西側諸国召喚   作:RIM-156 SM-2ER

60 / 63
皆様どうもSM-2です。
今回のお話は、自分としても特に思い入れが強い話ですね。編成とかはめちゃめちゃ苦労して考えたので・・・・。楽しんでいただけるととてもうれしいです。


EP58 トーパ王国臨時偵察隊

トーパ王国からの派遣要請に基づき、最初に要請を受けた日本に加えて、米独仏加伊波などNATOの10か国が援軍派遣を了承した。

とはいえ、現地の状況と魔王の戦力が正確にわからない以上、どれだけの戦力と補給物資が必要なのかわからない。

そこで、現地の補給路構築と魔王軍の戦力を図るために、先に独自に準備を進めていた日本国防軍から小規模な部隊が派遣されることが決定した。

 

 

派遣部隊は日本国海兵隊第3海兵師団が派遣されることとなり、先行派遣部隊として同師団から部隊を抽出してトーパ王国臨時偵察隊*1を編成して派遣することに決定した。

このトーパ王国臨時偵察隊は、大湊海軍基地を母港としている第5輸送任務群の輸送艦4隻によって輸送されることとなった。

またその他の支援部隊として、英海軍の「クイーン・エリザベス」を中心とした空母打撃群と日海兵隊第201海兵攻撃飛行隊第1小隊のAV-281バッファロー*24機が派遣されることとなった。

 

―――――――――――――――

 

トーパ王国臨時偵察隊の装備と人員は、第3海兵師団司令部がおかれている国防海軍函館基地に集結していた。ここは平時においては、国防海軍大湊地方隊第15艦隊隷下の第152哨戒任務群に所属する哨戒艦2隻やその他掃海艇などが母港としているのみであったが、有事の際には北海道方面に出動する艦隊や部隊、それらの補給物資の受け入れを担当する基地として、北海道では最も大きな海軍基地であった。

その函館海軍基地に隣接している海兵隊函館駐屯地のある建物の前には数十台の歩兵機動車や戦車などの装甲車両にトラックなどが並べられており、その周りを白い冬季迷彩に身を包んだ兵士たちが動き回っていた。

そして、それらの目の前の建物の中でトーパ王国臨時偵察隊の指揮官ブリーフィングが行われていた。

 

「今回、トーパ王国臨時偵察隊指揮官を拝命しました百田(ももた) 太郎(たろう)海兵隊大尉であります。よろしくお願いいたします」

 

百田はそう自己紹介をしたものの、この場にいる人間はほとんどが彼の部下か同じ大隊の人間であり、唯一大隊が違う第33輸送中隊第1輸送小隊の指揮官も、同じ第3海兵師団の人間ということで演習などで顔をよく会わせたことのある人間であった。

 

「では、早速今回の作戦について、海兵隊参謀司令部から来た三好中佐から説明していただきます。中佐、お願いします」

 

そういうと、冬季迷彩服を着た人間だらけの会議室で、唯一制服を着込んだ女性が出てきた。

 

「百田大尉から紹介された、海兵隊参謀司令部の三好です。今回の作戦についての海軍、空軍との調整などを担当させてもらいます。まず、これをご覧ください」

 

そう言って三好中佐がタブレット端末を操作すると、会議室の上座のほうに設置したプロジェクターに一枚の航空写真が映し出された。

そこには、醜い姿の生き物―この世界では魔物とされている生き物が映っていた。その中でも数枚の写真に写っている筋骨隆々とした、明らかにほかの魔物とは違う雰囲気の魔物に、指揮官らの注目が集まった。

 

「これは空軍のRF-3が高度1万mの上空から撮影した偵察写真です。そのうちのこれとこれ、それとこの写真に写っているのが、現地で魔王と呼ばれている目標、固有名"ノスグーラ"です。これと、このノスグーラのそばにいる2体の魔物、これはそれぞれレッドオーガ、ブルーオーガと呼ばれていますが、これらの戦闘能力を図り、本隊集結までの遅滞戦闘を行うこと、また現地のインフラなどを調査することが今回の任務となります」

「質問!」

 

手を挙げたのは第31両用強襲偵察中隊第3強襲偵察小隊長の犬神(いぬがみ) (つよし)海兵隊少尉であった。

 

「なんでしょう?」

「なぜ、魔王とレッドオーガ、ブルーオーガは、他の魔物と一体何が違うのでしょうか?」

 

戦闘能力の調査が命じられるくらいなのだ、見た目以外にもほかの魔物と違う部分があるに違いないと考えての質問であった。

 

「いい質問ですね。従来、魔物は知力などがとても低く、数百単位の集団で行動することはまずないといわれています。しかし、この魔王とレッドオーガ、ブルーオーガは人間並みの知力を備えており、また魔力というのもほかの生物よりも圧倒的に高いということです。特に魔王は、こうやって知力の低い魔物を統率することが可能など、脅威度が高い標的です」

「なるほど・・・・」

「他に質問は?」

 

次に手を挙げたのは第2強襲偵察小隊長の猿渡(さるわたり) 仁史(ひとし)少尉である。三好が、質問を許可すると起立して質問を始めた。

 

「先ほど、空軍のRF-3が偵察活動をしていたとの説明がありましたが、空爆で片づけることは不可能なのでしょうか?」

「すでにノスグーラ率いる魔物の集団、以後はα集団と呼称しますが、これはすでにトーパ王国の都市であるトルメスに到達しており、ノスグーラもすでにトルメス内に侵入していることが確認されています。この占拠された地域には、避難が遅れた民間人が多数いると思われ、これの位置が判明しない現状では誤爆の可能性があるとして空爆はできないという判断にいたりました」

「中佐、ノスグーラに関する基本情報は資料に記載されている情報だけなのでしょうか?」

 

猿渡の質問への回答が終わるのを見計らって、百田は読んでいた資料を掲げてそういった。その質問に、三好は頷いた。

 

「ええ、その通りです。トーパ王国大使から聞き取り調査をした内容は、すべてその報告書に記載してあります。ほかの魔物に関する情報も、そこに記載されている内容がすべてです」

「わかりました。ありがとうございます」

 

全員に配られていた資料には、魔物が人類を主食にしていること、ノスグーラやレッドオーガ、ブルーオーガは不老であること、ノスグーラ、レッドオーガ、ブルーオーガの3体は大古に存在していたラヴァーナル帝国によって生み出されたといわれており、それには遺伝子操作かそれに準ずる技術が使われていると思われること、そのほかにも魔王軍を構成するオーガやゴブリンに関する情報が記載されていた。

 

「他に質問は?・・・・ないようですね。出発は13日11:00、第5輸送任務群によって輸送されます。また航空支援として英海軍空母打撃群と第201海兵攻撃飛行隊のAV-281の4機が付きます。英海軍側の航空部隊のコールサインはあとで連絡しますが、201飛行隊のコールサインを伝えておきます。リーダー機のコールサインはバスター03です。必要に応じて航空支援を要請してください。以上です」

 

三好の説明はこれで終わったが、部隊指揮官の同士の話し合いは、夕食の時間まで続くこととなった。

*1

【トーパ王国臨時偵察隊編成】

指揮官:百田 太郎(ももた たろう)海兵隊大尉<第3両用偵察大隊第31両用強襲偵察中隊長>

部隊:第31両用強襲偵察中隊(205名/百田 太郎 海兵隊大尉)

   >中隊本部(19名)

   >両用装甲偵察小隊(63名/吉備 悟《きび さとる》海兵隊少尉)

   >第1両用強襲偵察小隊(41名/城島 仁史《きじま ひとし》海兵隊少尉)

   >第2両用強襲偵察小隊(41名/猿渡 学《さるわたり まなぶ》海兵隊少尉)

   >第3両用強襲偵察小隊(41名/犬神 剛《いぬがみ つよし》海兵隊少尉)

   第3両用偵察大隊本部中隊臨時分遣隊(33名/吉沢 雄一 海兵隊少尉)

   >臨時補給分隊(11名/黒崎 聡美《くろさき さとみ》海曹長)

   >臨時整備分隊(13名/三田 大輝《みた だいき》海曹長)

   >野戦搬送分隊(3名/川野 美希《かわの みき》上級海曹)

   >電子偵察分隊(6名/堀田 幸樹《ほった こうき》一等海曹)

   第3支援連隊第3輸送大隊第35輸送中隊第1小隊(45名/三河 由美《みかわ ゆみ》海兵隊少尉)

人員:283名(士官 9名/上級下士官 14名/下士官 92名/兵 168名)

車両:【戦闘・装甲車両】

   軽戦車 6台(36式軽戦車無印 6台)

   偵察戦闘車 9台(31式水陸両用偵察戦闘車2型 3台/31式水陸両用偵察戦闘車1型改 5台/31式水陸両用偵察戦闘車無印 1台)

   歩兵機動車 34台(27式装甲機動車1型 5台/27式装甲機動車無印 17台/軽装甲機動車 12台)

   装甲救急車 1台(31式水陸両用装甲救急車 1台)

   偵察用バイク 18台

   【整備車両】

   装甲回収車 1台

   重レッカ 2台

   【支援車両】

   高機動車 4台

   小型トラック 1台

   中型トラック 43台

   大型トラック 1台

   タンクローリー 2台

   水タンク車 2台

   地上レーダー装置車 1台(36式地上レーダー装置搭載高機動車)

*2

【AV-281 バッファロー】

種別:攻撃ティルトローター機

乗員:2名(パイロット、ウェポンオペレーター)

全長/幅/全高:14.93m/22.4m/7m

主回転翼直径:10.6m

エンジン:T64-GE-510 ターボシャフトエンジン(4,900hp) 2基 

虚空重量/ペイロード/最大重量:7.8t/不明/15t

超過禁止速度/巡航速度:580km/535km

上昇率:13m/s

航続距離:3,900km

実用限界高度:8,000m

武装:<固定>35㎜機関砲

   <ハードポイント数>内部ウェポンベイ(4)、主翼下(6)

概要:米軍のJMR-Mediumの計画に基づいて、UV-280バローの設計をもとに、UV-280によるヘリボーン部隊に追従可能な攻撃機として開発された攻撃機。

UV-280をさらにスリムアップし、攻撃ヘリとしては標準的なタンデム座席方式を採用することで、UV-280よりも前方投影面積を下げ、また射出座席とバスタブ装甲を採用することで、乗員の生存性を向上させることに成功している。また、高高度飛行や高速飛行が可能であるため携帯対地ミサイルや対戦車ロケット弾による攻撃などへ対する生存性が向上している。

電波吸収塗料の採用と、V型尾翼など全体的にステルス性能の向上を意識した機体設計となっている。機体下部には対地捜索レーダーが搭載されており対地攻撃能力を底上げしている。




いかがでしたでしょうか?
部隊の編成とか人数とか装備とか、いろいろな部分を細かく設定したのでとても大変でしたね。
ちなみに魔王編においては、負傷者などは装甲救急車などで回収後にトルメス郊外の平原まで輸送し、そこからヘリで沖合の艦艇まで輸送するという設定になっております。
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしております。

次回 EP59 到着
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。