西側諸国召喚   作:RIM-156 SM-2ER

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皆様どうもSM-2です。
最近、何もない日は一日中ボーとしています。気づくと数時間がたっている・・・・。
では本編どうぞ


EP23 王都攻略戦(威力偵察)

各地の監視所からの報告で、正確な数はわからずとも強力な敵部隊による王都への侵攻作戦を察したロウリア軍は、一番初めに現れた北側の敵部隊―日米海兵隊の2個師団、39,000名に対処することにした。理由として、この時点では、南と東から来る予定の2個師団と1個旅団、1個連隊は未だに王都から見える位置まで進出していなかったためである。

この時のロウリア軍王都防衛軍は総兵力58,000名強であり、確認できたNATO軍総兵力に比べて劣っていた*1

そのため、敵の増援が来る前に威力偵察をして、敵の情報をできる限り得ておきたかったのである。

 

「王都北方の第11王都北方軽騎兵団は敵部隊に対して威力偵察を行なえ。敵は4万弱の部隊だ。無理をせず、無理だと思ったら即時に撤退せよ!」

 

スマークはすぐさま指示を出した。その指示はすぐに魔信を通じて即応部隊に伝えられる。

ちょうどその時、司令室の扉が開かれパタジンが入ってきた。

 

「スマーク。状況を教えてくれ」

「はい。今から1時間ほど前に北方の監視所の一つより、敵を発見したという報告があり、その後東部、南方の監視所よりも接敵の報告があり、15分前に北方に敵の大部隊が出現したため即応部隊による強襲偵察を命じたところです。ほかの部隊には待機命令を出しており、即時に出撃可能です」

「そうか・・・・。わかった、今は情報がほしい。そのままの指示で構わん」

 

パタジンはそういうと、会議室中心のテーブルに置いてある地図をじっと見つめた。

 

――――――――――――――――――――

 

王都ジン・ハークの北に展開した部隊は、31式戦車やM4マーシャル戦車を装備した堂々たる機甲部隊であり、NATOが転移する前の世界でも有数の戦力として数えられるだろう。

 

「きた・・・・」

 

その中の1人。日本国海兵隊第1海兵師団に所属する戦車小隊の小隊長である(みね) (かおる)中尉は、初の実戦に緊張していた。

彼女の配下には、彼女自身が乗る戦車の乗員に加えて3台の31式戦車とその乗員、計15人の部下がいる。彼女は車内にいながらも車長用独立熱線映像装置を使って、索敵をしていた。

すると王都の城門が開き、中から何百という騎兵が出てくるのが確認できた。彼女が上司に報告する前に、指示が来た。

 

『各戦車隊は榴弾、キャニスター弾を装填の上、指示を待て』

 

私はインカムのボタンを押すと、彼女の小隊の戦車に指示を出した。

 

「こちら小隊長。聞いたわね?目標、前方騎兵。弾種、榴弾!指示を待て!」

 

横では装填手が後部の弾薬庫から130㎜HEFS(翼安定榴弾)を取り出して130㎜戦車砲に装填すると、報告の声を上げていた。

 

「榴弾装填完了!」

 

砲手は照準を合わせつつ、発射命令を今か今かと待っていた。

 

『各車、撃て!』

「小隊長より全車!撃て!!」

 

指示と同時に引き金が引かれ、一昔前の駆逐艦の主砲や野砲のよりも大口径な130㎜戦車砲からHEFSが放たれた。

100を超える戦車から放たれた120㎜、130㎜の榴弾が騎兵隊に殺到した。

 

 

王都の北側に配備され偵察や主力部隊の掩護となる騎射などを主任務とする第11王都北方軽騎兵団、その団長のクリネウス・エーフェンは、愛馬にまたがり、500騎の騎兵を率いて威力偵察に向かうべく、王都にある門4つのうちの一つ、北門より出撃していた。

 

「急げ!!敵は4万を超える大軍だ!ある程度ひっかきまわしたら、速度を生かして撤退するぞ!」

 

全体を鼓舞するべく、騎士団旗を掲げて先頭に立って突撃する。しかし、敵との距離が1500mほどになった時、前方の敵陣地から光る何かが飛んできた。

 

「ッ!?」

 

警戒するように部下に号令を発しようとしたとき、クリネウスは爆炎につつまれた。身が焼かれるような感覚と、ちぎれ飛ぶ感覚が彼の最後の記憶となった。

 

 

一方、戦車隊は冷静であった。

 

『攻撃続行!弾種そのまま!機銃等も使って対処せよ』

 

司令部から指示が飛んでくる。峰は索敵に集中したいため、装填手に指示を出した。

 

「田村上等兵!装填はいい。自動装填に切り替えてRWSを操作して!」

 

31式戦車は、主砲の装填装置に特殊な機構を搭載することで、手動装填、半自動装填、自動装填に切り替えることができる。なぜ、わざわざ装填手が必要な手動装填を搭載したのか。それは、場合によっては装填手による装填の方が自動装填の速度を上回ること、そして戦車の整備に必要な人員を確保するためであった*2

また第4世代主力戦車では当たり前であるRWSは車長以外にも、装填手が操作することも可能で、装填手用スペースの側面にはRWS用のコントロールパネルが折り畳んだ状態である。

これにより、車長が索敵に集中したまま、機銃による攻撃が可能になるほか、車長以外にも装填手がRWSに搭載されているカメラを使用することで索敵能力が2倍になるのだ。

 

「了解!」

 

装填手は装填装置のパネルのスイッチを操作して、自動装填に切り替えると、130㎜戦車砲の砲尾に体が当たらないようにカバーをして、砲塔側面にある折り畳んであるパネルを展開させる。

すでに峰がRWSの操作権を装填手のパネルに移していたため、装填手が操作する通りにRWSが動く。31式戦車のRWSにはブローニングM2重機関銃の他に20㎜CTA機関砲や40㎜自動擲弾銃を搭載することが可能であり、峰の戦車には軽装甲車両にも対処できる20㎜CTA機関砲が搭載してあった。

 

「20㎜機関砲攻撃はじめ!!」

 

RWSのコントロールスティックについた赤いボタンを装填手が押すと、タタタタという破裂音とともに何か金属がぶつかり合うような音が鳴り響く。

20㎜テレスコープ弾の薬莢が戦車の天板に落ちる音である。

軽装甲の装甲車なら撃破可能な20mmAテレスコープ弾が、人体をかすめればどれだけ重装備に身を包んでいようとも無事では済まない。

主砲同軸に搭載されている8.58㎜弾や7.62㎜弾、他戦車のRWSの12.7㎜弾も合わさった弾幕に600騎近い騎兵部隊は溶けるように消えていく。

どうやら最初の砲撃で指揮命令系統が崩壊しているらしく、逃げ出すものもいれば蛮勇を誇って突撃してくるものもいる。

しかし、それらは等しく戦車や装甲車から放たれた弾幕の前に倒れていく。

 

『射撃やめ!射撃やめ!これ以上は無駄うちになる!』

 

司令部からの指示で弾幕の雨が止む。どうやらあの弾幕の雨でも生き残った兵士がいるようで、幾人かの兵士が徒歩で城門に逃げ帰っていくのが見えた。

 

――――――――――――――――――――

 

「ば、化け物か・・・・・」

 

司令室で城壁上から戦闘を見ていた兵士からの報告を聞いて、そこにいる全員が暗い雰囲気に包まれていた。軽装騎兵は防御力は低いが機動性が高く、同じ騎兵相手であっても全滅することなどほぼほぼない兵科である。

しかし、敵はそれをいともたやすく全滅させて見せた。見たこともない爆裂魔法を使い、見たこともない光弾を使ってだ。

 

「まだ、敵の部隊がすべてそろうまでには時間があります。それまでに北の部隊にいくらか損害を与えなければ・・・・」

「だがどうする?軽装騎兵が簡単にやられる相手だぞ?」

「重装騎兵や重装歩兵はどうか?重装騎兵と言えど歩兵よりは早い。かれらの防御力と機動力で散兵しながら敵に肉薄し、爆裂魔法を封じ、後詰に密集した重装歩兵を突撃させてみるのは・・・・」

 

一人の将軍が出した作戦に、彼らは希望を見出した。暗い顔をしていた将軍らの顔が一気に明るくなる。

 

「確かに、爆裂魔法はどうにもならんが、重装騎兵の散兵なら多少の被害は出ようが肉薄し、封じ込めることもできよう」

「それに光弾も重装歩兵や騎兵の装備なら跳ね返せるやもしれん!」

「同時に軽装騎兵や軽装歩兵が散兵して敵の攻撃を分散させ、ワイバーンを援護に回せばもっと作戦の成功率も上がるだろう」

 

一通り案を出した将軍たちはパタジンの方を向いた。パタジンは目をつむって腕を組んで、しばらく考えるそぶりを見せた後、バッと目を見開いて指示を出した。

 

「その作戦で行こう!すぐに部隊には命令を出せ!残存するワイバーンもすべて投入する!この一戦は我々の今後を決めるだろう!各々は最善を尽くせ!」

「「「「はっ!!」」」」

 

王都攻略戦は始まったばかりである。

*1
【ロウリア王都防衛軍兵力一覧】

《ロウリア近衛軍団》9,500名余 

 ・ロウリア国王親衛隊:500名余

  >5個親衛隊:各100名余

 ・ロウリア近衛騎士団:1,000名余

  >5個近衛騎士隊:各100騎余(重装騎兵)

  >その他支援要員:500名余

 ・2個ロウリア近衛騎兵団:各1,000名余/計2,000名余

  >5個近衛騎兵隊:各100騎(軽装騎兵)

  >その他支援要員:500名余

 ・4個ロウリア近衛歩兵団:各1,500名余/計6,000名余

  >4個近衛槍兵隊:各100名余(槍兵)

  >4個近衛弓兵隊:各100名余(弓兵)

  >1個近衛投石兵隊:100名余(投石兵)

  >1個近衛特技兵隊:100名余(カタパルト・バリスタ兵)

  >その他支援要員:500名余

《王都防衛軍団》49,000名余

 ・4個竜騎士団:各250名/計1,000名

  >5個竜騎士隊:各5騎

  >その他後方支援要員:225名余

 ・4個騎士団:各1,000名余/計4,000名余

  >5個騎士隊:各100騎余(重装騎兵)

  >その他後方支援要員:500名余

 ・8個軽騎兵団各1,000名余/計8,000名余

  >5個軽騎兵隊:各100騎余(軽騎兵)

  >その他後方支援部隊:500名余

 ・8個重装歩兵団:各1,500名余/計12,000名余

  >10個重装歩兵隊:各100名余(重装歩兵)

  >その他支援要員:500名余

 ・16個軽装歩兵団:各1,500名余(軽装歩兵)/計24,000名

  >4個槍兵隊:各100名余(槍兵)

  >4個弓兵隊:各100名余(弓兵)

  >1個投石兵隊:100名余(投石兵)

  >1個特技兵隊:100名余(カタパルト・バリスタ兵)

  >その他支援要員:500名余

*2
メルカバやM1戦車など、第3世代MBTでも装填手が乗っていることがある




いかがでしたでしょうか。
ご意見ご感想お待ちしております。
ではまた次回。さようならぁ

次回 EP24 王都攻略戦(竜騎士団壊滅)

お楽しみに
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