童顔系潜入捜査官   作:くりっぷ

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爆弾事件で意図せず知り合った爆処の警察官(同期)がテレビの取材をみて「行きたい!」とメールしてきた。爆弾事件のあと、何かあったら連絡して、と連絡先を渡されたのだ。

 

......来るな、来るな、来るな......と、呪詛を吐く。そしたら文化祭期間に米花で連続爆弾事件が発生した。

 

やっぱり、あの町は呪われている。

 

 

文化祭、理事長のギャンブル暗殺、演劇発表会......表向きは、生徒として過ごしてきたのだが、新たな動きがあった。

 

「茅野さんと【シロ】が接触......」

 

一度、生徒の素性を洗ったのだが、【茅野 カエデ】は()()()()()()()。住民票が偽造されていた。おれと同じ立場の人間......何処かの国の諜報員かと疑い、泳がせていた。彼女の目立った行動は巨大プリンを作ったくらいで、普段の行いは一国のエージェントにはみえなかった。

 

 

各国共同の最終暗殺計画もあることだし、不安要素は消しておきたいと判断し、茅野さんの素性を洗い直すことにした。

 

 

 

本名は【雪村 あかり】

 

元天才子役の正真正銘の中学生だった。そして3年E組の前担任【雪村 あぐり】の妹。その婚約者である【柳沢 誇太郎】は国際エネルギー研究機関に所属していたが、日本に在ったその研究施設は爆発事故のため、なくなっている。

 

 

ここまで判明したら語らずとも察知する。

 

 

【シロ】が【柳沢 誇太郎】だとすれば、

触手に異様に詳しく、防衛省のコネ、イトナ君に植え付けた触手......

 

 

 

ならば、【殺せんせー】は【柳沢 誇太郎】が研究していた実験体というところかな......

 

 

 

......とんでもないことを知ってしまった。何かの陰謀を感じる。そして、おれの勘が当たってしまった。

 

 

 

***

 

 

 

......怒涛の超展開だった。

 

なんと、茅野さんは自ら触手に手を伸ばし、姉の仇のためにずっと息を潜めていた。獲物を狙うように堪え忍んでいたのだ。彼女の精神力に脱帽する。

 

 

そして感情が爆発し、触手のコントロールが効かなくなったところをE組総出で止め、一命をとりとめた。

 

 

止めた方法?

 

純粋な中学生だった彼らはビッチさんに毒されたのだ......

 

 

「最初は純粋な殺意だった。けれど、殺せんせーと過ごしていくうちに、殺意に確信が持てなくなっていった。私の知らない別の事情があるんじゃないか、殺す前に確かめるべきじゃないかって......でも、その頃には触手に宿った殺意が膨れ上がって思いとどまることを許さなかった」

 

 

目を覚ました茅野さんはそう独白した。

 

 

 

「――――2年前まで先生は【死神】と呼ばれる殺し屋でした。それからもうひとつ。放っておいても、来年3月に先生は死にます。ひとりで死ぬか、地球ごと死ぬか......暗殺によって変わる未来はそれだけです」

 

 

 

この場にいる全員が息をのんだ。

 

この目の前にいる超生物は、はじめから()()()()()()()。知っていた上で、自分の死を受け入れている。

 

 

【殺せんせー】の語る過去の話は、決して開けてはならないパンドラの箱。

 

ぼくが生徒であっても、潜入捜査官のおれが知る必要はなかったこと。

 

 

踏み込まないようにしていたのになァ......

 

 

きっとこれは誰にも明かしてはならない。幼馴染や同期であっても。墓場まで持っていかなきゃならない【真実】だ。タラリと背中に冷や汗が落ちる。知りすぎてしまった者の末路がどうなるかなんて、口にするまでもない。おれの頭に浮かんだ答えは存在ごと闇に葬られ、消されるということだった。なんてこった。一気にこの潜入任務の危険度が跳ね上がった。そして卒業後のおれの進路も、ろくなものじゃないことを悟った。いい加減、決断しなければ。おれは取り返しのつかないヘマをして、沈み行く泥船に乗ることはゴメンだ。

 

 

おれが迫り来る現実に打ちのめされたとき、彼らはそれまで考えないように敢えて言うなら思考放棄していたことに気がついてしまった。

 

殺せんせーを殺すという意味を。

 

 

あんなに固く結ばれたE組の【殺意の絆】は、グラグラと崩壊の音をたてはじめた。

 

 

 

 

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報告書

 

茅野カエデが触手により暴走。殺せんせーによって触手は取り除かれたが、彼女の精神状態を鑑みて入院。

 

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