西側諸国召喚   作:RIM-156 SM-2ER

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皆様どうもSM-2です。
今回から地上戦。とはいっても戦闘シーンはあまりありませんが。
では、本編どうぞ


EP22 王都攻略戦(地上部隊侵攻)

軍総司令部庁舎の会議室は暗い雰囲気に包まれていた。その場にいるのはロウリア軍総司令官のパタジン他、ミミネル・クリーバス参謀長や王都防衛隊司令官のスマーク・ロルコ将軍などのロウリア軍の主要幹部である。

会議室がここまで暗い雰囲気に包まれている理由は、昼間の空襲作戦とそれに伴う制空戦闘の結果が原因であった。

 

 

壊滅した竜騎士団に代わり、連絡の取れない海軍司令部に向かった騎馬斥候からもたらされた情報は、海軍司令部および港湾設備の壊滅という最悪なものであった。

また竜騎士団も1騎を除き、すべてが撃墜されてしまい、戦闘前は100騎いた王都防空のワイバーンは26騎までその数を減らしていた。

 

「くそっ・・・・。奴らは悪魔かなにかなのか・・・・」

 

パタジンは拳をテーブルにたたきつけ、吐き出した言葉は、その場の全員の心中を代弁するものであった。王都防衛隊のスマーク将軍も暗い顔をしている。

 

「王都の3重の城壁はロデ二ウス大陸でもっとも守りが固いが、ワイバーンの航空支援がない状態では心もとない上に、あの化け物相手にどれだけ通じるか・・・・」

「やはり、降伏しかないのだろうか・・・・」

 

ミミネルはパタジンの方を見て、そういった。すると、パタジンは心の底から悔しそうな顔をして首を横に振った。

 

「いや。有力諸侯や王族の方々の大半が反対している。なまじ兵が残っているせいで、まだ勝てると思っているらしい。唯一、アルレンス殿下と陛下だけは降伏に賛成してくださっているようだが・・・・」

「いくら陛下とアルレンス殿下と言えど、2人だけでは弱いな・・・・」

 

スマークの言葉に会議室にいた全員が同意するようにコクコクと頷いた。

 

「一体どうすればいいというのか・・・・」

 

出す作戦はことごとく阻止され、圧倒的な軍事力を見せつけられた彼らは具体的な作戦を思いつくこともできず、ただただ時間を浪費するだけであった。

 

――――――――――――――――――――

 

ロウリア軍が時間を浪費している間にも、NATO軍は行動を開始していた。王都近辺の3つの海岸に設定された上陸地点に、大した妨害もなく上陸した3個師団1個連隊からなる計46,000名の兵員は物資の揚陸を終えると、上陸地点に防御陣地を築き橋頭保とした。

鉄条網と塹壕、機関銃やダックインした装甲車両によって構成された防御陣地であるが、ビーズル防衛作戦と軍港空襲によってかなりのリソースを割かれていたロウリア軍に気付かれることはなく、まったくの無用の長物となってしまった。

しかし、そうであるからこそ作戦はスムーズに進んだ。3つの地点に上陸した部隊は、それぞれの上陸地点に若干の守備兵力を残した後、内陸部に向かって侵攻を開始した。

 

 

まず、NATO軍が行ったのはハーク港の攻略であった。はじめに、韓国海兵隊第1海兵師団10,000名の兵力が、ハーク港-ジン・ハーク間の連絡路を遮断すべく、この2つをつなぐ主要道路4つに展開した。

同時刻に日本海兵隊第1海兵師団と米海兵隊第1海兵師団からなる39,000名もの機甲戦力がハーク港を包囲、拡声器とヘリによるビラの散布によって降伏を促した。

同時並行的に小規模の歩兵部隊が敵部隊に対して銃撃(ハラスメント攻撃)を仕掛けた。空爆と巨大な装甲車両を有する近代的機甲部隊の威圧感は絶大であり、それらによって指揮命令系統が壊滅し、士気もどん底であったロウリア軍はちょっとした銃撃を仕掛けられただけで降伏した*1

 

 

NATO軍はハーク港に守備隊及び戦略予備として韓国海兵隊第1海兵師団10,000名を残すと、戦争を終わらせるためにさらに内陸へと進んでいった。

 

――――――――――――――――――――

 

()()()は同時多発的に表れた。

先日のハーク港空襲からロウリア軍は奇襲による攻撃を警戒していた。そのため、王都の周辺にいくつかの監視所を設け、敵の航空部隊による攻撃を警戒していた。

その監視所が()()()を見つけたのである。一番早く王都の司令部に連絡を入れたのは北にある1つの監視所であった。

 

『こちら北部第13監視所!何かがこちらに来ている!敵の大規模部隊と推定される!』

 

突然入ったその連絡に、司令部は混乱した。東側から王都に向かうための街道上にはビーズルがあり、そこは未だに陥落していないのだ。確かに、空から兵を送り込むという驚くべき方法でジン・ハーク―ビーズル間の連絡路は遮断されてはいたものの、それらの部隊が王都に向けて進軍し始めたという情報は入っていないからだ。

 

『司令部!早く増援をよこしてくれ!このままじゃ・・・・グギャ!』

 

しかし、司令部がもたもたしている間に、悲鳴のような増援要請とともに、監視所からの連絡は途絶えてしまった。

一体何が何だか分からず、いまだ混乱から立ち直れていない司令部にさらに報告が入った。

 

『こ、こちら東部第24監視所!何かが王都に向かって進撃中!味方じゃない何かだ!至急、増援を求む!・・・・おい、あれは何だ?こっちをむいt・・・・ガピー』

『南部第19監視所から司令部へ!こちらは敵の攻撃を受けつつあり!魔法攻撃だ!ワイバーンによる支援を!』

 

これだけでなく、各地に設置された監視所から救援要請が続々と入り、それらに対応している間に連絡が途絶える。

連絡が途絶えた監視所の数が2桁になったところで、司令部は判断した。「これは敵の大規模侵攻部隊である」と。

当直の士官はすぐさま上官に緊急連絡を入れた。その士官では旗下部隊への非常呼集命令を出せないからだ。彼が出せたのは当直の即応部隊に待機命令を出すことぐらいであった。非常呼集命令を出せるのは王都防衛部隊の司令官スマーク以下、一部の高級将校のみであった。

しかし、報告はすぐには上がらない。この時、王都防衛部隊司令官であるスマークに報告がいったのは、東部第13監視所からの連絡が途切れた1時間14分後であった。

その間にも各地の監視所との連絡は途絶えており、その数は50を超えていた。

 

 

報告を聞き、スマークが司令部に入った時、司令部は怒声と悲鳴のような報告の声につつまれていた。即座に状況を理解したスマークは、非常呼集命令を発令。王都防衛部隊に所属するすべての部隊が戦闘の準備をしていた。

しかし、対応が遅すぎた。王都を守る3つの城壁のうち、もっとも外側にある城壁の張り出し櫓に設置された監視哨から報告が入った。

 

『こちら北部第302監視塔!地平線上に何か見える!とてつもない早さでこちらに向かってきている!至急、指示を求む!』

 

それは王都のすぐそこまで敵が迫っているという、まさしく凶報であった。

 

――――――――――――――――――――

 

王都の北から現れた部隊は日米海兵隊の2個師団からなる39,000名あまりの部隊であった。では東と南から現れた部隊は何だったのか。

その正体はNATO軍王都攻略軍集団第2軍に所属する米仏台湾の3か国軍である2個師団1個旅団1個連隊からなる38,500名余の機械化部隊であった。

このうち、2個師団1個旅団は機甲師団または機械化歩兵部隊であったため、その悪路走破性を生かして街道を迂回して原野を移動してきたのだ。無論、装甲車両への負荷は相当なものであったが、NATO軍らしい潤沢な後方支援の下、数十kmはある原野を突破してきたのだ。

残る1個連隊は仏陸軍第2海兵落下傘連隊600名であり、彼らは王都南の少し離れた地点にヘリボーン降下した後、そのまま王都を目指して進軍を始めていた*2

かくしてジン・ハークには西以外の3方向から4個師団1個旅団1個連隊からなる約78,000名の機甲戦力が集結しつつあった。

*1
中には歩兵連隊司令部直轄の偵察部隊に所属するオートバイ2台からの銃撃を仕掛けられただけで降伏した部隊もあった

*2
なお、600名あまりの自動車化歩兵程度の兵力ではいくら技術格差があろうとも各個撃破されてしまう心配があったため、第2軍主力33,000名が王都近郊に到着した時点で、その中から台湾陸軍第584装甲旅団約3,000名が第2海兵落下傘連隊と合流にむかった




いかがでしたでしょうか?
原作と比べてかなり部隊が増強されましたね。ちなみに、日第1海兵師団ですが、全兵力25,000名のうち、航空部隊や支援部隊の一部がいないので、王都にやってきたのは20000名ほどだけです。
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしております。
ではまた次回。さようなら

次回 EP23 王都攻略戦(威力偵察)

お楽しみに
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