童顔系潜入捜査官   作:くりっぷ

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side E組

 

 

「彼は政府から特殊任務を言い渡された潜入捜査官だ」

 

 

 

烏間先生から言い渡された突然の告白は、E組に波紋をもたらした。

 

 

「今までのことは全部、監視のため......?」

 

「私たちを騙して近づいたってこと......?」

 

 

言葉に詰まり、静寂が包む。

 

「ンだよッ!!飛鳥(アイツ)......どうせガキの子守りってことだろ?何も言わずに出ていきやがって......!」

 

「でも、飛鳥君......体張って、私たちのことを守ろうとしてくれたんだと思う。イトナ君のときだって、飛鳥君から連絡なかったら私たち何もできていなかった......」

 

「......たしかに茅野を助けたとき腕一本犠牲にしてたな......殺せんせーが居なかったらと思うと、ゾッとする」

 

ざわざわと口にしていく。

 

「警察ってことは、政府が殺せんせーの暗殺を計画したことも知っていたってことでしょ?私たちに黙ってさ......ロケットに乗って、はしゃいでいた私たちをどんな気持ちで見てたんだろう......」

 

 

また、しん......と教室が静まりかえる。各々、胸の内で飛鳥に対する複雑な気持ちが渦巻いていた。

 

 

「ふぅん......だからあのサバゲーで、後悔するって、棄権したんだ」

 

のんびりした口調でカルマが言った。それに続くようにガタリと渚が席を立った。

 

 

「あのとき、飛鳥君は言ったんだ......【僕らが殺すことなんてしなくていい。優しくて温かい世界に()()なんていらない】って......だから飛鳥君は、本気で僕たちを守ろうとしていたんだと思う」

 

渚がよく通る声でまっすぐみつめて言った。

 

「だからって、このまま雲隠れってムカつく......俺たち皆、飛鳥にいっぱい喰わされて、殺られっぱなしかよ......なぁ、みんな?」

 

ニマニマと悪魔の顔をしたカルマが焚き付ける。

 

 

()()がいらない、か......俺たち、殺し屋(アサシン)だっていうのにな」

 

「それも殺せんせーと人類最強とビッチに叩き込まれた【暗殺教室】のな!」

 

「皆の意見もまとまったな......じゃあ、いっちょやりますか!」

 

 

標的(ターゲット): 飛鳥 進

 

 

スラスラと磯貝が全員の顔を見渡し、チョークを持った。

 

 

***

 

 

茅野がアドバイスブックを持参して、ページを開き、指で示した。

 

【いなくなった友達の探し方】

 

全員で本を囲み、読み進めていく。

 

 

【友達が潜入捜査官だった場合 p.310へ】

 

パラパラと該当ページを探す。

 

 

【友達は君たちと会うことを望んでいません。それは君たちを蔑ろにしているのではなく、寧ろ危険から遠ざけるために姿を消したと推測します。】

 

【恐らく友達は、今も何処かの組織に潜入しているのでしょう。そっとしておくのが一番です。】

 

【ですが、君たちが本気で友達と会いたいのなら先生は止めません。でも長期戦になることを覚悟した方がいいでしょう。彼もまた、暗殺教室の生徒だということを忘れないように。】

 

 

 

「殺せんせーは知ってたんだな......」

 

 

つんと胸の奥が痛い。自身がいなくなった後のことまでちゃんと考えていたことを突きつけられた。

 

 

 

***

 

 

 

「潜入捜査官ってことは、あまり目立ったらいけないんでしょ?」

 

「大っぴらに名前を呼ばない方がいいかも知れないな......」

 

「飛鳥のコードネームって、【スマイル0円】だっけ?」

 

「全然スマイル提供されてない。律ならすぐ見つけられると思ったのに、先に根回しされてやがる......飛鳥ってば、パソコン強すぎだろ......見ろよ、この画面」

 

 

 

 

おきのどくですが

 ぼうけんのしょ アスカ は 

きえてしまいました

 

 

 

パソコンの画面には某有名RPG風の文言が表示されていた。何人かのキレやすい生徒はピキッと青筋が浮かび上がった。

 

「この際、コードネーム変えるか?」

 

「「「「「......賛成」」」」」

 

コードネーム:童顔詐欺師

 

 

 

警察官である飛鳥を皮肉ってつけられた。

自分たちを騙していたこと。幼さの残る顔と騙しのプロを掛け合わせた。

 

それがこのコードネームの由来であることはここだけの話だ。

 

 

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