西側諸国召喚   作:RIM-156 SM-2ER

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皆様どうも、SM-2です。
こちらのシリーズではお久しぶりです!待たせてしまいました。今回はかなり長いですが、自信作です。
では本編どうぞ

※イギリス軍派遣部隊を第7機甲師団から第1装甲師団に変更
※韓国海軍の派遣部隊を第7機動戦団に変更

提供兵器をかなり変えました


第2章~ロデ二ウス戦争編~
EP5 不穏な気配


クワ・トイネ公国と接触して1ヶ月後、アメリカと日本は正式にクワ・トイネ公国と国交を樹立した。また同時期にドイツとフランスがクワ・トイネ公国の隣国クイラ王国に接触し国交を樹立。それにともないそのほかの西側諸国22カ国とも国交を樹立した。同国には大量のレアアースや原油が確認されたため、各国が合同でインフラの整備や採掘施設の整備などを行い、資源問題は解決した。

クワ・トイネ公国もアメリカ、日本の仲介でそのほかの22カ国と国交を次々に樹立。

またNATOおよびクワ・トイネ、クイラ王国間で、ロデニウス大陸の開発を目的とするロデニウス経済開発協定が締結。NATO諸国により、農業機械などの民生品の提供や鉄道、港湾設備などのインフラの開発が開始され、なんと協定が結ばれて10か月後にはマイハーク港やクイラのスルモー港の拡張工事と同港への鉄道が開通した。

また、中央歴1637年3月に両国は国際連合及びNATOに加盟した。

西側諸国は両国に調査団を派遣した上で、隣国には危険な軍事国家があると判明したため、ロデニウス安全保障協力条約を締結。両国軍の近代化に向け、兵器の貸与や将校の西側諸国軍への留学などを認め、また有事の際にはNATO軍が両国に協力することで合意した。

―――――――

【陸上兵器】

・M14   10000丁(Mini14も含まれている)

・ブレン軽機関銃 1500丁

・M1919重機関銃 500丁

・三菱MAV/RAC-K 60台*1

・M113装甲兵員輸送車 30両

・M2ブローニング連装自走式対空砲  30両

・その他トラック 500両(一部はM1919を搭載したテクニカルになった)

【航空兵器】

・A-29 スーパーツカノ 20機

・T-7練習機 20機

【海上兵器】

・サイクロン級哨戒艇 20隻

・魚雷艇 10隻

・サイクロン級哨戒艇改造砲艇  10隻

―――――――

また、有事の際はNATO軍が援護に向かうことも決定していた。

―――――――

「この1年で様変わりしたな・・・・・・」

 

カナタは自身の執務室で眼下の街並みを眺めながらそうつぶやいた。

街では数が少ないながらもアメリカや日本、ドイツなどの自動車が走っており、空では数は10機ほどの日本からの輸入品であるT-7練習機が飛んでいた。

T-7練習機には日本やアメリカなどのNATO軍から派遣された教官と元々竜騎士だった10名が乗っており、教官たちは竜騎士たちの余りにも早いのみ込みに驚いていた。教官たちの話しではあと1カ月もすればA-29に乗れるだろうとまで言っていた。

また、陸軍でも自動車や装甲車、銃の導入などの近代化が進んでいた。インフラもイギリスやフランス、日本から派遣されてきた技術者たちが水道管の敷設や電気設備の整備、ガス管の敷設などを行っており、軍事、文化、生活面で第3文明圏をも上回る発展を見せていた。

クワ・トイネ公国は西側諸国に技術者を派遣し、兵器などの国産化も目指していたが、西側諸国は新世界技術流出防止条約という条約を結び、過度な技術の流出を防ぎ、技術供与を行う場合はその国の発展度や置かれている状況、政策などを事細かに調査し最高でも1940年代以前の技術までならば供与できるという決まりを造った。また、完成品ならば1960年代までの物品をコピーや解析しないことを条件に輸出できるものとしたのだ。

 

「すさまじい国々だな・・・・・」

 

また、政治体系でも少しずつ変化が起きており、国民からの選挙で選ばれた議会を設立し、国家元首も国民の選挙で決める大統領制へと移行する予定であった。第1回の大統領選と議会選挙は1年後としており、まだまだその手のことが未熟なクワ・トイネ公国は西側諸国に頼んで選挙監視団の派遣をしてもらう手はずであった。

また、クイラ王国でも同様の政策が行われており、2カ国の近代化は着々と進んでいた。

 

――ただ、ロウリア王国が最近きなくさい・・・・・何もなければよいが・・・・・

 

ロウリア王国とはクワ・トイネ公国、クイラ王国の隣国で、2カ国があるこのロデ二ウス大陸最大の国家であるが、人間至上主義を掲げており、この2カ国で国民の半分以上を占めている亜人を差別する政策がとられていた。そのため、アメリカのCIAやNSA、日本のNSIなど西側諸国のあらゆる情報機関が目をつけている国家であった。

近年は軍事力が異常に増加し、クワ・トイネ公国とクイラ王国に圧力をかけているのであった。

カナタは執務室で何やら得体のしれない不安に襲われるのであった。

―――――――

一方、ロウリア王国の王都ジン・ハークでは一つの会議が開かれていた。

出席者はロウリア王国国王のハ―ク・ロウリア34世を始め、宰相マオス、王国軍最高司令官パタジン、三代将軍のパンドール、ミミネル、スマーク、王宮主席魔導師のヤミレイなどロウリア王国の行政・軍事をつかさどる重役たちであった。

だが、中には真っ黒なローブを着こんだ、薄気味悪い姿の人物も混ざっていた。男か女か全く分からないその人物に、知らないものはちょっとした嫌悪をいだく。

すると宰相のマオスがゆっくりと立ち上がり口を開いた。

 

「これより御前会議を始めさせていただきます。まずは国王陛下よりのお言葉でございます」

 

マオスはそういうと、恭しくハーク・ロウリアに頭を下げゆっくりと座る。

 

「この場にいる皆の者、先々代からの願いをかなえるためにこれまでの準備、大変ご苦労であった。あるものは厳しい訓練に耐え抜き、あるものは寝る間も惜しんで金策に走り、あるものは命をかけて情報を集めて回った。中には命を落としたものもいる。皆、大儀であった」

 

ハーク・ロウリアのその言葉にその場にいた全員がざわつく。

 

「な、なんと恐れ多い・・・」

「おお・・・・・」

 

中には今までの苦労を思い返してか、目に涙を浮かべている者もいた。

 

「その苦労がついに実る時が来た。先日、全ての用意が出来たと報告を受けた」

 

そう言って、ハーク・ロウリアは横にいるパタジンに目で合図した。

パタジンは少し頭を下げると、立ち上がる。鍛え抜かれたその筋肉はまさしく英傑のそれであった。黒い口髭を蓄えたパタジンはその雄々しい顔に自信に満ち溢れた表情を浮かべて口を開く。

 

「今回、ロウリア王国はクワ・トイネ、クイラに巣食いる亜人どもを駆逐しこのロデ二ウス大陸を統一いたします。クワ・トイネ、クイラは固い結束があり、どちらかに宣戦布告をすればもう一方の参戦は必須でありましょう。ですが恐れることはありませぬ。1国は農民の集まり、1国は不毛の地に住まう貧民の国家。質、量で圧倒する我々が負けることなどありえませぬ」

 

すると横に控えていたミミネルが口を開く。

 

「時として宰相殿。3か月ほど前に接触してきたイタリアと台湾とかいう国についての情報は?確かクワ・トイネ、クイラと友好関係だと聞いております」

 

するとマオスは座ったままその問いに答えた。

 

「クワ・トイネから北東に2千キロも離れた所にできた新興国家だそうでございます。それだけ距離が離れていれば軍事的影響は考えられませぬ。それに加え、彼奴らは我が国の竜騎士団を見た時に『初めてみた。まるでお伽噺のようだ』と申しておりました。恐らくワイバーンの存在しない蛮族どもでございましょう」

 

ワイバーンは()()()()()()()()()()()()()()唯一の航空戦力である。そのワイバーンがいなければ航空支援を受けられない。

もちろんワイバーンの放つ導力火炎弾ごときでは騎士団は全滅することはないが、仲間が目の前で燃やされ常に火炎弾の脅威にさらされるため、士気が下がり戦線が崩壊する危険性があるのだ。

イタリア・台湾の使節団が「ワイバーンを初めてみた」と言っていたのでワイバーンがいない弱小国家とみなされていたのだ。

実際にはワイバーンより強い戦闘機やワイバーンの攻撃を受け付けない戦車などが多数あるのだが。ロウリア王国は自分の定規で両国の事を測ってしまったようである。

 

「そうですか、クワ・トイネがそのような弱小国家に助けを求めても無駄でありましょうな」

 

パタジンはそう言って意地の悪い笑みを浮かべる。

 

「つまりは我が大願を阻むものはいないということか・・・・。ついに忌々しい亜人どもを根絶やしにし、このロデ二ウス大陸を統一できると思うと余もうれしいぞ」

 

今まで黙っていたハーク・ロウリアは嬉しそうにそう言った。

するとずっと黙っていた薄気味悪い黒いローブをかぶった男がぽつりと喋った。

 

「国王陛下、大陸統一のあかつきにはあの約束もお忘れなきよう・・・・クックック」

 

薄気味悪い彼らの正体は、ロウリアを支援している第3文明圏の列強国パ―パルディア皇国から派遣されてきた使者であった。

彼らの薄気味悪い笑い声がハ―ク・ロウリアの癪に障ったらしく、とたんに怒気をはらんだ声で

 

「分かっておるわ!!」

 

と怒鳴った。

 

――文明圏外の蛮族と見下して馬鹿にしおって!ロデ二ウス大陸を統一した暁には国力をつけてフィルアデス大陸にも攻め込んでやるわ

 

ハ―ク・ロウリアの頭の中に第3文明圏であるフィルアデス大陸に侵攻し、常日頃から「文明圏外国家」と見下す国々を征服するオプションが浮かんだ。

ハ―ク・ロウリアはこの薄気味悪い男を切り捨てたい衝動にかられていたが、パ―パルディア皇国の援助なくしてこの作戦は成功しないため、必死でこらえていた。

 

「・・・・パタジン、続きを・・・・・」

 

ハーク・ロウリアは未だ苛立った声でパタジンに説明を続けるように指示する。目の前の出来事に一瞬あっけにとられていたパタジンも、国王の命令を受けてゴホンと咳払いをして説明を始めた。

 

「はっ。今回の作戦で動員する兵力は全部で50万。内、30万はクワ・トイネに10万はクイラとの国境線に、残る10万は本土の防衛に当てます」

 

会議室の真ん中のテーブルに地図が広げられ、ロウリア王国軍を示す青い駒が5つとクワ・トイネ公国軍を示す一回り小さい赤い駒いくつかが置かれた。

 

「まずは初戦でクワ・トイネ公国国境線の人口10万の町であるギムに侵攻しこれを制圧します」

 

青い駒2つをギムに移すとギムにあった赤い駒を取り除く。

するとギム攻略を担当するパンドールが口を開いた。

 

「なお、兵站に関してでございますが。彼の国では家畜ですら上手い飯を食らっております。なのでギムや近隣の町などから徴収します」

 

パンドールがそういうとパタジンは再び口を開いた。

 

「その後、東方55km地点にございます城砦都市のエジェイに全軍を差し向けこれを攻略いたします。クワ・トイネにはこのエジェイ以外城砦都市はなく、首都ですら町ごと城壁で囲ってはおりませぬ。そのため、このエジェイさえ陥落させてしまえば我々の勝利は覆りませぬ」

 

ギムから移した2つの駒をクワ・トイネの首都に移動させると、今度は串で高さを付けた駒と用意してあった1つの青い駒を海上において動かす。

 

「奴らの航空戦力は少なく、我々のワイバーンで圧倒できるでしょう。それと並行し、海上から4400隻の大艦隊を送り込み、マイハ―ク北岸に上陸し経済都市マイハ―クを制圧します。食料をクワ・トイネからの輸入に頼っているクイラはコレで飢えに苦しめられるでしょう。弱り切ったところで50万全軍でクイラに侵攻しこれも制圧します」

 

するとマオスが口を開いた。

 

「クワ・トイネの兵力は?兵力の如何によっては作戦も失敗するやもしれぬ」

「全軍合わせて5万。即応勢力は1万程度でございましょう。今回用意した兵力を持ってすれば、こざかしい策を弄そうとも圧倒的物量の前には意味をなしますまい」

 

ハーク・ロウリアはついに先々代からの悲願が達成されると確信し、フッと笑った。

 

「よし!クワ・トイネ、クイラに宣戦を布告する!忌々しい亜人どもをこのロデ二ウス大陸から滅するのだ」

「ははぁ!!」

 

この決定がロウリアの命運を決めるとはだれも思っていなかった。

――――――

ジン・ハーク某所

 

「ふむ・・・・ロウリアはクワ・トイネに宣戦布告をするようだな・・・・」

 

一人の金髪の男がヘッドフォンを付けて、目の前の機械をいじりながらそう言った。

 

「本国に至急連絡しよう」

 

横にいた黒髪の男が、金髪の男にそう言った。彼らはアメリカ中央情報局―CIAと日本国国家戦略情報庁―NSIに所属するエージェントであった。彼らは以前よりロウリアに潜入していたクワ・トイネのスパイを使って、王城内の謁見の間といつも王を交えて会議を行う時に使われる御前会議室に盗聴器を仕掛けていた。

そのため会議の内容は全て筒抜けであった。黒髪の男は壁際に設置されたパソコンを開くと本国充てにメールを送った。このメールはロウリア王国近海に潜む原子力潜水艦を中継してクワ・トイネ公国の大使館に届き、そこからアメリカや日本に届くのだ。

――――――

アメリカ:ホワイトハウス

 

「プレジデント!CIAより報告です」

 

大統領執務室に補佐官が入ってきた。アメリカ大統領、アリス・イェーガーは手元の書類から補佐官に視線をずらした。

 

「どうかしたの?」

「ロウリア王国がクワ・トイネ、クイラに対する戦争を始めるようです」

 

補佐官はそういうとともにアリスにCIAからの報告書を受け渡した。アリスは報告書を一瞥するとこう尋ねた。

 

「NATO各国は知っているの?」

「合同で諜報活動を行っている日本は知っていますが、それ以外の各国は知りません」

 

アリスは椅子の背もたれにもたれかかると万年筆で顎をトントンと叩きながら思考をめぐらす。

 

「ジョージ国防長官を呼んで頂戴。それとジョージ国防長官との会談の後国家安全保障会議を、そのあとにミスターオオイズミとの電話会談の用意をして頂戴!」

「分かりました」

 

補佐官すぐさま執務室から出て行った。20分ほどして執務室に一人の男が入ってきた。

 

「やぁ、アリス。今日も相変わらず美しいね」

「ありかとうジョージ。でも今日はそんなこと言ってられないわ」

 

その男こそがアメリカの軍事をつかさどる国防省長官、ジョージ・ウィリアムスであった。ジョージは開口一番こそ軽口をたたいたものの、アリスの答えを聞いてすぐに真剣な表情になる。

 

「ああ、聞いている。ロウリア王国がクワ・トイネに喧嘩をふっかけるという話だろう?」

「ええ、クワ・トイネ、クイラは我々NATO諸国にとって食糧・資源での生命線よ。あの2カ国を取られるわけにはいかないわ」

「ああ、分かってるさ。すでに旧中央軍所属の第3軍と第5艦隊は派遣可能だ。特に第5艦隊は既にロウリア近海にいるからすぐにでも動けるだろう。それと第2海兵遠征軍に待機命令を出した。プレジデントの指示があればすぐさま動ける」

 

ジョージはそう言った。この行動の速さがアリスがこの男を信頼しているゆえんであった。この男は常に最悪と最良の二つを想定し、どちらにも対処できるように動くのだ。

 

「さすがね。すぐさま国家安全保障会議を開いてこのことを協議するわ」

「そうしよう。早く決めないと手遅れになる」

 

10分後に16名の参加者が集められ、国家安全保障会議が開かれた。

―――――――

「クワ・トイネとクイラは我々、NATO諸国の生命線。なくてはならない存在だわ」

 

議長であるアリスはその場にいた参加者にそういう。すると法的参加者であるエネルギー長官が口を開く。

 

「油は藻類石油がありますがレアメタルなどの鉱物資源はクイラからの輸入に頼っている状態です。クワ・トイネが制圧されれば、そこから食料を輸入しているクイラはたちまち飢餓に襲われ、いともたやすくロウリアに制圧されてしまうでしょう。そうなれば我が国も立ち行きません」

 

するとその言葉に賛同した国家情報長官が頷いた。

 

「そもそも両国には我が国やNATO諸国から輸出した兵器がある。簡単に負けることはないだろうが、負ければ技術流出の問題が出てくるぞ!」

「それに人種差別のある国家だと報告を受けている。接触したイタリアと台湾の使節団はとても無礼な扱いを受けたそうだ。クワ・トイネが制圧されたときにクワ・トイネ国内にいるアメリカ人の安全が脅かされてしまう!軍事介入以外に方法はない」

 

国務長官もその意見に賛同した。すでに国家安全保障会議での結論は開く前から決まっていた。

 

「ではNATOと協力し、事前の協定通りに軍事介入としましょう。ケリー・スミス大将」

 

アリスがそうまとめるとアメリカ初の女性統合参謀本部議長のケリー・スミスが立ち上がる。

 

「すでに陸軍は旧中央軍に所属していた第3軍から第1騎兵師団と第4歩兵師団からなる第3軍団と海兵隊の第2海兵遠征軍が指示があればすぐさまロデ二ウス大陸に投入可能です。また第5艦隊がクワ・トイネにいるため指示があれば明日にでも作戦を開始できます」

「NATOの諸外国と調整してからだけれども、第2海兵遠征軍をNATOの合同軍事演習という名目でロデ二ウス大陸に派遣。宣戦布告があった場合は第3軍団を投入するのはどうかしら?」

 

アリスはケリーの報告を聞いた後、その場にいた全員にそう尋ねた。副大統領が手を顎に当てて口を開く。

 

「確かに、最初から第2海兵遠征軍であれば航空部隊もいますから即応可能ですね。最初から第3軍団も派遣するとこちらから宣戦布告をしたとメディアにあらぬ誤解を受けてしまう。1個遠征軍でしたらギリギリですが演習派遣部隊という名目もたちますね・・・・」

「むしろ、それしかないだろう?宣戦布告があったら、事前の協定に従って参戦するんだ」

「ではその方針で行きましょう」

 

国家安全保障会議でアメリカの方針は定まった。あとはNATO諸国との調整であった。

―――――――

「Hi、ミスターオオイズミ。ひさしぶりね」

 

アリスは国家安全保障会議が終わった後、足早に執務室に戻り、NATOの中でアメリカに次ぐ軍事力を持つ日本の大泉総理と電話会談を始めた。

 

『お久しぶりです。イェーガー大統領。議題はロウリア王国についてですね?』

「ええ、話が早くて助かるわ。そちらの状況は?」

『こちらも先ほど安全保障会議が終わりましてね。クワ・トイネに演習という名目で第16機甲師団と第2空母打撃艦隊を派遣し、有事の際には本土で待機させていた第1海兵師団と第2海兵師団、第2独立機械化歩兵旅団、第1空母打撃艦隊をクワ・トイネに派遣する予定です。演習場所はロウリアの最初の目的地であるギムの近郊にしましょう。演習中の我々が攻撃されれば宣戦布告のお題がたつでしょう。まぁ、国連でPKO派遣を決定してそれの名目で参戦するのでもよいでしょうが・・・・』

 

日本もアメリカとほぼ同じ結論に至っていたようだ。だが原子力空母2隻やイージス艦を含む計12隻の艦隊を派遣とは日本も容赦ないなとアリスは思った。

日本は憲法の関係から攻撃を受けないと宣戦布告ができないからこうするしかないのだ。

 

「考えていることは同じようね。クワ・トイネでNATOの合同軍事演習の名目で軍隊を派遣してギムで演習、宣戦布告があった際は侵攻してくるロウリアを撃退し貴国も宣戦布告のお題を造るのね?ところでギムやその近隣にいる住民はどうしようかしら?」

『ロウリアからの宣戦布告があった際に輸送ヘリや車両で避難させるのもいいですが。開戦と同時となると混乱するでしょう・・・・・。クワ・トイネに連絡して、近辺で軍の演習があるからという名目で一時避難していただくのはいかがでしょう?』

「それでいきましょう」

 

アメリカ―日本間での協議が終わり、ロウリアの宣戦布告に向けた対策は着々と進んでいた。

翌日、NATO諸外国首脳との極秘電話会談が開かれ、ロウリア王国が戦争の準備を進めていることやロウリアが宣戦布告した際に備え、ギムでNATO軍の合同軍事演習を行うという名目でNATO軍を待機させ、宣戦布告があった際は参戦することなどが伝えられ、各国首脳は賛同した。これを受けて、クワ・トイネ公国に内々にロウリアの戦争の準備の情報とギムの住人避難の要請を行った後、クイラ、クワ・トイネから派遣されている大使を交えたNATO連絡会を開き、クワ・トイネ公国軍やクイラ王国軍を交えて国境の町ギムでNATO軍の合同軍事演習を開くことを公に提案。すでに内々に真の目的を伝えられていた両国大使は2つ返事でこれを了承。着々とロウリア戦の準備が進んでいた。

中央歴1638年6月12日に、NATO諸国軍は合同軍事演習を行うことを発表し、派遣部隊を公表した。

――――――――

【アメリカ軍】

・第5艦隊

・第2海兵遠征軍

【日本国国防軍】

・第16機甲師団

・第1工兵旅団

・第2空母打撃艦隊

【イギリス軍】

・第1装甲師団

【フランス軍】

・第23海兵歩兵大隊

・第12航空団第1戦闘飛行隊

【ドイツ軍】

・第41装甲擲弾兵旅団

【韓国軍】

・第15歩兵師団

・第7機動戦団第73戦団

【台湾軍】

・第269機械化歩兵旅団

・第4戦術戦闘機連隊

【イタリア軍】

・ユリア山岳旅団

・第5ロケット砲連隊

【クワ・トイネ公国軍】

・第1近代化騎兵旅団

・第1航空団

【クイラ王国軍】

・第1機甲旅団

【その他】

・第6アルモガバルス落下傘軽歩兵旅団(スぺイン陸軍)

・第132航空団第331航空隊(ノルウェー空軍)

・第139航空団第339航空隊(ノルウェー空軍)

・第1陸軍航空旅団(ギリシャ陸軍)

・北カレリア集団(フィンランド陸軍)

・第13機械化歩兵旅団(オランダ陸軍)

・第1落下傘歩兵大隊(ポルトガル陸軍)

・第21航空団(スウェーデン空軍)

 

以上の大部隊がギム近辺に集まり、合同軍事演習もとい対ロウリア戦に向かうのであった。

*1
三菱MAVシリーズの偵察戦闘車型から小型対砲レーダーや地上レーダーを撤去したタイプ。戦車の代わり




いかがでしたでしょうか?
クワ・トイネとクイラに兵器を輸出しました。ワンチャン、クワ・トイネとクイラ軍だけでも勝てるかな?
そして日本が参戦のために腹黒くなりました。政治は腹黒くないと。
ご意見ご感想お気に入り登録お待ちしております。
ではまた次回!さようならぁ!

次回 EP6 開戦

お楽しみに!
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