遊戯王BELIEVER ~遊戯王の新作シリーズをフラゲしてきた(笑)~   作:ミスタータイムマン

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今回は前回の続きで、ユナイトモンスターとプレイヤーカードの開発風景風の架空コラムです。
2023/10/22 一部のプレイヤーカード修正


設定(カード編)~某大手TCG開発コラム風~後編

今回はいよいよユナイトモンスターとプレイヤーカードについての話だ。

 

 

プレイヤーは傍観者か

 デュエルモンスターズが発展した背景はモンスターをバトル漫画のように魅せた高橋和希氏のアイディアと絵のセンスからだ。

更に劇中とほぼ同じカードゲームとして発売され、大ヒットとなった。ルールは他のTCGと比較して練られていないにも関わらずだ。

つまり、ビジュアルは重要なファクターである事に他ならない。

新しく開発するカードにも、そういった要素を入れる必要がある訳だ。

幸い遊戯王アニメシリーズはそういったビジュアル要素を演出面でかなり取り入れてきた。我々がまず行ったのは過去のアニメから、カードに関連したインパクトが強い要素を抜き出す事だった。

プレイヤーの能力としてのスキル、カードを拾うプレイヤーのアクション、プレイヤーの変身、バイクでのデュエル、そしてプレイヤーとモンスターとの合体である。

そう、カードゲームでもあるに関わらずプレイヤーが行動を起こすという事が共通した事実だったのだ。私達が開発するべきものは決まった。

 

目標:プレイヤーがモンスターにバトルを行えるようにする

 

 

プレイヤーのための剣

 基本骨子は固まった。

後はどうプレイヤーが装備できるようにするかだ。

 

1案:プレイヤーを装備対象とした装備魔法

使用感はモンスターがいなくても装備魔法が使えるようになるだけで目新しさはなかった。召喚法と銘打ってるため、モンスターがないのは違和感だけしかなく、見栄えも退屈であった。そこで2案としてモンスター化させた。

 

2案:プレイヤーに装備できるユニオン風モンスター

モンスターの形になったため、1案に比べ見栄えは改善した。しかし、効果モンスターの括りにすると○○装備はあるが、○○召喚はなく、違和感がある。またペンデュラムモンスターは自身が召喚法を持っていたが、このモンスターに召喚機能を持たせるのは装備要素が薄くなってしまう。そこで3案。

 

3案:エクストラデッキに入るプレイヤーにも装備できるモンスター

エクストラデッキからモンスターとして召喚する事とプレイヤーに装備する、2つの選択肢をもつカードとなっ。

ペンデュラムモンスターのように上下で分け、上半分に装備効果と上昇攻撃値を、下半分はモンスター効果とステータスを記載するようにした。

臨機応変に使い分けるのはなかなかエキサイティングなように思え、この方向性で進む事となった。

 

残る問題はどう場に出すか、プレイヤーという概念をどう処理するかの2点に絞りこまれた。

 

 

プレイヤーよ、今こそ剣をとれ

 プレイヤーをどのような形にするか、まずはルールを変更してプレイヤーに攻撃力や装備ができるように試してみた。

しかし、装備モンスターが浮いた位置にあり、プレイヤーが装備している感覚はあまりなかった。

そこでプレイヤーをカードにしてはどうか、というアイディアが生まれた。

このアイディアを聞いた時、私はある1枚のアニメ用カードを思い出した。

 

 

《スピード・ワールド2》

フィールド魔法

「Sp」と名のつく魔法カード以外の魔法カードをプレイしたとき、自分は2000ポイントのダメージを受ける。

お互いのプレイヤーはお互いのスタンバイフェイズ時に1度、自分用スピードカウンターをこのカードの上に1つ置く(最大12個まで)。

自分用スピードカウンターを取り除く事で、以下の効果を発動する。

●4個:自分の手札の「Sp」と名のついたカードの枚数×800ポイントダメージを相手ライフに与える。

●7個:自分のデッキからカードを1枚ドローする。

●10個:フィールド上に存在するカードを1枚破壊する。

(このカードは更にデュエル開始時に発動され、フィールドから離れない要素もある。)

 

 

頭の中でパズルのピースが揃った感じがした。

あらかじめ置いておけるカード。場を離れないという要素に加え、カウンターをためることができる。ユナイトモンスターの召喚方法ももこのカードから出るカウンターを使えばいい。カウンターを召喚に使うのは今までにない新しいものでもある。

《スピード・ワールド2》を参考にすれば、プレイヤーの表現の仕方と召喚法としてのギミック、全てが一気に解決するのだ。

これが最初のプレイヤーカードだ。

 

 

《スタンダード・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のターン中、自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに3度まで発動することができる。

②:1ターンに1度、EXデッキからユナイトモンスター以外のモンスター1体をメインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

 

 

そしてプレイヤーを1枚のカードとして扱うことで様々な種類のカードを出すことができるということに気が付いた。それぞれ固有の能力としてメリット能力だけでなく、エクストラデッキからの召喚制限を多種多様に作り、コントロールできる。

 

そうしてできたのがこれらだ。

 

 

《アカデミック・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のスタンバイフェイズ開始時とモンスターを召喚に成功した時、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに2度まで発動することができる。

②:自分はEXデッキから融合モンスターを特殊召喚する場合、1ターンに2度まで、メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

③:自分はEXデッキからリンクモンスターを特殊召喚する事ができず、魔法・罠・モンスター効果でユナイトカウンターをのせる事ができない。

 

《スピーディ・Dホイーラー》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のスタンバイフェイズ開始時とモンスターを召喚に成功した時、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに2度まで発動することができる。。

②:自分はEXデッキからSモンスターを特殊召喚する場合、1ターンに2度まで、メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができができる。

③:自分はEXデッキからリンクモンスターを特殊召喚する事ができず、魔法・罠・モンスター効果でユナイトカウンターをのせる事ができない。

 

《エアリアル・デュエリスト》

プレイヤーカード ATK 0

①:自分のスタンバイフェイズ開始時とモンスターを召喚に成功した時、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに2度まで発動することができる。。

②:自分はEXデッキからXモンスターを特殊召喚する場合、1ターンに2度まで、メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

③:自分はEXデッキからリンクモンスターを特殊召喚する事ができず、魔法・罠・モンスター効果でユナイトカウンターをのせる事ができない。

 

リンクモンスターの誕生時に融合モンスターをはじめとするエクストラデッキから出るモンスターは召喚に一律制限をかけた。特にシンクロモンスターはアニメ5Dsに登場するシンクロモンスター同士でシンクロ召喚する『アクセルシンクロ』が行いにくくなくなってしまった。ビジュアルや雰囲気を大事にするには劇中の再現ができることが必須である。プレイヤーにとって受け入れられにくかったのだと思われる。

プレイヤーカード毎に制限を変えることができれば、デュエルスピードの安定化に貢献できるはずだろう。

 また、アニメ制作側にとってもこのプレイヤーカードの仕様を受けて、興味深い提案をされることとなったがそれは後ほど語ろう。

 

 

剣の製錬

プレイヤーカードの仕様が定まったことで新モンスター‐ユナイトモンスターの方向性も具体化していった。切り札級のカードのデザインはすぐに決まっていった。それらはカウンターだけでなく、カードを消費するよう調整した。問題は低レベルのユナイトモンスターの意義だ。ユナイトモンスターの召喚にカウンターを使う性質上、カード消費がかなり少なくて済む。しかも低レベルモンスターは消費カウンターも少ない。つまり、召喚県もカードも使わずに展開ができる。そのため、様々なモンスターの素材にできるようにレベルを採用した。更なる展開速度の強化とならないよう気を使う必要はあるということの裏返しでもある。

ユナイトモンスターの消費カウンターと消費カードはこのような関係とした。

 

レベル7・8:カウンター3or4個 消費カード1~2枚

レベル5・6:カウンター3個 消費カード0~1枚

レベル3・4:カウンター2個 消費カード0枚

レベル1・2:カウンター1個 消費カード1枚

 

リンクモンスターと異なり、純粋に召喚を手助けする。人は新しいものを受け入れるには今まで使っていたものの強化となることが使用を促すのだ。

それでは2体のユナイトモンスターをご覧いただこう。

 

《ザンブレイド・ドラゴン》

レベル8地属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK2500 DEF2000/装備ATK+2000

カード1枚+ユナイトカウンター4個

モンスター効果

①:互いのメインフェイズ中か自分のバトルフェイズ中、魔法・罠・モンスター効果を発動した場合に発動する事ができる。このカードをプレイヤーカードに装備する。

②:このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、装備状態のユナイトモンスター1体を自分メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

ユナイト効果

①:自分が直接攻撃を受ける場合、このカードをモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。

 

《ガトリング・ウルフ》

レベル3闇属性獣族・ユナイト・効果ATK1200 DEF1000/装備ATK+800

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードはリンク素材にできない。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。

 

 

 

変身するプレイヤー達

 カード開発が進む中で、アニメ制作陣から次回作のアニメの概要が伝えられるとともにカードデザインの注文が舞い込んできた。今までと異なるのはプレイヤーカードに憑いての注文だった。

 

アニメスタッフ「今度のやつは特撮にするから、変身ヒーローと怪人を作ってください。」

 

予想外の注文だが、納得してしまうところもあった。生身で戦うよりも戦っているイメージが湧きやすい。

ヒーロー側のカードは特殊な効果を入れることと、攻撃時に攻撃力をアップさせる効果を入れるだけで済んだが、問題は怪人側だった。

私たちが悩む中、突破口を見出したのはOCGカードストーリー担当のボブだった。

 

ボブ「怪人はプレイヤーカードとユナイトモンスターが合体しているキャラだからちょっとした効果と攻撃力を設定してみては?」

 

今までと同じような感覚でデュエルできるように今までのプレイヤーカードは単体では、相手ターンに攻撃力を蔵相させなかったが、攻撃力を持たせることでプレイヤーが人間でないことのフレーバーになるとわかったのだ。

更に、エクストラデッキを使わないデッキはこれまでのシステムでは強化できなかったため、エクストラデッキから特殊召喚できないようにしてそちらの方面でも手に取りやすくした。

最後に、下級怪人と幹部怪人をお見せしよう。

 

 

《ウルフテラー》

プレイヤーカード ATK500

①:1ターンに1度、相手ライフに500ポイントのダメージを与える事ができる。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

《マスターテラー:ヒュドボロス》

プレイヤーカード ATK1000

①:デュエル開始時、自分は500ポイントライフを失う。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

③:自分フィールド上のカード1枚か手札1枚を墓地に送り、相手フィールド上の表側表示モンスター1体までを選択して発動する。そのモンスターはターン終了時までモンスター効果が無効になり、攻撃力と守備力が300ポイントダウンする。このカードにユナイトカウンターを2つのせる。この効果は互いのターンのバトルフェイズにのみ発動することができる。

 

 

さて、ユナイトモンスターにプレイヤーカード、これらの新しいカードはいかがだっただろうか。新しい種類のカードを2つ同時に取り入れるのはほとんど初めての経験だったが、これらは2つにわけたからこそより良いものになったと思う。

それではまた会う日まで。




ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
次回は本編になります。

参考までにその他のカード


《アクション・デュエリスト》
プレイヤーカード ATK0
①:自分のターン中に魔法カードを発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに2度まで発動する事ができる。
②:1ターンに1度、ユナイトカウンターを2個取り除くことで、自分フィールド上のEXモンスターゾーンのモンスターをメインモンスターゾーンに移動する事ができる。
③:自分は魔法・罠・モンスター効果でユナイトカウンターをのせる事ができない。

《サイバネティック・デュエリスト》
プレイヤーカード ATK0
①:1ターンに1度、モンスターを召喚した場合、このカードの上にユナイトカウンターを2個のせる。
②:リンクモンスターとユナイトモンスター以外のモンスターをEXデッキから特殊召喚する場合、ユナイトカウンターを1つ取り除かなければ、特殊召喚できない。

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