西側諸国召喚   作:RIM-156 SM-2ER

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皆様、お久しぶりです。SM-2です。
いまだ若干、体調は本調子ではありませんが、先日まで胃腸炎でダウンしてました。
投稿さぼってたのは、リアルでたけつづけにいろいろございましてできませんでした。お待たせして申し訳ございません。
では、本編どうぞ


EP34 再会した旧友

すでにアメリカをはじめとした西側諸国が転移してから、はや2年がたっていた。

各国の研究機関は、転移現象の原因を研究しつつも、ロデニウス戦争に介入したり、クワ・トイネやクイラなどの現世界にもともとあった国をNATOに迎え入れたり、人工衛星を打ち上げたりと、西側諸国はこの世界で活動する基盤を整備し始めていた。

このころに西側諸国は、地球に残してきた友人など忘れており、この世界で新たな友人を作ることに熱中していた。旧友がやってきたのは、そんなときであった。

 

―――――――――――――――

中央暦1639年1月24日

 

地球にいる頃から、世界第2位の軍事大国である中国が仮想敵国である台湾軍は、世界屈指の練度を誇っていた。

転移してからは、警戒態勢も解き、以前までの緊張感はなくなっているものの、たった2年ぽっきりでは練度が下がるわけではなく、その軍事力はいまだ世界トップであった。

 

さて、その台湾本島の沿岸監視所には、20名ほどの兵士が詰めかけていた。転移前は大陸方面の中国軍の動向や侵攻を警戒していた監視所も、現在では異世界国家からの魔法生物や植物などの密輸などを監視する役目に代わっていた。

 

(わん)下士。どうだ?」

 

監視隊の隊長である上尉(大尉)が、一人の兵士に話しかける。兵士は、見ていたモニターから視線を外すと、わきにあったマグカップを手に取って、首を横に振る。

 

「いや、平和なもんですよ。今のところ、不審船舶は確認できていません」

「そうだろうな。こんなところにある固定監視所から見える範囲で密輸をやる方がおかしい」

 

上尉は苦笑いした。そして、ふと2人がモニターに視線を戻したとき、画面が光で真っ白になった。

 

「「!?」」

 

2人の視線はモニターに釘付けとなる。そうして徐々に光が収まっていき、異変が起こる前と同じような画面に戻った。

 

「な、なにがあった!」

「わ、わかりません!と、とにかくほかの人も起こしてきます!」

「ああ、頼む!私はその間に上に報告する!」

 

そう言って二人はあわただしく走り出した。

ここ以外の監視所やレーダーサイトなどでも同じ現象を目撃しており、それらの第一報が参謀本部に届いたのは、現象が起きてから40分後であった。

参謀本部は、すぐさま海巡署に救難艦艇の出動などを要請すると同時に、状況把握のために空軍の戦闘機にスクランブル発進を命じ、ドイツ軍にもこれを通達した。

 

 

謎の発光現象から1時間半後、参謀本部から命令を受け取った、嘉義空軍基地の第4戦術戦闘機連隊のF/A-3C*12機がスクランブル発進した。

 

―――――――――――――――

 

一方、転移後には海を挟んで台湾の隣国となったドイツでも混乱が起きていた。

 

「ほんとに陸地が出現してやがる」

 

転移以来、沿岸部であったドイツ東部国境の先に陸地が出現したのである。しかも、それは連絡を受けてやってきた警察官にとって見慣れた陸地であった。

 

「あの町、ポーランドじゃないか?」

 

そう、転移前はEU、NATOという二つの枠組みでドイツと蜜月関係にあったポーランドの街にそっくりなのである。

向こう側にいる人間も困惑しているようで、こちらを指さしてなにやら話している。

すると白いボディに青いラインを引き、青いランプを乗せたパトカーがやってきた。これもまたポーランドの警察が有していたものにそっくりだ。

そこから警察官が二人出てくると、少し警戒しながらこちらにやってきた。

 

「何者だ?」

「ポーランド警察だ。そっちは?」

 

こちらの誰何に対する返答に、ドイツ警察官は顔を見合わせた。そして、戸惑いながらも答えを返した。

 

「ドイツ警察だ。いったいどうなっているんだ?」

「どうなっているんだはこっちのセリフだ。ドイツ警察だと?急に消えたり現れたり、我々は悪魔に夢を見させられているのか?」

 

お互いに顔をしかめて、この不可思議な状況について考えてはみるものの、まったくもって答えは出てこない。

とにかくこのまま考えていても、何も変わらないのでお互いに上級組織に報告することにした。

 

 

ほぼ同時期、台湾空軍のF/A-3C 2機もスクランブル発進したポーランド空軍のF-35A 2機と遭遇。これらの情報は、すぐさま上級司令部に伝えられ、最終的にNATO各国に通達されたのは、不可思議な現象が起きてから6時間後のことであった。

 

―――――――――――――――

 

「東欧諸国が出現した?」

 

米大統領であるアリスは就寝中であったが、緊急の連絡ということで起こされ、身支度を早々に整えると、補佐官から報告を聞きながら執務室に向かった。

大統領執務室に入ると、すでにそこには国務長官やジョージ・ウィリアムス国防長官などの名だたる面々がそろっていた。

 

「状況を報告して頂戴」

 

アリスがそういうと、国務長官が報告を始める。

 

「今から6時間前、0:00ちょうどにヨーロッパと台湾島の間で謎の発光現象を確認。それから約1時間半後の1:33に台湾空軍の戦闘機が、状況確認のためにスクランブル発進。1:50にポーランド空軍所属を名乗るF-35A 2機と遭遇したそうです。ほぼ同時刻にドイツもポーランド警察を名乗る人間と接触しており、現在さらなる確認作業を進めています」

「現在、確認されている国家は?」

「現時点ではポーランド、バルト3国、ハンガリー、ルーマニア、トルコと思われる国家の出現を確認しておりますが、いまだに確認が取れていない国家もあると思われます」

 

一通りの報告を聞いたアリスは、フムと考え込む。そして近くにいたジョージに意見を求めた。

 

「どう思う?ジョージ?」

「おそらく、我々と同じで突然に転移してきたと考えるべきだろうな。原因は今回もさっぱりだがね」

 

お手上げといった感じで、ジョージは肩をすくめながら言った。それを聞いて、アリスはさらに考え込むと、指示を出した。

 

「ともかく、東欧諸国との外交チャンネルの復活を最優先にして頂戴。それと研究機関に、この現象の追加調査を依頼して頂戴」

「了解しました」

「それと軍は、他にも転移してきた国がないか、あらゆる手段を用いて調査して頂戴」

「わかった。早速指示しよう」

 

そういうと国務長官とジョージは、指示を出すために執務室から足早に出て行った。

 

―――――――――――――――

 

翌25日までにアメリカ軍を中心とした西側諸国の調査により、エストニア、ラトビア、リトアニア、ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニア、ブルガリア、セルビア、北マケドニア、トルコの計11か国の転移が確認され、これらの国家との国交を再開するとともに、情報提供を行うなどした。

西側諸国は、2年ぶりに旧友と再会したのである。

*1
F-2戦闘機の後継として開発されたステルス戦闘機の輸出用モンキーモデル。

機体性能としては、F-2はもとよりF-35やF-37を上回るペイロードを誇り、多数の空対空、空対艦、空対地ミサイルや爆弾の搭載が可能である。

日本国防軍向けの機体は無人戦闘機UF-1を同時に6機管制可能であるが、C型はそれらの管制能力の削除やアビオニクスのスペックダウンを行った安価なバージョンである。C型は110機が台湾空軍の導入が予定されており、すでにC型46機が導入されている。またA型と同じ能力を持ちつつ、アビオニクスのブラックボックス化などが図られたA1型も導入を検討している




いかがでしたでしょうか?
とりあえず、冷戦後にNATO加盟した東欧諸国のほぼすべてを追加転移させました。これに伴って地図も更新しようかと思います。
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしております。
では、また次回。さようなら。

次回 EP35 ムーとの接触

お楽しみに
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