最近、ストパンの話を書くのが大変で、こちらが疎かになっていました。楽しみにしていてくれた読者の皆様、申し訳ありません。
では、本編どうぞ
「くそっ!!竜騎士団はいつになったらやってくるんだ!!」
シャークンは自分の艦隊の上空を我が物顔で飛び回り、
魔信でワイバーンの救援を要請したとき250騎という数のワイバーンを派遣すると司令部は伝えてきた。250ものワイバーンがいれば勝ったも同然だと思ったが、すでに到着予定時刻を過ぎて20分がたとうとしている。すでに艦隊は1000隻以上を失っていた。
「て、提督!!鉄竜が引いていきます!!」
「なに!?」
シャークンはマストの上にいる見張り員の大声を聞いて空を見上げた。
確かに鉄竜が編隊を組んで、やってきた方角へ帰っていく。いくらかの鉄竜はそのまま上空にいるが攻撃はしてこない。
「なぜ鉄竜が?スタミナ切れか?」
シャークンの考察は間違いではなかった。日米航空隊は攻撃用の弾薬を使い果たしたため母艦に帰還したのだ。それはワイバーンのスタミナ切れと一緒だった。
だが彼らはもう現れない。なぜなら水上部隊が刻一刻とロウリア王国軍に近づいていたからだ。
――――――
『ストライクフリート。こちらタスクフォースコマンド。敵艦隊上空の制空権を確保した。ただちに作戦を開始せよ』
航空部隊の空襲によって全体の4分の1を撃破されたロウリア艦隊にとどめを刺すのは、日本国国防海軍第1揚陸艦隊及び第4揚陸任務群と大韓民国海軍第7機動戦団第73戦隊、クワ・トイネ公国海軍第1艦隊、第2艦隊からなる水上打撃艦隊(ストライクフリート)であった。イージス艦1隻、駆逐艦4隻、強襲揚陸艦3隻、ドック型揚陸艦6隻、哨戒艇改造砲艇7隻、魚雷艇7隻、哨戒艇10隻、木造船42隻の計80隻の艦隊はまるで舟の博物館のようであった。中世の木造帆船やガレー船から、現代のハイテク軍用艦艇まで様々な艦艇が入り乱れていた。
そのストライクフリ―トをまとめる大韓民国海軍第73戦隊司令のユ・ソジンは、旗艦のセジョン・デワン級イージス駆逐艦の3番艦「ソエ・リュ・ソンニョン」のCIC内にいた。
薄暗い空間にディスプレイが並び光っている様子は、クワ・トイネの人間がみたら「魔物の巣窟のようだ」というだろう。
「よし。各艦に伝達!敵艦隊に突撃する!」
ユはついに下された命令を各艦に伝達するように指示をだした。
先行するのはクワ・トイネ公国海軍第2艦隊の木造船42隻であった。12.7mmM2重機関銃10丁をバリスタの代わりに装備し、投石機の代わりにエリコン社製KA 20mm機関砲が2門装備されていた。
「よし!ロウリアに目に物見せてやれ!NATOのおかげで強くなった我々の力を見せつけるのだ!!」
指揮を執る提督の激励で第2艦隊の士気は最高潮に達した。帆船やガレー船のため、風神の涙という魔法道具を使っても10ノットがせいぜいだがNATO艦隊は彼らも十分に活躍してもらうため*1に速度をわざわざ5ノットまで落として彼らに先行してもらったのだ。
魔法具によって生み出される風が帆をパンパンに膨らませ、船を進めていく。
ロウリア軍もそれに気がついたのか、クワ・トイネ海軍に向かってくる。未だに3000隻以上いる艦隊は迫力のあるものだったが、クワ・トイネ海軍将兵は機銃と後ろに控える艦隊の心強い存在によって士気を劣らせることはなかった。
そしてついに両艦隊の距離が1.5kmまで接近した。
「攻撃始めぇ!!!!」
提督の指示で42隻に搭載された計210丁のM2ブローニング50口径12.7mm重機関銃と84門のエリコンKA 20mm機関砲が火を噴いた。
ダダダダダダダダダダダダダ
ドドドドドドドドドドド
曳光弾を交えた20mm×139mm弾と12.7mmNATO弾が一斉にロウリア艦隊に襲いかかった。
12.7mm弾は舟を構成する木を容易に貫通し、乗員や甲板の構造物を穴だらけにしていく。20mm弾も容易に船体を貫通すると同時に中にある乾いた物に火をつける。しまいには舟のキールをたたき割り、船の喫水線付近を穴だらけにして沈めていく。
ロウリア王国海軍は一矢報いんとクワ・トイネ海軍艦隊に接近しようとするが、クワ・トイネ海軍の木造船と同じだけの性能を持つ船のため逃げながら機銃を撃ってくるクワ・トイネ艦隊には、その猛烈な弾幕と相まって追いつけずにいた。
「くそっ!!何なんだやつらは!亜人の集まりじゃないのか!!」
「何なんだよ!ちくしょう!!」
既にロウリア海軍の士気は最悪だった。既に100隻もの船が乗員戦死で行動不能になるか撃沈されていた。
そこにとどめを刺すように新手がやってくる。
「左舷!!3インチ砲発射よーい!撃てぇ!84㎜砲も撃て!!」
「牽制程度に魚雷を放っておけ!!俺たちの錬度で当てようとしなくていい!40mmで応戦するんだ!!」
「哨戒艇だからって馬鹿にするなよ!」
ドォンドォンドォン
ドンドンドンドン
クワ・トイネ海軍の哨戒艇改造砲艇7隻、高速魚雷艇7隻、哨戒艇10隻であった。3インチ砲はクワ・トイネ公国海軍将兵の錬度が低くなかなか当たらないが、ロウリア王国海軍はその3インチ砲弾で上がる水柱を見て、その威力に恐怖した。
12.7㎜重機関銃とは比べ物にならないほどの威力を持つ40mm自動擲弾銃と20mm機関砲はロウリア海軍の船にあっという間に穴を造り、海の底に沈めていく。20ノット以上というエンジン搭載の船だからだせる快速でロウリア海軍を翻弄しながらも連射力に物をいわせ、機関砲弾を叩きつける。
「くそっ!こんなの勝てるか!!」
ついにロウリア海軍艦隊の中から逃げる舟が現れ始めた。大半はクワ・トイネ公国艦隊に一矢報いんとしているがちらほらと艦隊から逃げ出す船が出てきたのだ。
「クワ・トイネは・・・・海魔を味方につけておるのか・・・・・」
シャークンは海戦の様子を見ながら唖然としていた。
すると頭上の見張り員から今にも泣きだしそうな声で報告があった。
「て、提督!敵の・・・増援ですッ!!」
「なっ・・・・・」
クワ・トイネの海魔とは比べ物にならないほどの大きな船がそこにいた。
彼らの主力たる、日本国国防海軍第1揚陸艦隊、第4揚陸任務群と大韓民国海軍第73戦隊の14隻であった。
「目標!ロウリア海軍艦隊!先行している友軍艦隊への誤射を避けるために後方から狙え!全艦!撃てぇ!!」
指揮を執るユの指示で合計14門のMk,45 5インチ単装砲が火を噴いた。
優秀なFCSによって制御された14門の砲から放たれた砲弾はロウリア海軍の艦艇に寸分たがわず命中し艦内で信管を作動させ爆発する。
命中した艦艇はど真ん中から真っ二つに割れ、生き残った乗員は逃げる間もなく海に引きずり込まれていった。
ココまで来たらもう止められなかった。ついに指揮命令系統が崩壊し艦隊はばらばらに撤退を始めた。
「敵艦隊を逃がすな!ココで可能な限り仕留めろ!!!」
ロウリア海軍は撤退中も猛烈な砲撃にさらされる。さらに日韓連合艦隊から発艦したヘリから銃撃や爆撃を食らい、被害はさらに加速した。
この日、ロウリア海軍は2800隻に上る艦艇を喪失(降伏艦・鹵獲艦を含む)し海将シャークンは行方不明*2になり、母港に命からがら撤退することが出来た。対してNATO側の被害は木造船一隻が火矢を受け、小規模の火災が発生したことと哨戒艇の乗員がかすり傷を負ったぐらいであった。
―――――――
そして夜間にロウリア海軍艦隊を行動不能にするべく2機の航空機が飛んでいた。
日本国国防空軍所属のC-2中型戦術輸送機であった。だが彼らの腹の中に詰め込まれている物は貨物ではなかった。日本国国防海軍がこの世界に転移してから開発した43式係留触発機雷であった。
国防海軍はこの世界に転移してから「この世界の艦艇では既存の機雷では対処不可能」と判断し、既に退役していた66式機雷を改良し航空機からの投下が可能なようにしたものを開発したのだ。それが43式係維触発機雷であった。アンテナ式の信管を装備し、敵艦がアンテナに触れると爆発を起こすものであった。簡易的な改造を施しただけなので哨戒機や爆撃機、戦闘機には搭載できないので輸送機に搭載することになったのだ。
これをロウリア王国の軍港に散布し閉じ込める気なのだ。
「機長。間もなく目標地点です」
「よし・・・・投下用意!」
2機の輸送機の後部カーゴドアが不気味に開く。
「投下・・・・・」
そして2機から機雷が立て続けに落とされた。夜の寝静まった時間帯のため、機雷のパラシュートにも着水音にも誰も気がつくことなく、軍港は閉鎖された。
翌日、近海哨戒に出ようとした2隻の艦艇が触雷し爆沈した。これによりロウリア王国海軍は行動不可能となったのだった。
いかがでしたでしょうか?
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では、また次回。さようならぁ
次回 EP13 揺れるロウリア
お楽しみに