2分割したかった…。
《3》
時は回り、一緒に登校しようと言う話を丁重にお断りして家を出てた後、僕はぽけーっと通学路を歩いていた。
理由は単純、風景に見とれていたからだ。
にしてもほんと古風というか落ち着く街だよな。
まるで中世ヨーロッパの街並みだ。
あぁ、心が癒されーー
「あっ、ユウキさんですよね…?」
「うわぁあぁぁあ!!!」
かくも、ねこだましを食らったかのように不甲斐なく地面に転がる男の姿がそこにはあった。
「なにも、そこまで驚かなくても…」
金髪ゆるふわウェーブを伸ばした女の子が困惑した表情でこちらを覗いてくる。
「なんだ…桐間さんか」
桐間紗路さんは甘兎庵のお隣のボロ…家に住んでいるご近所さんである。
「なんだ…ってなによ」
桐間さんのジト目が痛い。
「いや、鬼畜和菓子娘かと思って」
そう言うと、はぁ、と桐間さんはため息をついて僕をじっと見てきた。
「またなんかしたの?」
どうして僕がやらかした前提なの!?
「僕じゃないですよ!聞いてください!
あの人ドラムで起こそうとするわ、2時間前に起こされたと思ったらランニングさせられるわ、踏んだり蹴ったりですよ!」
ちなみにランニングに鬼畜和菓子娘は参加せず、応援しているだけだった。
「千夜も千夜でやり方が強引ね…」
「そうなんですよ!桐間さんからバシッと言ってやってくれませんか?」
僕は両手を合わせて懇願する。
「そう言われても…1回2人で話し合った方がいいと思うのよね」
僕は膝から崩れ落ちた。
仕方ない、こうなれば最終手段を使わせてもらう。
「そこを、そこをなんとかぁ!!」
道端で女の子の袖をつかみ、泣きじゃくる男がそこにはいた。
ここは多くの人が行き交う道中、当然目線が集中する。
「わ、わかったわよ!わかったから離して!恥ずかしい…」
「ありがとうございます。じゃあ」
これで目的は達成したな。行くか。
「嘘泣き!?待ちなさい!こらぁぁ!!」
顔を真っ赤にして桐間さんが追いかけてくる。
甘兎庵を出た時とデジャブだな…。
(4)
なんとか桐間さんの追跡をふりきり、ようやくたどり着いたのはいいが…。
「いや、雰囲気違いすぎだろ」
まさかのビル…である。
僕の通う学校は2つ校舎があって、僕はそのうち新しくできたほう、このビルに通うらしい…。
校門から見上げるその威容は威圧感たっぷりである。
何階建てなんだろうか。
こっちはてっきり別棟も温かみのある木製なんだろうなと思っていたのにあてが外れた。
そのまま、すたすた歩いて入口にたどり着く。
さっきまではレンガの床だったのにコンクリの床かー。
周りを見渡してみると今日入学式の同級生かな?ぽつぽつ人がいる。
突然トントンと背中が叩かれた。
背中がビクってなったわ。
チキンってバレちゃうだろ!!
…それにしても今日はよく話しかけられる日だな。
「この別棟に来てるってことは、普通科の新入生ですか〜?」
僕はおそるおそる振り向いてみる。
そこには白髪を腰まで伸ばした物腰柔らかそうな女の子がいた。
「そ、そうだけど?」
「私も普通科の生徒なんです!よかったら、一緒に教室まで行きませんか〜?」
特に断る理由も無い度で直ぐに「うん」と相槌をうつ。あと、美少女に誘われて了解しない男はいない。
……鬼畜和菓子娘は別として。
「あれ…もしかして私の事分かりませんか〜?」
「え"?」
女の子の発言に動揺して変な声出たじゃん。
僕の発言を嬉しそうに聞いた女の子はふふふと笑っている。
「では問題です!ユウキくんと同じ中学校だったんですが誰でしょうか〜!」
いやいやいや。
覚えてないなんていえない…。
「……ちょっと時間プリーズ」
どうしよう…どうしよう。
でも白髪か…。
こればっかりはさすがに変わってないと信じて脳内検索エンジンをかける。
確かに誰かの面影があるような…。
「もしかして、書記の神崎さん?」
そう言うと神崎さんはニッコリと笑ってくれた。
「そうです!会長もお久しぶりです〜!」
まあ、普通に言うと髪結んでたのに伸ばして、眼鏡もとってせいでわかんなかったや…人って変わるんだな。
例えるなら水に濡れたアンゴラウサギと水に濡れてないアンゴラウサギぐらい違う。
うん、くっそ分かりにくいな。
「神崎書記はどうしてこんな遠くの学校に?」
「私は昔お世話になった教会のお手伝いをするためにこの街に来ました〜」
アーメンのポーズを取り出す神崎書記。
なんかエセっぽいな…。
「それで会長はどうしてこの街に〜?」
「…僕はこの街のある噂について調べに来た」
余談ですが、校舎が違うだけで千夜とオリ主は一緒の学校の設定です。
後半からごちうさ要素息してないけどオリ主の背景語らせてちょんまげ…。
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