童顔系潜入捜査官 作:くりっぷ
3年E組 通称【暗殺教室】に潜入して早数週間。とにかく濃すぎる日常だった、と言っておこう。
外国人教師によるセクハラ授業。なんだよ、公開ディープキスの刑って。
中学年3年生って思春期の真只中なのに、こんな教育現場でいいのか?......ディープキスの餌食になってる男子生徒(たしか、木村君)に合掌。
これ、通報案件だよな?PTAとか教育委員会とかどーなってんだ?
......というか、この現場を報告するかと思うと、頭が痛い。上層部の人間って頭堅いヤツ多いのに。ただでさえ、未成年による暗殺ってだけでも、すげー問題なのに......
そんなことを考えていたせいか、ビッチさんに目をつけられた。
「アラ......あんた、たしか飛鳥っていうガキね。ちょっとこの例文読んでみなさい」
おずおずと立ちあがり、黒板の例文を見る。......なんて卑猥な例文。堪えろ、耐えるんだ。苦し紛れに答えると、ビッチさんは続けて解説に入る。おい、中学生になんてもの教えてんだ!!!なにが、「ベッドの中での君はすごいよ」だ!!
「You're all bum and parsley.」
おれが吐き出した一言は、教室全体に届いた。しん、と静寂した空間に、ピキッとビッチさんがキレた。
弁明するならば、おれは、成人男性なのに中学生と偽って潜入しているイライラと、上司への報告書作成、その他諸々のストレスが限界点を突破した。
そして、ビッチさんは、師匠にプレッシャーをかけられていた。きょうは、教師同士で模擬暗殺していた。
ハッとしたときには、ビッチさんはこっちに迫っていて、これから行われるであろう処刑に反射的に回避する、が......
果たして、一般的な中学生が条件反射で素早く動けるか......脳内計算した結果、中学生らしくうぶな反応をみせて、その場を乗りきった。
潜入捜査官だとバレるか、と天秤にかけたら、この選択しかない。仕方なく、公開ディープキスの刑を受けた......確実におれの何かが破綻していくが、金髪褐色野郎のゴリラ的制裁よりまだマシ......だと思うことにする。
そして、烏間さん。おれの(余計な一言)のせいで、ビッチさんは貴方をすっっっごく殺る気になったみたいです。
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報告書
椚ヶ丘中学 3年E組 通称【暗殺教室】
このクラスはぶっ飛んだ教育現場である。危険人物が教壇に立っていたり、グレーな表現満載の英会話だったり、防衛省の教官直々に暗殺指導だったり、暗殺者が教室に潜んでいたり、指摘点は数えたらキリがない。
結論:この教室は無法地帯に違いない。