西側諸国召喚   作:RIM-156 SM-2ER

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皆様どうもSM-2です。
本日で、夏休み中最終投稿も最後となります。楽しんでいただけるとありがたいです。
では、本編どうぞ。


EP43 西の列強

フェン王国からの要請に基づき派遣されることとなったのは、日本北方の防衛を担当する海軍戦闘総隊第5艦隊群*1隷下第5艦隊*2に所属する汎用巡洋艦CC-354「きたかみ」を旗艦として、第11駆逐隊に所属するミサイル駆逐艦DDG-106「あしがら」と汎用駆逐艦DD-264「なつかぜ」からなる第5艦隊フェン王国臨時分遣隊と海軍支援総隊観測業務群隷下海洋観測艦隊に所属する海洋観測艦AGS-2005「みょうけん」からなる計4隻であった。

第5艦隊が派遣される理由となったのは、単純にローテーションの関係で、第5艦隊が訓練中であったためであった。この時、実任務に就いていたのは第2艦隊、第3艦隊、第4艦隊で、第1艦隊は整備中。第5艦隊が訓練を行っていた。

そして、非戦闘艦である海洋観測艦が派遣されるのは、フェン王国周辺の海洋情報が少ないからであった。もともとフェン王国とは国交がなかったため、下手な関係悪化を避ける目的で、フェン王国周辺海域の水深、海底地形、潮流などの情報は、ほとんど収集されていなかった。特に艦隊が派遣されるアマノキ周辺海域の情報は、一切なかった。

国防海軍の艦は例外なくフェンやフェン王国に出入りする船よりも大型であるから、精密なデータを自分たちでとらなければ座礁の危険がある。加えて潮流のデータも非常に重要であり、潮流によって船が流されて座礁してしまう可能性もあるのだ。

国民の血税によって作られた艦であり、軍事機密の塊である。同盟国どころか国交もない国の領海に、座礁したからと数日間も放置することはできない。その放置しているさなか、物珍しさから現地人が座礁した艦艇に侵入し、機密情報や武器などを盗んでいってしまう可能性があるからだ*3。慎重になるのも当然であった。

 

 

そして中央歴1639年8月21日に国防海軍大湊基地より、使節団を乗せたフェン王国派遣艦隊が出航した。

 

―――――――――――――――

 

ちょうど同じころ、フェンよりさらに西にある第3文明圏の雄、パーパルディア皇国の皇都エストシラントはパーパルディア皇国の政府機能が集約され、第3文明圏やその圏外国家、皇国の属国から吸い上げた富をもとに第3文明圏の文化・政治の中心地として栄えていた。

豪華な貴族文化が花開き、いたるところに庭園風の公園が整備されるなど、第3文明圏内外国家からくる人間を驚愕させるような都市として発展していた。

 

 

その中心には、皇帝やその家族の住まいや他列強の使節団や文明圏国家の王侯を歓迎するための舞踏会場、謁見の間、美術館や海外からの国賓の滞在場所、そして豪奢な庭園を備えた広大な敷地を持つパラディス城があり、その西側、北側には貴族や皇族の住まい、東側や南側には内務局や財務局、農務局などの行政機関の建物が集まっていた。

その中で、パラディス城の南側にあり、パラディス城正門にほど近いところに、鉄柵で囲まれた巨大な庭園があり、その中心に3つの大きなレンガ造りの建物がある。これこそが、パーパルディア皇国外務局庁舎であり、この3つの建物にそれぞれ、第1から第3までの各外務局が入っていた。

その中で第3外務局庁舎の1室で、2人の男が話していた。

 

「フェンの件はどうなっている?確か、監察軍が出るという話だったはずだが・・・・」

 

白い口髭を蓄えた初老の男の問いに、もう一人の若い部下らしき男が答えた。

 

「はい。監察軍東洋艦隊より、まもなく出撃すると報告がきました」

「そうか。しかし、フェンも馬鹿なものだ。我が国の要求を蹴らなければ、このようなことにはならんというのに・・・・」

 

パーパルディア皇国の外交機関は大きく3つほどある。第1外務局、第2外務局、第3外務局の3つである。それぞれ担当する国家ごとに分けられている。

第1外務局は世界に5つある列強国が交渉相手である。列強国というのは、パーパルディア皇国よりも国力が大きな国もあることから、交渉には慎重さと高度な政治的判断力が求められるためエリート中のエリートがここに所属している。

第2外務局は文明圏内国家が交渉相手である。文明圏内国家というのは列強国よりも国力が劣っている国が多いが、それでもそれなりの国力や技術力がある国が多い。また列強国の保護を受けている場合もあるため、交渉には臨機応変さが求められる。そのためエリートが所属している。

第3外務局は文明圏外国家が交渉相手である。文明圏外国家は、列強国の保護を受けている国はほぼないし、技術力でも国力でも劣る国ばかりなため、高圧的な態度で利益を搾り取ることが重要である。また文明圏外国家は数が多いことから外交関係者の6割が所属している。

また第3外務局は皇国軍とは独立した監察軍を監督し、懲罰行動を命令できる権限を有していた。

ちなみにロウリア王国の援助を行っていたのは、国家戦略局と呼ばれる諜報・工作機関であった。使用された予算が大きいことから援助の失敗は隠し通せるものではないが、現時点では国家戦略局内部で隠蔽されており、NATOという国家連合を知っているのは国家戦略局と第3外交局の人間だけであった。

 

 

さて、なぜフェン王国が懲罰攻撃の対象となったのか。それはフェン王国がパーパルディア皇国の提案を蹴ったことが原因であった。

フェン王国の位置はパーパルディア皇国より東に210㎞ほどの地点であり、そのさらに東に日本やイギリスをはじめとする転移国家群がある。

パーパルディア皇国は現皇帝ルディアス1世の政策により、国土拡大計画を推し進めていた。その計画の一端として、第3外交局はフェン王国にフェン王国南部の森林地帯の一部の割譲を求めた。

パーパルディア皇国は近年、軍拡を推し進めており、戦列艦などの艦艇建造のために木材を産出する森林地帯は、西側諸国などの先進国にとっての油田やボーキサイト鉱山と同じだけの価値があった。

加えて、フェン王国からしたらそれら森林地帯は使い道がないことから、パーパルディア皇国にとっては資源地帯を国土として得ることができ、フェン王国としてはパーパルディア皇国に領土を献上することで、忠誠を誓い、技術提供やパーパルディア皇国の保護を受けることが可能という、双方にとってメリットがある提案であった。

しかし、フェン王国はこの提案を蹴った。第2案として同地を498年間租借する案を出すも、それも丁重に断られてしまった。

たかが文明圏外国家が列強国の提案を蹴り飛ばしたことは、列強国にとって恥辱である。そこで、フェンを懲罰するべく軍事行動を選択したのであった。

*1

【第5艦隊群編成】

 司令部:国防海軍大湊基地

 任務:日本近海の制海権確保

    弾道ミサイル迎撃

    日本近海の哨戒

 人数:6,330名

 

 〇第5艦隊群司令部

 

 〇第5艦隊

  母港:国防海軍大湊基地 

  人数:2,350名

  編成:第5戦隊

     第11駆逐隊

     第22駆逐隊

     第21潜水隊

 

 〇第6空母護衛艦隊

  母港:国防海軍大湊基地

  艦隊司令階級:少将

  人数:3,410名

  編成:第6航空戦隊

     第6駆逐隊

     第17駆逐隊

     第16潜水隊

 

 〇第15補給任務群

  司令部:国防海軍大湊基地

  艦隊司令階級:少将

  任務:第5艦隊群への海上補給任務

  人数:530名

*2

【国防海軍第5艦隊】

司令部   大湊海軍基地

構成部隊  第5戦隊

      ・CH-75  「ちくぜん」

      ・CC-354  「きたかみ」 

      ・第5母艦対潜航空隊

       >ヘリコプター航空隊本部

       >第5対潜ヘリコプター隊(2個対潜ヘリコプター小隊)

       >第5母艦対潜航空隊輸送小隊(輸送機5機)

       >第5母艦対潜航空隊掃海小隊(多目的ヘリ5機)

      第11駆逐隊

      ・DDG-106 「あしがら」   

      ・DDG-112 「はるな」

      ・DD-252  「はるかぜ」

      ・DD-264  「なつかぜ」

      第22駆逐隊

      ・DDG-136 「みょうぎ」

      ・DDG-146 「くもとり」

      ・DD-273  「なつづき」

      ・DD-280  「よぎり」

      第21潜水隊

      ・SS-528  「さちしお」

      ・SS-530  「うらしお」

*3

砲やミサイルの盗難は、当然不可能であるが、不審船対策用の12.7㎜重機関銃などは盗み出すことは可能であった。フェン王国は治安当局の整備などが未熟であり、日本などの転移国家群やそれらの教育を受けたクワ・トイネ、クイラの治安当局ほど厳重な警備は期待できなかった。また、日本側としても警備のためだけに数日間も部隊を常駐させることは予算的にもやりたくないことであった。なぜなら、事前の行動計画から、さらに数日間も部隊を常駐させるためには、食糧・燃料などが足りず。回収船のほかに補給艦艇も派遣する必要が出てくるからである




いかがでしたでしょうか?
今回は国防海軍の編成の一部も公開しました。結構作りこんであるから、ぜひとも見せたくて国防軍の出番を増やしちゃいがちなんですよね(-_-;)
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしております。
ではまた次回。さようならぁ

次回 EP44 軍祭

お楽しみに!
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