』
「こんなん絶対ハルくんだわ間違いねぇ」
うん、そう思うよ。誰がどう聞いたってガンゲーでコレは、天然ノーキンのアイツしか言わねぇ。
っていうか竹刀と大きさが同じって、お前まさかそれで相手をぶっ叩く気か。マジか。正気か。
そう言われてみれば形状はともかく、SPAS12の全長は2、30センチの固定式銃床を除くと1メートル超、高校生・女性用の竹刀の全長は1メートル20センチ前後くらいである。誤差を除けばほぼほぼ完全一致である。マジで銃マニアの皆さんに謝れ。
ちなみに重さに関しては十倍近くの差があるはずなのだが、あくまでゲーム内である為か、質感として多少の軽量化がなされている様である。そこの問題もこのステータス放棄おバカがまともにSTRに振れば解決する問題なので、いよいよヤバいことになってきそうである。
「え……えっと、グラントくん。落ち着いて聞いてほしいのだけど〜。か、彼女の事、もうGGOのコミュニティサイトでは結構話題になっているみたいよ〜。さっきのも、その掲示板に上がっている音源を借りてきただけみたいなの〜。
『【悲報】SPASちゃん、両手で持てば竹刀だった』とか、『【速報】剣道ネキ、銃の世界に殴り込む』とか」
「一刻の猶予もねぇぞ!?」
思わずグラントはその場で椅子を蹴って立ち上がって酒場を出ようとする。そしてツェリスカが……先程までの大人の余裕を完全に失ったガチ顔のまま、彼の後を追った。
「ちょ、ちょっと待ってグラントくん、続けて連絡よ。
どうやらその三人組は、その後一通りの武器を揃えた後に、もうフィールドに向かって行ったらしいわよ〜」
「な……なぬ」
グロッケンの街道に飛び出してすぐの凶報にグラント、その場で急ブレーキである。ダメじゃんそれ、もう手遅れじゃん。あわよくばグロッケン内で合流して早いとこログアウトしようと思ってたのに。
「う、うーむ……だ、だけどフィールドに出るのはちょっと……」
「……ねぇ、グラントくん? ちょっと気になっていたんだけど〜」
思わずその場で青くなって蹲るグラントに、ツェリスカがしゃがみ込んでその肩に手を置く。その落武者くんからすればかなり深刻な事態なのだが、絵面的にどう見てもエンエン泣いてる子供をあやしているお母さんの図でしかない。残念。
だが、実際ツェリスカも、そんなグラントの只ならぬ様子に気になっていたらしく。
「あなた自身は、このGGOと言うゲームを楽しむつもりはないのかしら~?」
ぴくり、と動きを止めるグラントに、その歴戦の女性プレイヤーは優しく語りかける。
「たぶん、グラントくんが思っているほど、このGGOのプレイヤー達は厳つい人たちじゃないわよ~。
口ではぶっきらぼうだったり、気難しい様な事を言っていても……実際はただ銃が大好きな、単純で憎めないおバカさんな人達だったりするものよ~?」
そう、この世界は確かに銃を持ち、お互いを撃ち合い、プロのユーザーはそれで資金を稼ぐほどの実力主義ではあるが、それでもその根っこはALOプレイヤーやその他のVRMMORPGユーザーと同じで……ただゲームを楽しんで、そのプレイする世界で何か確かなものを手に入れたい、そんな人間臭い連中の集まりなのだ。SAOの様に本当に自分の命を賭ける訳でもなく、あくまでゲーマーとしてありたい人間の集まりなのだ。
「お友達さんの無事が気になるのはよく分かるけど、彼女達が純粋にこのゲームを楽しんでいるのなら……その後を追うあなたも、少しはこのGGOをプレイしてみるのも悪くはないんじゃないかしら~」
つまりツェリスカは、グラントにもっとこの世界を楽しんで欲しいのである。ただの仲間の捜索現場としてのみならず、一つの遊び場として。現実世界とは違う、一つの仮想世界として。それには彼女自身のこのGGOでの長いプレイヤー歴と、加えて彼女のあるプロフィールが起因しているのだが。
……だが、グラントにはグラントで、思う事があるようだ。
「……ねえ、ツェリスカさん。
こういう事を言うのは、マナー違反だとは思うんすけどね」
その場でいじいじしても仕方ないと思ったのかようやく立ち上がったグラントは、しかし沈みがちな表情を晴らすことなく、続ける。
「前まで俺、ファンタジー系のVRMMOやっててですね。向こうには銃がない代わりに、剣があるんですよ」
そして、そのまま歩き始めた。どこに向かう気なのか見当もつかなかったツェリスカは、不可解に思いながらもその後を追う。
「剣ってのは、リアルじゃ争いに使われてますけど、いかんせんファンタジー的な世界観じゃあ……どっちかで言えばモンスターに向かって向けられる事が多いんすよ。だからこそ、男の子達がそういう剣士とか勇者とかに憧れるわけで。
まあ、それでも俺は剣を持たないでプレイしてたんすけどね」
確かに一理はある。ちょっと正確でない気もするけど。だってSAOのデュエルのようにそういう武器だって人に向けられる事は少なくないもの。GGOのような洋モノのゲームじゃあ中世的世界観で国同士で血生臭い戦争をするのだってあるのだ。
だけど一方で、いわゆる国民的RPGと呼ばれてきたファンタジー作品などでは、基本的に
「でもね、ツェリスカさん。銃の存在意義はたった一つでしょ。
……それは、確かに銃というそれ自体、記号が存在する意義としてはあまりに正鵠を射ており。
だが、あまりに的確であるあまり、極論だった。
「……グラントくん」
「さっきの音声ログ、ハルくん……俺の知り合い達に銃のレクチャーをしてた女性プレイヤーがもう一人居ましたよね。銃の知識にも詳しいし、明らかにGGOで暮らし慣れている、そこそこやり手のプレイヤーですよね。
そんな実力者が、明らかにニュービーな連中に接触する理由は、限られてる」
ツェリスカが数歩、早歩きで歩いてしまえば、その目の前の少年を追い越してしまう事は容易に出来た。そうして、先程までのいじけたコミカルムードとは別人のような台詞を吐くグラントの真正面に立って、一度その瞳を覗き込んでしっかり話し合う事だって出来たはずだった。
しかし、彼女にはそれが出来なかった。それが正しい選択だと、そのGGOの凄腕女性ガンマンには思えなかった。
「一つ。ツェリスカさんみたいな、純粋な親切心。
二つ、自分の強さを見せびらかしたい、イタイ奴。……んで」
なぜなら、まるでその時の彼は……先程口走った自分の持論を、
「三つ。
……たちが悪ければ、自分達がやろうとしているミッションの、
「……っ!?」
ようやくツェリスカも、その危険性に気が付いたようだった。そりゃそうだ、リアルマネートレード方式が採用されているこの世界において、熟練プレイヤーがニュービーにレクチャーし、あまつさえ投資するような事があれば……そこに見返りを求める後ろ暗い腹心がある可能性は、極めて高い。
「まあ、そういう訳だからさ。しょうがない、大人の言う事は、鵜呑みにせず聞き入れるべきだよね」
そう言って、グラントは歩みを止める。
そこは、先程彼がショーケースに自身の身体を映した、あの怪しげなプレイヤーショップだった。その前に立ち、少年は振り向くと。
「だからさ、も少し付き合って下さいよ。
フィールドに出るにあたって、覚えとかなきゃいけない事は何です?」
……何者なの。
長いGGO歴の中で多くのプレイヤーに会ってきた彼女が感じた事のない、目の前の少年から溢れる異様な雰囲気に呑まれそうになりながらも……ツェリスカはごくりと唾を飲んで。
そして、心の中で呟いた。
「
※銃火器に関する筆者の知識にあまり専門性はございません。どこかおかしな点等有れば、ぜひともご指摘して頂いた上で鼻でお笑いになって頂ければ幸いです。