「よって、ここはこうすると答えが出るんだよ。いいかい?
平面ベクトルは難しく考えちゃダメ、やり方さえわかれば大した問題じゃないよ」
「わかりました!白金先生!」
「はーい。つぎの人どーぞー」
「先生、俺はここの証明がよくわからなくて……」
「んー、軌跡と領域の範囲の証明は形がほとんど決まっているから何度も類題を繰り返して体に覚えさせるしかないね…。
ちょうど今数2の問題集あるからコピー取ってくるから宿題として家でやってきてちょうだい。
明日の放課後にまた来てね」
「はい!ありがとうございます!」
ガチャ
「ふぁぁ……やっとおわったぁー」
コンコン
「しつれいします」
「どうぞー…って、剣城さんか。
どうしたの?わからない問題あった?
一応理数系なら問題はないけど…」
「あ、いや。違います。
今日は先生にお願いがあってきました」
「え?お願い?」
「はい…実は…………」
「なるほどね……。
入院している妹に俺の手品を見せたいと……」
「お願いします!」
うーん……どうしようか……
あまりメリットが見当たらな………
まてよ?
ここは数学準備室で人の出入りも少ない。
そして今ここにいるのは俺と剣城だけ…
なら大丈夫か。
「わかった。でもそのかわり、一つ俺の質問に答えてくれるかな?」
「!わかりました!なんでも聞いてください!」
妹に手品を見せられるからか嬉しそうだ……
「本当にいいんだな?それでお前らの運命が狂うかもしれないぞ?」
「?大丈夫です」
「わかった。ならば問おう……。
お前ら、キラパティにいたあの5人は……………
プリキュアか?」
「っつ!?」
「今の反応でお前らがクロかシロかわかったよ。
実質俺の質問に答えてくれたようなものだからな、約束は約束だ。
俺はいつ手品を見せに行けばいい?」
「……明日です」
「そうか、わかった」
?なんで剣城は絶望してるんだ?
「先生はなんで……」
「うん?」
「なんでそんなことを急に聞いたんですか…?」
・・・・・あ!
「あー………。もしかして誤解させちゃったかな…。
別に俺は剣城さんたちがプリキュアだからどうこうとは特に考えてないよ。ただ知りたかったから聞いただけ。
誤解させちゃったのならそれはすまん。悪気はなかった」
「…え?私はてっきり……」
「みんなに言いふらしてまわると思いました、か?
俺はそんなことなんてしない。それは信じてくれ」
「…ほんとうですか?」
「あぁ、神に誓ったっていい」
《俺のことだな》
うっせ
「よ、よかったぁ……」
「なぁ、気になったんだが。なんでそんなに隠そうとするんだ?私たちが正義の味方プリキュアですって言えば周りは剣城さんたちのことを褒め称えるだろうに」
「ダメです。そんなことをしたらまわりに被害が及んでしまうかもしれません」
よかった、すくなくとも剣城が闇堕ちすることはなさそうだ。
「…なるほどな」
「先生はどうしてまわりに言いふらさないんですか?」
「俺も剣城さんと理由はたいして変わらないよ。それに、そんなことしたら望んだ未来じゃなくなるかもしれないからね」
「?」
「ハハハ……、気にしないで。
それじゃあ、明日の帰りのホームルームが終わったら校門で待ち合わせな」
「はい!わかりました!」
「ほーい、さよならー」
ガチャ
《白金ってマジックできたか?》
まぁ、トランプを使った初歩的なやつなら、うん。
家帰って練習するかぁ…
翌日の放課後
うーん、遅いな。
うちのクラスのホームルームを早めに終わらして、校門の前でかれこれ10分くらい待っているが、いっこうに剣城がこない。それにギラティナも眠っているので結構暇だ。
剣城に何かあったのだろうか。
「先生!すいません!!遅れてしまいました!」
「お、おぉ。気にするな。俺も今きたとこだから」
……ん?これってなんだか………
「デートみたいだな……」
「!!せ、先生!早く行きましょう///!!」
「あ、あぁ。そうだな」
病院は苺坂町からすこし遠いらしくバスに乗らないといけないらしい。
「あ、先生。妹へのお見舞い品買ってきていいですか?」
「構わないけど、なにを買うんだい?」
「チョコです。妹が一番好きなので」
「なるほどなぁ……」
…あ、手品にチョコ使ってみよう
〜〜〜〜〜〜〜〜病院にて〜〜〜〜〜〜
「ここが妹さんの部屋?」
「はい。みく?入るよ?」
「!はーい!」
ガラガラガラ
中に入ると剣城に似た髪の子がベッドの上に座っていた。こちらを見てキョトンとしている。
あ、俺がいるから。
「はじめまして。えっとみくちゃんだっけ?今日は君のお姉さんに頼まれて手品を見せにきたんだ。見てくれるかな?」
「え!手品!?みたいみたい!!」
こんなに嬉しそうにされたら頑張らざるをえないな。
「じゃあまずはトランプを使った手品からみせよう」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「すごーい!!!」
「そういえばみくちゃんってチョコ好きなんだっけ?」
「はい!大好きです!」
「それじゃあ、チョコの瞬間移動を見せるから俺の手のどっちに入ってるかを当てられたら、そのチョコをあげるよ」
「え、瞬間移動!?」
「うん、それじゃあいくよ」
両手にチョコを一個ずつのせて、手を握り、そのあと開くと片方の手にチョコがいどうし、二個になるというよくあるコインマジックのチョコバージョンを披露した。
みくちゃんは流石に1回目は正解できなかったが、見事に2回目でどちらにあるか当てることができた。
「先生、みくのためにありがとうございます!」
「先生?」
「え?あぁ、そういえば自己紹介を忘れてた。俺は白金翔。みくちゃんのお姉さんの通っている学校の先生だよ」
「あっ、えっと!わたし、剣城みく!9さいです!姉がお世話になっております!
ん?白金先生……?あっ!白金先生っていつもお姉ちゃんが言ってる人だ!」
へぇ、剣城が俺のことをか。なんて言ってるのか気になるな。
「おー、いつもなんて言ってるの?」
「えっとねー、確かかっ「みくっ!しー! しー!」えっ?あっ、そうだった!秘密です!」
……まさかそんなにいい評価じゃないとか?
え、それは悲しい。
「そ、そっか……」
でも確かに昨日俺が怖がらしたりしたのも事実だしそれは仕方ないかなぁ。うん。
「それじゃあ、そろそろ時間も時間だし私と先生は帰るね」
「うん!ばいばーい!」
〜〜〜〜〜〜病院の外にて〜〜〜〜〜〜
「俺の手品が喜んでもらえたようでよかったよ」
「………」
「?剣城どうした?」
「先生、あの、えっとですね…///」
「ん?どうした?」
「その……………から」ゴニョゴニョ
「から?」
「私!別に先生のこと嫌いじゃないですから!」
え?
「えええ!?そうだったの!?よかったぁ。俺、怖がらせちゃったからてっきり…」
「そんなわけないじゃないですか!」
「ははは…なら安心したよ。ただの俺の勘違いで」
やっぱり異性に悪感情持たれるとこう、胸にくるものがあるよね。
「…先生、お願いがあります」
「ん?なんだい?」
「……二人の時は名前で呼んでくれませんか///?」
??なんで名前でなんだ?
……!そうか!なるほどな、さっきみたいな変な勘違いを避けるためか。
もしくは、より仲良くなって親睦を深めたいという剣城の願いか…
どっちにしてもいいやつだなぁ…。
「わかった、これからよろしく。あきら」
「!! はい!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
プシュー
「もうすっかり空も暗くなったな」
「そうですね…それでは先生!また明日!」
「あっ、まって」
「?なんですか?」
「もう夜遅いから家まで送ってくよ」
「えっ!」
流石に女性、しかも生徒を夜中に一人で帰らせられるほど神経は図太くない。
「だ、大丈夫ですよ」
「遠慮しないで、あきらのことが心配なんだ」
「わ、わかりました…先生がそこまで言うなら……///」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いちかside
今日あきらさんキラパティにこなかったなぁ…。どこ行ってたんだろう?
家のベランダからあきらさん家を見ても電気がついてないからまだ家に帰ってないんだろうし…
ん?奥から歩いてくるのはあきらさん!……と誰だろう?ゆかりさんかな?
……え!男の人!?!?
すごい楽しそうに話してる…。
あ、あきらさんの家の前に着いたら男の人去ってった。
……気になります!!明日聞こう!!
投稿頻度少し落ちます!
ほんとすいません!