このご時世で投稿するべきかと悩みましたが、今も感想の方が投稿されるなど、楽しみにされている読者様もいると判断し、投稿を決意いたしました。
もう一度お断りさせていただきますが、本小説はフィクションであり、実在の国家、団体、人物を称賛・批判するものではありません。
ロウリア王国が降伏して、NATO軍による進駐が始まってからちょうど2週間がたったころ、NATO軍ジン・ハーク駐屯地の一角、高級将校や特殊部隊員しか入れない建物に、デルタフォースやネイビーシールズなどの特殊部隊の隊員らが集まっていた。
ブリーフィングルームに集まる彼らの前に、一人の金髪の女性と茶髪の男が各部隊の指揮官とともに現れた。
「総員注目!」
デルタフォースの指揮官の野太い声で、今まで談笑にふけっていた彼らは屈強な兵士の顔となり、指揮官とその横にいる金髪の女性に視線を集める。
デルタフォースの指揮官は、隊員らを見渡すと満足そうな顔をしてから、口を開く。
「よし、全員いるな?初めての人間もいるだろう。こちらはCIAのピーターズ情報官だ。今回の作戦に協力してくださる」
「初めまして。CIAのピーターズよ。よろしく」
ピーターズは、居並ぶ特殊部隊員らを見渡して満足げな顔をした後に、脇に寄ってプロジェクターのリモコンを操作して、スクリーンに画像を映し出す。
「今回、貴方たちにはジン・ハーク市内で探知されている、謎の電波発生源を調査してもらうわ」
映し出された画像は、ジン・ハークの地図であり、そのうちいくつかの地点に赤い点が書かれている。
「この謎の電波、通称ゴーストは我々の情報員がジン・ハーク市内に潜入したときには探知されていて、電波周波数帯などからおそらく通信電波であると推測されているわ。現在は、わが軍の電子戦機によってジャミングを行い、このゴーストの電波を使えないようにしている最中よ」
ピーターズがそこまで言うと、一人の隊員が手を挙げる。ピーターズもいったん説明をやめて、「どうぞ」と隊員に発言権を譲る。
「シールズのブラッドリー少尉です。説明を聞いたところ、その地図の赤点の箇所が電波の発信源でしょうか?」
その質問にピーターズはコクリと頷いた。
「鋭いわね。その通りよ。すでに電子偵察機とCIAによる偵察で、この5か所の地点が発信源であることが確認されているわ。どれも洗濯物を干す物干し竿なんかに偽装したアンテナがあることが確認済みよ」
ピーターズがそう言いながら、複数の写真をスクリーンに映し出す。
どれもロウリアでは一般的な住居のように見えるが、なるほど、確かに窓から出ている物干し竿のようなものの数が多く。少し不自然だ。どうやら無線アンテナで間違い無いらしい。
「そこで、貴方たちにはゴースト退治を頼みたいの。やり方は簡単よ。この
「ゴーストがこちらを襲ってきたら?」
「その時は、十字を切って退治して頂戴。最悪、持ち物だけ回収できれば構わないわ」
ピーターズは、別の隊員の質問に真剣な顔で答えた。
「他に質問ないわね?担当地点の割り振りは完了しているわ。それぞれのチームに、家の地図などを渡すわね」
ピーターズは、彼女の部下に命じて地図や家の設計図などの資料を配らせる。
「作戦開始は2日後の05:00。しっかりと準備して頂戴」
「よし。各部隊は準備をぬかりなくしておけ。では解散!」
ピーターズの説明が終わると、脇に控えていたデルタフォースの指揮官がそう言って、ピーターズらとともにミーティングルームを後にする。
この世界に転移して、初の特殊作戦である「ゴーストバスターズ作戦」はまもなく開始されようとしていた。
いかがでしたでしょうか。
このご時世にこういった作品を投稿するということで、少しばかりの罪滅ぼしとして募金サイトのURLを張らせていただきます。
少しでも早く平和が訪れ、ウクライナの方が安心して暮らせるよう心よりお祈り申し上げます。
日本ユニセフ協会ウクライナ緊急募金URL:https://www.unicef.or.jp/kinkyu/ukraine/
次回 EP30 アンダーグラウンド(後編)