《5》
「噂ですか〜?」
「この街な、最近うさぎが消えてるらしいんだよ」
それもあの時と同じように。
…必死になって見つけた手がかりだ。これを逃す訳にはいかない。
「そうですね〜。うさぎが有名な街にしてはあんまり見てない気がします〜」
それからたわいもないことを話こと数分。
「あっ、僕はこっちの教室だから。またね」
「はい〜、また会いましょうね〜」
《6》
授業後になって、僕は早速行動に移ったのだがーー。
「この街は、もふもふの、もふもふによる、もふもふのための町なのかもしれない」
とか言いながら広場のベンチで僕はうさぎ達にまとわりつかれていた。
鬼畜和菓子娘も神崎書記もうさぎを最近見ないって言ってたのにな…。
こいつら簡単に集まってきたよ。
ん…?
考え事しすぎていて、誰かが眼前に立っていることに気が付かなかった。
なんだろう…?
「あ、あの…」
「はい」
「どうしたら、そんなにうさぎと仲良くなれるんですか?」
青っぽい髪を腰まで伸ばした女の子がおずおずと尋ねてきた。
「わかんない」
「え?」
「なんか、うさぎの方から僕に集ってくるんだよね」
「そうですか…」
そう言うなり、女の子はしゅんと落ち込んでしまった。
「うさぎと仲良くなりたいの?」
「…はい」
僕はまとわりついている内の1匹を掴み、女の子の前まで持っていく。
「そーと、さわってごらん」
「あ、ありがとうございます」
女の子がゆっくり、ゆっくりと手を伸ばす。
……………。
………。
…。
いや、ゆっくり過ぎ!!!
うさぎって思いの外重いな…。腕がぷるぷるしてきた。
やっと、うさぎに触れてくれる。と思った瞬間それは起こった。
女の子の手がうさぎに触れる直前、うさぎはなんと前足を使って女の子の手を叩き落としたのであった。
それを合図にか、僕に群がっていたうさぎ達は一匹残らず逃げていくのであった…。
《7》
いや、まさかあんなに広場にいたうさぎ達は一匹残らず居なくなるなんて思わなかった。
なんて考えてる場合じゃない。
アフターケアだ。僕はアフターケアをせねば。
「ま、まあ。そのドンマイ!」
もうちょいましな励まし方はなかったのか!
しかし、僕のペラペラなコミュニケーション能力ではこれが限界…。
「う、ううっ……」
!?!?!?
女の子が泣いてしまった。
おい、この構図は非常に不味くないか?
男1人に小学生くらいの女の子が泣いている。
もし誰かに見られたら…
「もしもし、警察ですか?あの広場に………」
なんてことになるかもしれない。
な、何とかせねば。
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