遊戯王BELIEVER ~遊戯王の新作シリーズをフラゲしてきた(笑)~ 作:ミスタータイムマン
お待たせしました。今話からデュエルフェスタ編の後半になります。
―デュエルフェスタ・1日目・夕方―
在府スタジアムメイン会場では本日の目玉、チーム・ユニティガーディアンとチームTECHとのフラッグデュエル、それも今まさに終わりを告げようとしている。
ハクアが相対しているのは 、ツインテールの小柄な少女、
彼女こそ、かつて天才少女として名を馳せたチームTECHのヘッド。
「《タイタニック・チャンピオン》(ATK3000)で《
攻撃力が低いモンスターでの攻撃は、勝算がなければ行わない行動だ。
デュエルモンスターズのカードは何万種類もあるため、想定するのは容易ではない。
だがデータ分析を得意とするチームTECH、そのヘッドたる渡来一美は一瞬で思い至る。
光属性最強の戦闘補助モンスターの存在を・・・!
【Effect! Attack plus!】
「ダメージステップ時、《オネスト》の効果を発動!《タイタニック・チャンピオン》の攻撃力は4000アップする!」
《タイタニック・チャンピオン》の背中から純白の翼がはためき、天空を舞う。
拳を構え、一瞬のホバリング。
【LAST ATTACK!】
直後、急降下。重力を利用した一撃はドラゴンへと突き刺さる。
【The Impact!】
「あぁっ!」
渡来一美LP2000→0
直後、両脇からも爆発が響く。
ジンとグレンが勝利を決めたのだ。
【Battle Ended Winner Team Unity Gurdian!】
これでチーム ユニティガーディアンは明日の決勝戦に駒を進めた。
「危なかった。流石は渡来さんですね。《オネスト》を引けていなかったら、敗けていたかもしれません」
ハクアはサラリと髪をかき上げて、尻餅をついている一美へと手を差しのべる。
「っ・・・!」
ボォっと一美の頬に朱が刺す。
「ああっ、またハクア様の毒牙にかかる乙女がまた1人・・・」
「ハン、何言っているの?」
そんなこんなでデュエルフェスタの1日目は終了した。
しかし、一部のメンバー、1部リーグのデュエルチームにはまだ続きがある。
それが、白砂カンパニー主催のデュエルフェスタ 1部リーグ交流会だ。
―在府ホテル 1部リーグ交流会会場―
在府ホテルは、在府スタジアムのすぐ隣というかなり便利な立地にある。
ホテルは在府市では最高級のホテルで、普通に宿泊すれば1泊6桁。
もちろん、会場も豪華だ。真紅のカーペットはフカフカで、花畑を彩る円形テーブルとシルクのテーブルクロスはまるで花のようで会場は白い花畑の様相を呈す。
テーブルの周囲には着飾った人々。彼ら彼女らこそ、1部リーグのデュエルチームのメンバー達。プロ特有の風格はこのような豪勢な場にも負けていない。この交流会こそがデュエルフェスタ1日目の最後の華といえる。
それ故に会場の端にはリポーターやカメラマンなどの報道陣の姿もみられる。
その中に一際異彩を放つ3人組の姿。
彼らこそチームTECHが誇るデュエリストであり、データ収集のスペシャリスト、青島、赤輪、黄田である。
「チームRX、チーム崑崙、チーム大地の会、チームワイルドの動向は定点カメラでしっかりと記録できているな」
青色の眼鏡をキラリと光らせるのは青島。
チームTECHは様々な場面からデュエリストの情報を収集し、ビッグデータとして活用する頭脳集団。
デュエリストの癖を掴む事ができれば、デュエルを有利に進行できるのだ。
「よし。チーム ユニティガーディアンとチーム アトリビュートは、手持ちの機器でしっかりきっちりと情報を集めようぜ」
青島の言葉を受け、赤輪はカメラをチーム アトリビュートに向けた。
「ねー、エリカちゃん。この会場で簀巻きは浮くとワタシ思うんだけど。試合に遅れちゃったのは、本当にごめんなさいだけど」
「試合に遅れたのは人助けだったみたいだし許しているわよ。だけど、今までの交流会でアンタが何をやってきたか、覚えていないわけじゃないわよね」
「今回はやらないよー。前までアルカちゃんも一緒にやっていたじゃん。不公平だよ」
色々な料理を次から次へとパクついていたアルカに視線が向く。
「マコマコ、何言ってるの?私はそんな子供染みた事からは卒業したから。あ、マコマコはお皿に手をつけていないようなので私がもらうね」
「ワタシの餃子ぁ!私は手が出せないだけだからー!この裏切り者がー!」
マコトを擁護するか細い声が涙目のマコトに届く。
「マコトちゃんは反省しているみたいだし、もういいんじゃないかな。それにその格好は目立つし・・・」
「イロリちゃん良い事言った。ワタシの味方はイロリちゃんだけだよー」
マコトはオヨヨと袖で涙を拭う真似。
イロリの言葉にエリカはう、と逡巡する。
「確かに簀巻きは目立つよね・・・。頭に血が上っていたかも・・・。でも、こいつの悪行みんな知っているから、別にやりすぎじゃないのかも・・・。うーん、マリカはどう思う?」
エリカは黙々と料理に手を付けているマリカに助言を求める。
「・・・あまり気にする必要はないんじゃないかしら、ホラ」
彼女は箸を置くとマコトへ顔を向けるとつられて、皆、マコトに視線が集まる。
「やっぱり、ココの料理はおいしいねー。あと、そのミートボールは頂いていく!」
「私のミートボールッ!マコマコ、いつの間に脱出を!」
「ね」 「・・・」
―――
「何・・・だと・・・!」
チーム アトリビュートを撮影していた赤輪は戦慄していた。
「どうした赤輪。何があった?」
そう尋ねたのはもじゃもじゃ頭の黄田。赤輪がここまで動揺しているのも珍しい。
赤輪はバンダナを目元まで下ろしてごしごしと目元の汗を拭い、深呼吸。
そして息を整えて言う。
「落ち着いて聞いてくれ。さっきまで司マコトが簀巻きになっていただろ」
「ああ。さすがにあんな状態になっているなんて驚いたよ」
「俺も最初はびっくりしたが、まぁすぐ慣れたけどな。むしろ、あの姦しい感じが目と心の保養になったぐらいだ。それは置いといて、司マコト、一瞬で簀巻きから抜け出していた。しかも抜け出す瞬間はビデオに写っていなかった。フレームが変わった瞬間には完全に抜け出ていた。このビデオカメラ、フレームレートは120だぞ。超スピードとか、そんなちゃちなものじゃねぇ、もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ・・・」
「ポ●ナレフかよ。いや、過程が映っていないなんて・・・。え、でもマジで・・・!」
時間を止めてるのか・・・!?黄田も恐ろしい可能性に思い至り、おののく。
「落ち着け2人とも。微妙に簀巻きの位置が変わっている。前後の画面を重ね合わせてみろ」
チームTECHのサブヘッドでもある青島が画像を指さしながら冷静に伝える。
「確かに・・・。え、じゃあマジで超スピードで抜けたってコトか・・・!」
「むぅ・・・。その可能性は高いな。まぁ、デュエリストの中には超人的な身体能力を持つ人もいるのは知っての通りだろう?」
「確かに・・・、ユニティガーディアンのジンもそうだよな。ガチの忍者だもんな」
「しかもNINJAの方だしなぁ」
水の上を走ったりとかな、と黄田は嘆息する。
「まぁ、そっちは置いておこう。光導ナツメはこのテーブルにはいないようだな、赤輪、チーム ユニティガーディアンの方にはいないか?」
「いないな。あ、ソウ・ハン姉妹と目が合った。2人とも綺麗だよなぁ」
「2人とも大人っぽい感じだしな。まぁでもこの会場で1番の美人はナツメだよな。芸能人の
「あぁYo-Cityの。黄田は東鬼唯華のファンだもんなぁ、でも他のアトリビュートのメンバーもレベル高いからなー。元気っ娘の水城アルカも、小動物系の土屋イロリもいいよなぁ」
「だよな、アトリビュートのメンバーは美人過ぎだな。あのクラスだとソウハン姉妹と、白砂お嬢様かな。あの人はまだ1部リーグ入りしていないけど」
「確かにあの人はマジ美少女だもんな。純白のドレスの破壊力はやべぇ」
「へぇ、渡来一美は?」
「ああ、ヘッドは・・・ってヘッドォオ!?」
そこには仁王立ちしている少女、渡来一美の姿。
「アンタ達、誰がチンチクリンですってぇ!」
「ヘッドはかわいいに全振りですから、勝負の土台が違うんですよ」
「ア・ン・タ達ねぇ・・・!」
と、そこへ一美に近づく金色の影―――、
「あー、かずみん こんな所にいたー!」
ヒョイっと一美を抱きかかえたのはチーム アトリビュートの光導ナツメ。
「抱きつくな持ち上げるなデカ女。いろんなところがデカいのは私に対する嫌味か!」
「えー、何のこと―?全然、翼お兄ちゃんに会えない私を慰めてよー」
「知るか―!離せ―!」
「プリプリしてるかずみんもかわいいなぁ、癒されるー」
「流石、光導ナツメ。ココまでヘッドの愛らしさを引き出すとは・・・」
「やっぱり俺達のヘッドが1番だぜ!」
一方で主催席―――、
そこには礼服姿の物腰柔らかな様子の青メッシュが入った黒髪の男性とドレス姿のアイナの姿があった。
「今回も交流会もにぎやかで良いねぇ」
「そうでしょうか」
光導ナツメに抱き着かれる渡来一美や簀巻きで遊んでいるアトリビュートのメンバー達を眺めながらのほほんとしている父親―白砂
母に代わって交流会に参加するようになって、いつもこんな感じではあるが、夜会としてはこれでいいのだろうかといつも疑問に思うところがある。
そうこうしている内にユニティガーディアンの皆がやってくるのが見えた。
「白砂社長、いつもお世話になっております」
「片桐君、こちらこそ。君達の活躍はアイナから聞いているよ。チームとしてだけでなく、ね」
そんな感じで父と片桐局長は話が弾んでいった。私は他の皆に話しかける。
「グレンさん、ジンさん、今日はゆっくり楽しんでいってくださいね」
「お・・・おう」
グレン―赤石さんは歯切れが悪そうに答える。
先程まで一緒に戦っていたからしょうがないと思う。
「・・・そういえば光導副局長代理は?体調は回復したと聞きましたが。昇格戦をしていただいたお礼を伝えたかったのですが」
「副局長代理は胸騒ぎがするって、今は本部にいますよ」とジン。
この人は逆に自然体すぎるのでは・・・。
ビッビッビッビービービー
ユニティガーディアンの緊急アラーム!
片桐局長のスマートフォンからだ。
「失礼。光導どうした!」
『テラーの反応がありました。反応はハイテラークラス!しかも20以上のテラーミニオンズの反応もあります。在府スタジアム脇の屋台エリアです!』
「何だと!」
「全く、こんな祭りの時に来るとはな、看破できねえ状況だぜ。俺が行こうか?」
ジンさんなら素早くたどり着けるはずだ。しかし、赤石さんが異を唱える。
「いや、俺が行く!グレンならテラーミニオンズを一気に殲滅できる。場所も近いしな」
「フム、頼んだぞ赤石!」
その少し前―――、
夕方、俺達、チームA.ギートのメンバーで屋台を巡っていた。
屋台の光は提灯のように柔らかい光を放っている。
普段は暗い場所だが、屋台が数多く集まる事で辺りを淡く照らし出している。
「明日はユニティガーディアンとアトリビュートの対決だな!しかも会場で見れるから楽しみだぜ」
「ああ、アイナさんのおかげだな」
悟と正志の言う通りだ。
デュエルフェスタの決勝デュエルは、かなり倍率が高いらしいが、そこは白砂カンパニーの令嬢にして出場選手、アイナ先輩。
抽選開始前からチーム全員にAクラス席の入場券をくれたのだ。
そんな事を思いながら、辺りを見渡して気づく。
それにしても、屋台が途切れないな。
「もしかして、昼間よりも屋台が多くないか?」
「遊士、夜の屋台はデュエルフェスタの魅力の1つなんだぜ。しかも色んなレストランが出店しているんだ」
俺の呟きに得意顔で答えたのは翔太だ。
確かにレストランが多い。
「ちなみに、俺のオススメはこの店だ!」
翔太が屋台の一つを指さす、
「洋食屋TOBE?翔太の家ってレストランだったのか!?」
「そうさ。我が家ながら味は中々のモンだぜ。本当はA.ギートの試合の帰りにでも連れて行きたかったけど、ウチは中心部から微妙に離れているからな、よーやく連れていけたぜ」
「夕飯は、ソコで決まりだけど、まだ、そんなに腹減ってないしな。色々見て回ろうぜ。折角だから別行動にしようぜ。7時半に集合な」
悟の提案で一先ず、みんなと別れる事になった。
皆、見たい所が色々あるだろうからって悟は考えてくれたんだろうな、と思う。
―――
「みんなと別れて正解だったかもな。アイツが大舞台にこの機会を逃す事はない筈だからな」
『見回りという訳か。このところ、テラーの出現頻度は少ない。戦力を準備している可能性もありうる』
その時―――、
『グゥオオオオオ!』
けたたましい咆哮。まるでエコーがかかったように幾重にも重なって聞こえる。
「やっぱり来やがったか」
逃げ惑う人々を避けてたどり着いた先には4体のテラー。
目立つのは奥の1体の巨大なテラー。
「コイツがあの咆哮の主か!」
4メートルにも迫ろうかという巨体。しかも身体中から様々な動物の頭部が生えていてグロテスクだ。
『まさか複数のテラーで構成されているのか!?何て醜悪な!遊士!』
「ああ、被害が出る前に倒すぞ!」
【Duel Disc stand by・・・Set Player Card】
デュエルディスクを構え、《アームドナイト ビリーバー》のカードを翳す。
「アームドフォーゼ!」
【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight BELIEVER!】
「俺の未来を刻んでみせる!」
1対4は無謀。デュエルなら各個撃破で倒せる。
幸いにもアームドナイトには怪人を転がして発生するRAJの空間がある。
通常空間の1000倍の速さで時間が進むため、各個撃破でも十分間に合う。
まずはどこから攻めるか、右手をEXデッキに添えながら思案する。
だが―――、
4体のテラーの影から真上に煙が立ち上る。
そこから十数もの赤い光点が妖しく輝く。
『あれは、“テラーミニオンズ”!』
煙が晴れた先に現れたのは黒い体躯の赤い血のようなレンズの頭部をもった数十もの怪人。
「一気に増えた!ザンブ、アイツらは何なんだ!?」
『テラーが生み出す雑兵だ!奴らはデュエルディスクを持たない魂なき存在。ぶった切ればそれでしまいだ』
「そいつはシンプルだ!」
【Fatal Blade!】
腰だめに右手を構え、抜刀術の要領で生成されつつあるフェイタルブレードを横凪ぎに振り抜く。
正面にいたテラーミニオンズは輪切りになり、煙に変える。
「まずは1体!」
尚も取り囲もうとするテラーミニオンズ達に対し、サマーソルトキックを放ち、飛び上がった勢いのまま後ろにジャンプして距離をとる。生身ではどうやったってできないアームドナイトのスペックのおかげだ。
その間に新しいカードをデュエルディスクにセットする。
【Beast Gatlinger!】
狼を模したガトリング砲が周囲に銃弾をばらまき、弾幕を張る。
テラーミニオンズ達は怯むだけ。これでは決定打にはならないが隙が僅かにできる。
「うぉーおおお!」
気合を入れると、フェイタルブレードが銀色の光を纏い、1歩踏み出す。
大上段から大剣を勢いよく振り下ろす。
ゴォオオオン!
衝突すると、光の大瀑布が巻き起こり、。数体のミニオンズが塵となる。
フッと呼吸を整える瞬間―――、
「オレ達を!」「忘れたか!」
炎と氷の拳が左右から迫る。
膝カックンもかくやという勢いで、全力で膝を曲げ、崩れ落ちるように回避。
見上げた先には赤と青のテラー。大元が来ない筈はないか。
『上級テラーか!』
「その通り。我が名はフレアテラー」「そしてアイステラー」
息がピッタリだな。
というか、今にも襲ってきそうな巨大テラーは何で襲ってこないんだ?
奥を見やると、巨大テラーは唸っていた。
よく見ると、武道着のような岩石の鎧を纏っているテラーが肩を掴んでいて押さえつけていた。もしかして、1番強いのはアイツか?
とにかく、状況は果てしなく悪い。どうする・・・。
ザッ!
「貴様は・・・」
岩石のテラーの呟き、アイツ喋れたのか。それよりも奴が見ているのは、後ろを振り返る。
紅いジャケットの男の姿。
「赤石遼一・・・!?」
「ビリーバー、聞かなきゃいけないことは色々あるが、まずはコイツらからだ!」
「・・・」
彼はデッキケースからカードを抜き出し翳す。
【Duel Disc stand by・・・Set Player Card】
紅い光のキューブが赤石さんを囲む。
「アームドフォーゼ!」
【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight GUREN!】
光が収まった先には赤色の戦士が現れる。
右肩から体に延びているアーマーはまるで炎の翼。左腰から右足にかけても炎の翼を模したマントがたなびく。
その姿はまるで不死鳥のようだ。彼は鳥の頭を模したテンガロンハットのような頭部アーマーを人差し指でピンと弾く。
「まとめて相手になってやるぜ!」
そう言うや、ワンステップでテラーミニオンズの前に接近すると、翼を羽ばたかせるように回し蹴りを見舞う。
軽く掠めるような感じでダメージは浅い。だが、テラーミニオンズ達が引き寄せられていく。、
ゴゥ!
グレンが蹴った周囲に真空領域が作り出されたのだ。
【Blazing Rifle!】
天馬を模したライフルがグレンの手に収まり、引き金を引く。
ギュオォーーーン!
真紅の光線がテラーを貫く。そして爆発。
『テラーは全て焼き尽くす!』
「ミーティアル・ペガサスか・・・!」
ライフルからの声はミーティアル・ペガサス、赤石遼一のエースカード。映像で見たことがある。
グレンは爆発の勢いを利用し、空中へ飛び上がり、フレアテラーに掴みかかる。
真下に叩きつけたその瞬間、グレンとフレアテラーが消失した。
【RAJ System Awaking!】
紅蓮は姿を消した直後、再び姿を現す。彼は手にしていた1枚のカードをデュエルディスクに勢いよく突っ込む。
【GUREN!Hissatu Effect!】
光の軌跡が空に広がり、魔法陣が描かれていく。
そこから現れたのは真っ赤に燃えている隕石だ。
ゴゴゴゴゴ!
【The Prominence Impact!】
隕石は凄まじい勢いで加速して大地に突き刺さった。
ドォオオオン!
「RAJエリアから出た直後、ユナイトカウンターが貯まっていたら必殺魔法を撃てるんだ。ビリーバー、よく覚えときな」
なるほど。でも俺、必殺魔法カードを持っていないんけど。
「後はアイツ等だな!」
岩石のテラーは巨大テラーの肩から手を離す。
「「グゥオオオォォンン!」」
勢いよく巨大テラーが向かって走り出した。
第2幕って訳か!
迫りくる拳に合わせて大剣を叩きこむ。
ザシュッ!
「堅っ!」
ちょっとしか切れなかったぞ。しかもつけた傷は塞ぎはじめている。
どう倒す・・・イヤ、無理に倒す必要はないか。何とかデュエルに持ち込めればいい。
だけど、ココは、目撃者が多い。何とか投げ飛ばしてRAJ空間に飛ばさないと・・・。
「「ンォオオオオレレエエエエ!」」
再び振るわれる拳。大振りだからスキを突けばあるいは・・・。
拳から外側に避けてから、背後から一撃を―――、
「「エェアアアア!」」
腕から動物の牙が伸びてくる。
「―――!」
『上からも来るぞ!』
今度は尻尾かよ!相性が悪い!
少しでもダメージを与えて、チャンスを待つしかないか・・・。
―――
「ビリーバーは苦戦しているな」
巨大テラーの攻撃をビリーバーが捌いていて、時折、隙をついてダメージを与えるが、決定打はない。
「俺も人のことを言える状態じゃないんだけどな!」
岩のテラーはこちらの射撃は全て撃ち落とされ、接近戦は外皮が固く、傷つけることは困難だ。
近接武器になるユナイトモンスターはEXデッキに入っていない。
しかも奴の拳は岩石のテラーらしく、重い。有効打が入ったらこちらは1発でダウンするだろう。
改めて、相手を見る。あの外皮の硬さと膂力、ただの上級テラーとは思えない。
だが、ハイテラーとしてはあまりにも感情を感じられない。
「お前、本当にハイテラーか!?全く感情がみえないぜ」
誰に言うでもないただの独り言だ。
しかし―――、
「勝負は感情を、隙を見せた者から脱落していく。忘れたのか!?」
そのセリフ、いやその体捌きは、まさか!
「フンッ!」
急に眼前にヤツが現れた。重心を動かさない歩法。距離感がバグらされたか。
瞬間、体に加わる拳の衝撃。少しでも衝撃を抑えようと、半身を捻る。
「ケホッ、ゴホッ」
「最も、少しでも感情を抑えなければ、この忌まわしい力に飲み込まれてしまうからな。この、”ハイテラー ティタン”に」
「やっぱり、あなたは岩崎さん、どうしてあなたがテラーに・・・!」
間違いない。あの人はチーム大地の会のOB、
実家の道場を継いで、道場の経営に専念するためにチームを脱退したと聞いていたが、どうして・・・!
いや、今はそんなことを気にしている場合じゃない。何とか制圧しないと・・・!
倒すにしても相性が悪いぜ。
「そうか、相性・・・!ビリーバー!」
仮面越しにビリーバーに呼びかける。アイツと目が合った気がする。
その間にもティタンの拳が迫り、側転して避ける。そして銃の引き金に手をかけた。
―――
「ビリーバー!」
グレンが急に呼びかけた!?視界の片隅にグレンのライフルに光が灯るのが見えた。
そうか!なら俺は!
一足飛びに右にいる岩石テラーに振りかぶる。
「むぉ!」
ザックリと斜めに一閃。岩石のテラーはたまらず、膝をつく。
俺を負っていた巨大テラーもグレンが銃撃。体中が焼け焦げた巨大テラーも膝を折るしかない状況だった。
「よしっ!」
後は―――――、
!!!!!!!!!!!!!!
何だ・・・!このプレッシャーは・・・!
「ったく、ザコどもが。この俺様の手を煩わせやがって・・・!」
チンピラのような風貌の男。ヤツは・・・!
「マスターテラー・・・!」「ヒュド・・・ボロス・・・!」
―――――
「ったく、コイツら。全然、使い物にならねぇ。この木偶の坊は一気にテラーを作ったらくっつきやがったが、ただのカス」
不満げなヒュドボロスはドカッと巨大テラー、―――キメラテラーを足蹴にする。
「ブレイウルスが押し付けたコイツも、作戦1つこなせねぇ。本当にハイテラーか、あぁ!?」
今度は岩石テラー、―――ハイテラー:ティタンの傷口に蹴り上げた。
「ま、これくらいにしといてやるか。残りは・・・」
ヒュドボロスが紫色のモヤに包まれ、蛇のような怪人形態へと変貌を遂げた。
「テメェらだ」
ビリーバーとグレンに凄まじい圧力が襲いかかる。
あの時は、実力を全く出していなかったのか、とビリーバーはかつてハクアとのデュエルを横で見ていた時とは違う雰囲気を感じていた。
「ウォオオオ!」
『今度こそお前に報いを受けさせる!』
己を鼓舞するグレンと怒りを燃やすミーティアル・ペガサス。
【Wind Shooter!】
グレンは新たなライフルを生成し、炎と風の2丁拳銃を連射。
ヒュドボロスが爆炎に包まれる。
「攻撃のつもりか?」
悠然と歩いてくるヒュドボロスは無傷。
恐怖を煽るように、自身の強大さを誇るようだ。
だからこそ―――、
「隙だらけだ!」
ヒュドボロスの側面には銀色に輝いたフェイタルブレードを大上段に構えたビリーバー。
完璧な不意打ち。彼の首筋に銀光が爆ぜた。
ガキィン!
「マジ・・・かよ・・・!」
あまりにも硬い外皮によって大剣が阻まれたのだ。
何でできてるんだあの皮膚。ビリーバーはゾッとなった。刃が通る気がまるでしない。
冷めた目でヒュドボロスはビリーバーを見下ろす。
「“銀王龍”の力を使ってそんなもんか、契約者がザコかそれとも、本体がザコなのか」
カタカタと振動するフェイタルブレード。ビリーバーはザンブ、といぶかしむ。
「その名を・・・その名を呼ぶな!」
フェイタルブレードは莫大な光を放ち、ドラゴン型の光がヒュドボロスに放たれる。
「ハッ」
至近距離の一撃すらもヒュドボロスが放った闇の波動で相殺されてしまう。
「オラァ!」
「グ・・・!」
ヒュドボロスの前蹴り、先程までとは違い怪人体での一撃だ。
道端の小石を蹴り飛ばすかのように、ビリーバーを吹き飛ばした。
そのままグレンに衝突するも、それでもまだ勢いは殺しきれず、2人ともゴロゴロと転がっていく。
「ここまでお膳立てしてやったんだ。後は解るな」
クルリとヒュドボロスはきびすを返すとティタンへと顎をしゃくる。
「ぬぅ」
ティタンから黒い光の円が広がる。
『待てっ!』
「俺様自ら手を下したいところだが、時間切れだ」
そうザンブレイド・ドラゴンに返すとヒュドボロスは煙となって消えていった。
―――――DUEL!―――――
という訳でヒュドボロス無双でした。
ポ◯モンで言えば、バッジ1,2個でしてんのうに挑むようなものなのでかなり実力に開きがあります。
4話で出てきた時は相当手加減していた模様。
また、今話も何人か登場人物が出てきたのでいくつか紹介していきます。
登場人物紹介
東鬼唯華(しのぎ・ゆいか)
2部より登場予定。黄田が話題にしていた人物
Yo-Cityの裏ファイト界、六魔天3位の人。遊士の2歳上。デュエルにはストイック。
一般には裏デュエル界での実力者という事は知られていない。
表の顔は芸能人で元々は読者モデル。八頭身の赤毛美女。ツンデレ系。
在府市にはロケで来た。在府市でも有名人。漫画雑誌のグラビアも飾るため、遊士も認知はしていた。
使用デッキはバーンデッキの【
エースはリンクモンスターの《業火の魔神 アラストル》。
別世界での名前は東雲ユイカ(しののめー)
白砂幾星(しらすな・いくせい)
白砂カンパニーの創業者でアイナの父親。のほほんとした性格。デュエルディスクの開発からユナイトモンスター、プレイヤーカードを作成したのも彼。地元の名士で数多くの業績を挙げているため、在府市の議会でも高い発言力を持つ。市長も頭が上がらないほど。
フェイバリットカードは《ヴィサス=スタフロスト》
渡来一美(わたらい・かずみ)
1部リーグ四強チームの1つ、チームTECHの
見た目は小学生だが、歴とした成人。
幼少期から神童として知られ、考古学の権威でもある。儀式復古論を打ち出し、一部の家系にしか伝来していなかった儀式モンスターを解析し、新たな儀式モンスター、「竜儀巧」シリーズの開発に成功した。
名前の由来は、仮面ライダービルドの猿渡一海から。
使用デッキは【ドライトロン】
テラー設定
テラーミニオンズ
上級テラー以上が生み出す戦闘員。テラーの影から出てくる。
負の感情が強い人程数が増加する。
姿はポリゴン化しつつある形が崩れかけた人間で顔はのっぺらぼうで鼻辺りに拳より一回り大きい赤いレンズみたいな半円球がつく。