1曲目は『恋! ハレイション THE WAR』
曲始めのイントロでワルキューレのメンバー一人一人にスポットライトが当たり、最後に新メンバーミラージュに全ライトが集まる。
「ミラージュのやつガチガチじゃないか」
「デルタ4、ライブに見とれて警備を疎かにするなよ」
「ラジャー」
隊長にもう集中してないことを気付かれちまった。
(そんな調子で大丈夫なのかよ、ミラージュ)
次は『いけないボーダーライン』か…ちょっと慣れたのか笑顔が増えたな。
おっ、4人がハケた。ここからはソロ曲メインか。
「かっ、覚悟しなさいよ!」
堅いぜ教官殿、笑いが止まらねー。
フレイアと一緒に「ルンがピカッと光ったら」か。すげー恥ずかしそうに踊ってんな。
続いてマキナとレイナにバトンタッチして『ジリティック♡BEGINNER』みたいだな。
こうゆう感じの曲はミラージュに向いてないな、さっきから顔が真っ赤なまんまだ。
次はカナメと『AXIA〜ダイスキでダイキライ〜』この曲は歌いやすそうだな、それにミラージュの歌い方は歌詞が身に染みて聴いてて心地がいい。
「デルタ4警備に集中」
やべ、隊長に怒られちまった。
あっいつの間にか美雲と歌ってやがる。『破滅の純情』のようだな、美雲の歌唱力が容赦なくてミラージュの歌声が全然聴こえない。
ここでトークタイムか。ミラージュについての紹介がメインのようだな。
「ところでミラージュさんなんで急にワルキューレに入ろうと思ったん」
「そっ、それは…」
確かに気になるな…アイドルみたいなこと興味あるとは思わなかったし。
「私、知ってる」
「レッ、レイナさん!?」
「ある人に自分の意外な一面を見て欲しい」
「あわわわ」
「ある人って誰かね」
「フレイアニブニブで安心」
「だねー」
「輝きたかったのよ」
「美雲さん…」
「大空を飛ぶ誰かさんに見て欲しくて」
「美雲さーん」
「誰かさっぱりね」(ミラージュ誰に見てもらいたかったんだろうな)
お客さんはミラージュの慌てっぷりを面白がっている。
「さぁ、次でラストになります。曲紹介ミラージュ宜しく」
「はっはい」
曲紹介で深呼吸、なにか決心でもしたのか。
「最後の曲は『一度だけの恋なら』」
湧く会場、流れるメロディー、ミラージュ。曲始まってるぞなんでこっちをじっと見てんだよ
「キラキラと舞い散るこの花を〜、数え足りないこの空を〜」
…なんか、すげー引き寄せられるな。ミラージュすげーイキイキしてる。
「届け〜」
なんかこの感じフレイアの歌を聴いてる時と似てる。
「感じるまま、信じるまま、なにもかも飛ばせ」
フレイアの時は鳥になったみたいに大空を自由に飛んでる感じだけど、今は真っ直ぐ綺麗にどこまでも飛び立てる感じだ。これはこれで良い感じだぜ、ミラージュ。
「ビューん、ビューん、ビューん」
一瞬ミラージュと目が合った気がした。
サビに入った。
「ハヤテのヤツ、フライトモードで踊ってやがる」
「風に乗ったか…」
すげー気持ち良く空を飛んでいる間にライブが終わった。
「ハヤテ」
「どうした、ミラージュ」
「その…今回の私のパフォーマンスはどうでしたか」
「途中からどこまでも高く飛べる気分になってすげー気持ち良かったぜ。教官殿」
「そうですか。良かった。」
「で、誰に見て欲しかったんだ」
「〜〜〜〜〜。知りません」
顔を赤くタコのように膨らませ急いでミラージュはその場を離れてしまった。
こうしてミラージュのデビューライブは無事成功し幕を閉じた。
デビューライブの翌日、ミラージュの活動辞退が発表された。本人の意向ということだが
噂では、フォールドレセプターが基準値を達していなかったとか。
しかし、デビューライブは余程インパクトが残ったらしく「幻のライブ」として語り継がれ
ワルキューレのファンからは復活を期待する声が毎日のように止まず応援メッセージとしてとどいているそうだ。
(完)