西側諸国召喚   作:RIM-156 SM-2ER

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皆様どうもSM-2です。
こないだ、見たら西側諸国召喚EP65まで書き上げてあるんですよね。しばらく書かなくてもよさそう・・・・。
では、本編どうぞ。


EP44 軍祭

中央歴1639年8月26日

 

この日、フェン王国では近隣諸国の軍隊を招いた軍祭が開かれていた。

この祭りは5年に1度開催され、近隣諸国に自国の軍事力を見せつけ、牽制しあい、戦争を抑止するような意図がある。

しかし、この年の軍祭はいつもと少し違った。それはアマノキ沖に浮かぶ4隻の大きな灰色の船が原因であった。

 

『眩しいな』

 

上空を飛んでいたガハラ神国軍風竜騎士のスサノオに相棒の風竜がそういった。

空に溶け込むような青く、そして雄々しい体を持つ風竜は、鳥のように飛ぶワイバーンと違い、ほのかに輝く翼で魔力を使って飛ぶ。知能はとても高く、人間の言葉を解することもできる。

本来、誇り高い風竜は人間に仕える存在ではないが、ガハラ神国は神通力といわれる特別な力で、風竜と契約し使役することができるのだ。

 

「そうだなぁ。今日は快晴だ」

 

雲一つない晴れ空を見て、スサノオはそう返す。

 

『いや、太陽ではなくあの船だ。あの灰色の船から不可視の光が出ている・・・・』

「不可視の光?どういうことだ?」

『我々が遠く離れた同胞と会話するときに使ったり、遠くのものを確認するときに使う光だ。それに似たものをわしより強く出している』

 

日本などのNATO国家群と国交を樹立した際、彼らはすごい国だと聞いていたが、今の話を聞いてとんでもない国家であることをスサノオは認識した。

 

「つまり、遠く離れたところのものを確認できたり、魔法通信以外で通話できるってことか?」

『ああ、あの4隻すべてがそれを出している』

「・・・・ほんとにすごい国なんだな」

 

―――――――――――――――

 

一方、フェン王国派遣艦隊側もざわついていた。

 

「これは・・・・信じられん・・・・」

 

"あしがら"艦長は電子戦員の報告を聞いて、そうつぶやいた。

 

「しかし、実際に出ています。戦闘機のレーダー並みの出力ですよ」

 

それは上空を飛んでいるガハラ神国の風竜がレーダー波に似た電波を出しているのを電波探知妨害装置が探知したのが原因であった。

「あしがら」艦長は眼鏡をはずすと、眉間をつまむ。

 

「まさか、レーダー波を出す生物がいるとは・・・・」

「艦長。電波情報の収集をするべきでは?」

 

たまたま横にいた砲雷長が進言してくる。

 

「そうだな。"きたかみ"がすでにやっていそうだが、本艦でも電波情報を収集しよう。それと”きたかみ”に報告しておけ」

 

そういうと艦長は艦長用座席にドカッと座る。

 

「しかし、この船も大変だな。日中紛争にあい、異世界に転移したと思ったら、今度は電波を出す生物の情報収集だ。まったく数奇なものだ」

「そうですね。ですが、こいつもこれが最後の奉公です」

 

砲雷長は感慨深げにそういう。艦長も少し寂しそうな顔でCIC内を見渡す。

 

「そうだな。この派遣が終われば、こいつも除籍か・・・・」

 

そう、就役から30年以上がたつ"あしがら"は老朽化が激しく、この派遣を最後に除籍し、現在海上公試中のたかお型ミサイル駆逐艦2番艦"かさぎ"にその座を譲る予定であった。

彼らは最後の艦長、砲雷長なのだ。

 

「そういえば、艦長の最初の勤務は・・・・」

「この(ふね)だ。1分隊の砲術士でな・・・・。26年、ずっと海の上だったが、海上勤務をこの艦とともに終えられるのはうれしいな」

「そういえば、艦長は市ヶ谷(統合参謀司令本部)への異動でしたね」

「うん。同時に准将に昇進だよ。盛大に祝ってくれよ」

 

冗談めかした口調で艦長がそういうと、砲雷長も笑って頷く。

 

「わかりました。いい店を探してますから、今度、幹部連中を誘っていきましょう」

「楽しみにしているよ」

 

するとCICにいる船務長が艦長に報告する。

 

「艦長。時間になりました」

「わかった。"みょうけん"より海域のデータは来ているな?」

「はい。ここから目標との距離4000m地点までの航路上のデータのみですが・・・・」

「うむ。教練対水上戦闘用意!目標との距離5500mまで接近する!」

 

艦長の指示を聞いた海曹が艦内無線を使って指示を出す。

 

『教練対水上戦闘よぉい!!』

 

この号令で、乗員たちは配置につくべく走り、各所の水密扉が閉じられ、"あしがら"は戦闘態勢に入った。

 

―――――――――――――――

 

「おお!あれが日本の戦船か!」

 

王族や他国からの来賓が軍祭を見物するために特別に作られた建物で、フェン国王シハンは動き出す日本の駆逐艦に興奮していた。

フェン王国水軍武将、マグレブ・アコニスはシハンの感想に頷く。

 

「まるで城のようですな。ガハラ神国から聞いていましたが、あれほどの大きな金属製の船が浮かんでいるなど、パーパルディア皇国でも見たことがありません」

「うむ。やはり、日本とはすさまじい国なのだな・・・・」

 

宰相は、マグレブの言葉を聞いてそうつぶやく。すると、彼らの視線の先で日本の駆逐艦が止まる。シハンはそれに真っ先に気が付く。

 

「ん?止まったぞ?」

「あの距離では魔導砲を搭載した"剣神"でも攻撃不可能です。なんのつもりなのでしょう・・・・」

 

マグレブも不可解な日本艦の行動に首をかしげていると、後部の甲板から何かが飛び上がり、しばらくして前方の甲板上にある何かが動いた。

 

「なんだ?」

 

一同が首をかしげていると突然、

 

ドンッドンッドンッドンッ

 

と破裂音のような音とともに何かから4回煙が上がる。そして、それと同時に目標として浮いているフェン王国の廃船で爆発が起こる。

そのあまりの破壊力に、フェン王国首脳陣だけでなく居並ぶ各国の来賓も言葉も失う。

 

「・・・・なんともすさまじい力だ・・・・」

「し、信じられん・・・・」

 

フェン王国水軍の基本的な戦術といえば、バリスタから火矢を放ち敵船に火災を発生させ、敵が弱ったら接舷して白兵戦を行うというものである。

そのような戦術を使うフェン王国からしたら、離れた位置から攻撃し敵を一撃で撃沈できる日本艦の能力はとてつもないものであった。しかも、連射速度にしてもバリスタなどとは比べ物にならないレベルで早い。

彼らの脅威であるパーパルディア皇国でもこのような能力を持つ船はないだろう。彼らを味方に引き込めれば、対パーパルディア皇国戦略で強い味方となることは間違いなかった。

シハンは、横にいる宰相の方を向く。

 

「宰相。至急、日本との国交樹立に向けた交渉に入ってくれ。不可侵条約や、可能なら安全保障条約の締結も交渉してみてくれ。彼らと関係を持つことは、我が国を救うことにつながるはずだ・・・・」

「かしこまりました」

 

宰相はそういうと、早速日本外交官との会談のためにどこかに行ってしまった。

 

―――――――――――――――

 

「全弾命中。目標、すべて撃破を確認しました」

 

砲撃開始前に飛ばしていた艦載型無人観測機から送られてきた観測映像を見て、砲雷長は戦果を報告する。

横にいた艦長は静かにうなずいた。

 

「うん。まぁ、5500mなら当たり前か・・・・。よし、教練水上せ・・・・・」

 

 

砲雷長の報告を聞いて艦長は演習の終了を宣言しようとしたときであった。CIC内でイージス艦の目たるSPYレーダーを確認していた電測員が声を上げる。

 

「待ってください。アンノウン(所属不明機)探知しました」

「なに?目標の諸元を報告しろ」

 

艦長は突然の報告に、怪訝な顔をする。電測員は艦長の求めに応じて、探知したアンノウンについて報告する。

 

「方位292度、高度1000m、時速220㎞、目標数20機。針路112度、目標との距離55㎞です」

「こっちにまっすぐ飛んできているのか・・・・。事前情報にはなかったな?」

 

艦長は事前の予定にないアンノウンの出現に困惑していた。それは横にいた砲雷長も同じなようであった。

 

「フェン王国側に確認をしてみるべきでは?」

「そうだな。"きたかみ"にも連絡を入れておけ」

 

そうこうしている間に、アンノウンはアマノキ上空に侵入しようとしていた。




いかがでしたでしょうか?
この作品の中では、初代こんごう型イージス艦は全部退役しています。レールガン搭載した2代目こんごう型イージス艦がありますが。同時にあたご型イージス艦も退役が進んでいます。
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ではまた次回、さようならぁ

次回 EP45 招かれざる客Ⅰ

お楽しみに
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