遊戯王BELIEVER ~遊戯王の新作シリーズをフラゲしてきた(笑)~   作:ミスタータイムマン

26 / 41
名もなきA・弐さん、感想ありがとうございます。
超熱血球児ニルさん、お気に入り登録ありがとうございます。



21話 真のデュエルフェスタ

 

【UNITE EQUIP!GAIAS IDEA! It's terrible!】

 

 

キメラテラーに小型の岩石が次々と着弾するかのようにガイアス・イデアが装着されていく。

 

 

《デス・ガイアス》

レベル10地属性岩石族・ユナイト・効果ATK3000 DEF3000/装備ATK+?

レベル8モンスター+ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードが自分のターンのドローフェイズ時に墓地に存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、手札を1枚捨て、このカードをプレイヤーに装備できる。このターン、他のカードをプレイできない。

ユナイト効果

このカードは元々の攻撃力が700以上の「テラー」プレイヤーカードにのみ装備できる。

①:プレイヤーの攻撃力は、自分の墓地のモンスターの数×200ポイント攻撃力がアップする。

②:装備プレイヤーは、効果ダメージを受けない。

 

 

《キメラテラー》ATK2400→8000

 

『『ァァアアア!コォノチカラデェェエエ、アイツラァァニィィフクシュウヲヲヲ!』』

 

喋った!? この声どこかで・・・。

 

 

「《テクノロギアン・リバイバル》の効果でデッキトップを墓地に送り、ライフを200回復。これにより、《テクノロギア・コマンダー》の効果で自分フィールド上のモンスターの攻撃力は700アップし、1枚ドロー!」

 

【Effect Life Recover】

【Effect Draw & Attack Plus!】

 

《ミーティアル・ペガサス》ATK2700→3400

《テクノロギア・コマンダー》ATK2800→3500

アームドナイト グレン(遼一)LP3300→3500

 

 

「ビリーバー!さっきから言いたかったが往復2枚ドローに攻撃力アップって、やっぱりこの2枚のコンボ性能おかしいだろ!」

 

「そんな事言っている場合かよ!」

 

ヤケクソみたいな感じで、そんな事を宣うグレン。

俺も内心、コマンダーのアド獲得能力はヤバいとは思っていたけどさ。もっと性能がおかしいカードがまだあるから、感覚がマヒしているけど。

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

獣とも岩石とも付かなくなったキメラテラーは《ミーティアル・ペガサス》に突撃していく。ただの体当たりだが、その圧倒的な膂力から生み出される質量と硬度は超弩級の砲弾。ライフも一撃で消し飛ぶ。

 

『『チィィイィイムケモノォオオミチィィィイ、バァァァンザァァァイ!!』』

 

チーム獣道!?まさかアイツ等、合体してテラーになったのか!?

 

「チャンスの後にはピンチってのは、よぉく分かってんだ!リバースカード《ユナイト・ブースト》!《ミーティアル・ペガサス》の攻撃力を1200アップする!」 (グレン ユナイトカウンター0→1)

 

《ミーティアル・ペガサス》ATK3400→4600

 

 

《ユナイト・ブースト》

通常罠

自分フィールドのモンスター1体までを選択して発動する。ターン終了時まで攻撃力は1200アップし、ユナイトカウンターを1個のせる。

 

 

『ぬぉおおお!』

 

《ミーティアル・ペガサス》は巨大な質量で押し潰され、砕け散った。

 

アームドナイト グレンLP3700→100

 

「何とか耐えれたぜ!後は頼んだぜ、ビリーバー!」

 

俺に向かってサムズアップするグレン。

やっぱり何か距離感が近くなっているよな。

 

【Turn End】

 

キメラテラー

LP600 手札0枚

場:なし

プレイヤーカード:《キメラテラー》ATK7600(《デス・ガイアス》装備) ユナイトカウンター0個

 

 

「俺のターン、ドロー」

 

【Draw】

 

グレンに任されたが、正直アドバンテージは完全にコチラ側なんだよな。

キメラテラーもティタンも決着を焦り過ぎた。

だから俺はこうして潤沢な戦況で戦える。

 

「《テクノロギア・オックス》を召喚。デッキトップを墓地に送り、効果で《テクノロギア・マテリアル》を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター3→4→5)

 

【Effect Summon 1 Monster】

 

デュエルディスクを滑らせるように触れ、5つのユナイトカウンターを解放すると、銀色のオーラがフィールドに迸る。

 

 

【Player Effect】

 

【Invalid All Card!】

 

《キメラテラー》ATK8000→2400

 

シュゥー、と黒い煙がキメラテラーの岩石の鎧から上がる。

《アームドナイト ビリーバー》のプレイヤー効果の光は、相手のカードの効果をすべて無効にする。

怪物は急激に力を失い首を垂れ、沈黙する。

 

 

【Double Up!】

 

《アームドナイト ビリーバー》ATK2300→4600

 

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

 

キメラテラーは、もはや銀の極光から逃れる術はない。

 

 

『『ガァアァアアァァアアア!!』』

 

 

キメラテラーLP600→0

 

 

キメラテラーは黒い瘴気を上げながら崩れ落ちた。中からは7.8人ほどの男性達の姿が露わになる。

 

 

グレン―赤石さんは人間に戻ったティタンへと駆け寄っていた。

 

「岩崎さん、大丈夫ですか」

 

「う・・・」

 

意識は朦朧としているが、命に別状はなさそうだ。

一安心と思っていたのも束の間―――――

 

 

パチパチパチ

 

 

―――――乾いた拍手の音がした。

 

 

「素晴らしいデュエルでした」

 

 

拍手の主は、真っ赤な執事服を着こなした男。その身にまとう圧倒的な威圧感。アイツは・・・!

 

「お前は、まさか!マスターテラー!」

 

 

「お初お目にかかります。ブレイウルスと申します。ああ、そんなに気を張らなくても大丈夫ですよ。私はコレを回収しに来ただけですから」

 

 

《デス・ガイアス》

 

 

「そのカードは、ティタンの・・・」

 

「ええ、彼の働きは予想以上でした。ハイテラーに至るだけでなく、《デス・ガイアス》まで呼び起こすとは。全く期待していなかったのですけどねぇ。これだから人間というものは興味が尽きません」

 

クツクツと妖しく三日月のように顔を歪める。

 

「テメェ!」

 

「フフ。私ばかりを気にしていいのですか」

 

遠くで一般の人達のざわめきが響く。

アームドナイトは聴力まで強化されているのだ。

 

 

「では、また会う日まで」

 

ブレイウルスは恭しく一礼すると、闇に溶けて消えていった。

 

「俺もココにいるのはマズいな」

 

「ちょっと待て、ビリーバー!」

 

フェイタルブレードを輝かせて目くらまし。

俺もこの場を離脱した。

 

 

今回のテラー襲撃事件は初めて公にテラーが白日の元に晒されることになった。

この時の出来事が大きな流れにつながっていくことは俺は知る由もなかった。

 

 

 

――――――――――

 

 

結局、事故調査の名目で屋台や交流会は全て中止となった。

そこで俺達、チームA.ギートの面々は翔太の家、洋食屋TOBEに向かうことになった。

 

 

―洋食屋TOBEー

 

「何か、スゴイことになっちゃったな。怪人?とかも現れたってSNSで報告があったし」

 

沈黙を破ったのは翔太。

 

「ウワサだと思うけどなぁ」

 

俺はどうかなぁ、とやんわり否定するも悟は異を唱える。

 

「まぁでも、あの爆発はガチであったしなぁ」

 

「デュエルフェスタ自体が中止になる可能性もあるだろうな」

 

「それは1番嫌なパターンだぜ、正志。だからこうして、白砂カンパニー社長の記者会見を待って訳なんだけどさ」

 

「あ、来たぞ」

 

テレビ画面は丁度、会見席に座る青のメッシュが入った黒髪の男性―白砂幾星社長を写し出したところだった。

 

 

―――――

 

 

『白砂社長、今回の爆発事件についてお伺いします。何が原因で起きたのでしょうか。怪物もいたという情報も挙がっておりますが』

 

この場においても微笑みを称えていた白砂社長の顔がアップになる。

 

『まずは、この場で皆様を驚かせてしまった事をお詫びさせていただきます。実はアレは私どもが企画したゲリラショーの一環なんです』

 

予想外の返答に唖然となる報道陣。

当事者の俺としては無理があるだろ、と思わざるを得ない。

 

『ですが、あの爆発は・・・』

 

『お恥ずかしながら使用する火薬の量が多すぎました。改めて、お詫び申し上げます』

 

 

しばらく、記者とのやり取りが続き、最後にこう宣言した。

 

 

『ですので、デュエルフェスタ2日目は予定通り行わせていただきます』

 

それを聞いた悟と翔太はめっちゃ、盛り上がっていた。

 

 

―――――

 

―ユニティガーディアン・司令室―

 

先程まで中央スクリーンに白砂社長の記者会見の様子が映し出されていて、ユニティガーディアンのメンバー全員が集まって放送を見ていた。

 

「俺が言うのもなんだけど、理由付けが強引じゃねぇ?特撮のゲリライベントって・・・」

 

「あはは。父らしいですよね」

 

そんな理由でいいのかと、半笑いの遼一にアイナは苦笑いする。

しかし冷ややかな目線で遼一を睨むのは真面目系メイドのソウ。

 

「主人への侮辱ととってもよろしいでしょうか。それに貴方とビリーバーがRAJ空間に引き込めなかったのが全ての原因ではないですか」

 

「スミマセン。全て俺の至らなさです」

 

あまりの圧に遼一は条件反射で謝る。

 

「マスターテラーが相手だ。こうなる可能性も充分に予見できた。重要なのはテラーの存在がどれ程まで『認識』されてしまったかと言うことだ」

 

片桐局長の口は重々しい。今までマスターテラーは表立って活動してこなかった。

唯一の例外はユニティガーディアン襲撃事件の時のみ。

そもそも、テラーがスタジアムの近くに出現したことも例外だ。

テラーの出現にはある程度、マイナスの感情が周りに充満している必要がある。

スタジアムでは人々の熱狂というプラスの感情で満たされているため、本来は出現しないのだ。

今回は会場から少し離れた場所での出現だったため、隙をついたともとれるわけだ。

 

「大会をキャンセルする、というのはテラーの存在を暗に認めると一部の層は思うだろうね。逆に、このまま何事もなく大会が終われば、みんなすぐに忘れてくれると思うよ」

 

翼の補足に片桐は頷き、言葉を続ける。

 

「白砂社長には随分と普段をかけてしまったな。あの方の言葉には不思議と人々を信用させる力がある。少しでも皆がテラーの存在をイベントだと思ってくれればよいのだが・・・」

 

 

 

―――――

 

 

―デュエルフェスタ2日目―

 

遊士達はアイナ先輩からもらったチケットでチーム ユニティガーディアンとチームアトリビュートの試合が行われる第1スタジアムに来ていた。

満員の観客席でも見渡しの良い。流石はAランク席といったところだ。

スタジアムのメインスクリーンにMCザックが映し出された。

 

「お待たせしました。いよいよ選手の入場だー!」

 

うぉおおおー!

 

歓声に呼応するように、スタジアムのボルテージも更に上がっていく。

 

 

「まずは、チーム アトリビュート!一昨年、彗星のごとく現れたこのチーム!昨年の優勝決定戦ではチーム ユニティガーディアン大健闘を見せた!今年こそは悲願達成なるかー!」

 

スタジアムの東側からスモークが噴出する。そこから表れたのはチーム アトリビュート。彼女達は客席に向かって手を振っている。今回はマコトさんもいる。

 

「続いては、押しも押されぬNo,1チーム。もはや説明は不要!チーム ユニティガーディアン!」

 

反対側からは、チーム ユニティガーディアンのメンバー、片桐コーチ達もいる。彼らは手は振るものの、ピリピリしている。アトリビュートとは対照的である。

 

竜虎相搏つ、頂上決戦の様相。会場の熱気も最高潮に。

MCザックもその熱気を受け、万感の思いで試合開始の宣言に入る。

 

 

 

「さあ、いよいよ試合開s・・・ん」

 

 

何かに気付いたように、ザックは後ろを振り向く。

試合開始を目前に虚を突かれる観客達。

 

 

 

 

「・・・ボーイ(子供)?ここは放送室だぞ?・・・うわぁ!?」

 

スクリーンに大慌てで逃げ惑うスタッフ達が映る。

光の歯車が放送室をひゅんひゅんと飛び交っていた。

一体、何があったのか、ソリッドビジョンを使ったショーの一環か、はたまた本物の怪人か、観客席ではざわめきが走る。

 

 

「あーあーテステス。みんな、こんにちはー。デュエルフェスタは楽しんでいるかな?」

 

あの子供は何者だ!

もしかして本当に!?

観客席から次々と大声が上がっていく。

 

 

「でもボクは思うんだ。もっとスリルがあれば、このお祭りは楽しくなるって。みんな、出て来てー♪」

 

 

ブゥン!

 

 

『『『ガァアアアアア!』』』

 

ストリアが翳した手が輝くと、紫色の長方形の半透明の膜―ゲート2つがスタジアムに出現した。

中から10体以上のテラーがスタジアムへと降り立った。

更にその影からテラーミニオンズ達も湧いてくる。

 

「うわ、こっちに来るぞ!」

 

何体かは観客席へと突進しようとしていた。

着ぐるみにしてはテラーの姿はあまりにも生々しい。

現実離れした状況。しかし生物めいたテラーの生々しさ、これが現実であるのだとまざまざと感じさせる。

観客たちが恐慌状態に陥るのには十分すぎる程だった。恐怖の感情そのものがテラーが求め、テラーの力を上昇させるのだ。

 

 

「楽しくなってきたでしょ。ここからが真のデュエルフェスタの開幕だよ♪」

 

 

 

―――――

 

 

「馬鹿な!何故、出現を探知できなかった!いや、この数か月のテラーの不自然な出現はヤツの能力か!」

 

『恐らくは。12体ものテラーと38体のテラーミニオンズがこの瞬間に出現しました!』

 

コーチ席の片桐コーチ(局長)は司令室に通信をつないで、問いただす。

そこに、そういえばと翼が顎に手を当て、思案する。

 

「ここ最近、出現したテラーの反応が急に消失することが何度かありましたね。確か最初は3ヶ月程前からでしたっけ」

 

「ストリアの能力によるものだろうな。3ヶ月前というと、ビリーバーが現れてからだな」

 

ハイテラー:ストリアにザンブレイド・ドラゴン、ビリーバーは事態の中心にいるようだ。

 

「はい。ストリアの件といい、ビリーバーには何か関係、『因果』があるかもしれませんね」

 

「『因果』か。なんにせよ我々ができることは、市民の安全の確保だ!」

 

片桐と翼は、ハクア達へ指示を出しながら、アトリビュートのメンバーを安全な場所へ避難すべく、彼女たちの下へ向かった。

 

 

―――

 

 

「何て数のテラー!」

 

大勢の助けを求める声がスタジアム中を埋め尽くす。

私は『アームドナイト ハクア』に変身してテラーの侵攻を食い止める。

ジンさんと赤石さんは観客席のテラーの迎撃とストリアの打倒に向かっているが、あまりの数に手間取っているようだった。

せめてもう1人いれば・・・。

だが、試合会場内のテラーの数は多い。

今にも選手達に飛びかかろうとしているテラーの集団が視界に入る。

 

【Feather Ray!】

 

背中に生やした翼から幾重の光線がテラー達を刺し穿つ。

 

 

「大丈夫ですか?」

 

「ええ」

 

ソウとハンはメイド流柔術でミニオンズを転倒させているようだ。相変わらず、流石の手際です。

ココにはアトリビュートの方達も合わせて、8人いる。

 

「マコトちゃんがいない!」

 

どうしようとナツメさんはオロオロする。

はぐれてしまったのか、と辺りを見渡す。

 

「みんなこっちだよ!」

 

マコトさんは既に選手通用口で私達を呼んでいた。いつの間に。

 

「コッチには怪人はいないみたいだよ。後、謎の特殊部隊の人達もいるよ」

 

ユニティガーディアンのサポート部隊だ。

入り口までの安全は確保できているとの声が聞こえてきた。

これなら、無事に避難できそうだ。後は観客の安全の確保、そしてストリアの討伐!

奴がいる放送席までのルートを探っていると、銀の戦士、ビリーバーの姿が見えた。

どうしてここに!?

 

 

―――――

 

少し前―――、

 

 

『あーあー、テステス』

 

やっぱり来たか。最も盛り上がるタイミングに来ると思ったぜ。

 

「俺、ちょっと洗面所に行ってくるわ」

 

「エ、そのタイミングで行くのか!?」

 

みんな唖然とした様子だ。

異常事態なのにどこかに行こうとするとか、普通に考えたら非常識だろうけど・・・。

俺としては今の内にアームドナイトになっておかないと、タイミングを逃しちゃうからな。

すぐに戻ると言って、スタジアムの観客席入り口の奥まで行き、デュエルディスクを起動する。

 

 

【Duel Disc Stand by・・・Set Player Card】

 

 

「アームドフォーゼ!」

 

【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight BELIEVER!】

 

変身してスタジアムに戻るとテラーが観客達を襲おうとしているところだった。悟達もいる。

 

「させるか!」

 

【FATAL BLADE!】

 

跳躍して、上段から切りつける。

危なかった。間に合ってよかった。

 

「助かったー。ありがとうございます」

 

「早く、行くぞ」

 

「ああ」

 

ストリアがいるのは放送席。ここから壁を伝えば30mってとこか。

だが、テラーミニオンズ達がすぐさま立ちふさがった。

 

『ええぃ、邪魔だ!』

 

 

中々放送室まで行けず、焦りが募っていく。

 

 

そこへ―――――、

 

 

 

火炎を纏ったキックがテラー達を焼き払う。それは炎のガンマン―アームドナイト グレン。

 

「ビリーバー、ここは任せろ!」

 

「グレン!」

 

グレンは俺の前壁を作るように立つと、テラーを銃撃。

そして、こう言い放った。

 

「大体の事情は聞いた。ここから先はお前が行け!」

 

「いいのか?」

 

俺はストリアの奴との繋がりを疑われているはずだ。寧ろ捕縛対象だと思う。

そんな疑念を余所にグレンは言葉を続ける。

 

「共にタッグを組んでデュエルして分かった。お前はテラー側じゃない。多分、アイツと因縁があるんだろ」

 

「・・・助かる」

 

 

ググっと屈み、放送席めがけて跳躍。

腕を交差させて、その窓へと飛び込んだ。

目を見開くストリアに向かって、フェイタルブレードを大上段から叩きつける。

 

「うわっ、ビックリしたー。危ないじゃないか、遊士」

 

ヤツはヒョイと避ける。放送席の一部が破壊されるが、狙い通り。

本当の狙いはマイクだ。アイツが何を口走るかわからないからな。

 

 

「ストリア、いや“テクノロギアマイスター ステイル”!お前を止めにきた!」

 

ストリアはスッと目を眇める。

 

「流石にバレちゃうか。そうだよ。ボクは”ステイル”さ。楽しんでくれた?ボクのデュエルフェスタを」

 

「は?あれだけの被害を出して何を言っているんだ?」

 

「うん。身近な人達に嫌な目に遭うと傷つくよね。だから、僕もそうしたんだ」

 

一体どういうことだ?アイツの言動の整合性がおかしい。

 

「だから何を言っている!」

 

「それなのにさ、遊士は新しい友達と楽しんじゃってさ。許せないよね。ボク達はあんな目に遭っているっていうのに」

 

その双眸には浮かぶのは怒り。

ゴォっとストリアから闇の波動が湧き起こると、服装が歯車を模した幾何学模様の魔法使い然としたローブに変わり、紫色の神と瞳が露わとなる。

見知った姿、《テクノロギアマイスター ステイル》の姿だ。

ただし色が青から紫に変色している。

 

『むうぅ。なんという強い瘴気だ』

 

「遊士!完膚なきまでにキミを叩き潰す!」

 

ストリアの周囲に浮遊した無数の光の歯車(ギア)が襲い掛かる。歯車が通った後は地形が削り取られる。アームドナイトの鎧でもタダじゃすまないはずだ。

 

ダンダンダン!

 

「デュエリストは背を向けないんじゃなかったけ?それに逃げてばかりじゃ何も変わらないよ」

 

追尾する飛び道具相手だとこちらは不利。当然、ユナイトウェポンを装備する時間はない。

ここは壁や天井を足場にして歯車の隙間を縫って避けていく。

だが、手がないわけじゃない。クロスレンジまで持ち込む!

 

「くぅ!」

 

弧を描くように何とか接近に成功。ここまで近づけば歯車を細かく動かせないはずだ。

一瞬の虚を突いてパーカーを掴む。

 

「離せぇ!」

 

壁に向かって放してやるさ!

 

【RAJ SYSTEM WAKE UP!】

 

 

空間が反転する。回転した先にたどり着いたのは廃工場だ。

フィールド魔法の《テクノロギア・アーセナル》によく似ている。

 

 

「くっ、キミとの決着はやっぱりデュエルしかないみたいだね」

 

「お前に何があったのか、このデュエルで見極める!」

 

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

「《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1200)を召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター:0→1)

 

「【テクノロギア】じゃない・・・?」




大会の中断ってホビーアニメの華ですよね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。