西側諸国召喚   作:RIM-156 SM-2ER

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皆様お久しぶりです。SM-2です。
最近、執筆の時間がなかなか取れずに、投稿が遅れてしまいました。本当にもう嶋和ありません。
では本編どうぞ。


EP55 皇国の対応

日本政府代表使節団との交渉から数日後、日本の情報収集とフェン・アルタラスへの侵攻作戦への準備で多忙を極めていたカイオスのもとに、突如第1外務局への出頭命令が届いた。

第1外務局と第3外務局は、公式には同列の権限を持つ行政機関であり、他局の局長を呼び出すというのは本来ありえないことであった。しかしながら、皇帝印が押された正式な命令書となれば、カイオスは第1外交局に向かわざるを得なかったのだ。

 

――折り合いをつけたつもりではあったが・・・・

 

第3外務局の局長室よりも豪華な装飾が施された第1外務局長室を見て、カイオスは複雑な心境になる。

昔、まだカイオスが第1外務局第1文明圏担当部長として働いていた時、現第1外務局長のエルトは第2文明圏担当部長としてライバルであった。

とはいっても、第1文明圏担当部長というのは、世界1位の列強であるミリシアル帝国も担当するために順列的には第2文明圏担当部長よりも上であり、最も第1外交局長の椅子に近いのはカイオスであった。しかし、最終的にカイオスは落ちこぼれといえる第3外交局長に、第1外交局長にはエルトが任命されたのだ。

むろん、エルトの優秀さはカイオスもよく知っているが、異動が発表されたときはとても悔しく、普段めったに飲まない酒を山のように飲んだほどであった。

そんなことを考えているうちに、案内役の職員が局長室の扉を開けた。

 

「失礼する」

 

カイオスが中に入ると、そこには部屋の主であるエルトのほか、第1外務局次長のフェルヴェ・ハンス伯爵、第2文明圏担当部長のアレミー・シラン伯爵と、もう一人見たことのない女性がいた。

見知らぬ女性は20代後半くらいで、とても美しく、身に着けているドレスもとても高価なものだとすぐわかった。

 

「第1外務局に呼び出しとは、いったいどのようなご用件ですかな?」

「ほう!身に覚えがないというか」

 

見知らぬ女性は、とても愉快そうに笑うとそういった。しかし、その言葉の端々にはトゲがあるように感じられる。

 

「失礼ですが、貴女は?」

「外務監査室のレミール・ル・ノーリエだ」

 

外務監査室というのは、外務局の不正や外交上の不手際を監視するのが仕事であり、外部から外務局を監視するのが仕事であり、不祥事があった際には担当者を処分が可能であり、問題となる案件に関しては監査室の人間が相談役として参加したり、処分された担当者の代わりに交渉を行うことができる。

監査室の人間は、エリートである職員を処分することがあるために皇族や高位貴族、元外交局長などの人間が在籍している。

ノーリエというのは現皇帝と5親等の血縁関係の人間、つまり皇国における皇族法で定められた皇族にのみ許される名字である。このレミール・ル・ノーリエは現皇帝ルディアスの従妹にあたる人間であった。

ちなみに、6親等以上の血縁関係となった場合は高級貴族へと降下され、皇帝から新たな名字が与えられるため、ノーリエの名字を使うことが許されなくなる。

 

「これは、失礼をいたしました。して、いったい何のことでしょうか?」

 

相手が皇族ということで、カイオスはレミールに恭しく頭を下げる。

 

「日本の一件だ。議事録を見たぞ?なんだあの国賓のような対応は?」

「お言葉ですが、私めにも考えがございまして・・・・」

 

あの件かとカイオスは内心で舌打ちしつつ、一応の反論を試みようとするが、レミールはぴしゃり彼の発言を止めた。

 

「口答えをするな!文明圏外国の担当は貴様の管轄だが、陛下が御前会議で"なめられないようにせよ"と仰せになったことを忘れたわけではあるまい!それなのになんだ?あの腑抜けた対応は!文明圏外国のたかが大使に、列強たる我が国の外交局長ら重役が雁首をそろえて・・・・。まったくもって嘆かわしい・・・」

 

皇族の言葉とあって、それには有無を言わせぬ重みがあった。カイオスは冷や汗をかきながら、頭を下げ続けるしかない。そんなカイオスを尻目に、レミールはさらに続ける。

 

「今後の日本との交渉は、外務監査室と第1外務局が担当する。陛下の言葉も理解できない愚か者はいらぬ。処分されないだけありがたいと思うことだ」

「ははぁ、かしこまりました・・・・」

 

外務監査室の正式な命令である以上、カイオスに拒否する権利はない。そもそも皇帝印の押された命令書が届いた時点で、すでにこのことは決定していたのだろう。

カイオスはギュッとこぶしを握り締めつつ、深々とお辞儀をして命令を受諾すると、第1外務局長室から出て行った。

 

 

翌日、パーパルディア皇国に滞在している日本政府代表使節団に担当部署が変更することと、外交交渉が無期限の延期となることが突如として通達された。

日本政府はこの皇国の決定に不信感を抱き、国家戦略情報省(MNSI)に対して対パーパルディアの情報収集の強化を命令。またNATO諸国にもこれを通達することとした。

これが中央暦1639年10月27日から29日までの出来事であった。




いかがでしたでしょうか?
今回の話はかなり短くなってしまいましたが、これで戦間期編は終了し、次回から魔王編になります。しばらくは日本国防軍が主役になります(西側諸国召喚とは・・・・?)
魔王編が終了すると、いよいよパーパルディア皇国との戦いが激化していく予定です。今後のお話を気長に待っていただければ幸いです。
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしております。
ではまた次回、さようならぁ

次回 EP56 出現

お楽しみに
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