投稿がかなり空いてしまい申し訳ありません。言い訳をさせていただきますと、NATO諸国の輸入品の資料を調べていました。(細かい資料が全然見つからずに省略しましたが・・・・)
では、久しぶりの本編どうぞ!
※加筆修正済み
クワ・トイネ公国の経済を支える、経済都市マイハーク。その北側に位置する港にはクワ・トイネ公国海軍第2艦隊の基地がおかれていた。
普段なら、軍船や貿易船がひしめき合い賑やかなハイマーク港は閑散としていた。いや、貿易船などの漁船はいつも通りいる。だが軍船は1隻も港にはいなかった。
なぜなら、3日前マイハーク上空に飛来した未確認騎が原因であった。公国の保有するワイバーンの防空網をいともたやすく突破した未確認騎はマイハーク上空で数回旋回した後、元来た方向に飛び去っていった。特段、街に攻撃がなかったので偵察だと考えられているが、隣国のロウリア王国との緊張が高まり準戦時体制にあるこの国が神経をとがらせるのは必然と言えた。
そんな、マイハーク港の一角にあるレンガ造りの立派な建物。それがクワ・トイネ公国海軍第2艦隊の司令部であった。その部屋の第2艦隊司令執務室には若手の参謀と部屋の主たる、第2艦隊司令、ノウカがいた。
「ノウカ司令。先日の所属不明騎の正体は何だと思いますか?」
若手の参謀がノウカにそう聞いた。すると、ノウカは引き出しを開け、中のケースから葉巻を一本取り出すとそれに火をつけてうまそうに吸う。そして、若手の参謀の問いにこう答えた。
「ふむ・・・・・。俺は見ていないから何ともいえんが・・・・・・。第6飛竜隊の全隊員やマイハークの住民や騎士団からの目撃情報がある・・・・・目撃したのが竜騎士1名だったら与太話で済んだろうが、ココまでの目撃情報があるとなると未確認騎は確かに存在するんだろう。問題は・・・・・・」
ノウカはそこで一旦区切り、葉巻の灰を灰皿に落とすと再び口にくわえ、窓の方に向かう。そこから港を見下ろしつつ口を開いた。
「どこの国のものかだ・・・・。東には国はない。北東には群島といくつかの集落があったはずだが、報告にあったような未確認騎は保有できまい。可能性があるのはわが国と緊張状態にあるロウリア王国。そして北方の第3文明圏の列強国、パ―パルディア皇国となるが、これまで確認されている2国の兵装に当てはまりそうな特徴が一切見受けられない。新型騎と言う可能性もなくはないが、根本的な特徴が違う・・・・。俺の勘では、どちらの所属でもないと考えている」
ノウカはそう持論を述べた。その時、部屋に通信士が入ってきた。
「司令官殿に報告いたします!」
通信士は軍人らしくきびきびとそう声を上げた。若手の参謀とノウカは通信士に視線を集める。
「発軍船ピーマ!宛、クワ・トイネ公国第2艦隊司令部!『我、未確認の大型船を発見。これより臨検を行う。現在地はマイハーク港より北に60km』以上です」
「大型船だと・・・・・?」
ノウカは通信士から通信内容が書かれている紙を受け取り一読すると怪訝な表情をした。だが、件の大型船は先日マイハーク上空に現れた未確認騎に関係していることは疑いようがなかった。
「発見しただけであればまだどのような船かはわからんな・・・・・。ピーマと言えばミドリ船長の船だな・・・・・。大型船の所属、航行目的等が分かり次第報告。臨検に当たり受傷事故防止等に十分留意し、大型船の不審点を徹底的に洗い出すように伝えろ!」
「はっ」
通信士はカッと心地のいい音を鳴らし、姿勢をただすと指示された内容を伝えるべく司令室から出て行った。
―――――――
未確認大型船を発見した、軍船ピーマは大型船に向け航行していた。
「ふむ・・・・大型船は帆を下して停船しているようだな・・・・・・」
ピーマが発見したのは日本の汎用駆逐艦である「はぎかぜ」であった。
「船長。大型船についている旗・・・・・見たことがありますか?」
船長のミドリは副長にそう言われ、旗が掲げてある大型船の船尾に視線を集中させた。
そこには白地にただ赤い丸が描いてあるだけの旗が掲げてあった。
「白地に赤い丸が書いてあるな・・・・・俺の知るかぎりあのような国旗の国は知らない・・・・・」
暫くすると、ピーマははぎかぜの左舷200mほどにまで接近していた。
ピーマの乗員たちはピーマの4,5倍はありそうな大型船の大きさに仰天する。
「なんと言う大きさだ・・・・・まるで砦のようだ・・・・・・」
「船長!あれを!」
見張り員が指を指した方を見ると灰色のでっぷりとした服を着た水夫4人ほど出てくると何やら操作しているようだった。暫くすると、甲板の端にある板のようなものが倒れ横向きになる。一人の水夫が何やら再び操作を始める。すると、港に置いてある積荷の積み込み用のクレーンを小さくしたものようなものがでてくる。どうやらクレーンようなものの先には縄が両端についた鉄の棒がつるされている。仲間の水夫の一人が、先ほど倒れた板のようなものに乗ると板の真ん中の方にある突起に鉄の棒に付いた縄の先端をつけると板から降り、仲間に何やら合図していた。何やら音がしたと思ったら板の先端が下りてきてあっという間にそこに階段が出来た。
すると、水夫たちがこちらに手を振ってきた。どうやら敵意はなく、あの階段も我々を受け入れるためのもののようだった。
「敵意はない・・・・・と言うことか?よし!臨検を行う!もしかしたら新興国の船かもしれん・・・・。国家間のやり取りとなるため臨検隊員諸君には不用意に高圧的な態度はとらないように頼む!!では行くぞ」
そういうとミドリは船を大型船の横につけ、臨検隊員とともに大型船から降りてきた階段に飛び乗り大型船に織り込んだ。
階段を上り切るとそこには、先ほどのでっぷりとした服を着た4人の水夫とは別に、清潔感のある純白の服を着た男が二人とパリッとした服を着た男が二人立っていた。
パリッとした服を着た二人の内一人はクワ・トイネにいるヒト種と同じ顔だった。
ミドリが甲板を見渡すと、何やら
大型船の迫力や見慣れぬ武器に一瞬圧倒されるもミドリは意を決して口を開いた。
「私はクワ・トイネ公国海軍第2艦隊、軍船ピーマの船長ミドリと申します。ココは我がクワ・トイネ公国近海であり、我が軍は現在、厳戒態勢にあります。このまま進みますと我が国の領海に入りますので貴船の国籍、航行目的を教えていただきたい」
すると、目の前の8人は驚いたような顔をした。
「Oh・・・・・まさかジャパニーズが通じるのか?」
「どうやらそのようです・・・・・」
パリッとした服を着た男たちはそう話しあう。
「あの?なにがそんなに珍しいのですか?」
ミドリは8人の驚きの意味が分からずそう尋ねた。するとパリッとした服を着た男はミドリのことを思い出したように口を開いた。
「失礼、私は日本国外務省アジア大洋州局大洋州課の田中と申します」
「私はアメリカ合衆国国務省東アジア・太平洋局公共外交部のウィル・バークと申します」
パリッとした服を着た男たちは自分達のことをそう名乗った。
「外務・・・・というと貴方方は一国の使節、と言うことですか?」
ミドリがそういうとバークが答えた。
「そういうことです。私たちはNATOという国家連合のうちのアメリカと日本という2か国から参りました。われわれNATOは貴国と交流を持ち、状況によっては国交を持ちたいと思っています」
バークがそこまで言うとミドリは話を遮った。
「ちょ、ちょっとお待ちください!この話は私だけでは判断しかねますので一度本国に連絡をさせていただけませんか?」
ミドリが慌てた様子でそう言うとバークと田中は少し顔を曇らせる。
それというのも、西側の大半が転移したとはいえそれ以外の国で生産していた人工レアアースや一部の食料などの供給がストップしてしまい、特殊な藻からとれる石油や鉄鉱石、特殊な木を使った人工石炭などの鉱物資源やアブラヤシやカカオ、コーヒー豆などの一部の農産物はほとんど輸入が止まり、大豆やトウモロコシ、小麦、肉類なども北米大陸や欧州で生産しているとはいえ、転移してきた国の全ての国民の腹を満たすには足りなかった。
そのためNATOの各国は一刻も早く輸入がストップしてしまった物品をどこからか輸入する必要性があったのだ。最初に見つけた国の技術レベルは中世ほどと推測されたので、輸入するには港湾施設や交通網の整備などもする必要があり、整備するにも数か月はかかる、流通制限をかけて持たせるにしてもその時のダメージは計り知れず一日でも早く国交を開設したいのだ。だが中世レベルの技術力では連絡を取るだけども数日かかってしまう可能性もある。1分1秒でも無駄にできないバークと田中はそれで顔を曇らせたのだ。
「ええ、もちろん・・・・・ですが何日ほどかかりますか?」
だがミドリの返事は不安になっている2人の予想をいい意味で裏切るものだった。
「いえ、魔信で連絡しますのですぐに連絡できます」
「ほぅ、通信手段があるのですね?」
バークと田中は興味深そうにそういった。
いかがでしたでしょうか?
オーストラリアを転移させなかったのはこういうことです。オーストラリアは鉱物資源と農産物の一大供給地ですから、オーストラリアが転移するとわざわざクワ・トイネくんだりまで行く必要がなくなってしまいますので。
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