ベーコンのせいで遅くなりましたが戦闘シーンはばっさりカットです。
あの青色の宝石を初めて見たのはいつだったっけ。
薄らとした意識の中に規則的な音が聞こえて目を開けた。
視界に入ってきたのは病的な白で、詰まるところの『知らない天井だ』、というやつだろうか。
ん?『知らない天井だ』? こんな言い回し耳にした記憶は無いが……、ああ、そっかそっか。耳にしたのは『私』か。
「あ、河瀬さん、目を覚まされたのですね。お加減はいかがですか?」
そんな声が聞こえたのでなんとか横を向くとこれまた目に飛び込んでくるのは白色を来た人。ああ、ここは病院かと納得して、とりあえず返事をして口を開くもひゅー、と掠れた音しか出なかった。
「ああ、ごめんなさい。……そうですね、私の声が聞こえたら頷いてください」
まるで結構な間声を出してないみたいに掠れた喉だったが、その人は意を汲んでくれて首の動きで返事できる質問をしてくれた。こくり、となんとか頷くと、軽く何個か質問をしてきた。痛いところは、だとか、体に違和感は、だとかを聞いた後、体温や脈なんかを簡単に調べて、まだ寝たいか、と聞くので首を縦に振る。正直すごく眠い。
でも縦に振った後その人の顔を見た記憶が無くて、どうやら私はまたすぐに寝てしまったようだった。
私がアクトレスを志したのはいつ頃だったか、あんまり覚えてないけど、そのきっかけというか、トリガーというか、根幹になった"あれ"に出会ったのは、中学になってすぐぐらいの事だったはずだ。
その頃にはお義父さんとお義母さんに完全に懐いていたけど、なぜかその日はふと思い付いて、まっすぐ家に帰らずに琵琶湖畔に寄って帰った。
そこで見つけたのはなんかごつい、白と黒の物を湖に向けてる人だった。気になって話かけたかったけど、結構な集中してるような雰囲気だったのですこし距離をおいて見てたら、その人がなんとなく振り向いたんだろう、視線があった。
なんとなく気まずげな空気の中、先に口を開いたのはその白い物を構えていた人だった。
「やあ、こんにちは。僕になにか用かな?」
「あ、えっと、こんにちは。 その、何してるのかな、って思って。 それってなんですか?」
「ん? ああ、こいつの事かい?」
言いながら白いのをポン、と軽く撫でるのこくり、と頷くと、こいつはな、と前おいて答えてくれた。
「こいつはカメラだよ。お嬢ちゃんもカメラぐらいは知ってるだろう?」
「ええ、カメラは知ってますけど、そんなに大きいというか、長いのは知らないです……」
「はは、そうだろうな。 こいつはな、ああ、見てもらう方が早いかな。 ちょっとこっちおいで」
そう言ってその人が手招きをするのでそれに答える。近寄ると、その人はカメラ? の向いている方向を指差してこう聞いてきた。
「僕が今指差してる方向、まあ、カメラが向いている方向だけど、そっちに何かしらが居るのは見えるかい? 」
「んんーーーーーー? あー、なにかオレンジ? あのオレンジの、ですか?」
「お、お嬢ちゃんは見えるか、目がいいね。 じゃあカメラ覗いてごらん」
「はぁ……」
まあ、ここまで来たらなんとなく予想は付く。きっとあのオレンジが見えるんだろう。
半ば興味の対象がカメラ?からあのオレンジ色に移ってるのを自覚しつつ、その人が指差す部分を、覗く、と。
目に飛び込んで来たのは、想像よりも、ずっと鮮烈なオレンジと、それを上回る程強烈な、けれどしなやかな青だった。
「――――――――――――――――――――――――!? 」
「見えたか? あれはな…………」
その人がその後も何か言ってたけど頭には入ってない。それほど、あの青色に私は目を奪われていた。なんでか、なんて無粋だろう。ただただ、私は”それ”に釘付けだった。
ふと、その次に、私は今覗いてるがカメラだって思い出して、
「これ」
「うん? なんだい?」
「シャッターってどこですか」
なんて、相手を無視してぼそりと言っていた。あとあと聞けば結構怖かったらしい。
「あ、ああ、ここだよ」
その言葉に、一瞬だけ指さす場所に目を向けると視線は”青”に戻して、シャッターには手探りで指をかける。
その、数拍の後に。
”青”がこちらを、見て、その羽を、広げて、
瞬間、私は―――――――――――
……懐かしい、と言っていいのだろうか、頃の夢を見た。たしかあの時いいタイミングでのシャッターで、綺麗な写真が取れて、それがきっかけでカメラの沼に浸かったんだっけ。
ともあれ、おはようございます。”私”、は、河瀬翠です。
えーっと、とりあえず目が覚めたのでナースコールでも呼びましょうか、えいや。
なんか人がどやどやと来て広くはない病室が埋まった。なして?
とりあえずはここまで。
次は、早いと、いいな……。
あ、ちなみにベーコンってのはもう一本の投稿させていただいてるオリジナルのことです。よろしければそちらも。