童顔系潜入捜査官 作:くりっぷ
むかし、むかし。ある小さな村でのこと......
今日はみんなの怖いものを言い合ってみないかい?
おぉ、それはおもしろそうだ!
おれはクモだけはどうしてもダメだなぁ
おれはヘビが苦手だなぁ......あれがウヨウヨと動く姿をみると、鳥肌がたつわい。
いやいや、毛虫がいちばんこわいな......木から突然落ちてくるのは堪らんよ......
***
side E組
「―――んで、お前らは勝手に突っ走って見事返り討ちにあったのか」
渚とカルマ以外の生徒がゲンドウポーズでことの真相を把握した。
「何も言わなくても、君たちの気持ちは伝わってる......ずっとおれを探してたんだろ」
だからって死んだなんて......俺たちの涙を返せ!とくに木村のSAN値ゴリゴリに削られたんだぞ!?
「悪かったって......でも人の本性が見られるだろ?」
悪戯が成功したように綺麗に微笑んでいる。思わず、絶句した。
「心配しなくとも、烏間さんも協力してるから死んだフリは問題ない」
問題大有りだッ!!何で烏間先生、止めなかったんだよ!?唯一の常識ある大人なのに......
「それに......君たちとの絆が本物ならきっと気付いてくれるだろうし......現にここまでたどり着いたしね。健気すぎて泣けてくるよ」
以上が被告人:飛鳥の弁解だ。
「萩原さんたちから話には聞いてたけどさ......」
「外道すぎる......」
「サディスティック通り越して、サイコパスなのでは?」
「松田さん、飛鳥のために我を失うくらいキレてたのに」
「萩原さんなんて、非番の日があったら墓参りいってるんだぜ......」
じめじめとした空気が漂う。
「怪談話も平気そうだよな......なんか夏と言えばさ、沖縄リゾートの暗殺計画を思い出すわ......」
「あぁ、三村が編集した動画を上映して、殺せんせーを水の檻で封じ込めて」
「失敗して、殺せんせーが完全防御態になって......」
「そんなときに皆がバタバタ倒れてさ......」
懐かしむように脳裏にあの夏の思い出が浮かぶ。
「それだッ!」
ガタンっと立ち上がった渚に視線が集まる。
「え?」
ポカンとした顔の周囲に渚は説明した。
「あのときみたいにさ、じわじわと精神的に追い詰めたらどうかな?」
「いや、それ効くのか?」
至極冷静な声が反論する。ザワザワとするなか、カルマが顔をあげた。
「殺ってみる価値はあるよ」
パッと渚が振り向く。
「Sは打たれ弱いんだ」
それが後押しになり、彼らの
***
side 潮田 渚
「いらっしゃいませ!」
喫茶店ポアロの扉をくぐると、金髪褐色のイケメン店員が挨拶する。以前臨時でバイトのピンチヒッターをしていた磯貝君によれば、安室さんは私立探偵とバイトを掛け持ちしているらしい。
どうしてわざわざ僕が依頼することに成ったのか。それは、このクラスで最も無害に見えるからと満場一致で決まった。......複雑だけど、任されたからにはやりとげなきゃいけない。意を決して、口を開いた。
「......すみません。私立探偵の安室 透さんですよね?依頼したいことがあるのですが」
カランと扉を閉めた拍子にベルが鳴り響いた。
飛鳥君の顔写真を見せ、【彼の生前の様子を知りたい】という依頼内容を伝えた。
「どうしてそんなことを......?」
安室さんは訝しげな表情をした。
「実は、死んでも化けてきそうな友達で......本人はお巡りさんが苦手だって言ってたんでその関連で、穴に入りたいくらいのエピソードがあればと思って......今度、酒のさかなにでもなればと......」
予めカルマから用意された理由を苦しまぎれに言う。こんな怪しい動機で本当に受けてくれるのだろうか?
―――「飛鳥は警察官なんだし、その知り合いもいる。萩原さんたちに直接聞いてもいいけど、もっと弱味になるネタほしいじゃん。
探偵だったら、隠密に調査できて警察のツテも俺たちより深いはず。俺らが表立って周囲をかぎまわると計画が中止になるから......その探偵には囮になってもらって、ついでに弱味知れたらラッキーなくらいでいいからさ」
そんなことをカルマは言ってたけど.....そんな僕の心配は杞憂だった。
「わかりました。その依頼お請けします」
安室さんはぎゅっと両手を掴んで快く引き受けた。
「あぁ、でも情報提供者の方は匿名になりますがそれでもよろしいですか?」
安室さんは眉を八の字にさせ、僕に尋ねた。
「いえ、構いませんよ。ありがとうございます」
***
「【キノコディレクター】準備はどうだ?」
「バッチリだ!」
旧校舎の教室にはモニターが設置され、机は後ろへ移動し、アーチ状に椅子が並べ置かれている。
「【中二半】と【性別】がターゲットを誘導」
ターゲットが教室に足を踏み入れた。