猫な彼女と傭兵と   作:ノア(マウントベアーの熊の方)

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この作品ではお久しぶりです……
やっと完成しました、長らくお待たせしてしまい申し訳ないです……
アンケートを取ったくせしてあまり甘々してないですが、
今回もごゆっくり、見ていってください。


第10話

とある日。

俺たちは外に雪の降る中、一緒に雪かきをしつつ、ラジオを流していた。

 

『獣人種と名がついた新人種ですが、続けられてきた研究により、彼らが遺跡などに描かれていた半人半獣の存在の末裔、もしくは絵のモチーフになった存在であるとの発表がなされました。彼らが今まで見つからなかった理由は諸説ありますが、特異なDNAを持つ動物から変化する説と、野生の本能から我々人間の前に現れなかっただけで既に自然の一部となっていたとする説が―――』

 

そんなラジオのニュースを聴きながら、俺は雪かきから雪遊びに変化してしまっているミーシャの方を見る。

楽しそうに雪にダイブするミーシャを見て和みつつ、俺はひとつの疑問が浮かんだ。

 

「なあミーシャ、お前、猫だった時って寒いの弱くなかったか?」

 

そう尋ねてみると、ミーシャはゆっくりと起き上がり、服に着いていた雪を払う。

そしてこちらへと駆け寄ってくると手袋を外し、俺の顔へと当ててきた。

 

「えへへ、こうしたら好きな人の暖かさを感じれるって気づいたんです、あの頃と違って服も着てますし、元から私って雪で遊ぶこと自体は好きだったんですよ?」

 

と、ミーシャは嬉しそうに笑う。

その後すぐにへくちっ、と寒さからかクシャミをした辺り、昔よりは強くはなったが、やはり寒さに弱い人並みには寒いのだろう。

 

「……1度帰って暖まろうか」

 

そう俺はミーシャの頭に積もった雪を払いながら言う。

そして俺の持っていたカイロをミーシャのほっぺに当ててやると、わぷっと変な声を出して驚きながら、それを嬉しそうに受け取った。

 

「えへへ、ありがとうございます♪暖かいです♪」

 

そうミーシャは本当に嬉しそうに耳としっぽを動かすと、しっぽと腕ををこちらに巻き付けてきた。

そのまま俺たちは家に帰ると、俺はミーシャの為にお風呂のお湯を張る。

この頃何故か雪が多くなってきてからずっと続く、1種の習慣だ。

 

俺たちが出会い、今の関係になってから、"獣人族"と名のついた人種は、続々と発見されてきた。

さっきのニュースはDNAだのなんだの言っていたが、個人的には発見した"人間"と、獣人族になった"動物"同士の関係が関連しているのではないだろうか、そう思っている。

………もちろん、一般的になってきたからと言って、人種差別をするマヌケや、動物虐待や人間虐待ならぬ、『獣人虐待』などと言った問題や、無いに等しい法律の整備などは約立たずの名だけ政治家どものせいで進んでおらず、獣人族から多数のレイプ被害報告や虐待報告、人殺しの標的になってしまっている現実がある。

 

まあミーシャが獣人族などと呼ばれる種族であったとしても、護る事には変わりないのだが。

手を出したヤツは皆絶望させてからブチ○してやる。

 

「ミーシャ、風呂が沸いたぞ」

 

「はーい♪……あ、そうだ!ご主人も一緒に入りましょうよ!」

 

「いや、流石にそろそろそれは……」

 

そこまで言った時、俺の携帯に電話が入った。

出る前に先にミーシャに入っていてもらうことにし、誰からかとみてみれば、社長…テリー・ミヤからだった。

 

「もしもし?」

 

『おう、イチャついてるとこすまんな、明日の仕事のことで電話させてもらった』

 

「イチャついてませんよ……わざわざ仕事の事で電話ですか?」

 

『ああ、ちょっと事情が特殊でな……一般的に、というか表向きにはいつも通りの"害獣駆除"や』

 

「ターゲットは?」

 

『名前忘れたけどなんや言うオオカミ』

 

「………ブラッディウルフ?」

 

『そうそうそれそれ。普段ならナワバリを拡大するために活動範囲を広げていく生体やのにも関わらずナワバリも広げないわ何かを護ってるみたいで凶暴化しとるらしい、それの調査や』

 

「調査……討伐でなく?」

 

『使用弾薬は全て非致死性、相手が迷惑かけてきてないなら威嚇程度に留めて共存するのが1番ええ、面倒事は少ない方がもっとええ。そんなんなんでほなまた』

 

そう言い、電話が切れる。

 

「ごしゅじーん?どうしたんですか?」

 

そう風呂上がりのミーシャが尋ねてくる。

 

「仕事の電話、なんかめんどくさい任務なんだってさ」

 

そう言い、俺はミーシャの髪を乾かし始めた。

 

次の日。

俺はとある森の中にいた。

生い茂る草木と獣道。

そんな中を、俺はクルミとのペアで突き進んでいた。

 

「くっそ、こういう時のために銃身が短いのにしとくんだった」

 

「いくらSCAR-Lと言えどもライフルっすからね、その点P90はいいっすよ、取り回し良し、貫通性よしで」

 

「………弾代は?」

 

「…………ノーコメントっす」

 

そんな会話をしながら、俺たちは獣道を進む。

そんな中、そこそこ進んだ時、ピリッとする、嫌な気配を感じて立ち止まる。

クルミも感じたようで、軽く銃を構え、周囲を見回していた。

 

「ウォォォォォォン!!」

 

そう唐突に、聞き覚えのある遠吠えが聞こえ、さらに耳を研ぎ澄ます。

………それをした時には、既に周囲から、獣の足音が聞こえていた。

そんな中、どうにかして突破する方法を考えていると、俺たちの正面から、2頭のブラッディウルフが、殺気を放ちながら、歩いて来ているのがわかった。

 

それを理解したクルミが撃とうとするのを、俺は敢えて手で制止した。

………どうも、あのオオカミには、俺と共通するものがあるように感じる。

 

そう思った俺は、銃をスリングで肩からかけると、しゃがんで姿勢を低くしてブラッディウルフと目を合わせるようにじっと見つめた。

………やっぱりだ。

 

「クルミ、銃を下ろせ」

 

「ええっ!?でも……!」

 

「大丈夫、なんとかなる」

 

そう言い、俺はブラッディウルフの方へと歩み寄る。

そして姿勢を低くすると、

 

「お前たちも何かを護ってるんだな?………良ければ、そこへ案内して欲しい。理由と詳細が分かれば、ここに近寄らないように周りに伝えるよ」

 

そう、伝わるかは神頼みだったがそう言うと、2頭のオオカミは顔を見合せ、短く遠吠えをすると、こちらをチラりと見てから、『着いて来い』と言った様子で、獣道を奥へと進み始めた。

俺たちはそれについて行くと、とある洞窟へとたどり着いた。

 

中を見てみると、横たわる何かの横に、先程のオオカミが座っているのがわかった。

近づいて見てみると、それは褐色の肌をし、その2頭と同じグレーの毛色、そして獣の耳としっぽの生えた、少女の姿が、そこにはあった。

 

少女は鼻をひくひくと動かすと、ガバッと起き上がり、こちらをまじまじと見つめ始めた。

 

「う………?」

 

そう少女は不思議そうに、首を傾げる。

その姿を見たクルミが、

 

「か……可愛い………!」

 

と、悶絶し始めたのを横目に見つつ、この2頭のオオカミは、こちらに何とかして欲しそうに、こちらをじっと見つめてきていた。

それを見た俺は、スマホを取り出して、とある電話番号にかける。

 

『もしもーし!ご主人、どうしました?』

 

そう電話の主……ミーシャは言う。

 

「ちょっと頼りたいことがあって…多分、ミーシャならなんとかなると思う」

 

そう俺は言い、ビデオ通話を開始し、少女へとスマホの画面をインカメにして向けた。

 

『一体なにを……ってあれ?この子は……?』

 

「……多分、ブラッディウルフの獣人の子。横に両親がいるだろう?」

 

そう言うと、2頭のオオカミはモニターに向けて、軽く頷きのような会釈のような動きをした。

 

『あ、これはどうもご丁寧に……この子は一体どうしてこの姿に?』

 

「うぅ……わう」

 

『なるほど、寝て起きたらこうなってた、と』

 

「う。わう」

 

『こうなったからには移動も出来ないからここにいるのはいいものの、流石に食料もない……と』

 

「わふ」

 

『なるほど……困りましたね』

 

「……すげぇ、話が通じてる」

 

そう発想して見たのはいいものの本当に理想通りになっている現実に、俺は軽く困惑する。

いや、ミーシャも獣人だしいけるかなとは思ったよ?

でも種族絶対違うから無理だと思ってたよ…

 

そう思いながらも、ミーシャとオオカミの両親との会話は続いていた。

やがて、片方のオオカミがもう片方のオオカミに目配せをして洞窟から出て行ったと思うと、外から遠吠えが聞こえてきた。

 

「……どうなったんだ?」

 

『えっとですね、この子…ロキちゃんって言うらしいんですけど、この子をうちで預かることになりました』

 

「へー……え?」

 

『で、それにご両親もしばらく着いてくると』

 

「待って?」

 

『どうしました?』

 

「え?預かるの?この子を?」

 

『はい、この姿になってしまったからには人間社会で生きるのがこの子のためだ、って考えてるそうで』

 

「なるほど……?」

 

『それにご主人との日常を伝えたら、"いい感じに血にまみれててヨシ!"って』

 

「何その基準、こわい」

 

そんな会話をしていると、いつの間にか少女……ロキと遊んでいるクルミが、

 

「あ、なんならご両親はうちで預かりましょうか?タクさんどこ住みです?」

 

と、聞いてきた。

 

「第25地区の外れ」

 

「お、一緒っすね、私の住んでるとこ、2人住みが1件だけみたいなんで、その人に隠れてならなんとかなりますよ、朝早くから仕事みたいですし」

 

「俺のとこも一人暮らしで時折犬の声するくらいだからな、金さえ何とかなれば……」

 

「………もしかして、タクさん家って1階っすか?」

 

「ん?おお、よくわかったな」

 

「もしかして愛車がハンヴィーで、同じところに住んでる人の愛車って赤い大型二輪だったり?」

 

「おお、正解」

 

「……それうちじゃないっすか!」

 

「え?」

 

「私!そこの2階に住んでます!」

 

「ええっ!?」

 

そう騒いでいる中、オオカミ夫婦に何やってんだとジト目で見られていたのは、ロキが喋れるようになってから聞いた話だ。




いかがでしたか?
短めになってしまってますが楽しめていただけたなら幸いです……

ではまた次回、お会いしましょう!

話の流れについて

  • このままで良い。
  • もう少し日常感を出して欲しい。
  • もっとハチャメチャでも良い。
  • もっとラブコメの波動を出して欲しい。
  • その他(コメントでお願いします)
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