変な体質(身勝手の極意)がある少年が、とある少女に絡まれたお話。

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マジ恋はほぼハーメルンからの知識なんで設定に間違いがあったらすみません


勝手に身勝手

彼には生まれた時から変な体質があった。

走っていて人にぶつかりそうになった時、

ドッチボールで投げられた球が足にぶつかりそうになった時、

躓いて転びそうになった時。

 

以上のようなとっさに反応しなければならない場面において彼は的確な反応、動作を体が勝手に動いて行っていた。

 

走っていて人にぶつかりそうになった時、体が勝手に動いて常人から見るとまるですり抜けたかのように避けた。

ドッチボールで投げられた球が足にぶつかりそうになった時、体が勝手に動いてジャンプして避けた。

躓いて転びそうになれば、前回り受け身、前方宙返りで被害を最小限に収めていた。

 

しかしこの体質を彼は万能なものだとは思っていなかった。

時には神がかり的な反応を行うものだから人が多い場所じゃ人の目を集めることがある。

 

それに、体力を消費しない訳でもない。

むしろ無茶な動き、反応を行うことの方が多いことから体が勝手に動くたびに著しく体力を消耗する。

何よりオンオフが効かないから、どんなに疲れていても体が動くなら勝手に発動する。

この体質が連発する日は息が絶え絶えになっていた。

おかげで体力は人一倍になり、身体能力もかなりなものになったがそこまで嬉しくなかった。

むしろ身体能力が上がったせいか、無茶な動きがさらに無茶になる形で悪化していた。

 

そんなわけで、彼が彼女に目を付けられてしまうのは当然であってしまった。

 

 

少女は急いでいた。

理由は大したものではなく、外で今の今まで遊び惚けていて見たかった番組が

もうすぐ始まるということを忘れていた結果、急いで帰宅しているというだけだ。

本人からしたら大した理由かもしれないが。

 

いち早く帰宅するために道を最大速度、最短距離で迷いなく走り抜ける。

そんなことをやっていたら

 

(っ!やばい、ぶつかる!)

 

曲がり角で人にぶつかるのは当然であった。

基本的に鍛えた武力で押し通すことが多く、小学校では

「秘密道具でも対抗できそうにないジャイ〇ン」とか言われちゃっているこの少女。

だが、映画に出れるくらいの優しさと倫理はあり、

さすがにこんな一般車を追い越せる速度で衝突するのはまずいと考える。

しかし、最大速度を出していたのが仇となり急には止まらない。

あわや衝突、・・・その瞬間に彼女は彼の動きを捉えていた。

 

 

相手は、一歩動いて避けていた。

確かに、一歩動けば紙一重で避けれる。

だが、その動きがあまりにも滑らかで早く、無駄がなかった。

現状自分が一番強いと思う、祖父よりも。

それに彼が曲がり角から出てきてから、衝突するまで1秒もなかっただろう。

その瞬間に冷静に、紙一重で避けるなど同年代らしき少年に普通できるだろうか、否。

 

この時点で少女の興味は見たかった番組から少年に変わっていた。

 

足を止め、振り返り、件の少年を見つめる。

表情や雰囲気も焦っていたものから、獲物を見つけた獣のように高ぶっている。

正直その顔は、少女とか乙女とかがしちゃいけない感じだと思う。

 

そして、その少年は

 

(あわぁ、あの人って学校で有名な川神さん、なんでこんなに見られてるの?・・・怖いぃ。)

 

めっっちゃ怯えていた。ちょっと涙目になっていた。

そりゃ学校でジ〇イアンとか比喩されている子に獲物を見つけたような目で見られていたら普通怯える。

ましてや少年は友人に「お前ウサギみたいに人参齧ってそうだな。」、と草食動物に例えられて

しまうぐらいにはおとなしく、ちょっぴり気弱な性分である。

 

よって、少年視点で恐ろしい表情を浮かべた少女がこちらに歩いてきたら

 

「ご、ごめんなさいぃ!」

 

「あ。ちょっ、待て!・・・早いな。」

 

取る行動は1つ、逃げ一択であった。

この後追いかけっこが始まったが少年は無事撒いた。

 

でもそのせいでさらに少女に目をつけられたし、

少年は少年で家に帰ってようやく同じクラスだったことを思い出して頭を抱えた。

 

 

 

 

「で、次の日にモモちゃんも同じクラスだってことに気づいちゃって、

 それから勝負吹っ掛けられたり、引きずり回されたりしたんだよ。」

 

「あはははは、モモちゃんならやりそうだね!でも今となっては満更でもないでしょ?」

 

「・・・そうだね、何だかんだで楽しかったし、あれがきっかけで良い友たちも何人かできたからね。

 あ、そろそろ部活行かなきゃ。」

 

「ありゃ、もうそんな時間。・・・ところで、清楚ちゃんとはどんな感じかなあ?」

 

「何度も言ってるけど、葉桜さんとは別に皆が勘繰るような仲じゃないよ。ただの園芸仲間なんだけどな。」

 

「でも、今噂の美人転校生である私と清楚ちゃんの2人を侍らせているとかとかモモちゃんからしたら

 嫉妬ものだよ?」

 

「は、侍らせているって・・・。でも、確かにモモちゃんだったら

 「そんな美少女侍らしてするいぞー。」とか言いながら襲ってきそう。」

 

「・・・そうだねえ。」

 

「それじゃ、そろそろ行くね。それじゃあね、松永ちゃん。」

 

「ほーい、また明日。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人物紹介(と続ける気がないから大まかな設定も)

 

空野 悟(そらの さとる) 川神学園3年生 園芸部部長

 

とっさの判断が要求される場面において、驚異的な反応、行動を見せる。

しかし、その分体力の消耗は激しく、幼少期からこの力によって強制トレーニング状態であった。

そうして身体能力が上がり続けた結果、現在は日常の範囲内での出来事が発動の

トリガーとなる場合は

そこまで消耗することはない。

また以上の能力があっても、本人は「痛いのが嫌」という理由から武術はやっていない。

 

センスと才能の化け物、もしくは神様。

生まれた時点で体のベストな動かし方が分かり、他者の技を一度見ただけで見抜き

必要な道具があれば使えるぐらいには化け物。

そこに、強制的に鍛え上げられた身体能力もあって最強の武道家

 

・・・とはならなかった。

見ただけで大体わかってしまう眼のせいでどれくらい痛いかが容易に理解してしまい、

想像がついてしまう。そのため、痛いのも嫌だし、痛くするのも嫌。

武道家としてはある意味、心技体のうち心が欠けている、というかないレベル。

ある意味、百代とは似たもの同士。

前述の勝手に反応する体質(面倒だから以降身勝手の極意で)も、本人が痛みを嫌がるから

無意識に生み出したものかもしれなかったり。

 

だから、こいつに期待する武道家はそれなりに接すると、「こいつには無理だな」と察する。

まあ痛くしなきゃ大丈夫だから、こいつが避けに全力で徹して、それに相手が当てようとする

といった特殊な組手だったら付き合う。

こいつが避けに徹したら大体当たらないし。

ちなみに実家はただの花屋。本当、どうしてこいつが生まれた。

 

さすがに、武士道プラン本格始動されたら痛くするの嫌とか言わない。

 

あるとしたらルートは川神百代、松永燕、葉桜清楚(項羽)の3年生組。

 

燕に協力する場合は、こいつの観察眼がフルに発揮され

燕を1回きりの百代キラーに仕立て上げることになる。

 

百代は百代で、先述のこいつに当てることを目的とした組手を数えきれないほど行っているので

当てるために鍛え上げられた先読みの眼だったりでパワーアップしてる。

ちなみに、まだ一回も主人公に当てれていない。

 

清楚とはお話の中で言った通り園芸仲間。一応家が花屋だし園芸部部長だし。

ただこいつ、気の扱い、感知だったりもやばいので清楚の状態も1目見て察する。

なので、本人のオリジナルも文系ではないなと勘づいている。

でも、本人には教えない。そりゃ、封印とか普通厄ネタだし。

 




続きはない。
あるとしたらマジ恋プレイ動画全部見た後。


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