彩りを添えて 作:stiff
裕太
丸山と勉強会をした翌日、俺はいつも通り学校の教室に入ると何やらいつもと違う雰囲気を感じた。
黒板を見てみると席替えをするという予告が書いてある。
クラスの雰囲気がいつもと違ったのはこの席替えのせいだろう。
俺は席替えにあまり興味が無かった為、机に荷物を置いていつも通り本を読み始めた。
俺の現在の席は、前から3番目廊下から3番目の真ん中寄りの席で特に不満も無かった。
前の方になったら嫌だなぁぐらいの気持ちで本を読み進めた。
▽▽▽
「ガラガラガラ」
しばらくすると担任が教室のドアを開け、教室に入ってきた。
「黒板にも書いてある通り今から席替えをするぞ。席の場所はここに書いてあるので素早く移動するように」
そう言って1枚の紙を黒板に貼る。
クラスメイトが続々黒板の前に集まり自分の席を確認していき、俺も席の場所を確認する。すると1番後ろの窓際の席だった。
俺は一気にテンションが上がり、急いで荷物を持ちその席の場所へ向かう。
俺は窓際の席に移動し、少しにやけながら窓の外を見ていた。すると
「あれ?水無月くん!?」
後ろから聞いた事のある声がした。
恐る恐る振り向くと満面の笑みで丸山が俺の隣に座っていた。
「丸山が隣か…」
「えっ!?ちょっと酷くない!?」
今度はほっぺたを膨らまして怒ってくる。
すぐ感情が変わるので面白い。
丸山が隣だとうるさそうと思ったけど丸山をいじるのは楽しそうだ。
しばらく丸山と話しているとクラスの視線が俺に集中する。
そりゃそうか。人気アイドルが俺みたいな陰キャと話してるんだもん、そりゃ怒るよな…
俺は丸山の話に相槌を打ちながら心の中でクラスの男子に謝罪をする。
▼▼▼
彩
水無月君と連絡先を交換した次の日、私はいつも通りクラスの男の子に話しかけられながら教室へ向かう
教室に入ると黒板に席替えの予告が書いてあった。
今の席は周りに男の子が多く、授業中も私に話しかけてきて正直嫌だった。なので内心席替えをするという予告を聞いて心が弾んでいた。
▽▽▽
しばらくすると先生が教室入ってきて座席表の紙を黒板に貼った。
私はいい席でありますようにと祈りながら席の場所を確認する。「1番後ろの窓側から2番目かぁ」
場所だけ見れば悪くないのだがそれよりも周りの人の方が私には重要であった。
私は荷物を持って新しい席へ移動する
席に着き、周りの人を見てみると私の隣には昨日連絡先を交換したばかりの水無月君の姿がそこにあった。
「あれ?水無月君!?」
私はにやけを抑えられず水無月君に話しかけた。
水無月君は「丸山が隣か…」と嫌そうな事を言っていたが私は水無月君が少しにやけていたのを見逃さなかった。
私が隣で嬉しいのかな?と妄想をしながら水無月君とそのまま話をする。
水無月君は男の子の中でただ一人私に普通に接してくれる。
水無月君と話していると本当に楽しい。
これからの学校生活が少し楽しみになった。
彼ともっと仲良くなりたい。
彼の事をもっと知りたい。
そんな気持ちが少しずつ芽生えてきた。