童顔系潜入捜査官 作:くりっぷ
同窓会をするというので、E組のあった教室へ連れてこられた。
モニターの前の特等席に座らされ、上映会が始まった。原さんお手製のお摘みが配られ、おのおの着席する。
《マイ ベィビー
ダズ ザ ハンキーパンキー..........》
歌詞を訳すと、俺の彼女はハンキー・パンキーするのさ......
Hanky-pankyの意味は
①ごまかし、いかさま、策略
②浮気、恋愛遊戯
③手品
④たわごと
いずれにしてもあまり良い言葉ではないな......
嫌 な 予 感 し か し な い!!
モニター画面には【踊る‼ころ御殿!】と表示されている。某トーク番組風のロゴとオープニングが始まった。
《酒のさかなの為なら、バラします!死人にくちなし、思いっきり語りましょう!友人の暴露トーク、スタートでーす!》
......ちょっと待て......
タラリと汗が落ちる。チラリと杉野君をみるとニカリと歯をみせていた。心なしか周囲もワクワクした雰囲気で、三村君は自信満々だし、茅野さんは明るいトーンでナレーションをしている。
《お巡りさん【伊達巻】さんの友人のちょっとズレているところ
久しぶりに同期皆で集まって飲みに行こうと提案した。俺は【6/28はどうだ?】と一斉送信で都合がつくか尋ねた。
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to:伊達巻
件名:Re:約分して3/14
100億のツチノコ
見に行ってくる
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同じく一斉送信で友人は返信をした。
(((((計算ドリルかッ!?)))))
こんなツッコミを入れたのを覚えてる。
どういう意図のメールなのか、全くの意味不明。同期たちで推理をしたが、迷宮入りになった。
今思えば、ちょっとコンビニに出掛けるというノリの失踪メールだった。......もっと他に書き方があっただろうに......
同期の間で友人は【ツチノコ探しに高飛びした】と噂が広まった。》
おれの誤爆メールじゃないか!!殺せんせー作成の数学の宿題を終わったあとに返信したから......わざわざ再現VTRまでつくって......ところで【伊達巻】って、聞きおぼえがあるんだが......
「実は天然......?」
「ツチノコって、殺せんせーのことだよな?」
ほら外野がこそこそざわつき始めた。
《お巡りさん【わたあめ】さんの友人のズレているところ
ある梅雨時、窓際の座席に座っていた俺をじっとみて
「......よし」
―――その日は太陽が照っていた。
「2割増し、だと......!?」
―――大雨だった。
「う~む......落ち着いてるのか?」
―――曇りだった。
毎日勝手に自己完結しているので「何してんだ?」と聞けば、「今日の天気を確認してる」と天気予報扱いされ、その的中率の高さから重宝された。》
いま、確信した。【伊達巻】【わたあめ】とくれば......
《お巡りさん【おはぎ】さんの友人のズレているところ
寮生活で「遊ぶ暇がなくてつまらない」と友人たちに愚痴を溢した。
「たしかに日常にほんの少しスパイスがほしいよな」
「スリル、ショック、サスペンスか......いいな」
「おい......ひとりノリ気になってるぞ」
「ハハハ!まぁ、ハギの不満もわかる」
「お前ら、真面目に勉強しろ」と同期の首席が締め、その日の話はそれでおわった。
翌朝、座学の教室のドアを開けると、
「「「けーんじくん、あそびましょー」」」
野太い野郎どもの声で、教室にいる全員がハッ⚫リ君のお面を被って俺を出迎えた。声にならない叫び声をあげた俺に、友人は「ご協力ありがとうございましたァ」とすっっっごいイイ笑顔をしていた。つまり、俺以外みんなグルだった。友人は「ハギが落ち込んでいたので」のあくまで善意だと主張した。だからといってアレは心臓にわるい。》
やっぱりお前もか!!【おはぎ】って、そのまんまじゃねーか!!だいたい【わたあめ】って可愛らしいものじゃないだろ!?チンピラ警官だろおまえ!!
《お巡りさん【タバスコ】さんの友人のズレているところ
友人と俺は長い付き合いで、所謂 幼馴染だ。何気無い会話で友人は「悪の秘密結社の幹部って面白そうだよな」と興味を抱いていた。そのとき俺は「何、バカ言ってんだよ」と笑い飛ばしていた。今だから言えることだが、このとき俺がちゃんと友人の話を聞いて、止めていたら、あの悲劇()は起きなかったかもしれない。
今になって発覚したことだが、友人はちゃっかり悪の組織の幹部を勤めていた。バイクを乗り回して、白バイと追いかけっこしてたり、スタントマンのようなアクションで気紛れに人助けしてたり......ネットで【リアル仮面ヤイバー】と話題になり、友人のSNSのアカウントのフォロワーが爆発的に増えた。
敵対していた白バイ連中といつのまにか和解し、長年の戦友のようにハイタッチしていたのを目撃した俺は卒倒しかけた。
白バイが頭を悩ませていた【白い悪魔】と異名を持つ暴走車の捕り物に一役かったらしい。その【白い悪魔】とは何かと気になった俺は野次馬に紛れた。
【白い悪魔】は、俺のもう一人の幼馴染だった。
白バイは当然、自らの仕事を全うしただけだ。
【白い悪魔】は警視庁に用事があったらしく、大人しく同行した。
そして友人は「アイツもNOCだろ?違和感なく堂々と古巣に行けるし、白バイは捕り物できた......win-winで何も問題ないじゃん。」と説明した。当時、俺は友人を組織の幹部だと認識していたため、すごく微妙な気持ちになった。
だが、組織の幹部が実はお巡りさんで、友人であると知った俺はゴンッとデスクに頭をぶつけた。
すべては
友人よ、あの茶番を把握した【白い悪魔】はお怒りだ。》
......こわっっっ!!ぞぞっと寒気がした。まじか。あいつは今、スーパーサ⚫ヤ人になってるのか......金髪だし握力ゴリラだし、マジギレしたら手がつけられないし......
《お巡りさん【カレー粉】さんの友人のズレているところ
友人と僕は人よりちょっと目立つ容姿をしていた。上級生に目をつけられることも多かった。
「何、調子のってんだテメェ」
「生意気なんだよ」
呼びだしを受けることもあり、「大丈夫か?」と心配したが、友人は「お話してくるだけだから」とそれに応じた。ケロッとした様子で帰ってきた友人に何があったのか聞き出そうとしたら......
「おはようございますっ!!」
「俺たち今日から舎弟になるッス」
「焼きそばパン食べたい」
「「今すぐ買ってきやすッ!!」」
友人は 喧嘩を売ってきた不良を手名付けていた。》
......【カレー粉】まで絡んでるのかこれ。どこで接点があったんだ?この子たちの人脈、広すぎる......
エピソードが語られるのに比例して、おれの目は死んだ魚の目をしていった。鑑賞は小一時間にわたった。
【みりん】
イメージはリュウタロス (仮面ライダー電王)
殺せんせーのアドバイスブックを参考して誕生した悪の組織の幹部(笑)
バイクを乗り回してる。
→teenだという設定で、免許の都合上。
びっくりドッキリバズーカ砲で建物を破壊するのは、組織内で常識とされている。
バーボンから死亡しただろうと連絡があったあと、激震が走った。【みりん】のファン及び信者が暴徒化し、組織はあっという間に瓦解していった。
ネットで、【リアル仮面ヤイバー】とバズった。本人の知らぬところでグッズ化され、黒歴史量産中。
初対面の工藤新一に苦言をしたのは、自らの経験が8割と、仮面ヤイバー扱いされている自分を思い出してみていられなかったから。