遊戯王BELIEVER ~遊戯王の新作シリーズをフラゲしてきた(笑)~ 作:ミスタータイムマン
召喚法は某所に投稿したやつを基にしています。
やっぱり、プレイヤーがモンスターとともにバトルするのって面白そうなんだよなぁ。
8/24 《ファイティング・デュエリスト》の効果の記載忘れを修正。主人公が引っ越して来た時期を1月前に変更。
11/5 変身→アームドフォーゼに変更。
1/25 後書きに世界観設定を追加。
2/4 決め台詞を追加。
9/26 遊士のデュエル描写を追加。
1話 非日常との遭遇 & 2話 アームドフォーゼ
1話 非日常との遭遇
夕陽に照らされる2つの影。1つはガトリングが右腕に装着されているオオカミの毛皮を纏った怪人。もう1つは肩や額から角のような剣が生えた銀色のドラゴン。
「これは・・・どうしよう・・・」
俺、奥田遊士(おくだ・ゆうし)は目の前の人生崖っぷちのこの状況に泣き出しそうになっていた。
どうしてこうなった・・・。時間を戻してみてみよう。
―――――――――――――――――――――――――――
―在布市 在府スタジアム―
この日、遊士は同級生とともに前から楽しみにしていた1部リーグの試合を見に来ていた。
この都市のデュエルは遊士が去年まで住んでいた所とは違い、プレイヤーもモンスターと直接戦うスリリングなデュエルが繰り広げられる。デュエルを半ば引退した自分でもかなり衝撃的で、今や試合観戦するほどだ。
在府市は国からデュエルが発達した都市である
彼らは日夜、1部リーグへの昇格を目指して戦っているのだ。
特にこの在布スタジアムは、1部リーグのデュエルが行われる在布市中のデュエリスト達の憧れのステージである。
決闘指定都市の名に偽りはない。真っ昼間だというのにスタジアムは満員ですさまじい熱気に包まれている。ウェーブは3分に1回くらい起こるし、会場の音声はあんまり聞こえない。携帯ラジオとイヤホンを持ってきてよかったよホント。
「本日、最後の対戦カードはぁ!ユニティガーディアン ハクア選手、バーサス!チームRX 反場大剛(はんば・だいご)選手ゥ!」
スポットライトに2人の選手が照らしだされる。
「皆さんはもうご存知だが、解説だぁ。ハクア選手は自警組織、ユニティガーディアンに所属。銀髪碧眼の甘いマスク。多くの女性を虜にしてきたその顔は勝利の女神すらも微笑むのかぁ!対する反場大剛選手は恐竜デッキのデュエリストが集まるプロチーム、チームRXの副キャプテン!その瞳に映るのは獲物だけだぁ!」
「解説も相変わらずだなぁ」
意味不明な内容だが、これはテンションが上がる。実況の人、何て名前だっけ?そういやMCザックって書いてあったな。
またウェーブが起きてるし・・・。
「やっぱりハクアの女子人気はすげぇな。出てきてから黄色い歓声が鳴りやまねぇ」
そう話すのは友人の仲町悟(なかまち・さとる)。
「ところで悟、ハクアが所属してる"ユニティガーディアン"って何だ?聞いたことがある気がするんだけど」
「遊士、マジで知らねぇのか」
「聞き覚えはあるんだけど、俺はまだこっちに引っ越してからまだ1月だぞ?」
「それもそうだな。ユニティガーディアンはな、デュエルで街の平和を守ってる組織だ」
「デュエルで・・・、平和を守る?どういうこと?」
わけがわからない。
「そりゃ色々とさ。リアルソリッドビジョンを使った犯罪に立ち向かったりとかさ」
「はぁ」
納得するようなしないような。
「あー、後は都市伝説で謎の怪人と日夜戦ってるってのがあったな」
「なに?ユニティガーディアンって、正義の味方の一種なの?」
「制服っつーか、専用プレイヤーカードの"アームドナイト"が変身ヒーローっぽいんだよな」
悟がスマホに写して見せてくれたのは、全身を金属プロテクターで覆った姿。確かに変身ヒーローだ。怪人とも戦えそうである。
「おい、もう始まるぞ!」
見ると両選手ともデュエルディスクを構えていた。
――――――――――――――――――――――
「それではデュエル開始ィ!」
―――――DUEL!―――――
ハクアと反場はデュエルディスクに構えていた1枚のカードをデュエルディスクをライフゲージの真後ろにはめこむ。
【Set Player card】
【Set Player card】
デュエルディスクから電子音とともに光の直方体が飛び出て、身体を包みこむ。
【Accept!You are a Fighting Duelist!】
【Accept!You are a Fighting Duelist!】
光が収まると、皮の軽鎧と手甲を装備した2人のデュエリストの姿があった。
《ファイティング・デュエリスト》
プレイヤーカード ATK 0
①:自分のターン中、自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。
②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。
③:???
プレイヤーカード、これこそがこの街特有のデュエルシステム。プレイヤーをカードとして扱う事で攻撃力を持ち、モンスターとの戦闘を可能にする。更に特定の行動をとるたびにモンスターとの信頼の証であるユナイトカウンターを得ることができるのだ。
「おい、ハクアさんよぉ。俺相手に"アームドナイト"のカードは使わないっていうのか。随分余裕だなぁ」
「アレは犯罪者を取り締まるためのものでな。リアルダメージが出てしまう。市民を守る私達が市民を傷つけるわけにはいかない」
挑発に乗らず、前髪をファサッとかき上げ、余裕そうに闘志を秘めた瞳が反場を射抜く。
ちなみに、そのシーンはスタジオメインスクリーンにアップで写されている。黄色い声援が鳴り響き、気を失うものもいたとか。
「まあいい、俺のターン。魔法カード《化石調査》を発動!」(反場 ユナイトカウンター:0→1)
反場のデュエルディスクに橙色の光が1つ灯る。
【Search 1 Monster】
電子音が鳴り響くと、デッキから1枚のカードが飛び出し、大悟の手に収まった。
《俊足のギラザウルス》(レベル3 ATK1400)を特殊召喚!」
【Summoned Effect】
【Select 1 Graveyard Monster】
「先行1ターン目に相手の墓地にモンスターは存在しねぇ。よって効果は不発。だが、俺のユナイトカウンターは2つになる」(反場 ユナイトカウンター:1→2)
「そして、俺はユナイトカウンター2個でコーリング!」
【Accept 2 Unite counters・・・】
デュエルディスクに灯っていた2つの光が宙を舞い、オーロラに輝く円を描く。
【UNITE SUMMON】
EXデッキから反場は上半分がオレンジ、下半分は黄緑色のカードを取り出す。
「ユナイト召喚!現れろ!レベル4《ハンマー・アンキロ》(ATK1600)」
オーロラから現れたのは尾が槌になったアンキロサウルス。
ユナイトモンスター、それはプレイヤーカードが生み出すユナイトカウンターを使うことで亜空間より現われるモンスター。この街でのデュエルでは必須となるカード。
しかも、このカードの真価はまた別のところにある。
「フッ、召喚権を使わず、1枚のカード消費でモンスターを2体並べるか。さすがはチームRXの副キャプテン」
「驚くのはここからだ!俺は2体のモンスターをリリース!」
【ADVANCE SUMMON】
「アドバンス召喚!現われろレベル8《ジュラック・タイタン》(ATK3000)!更に墓地の恐竜族モンスターを2体を除外する。来い!レベル10《究極伝導恐獣》(ATK3500)」
赤と紫、2体の巨大なティラノサウルスが咆哮をあげる。
「カードを1枚セットしてターンエンド!」
「ハクア選手の圧倒的不利!耐性と妨害持ちの攻撃力3000オーバーが2体だぁ!この圧倒的な布陣をどう突破するのかぁ?!」
反場大剛
LP4000
場:《ジュラック・タイタン》、《究極伝導恐獣》、伏せカード1枚
プレイヤーカード:ATK0、ユナイトカウンター0個
手札:1枚
「確かにすさまじい布陣だ。私のモンスターは《究極伝導恐獣》に裏守備にされ、《ジュラック・タイタン》はモンスター効果と罠効果を受けない。更に伏せカード。まるで地雷原を歩くようだな。私のターン」
【Draw】
「私は《月の書》を発動!」(ハクア ユナイトカウンター:0→1)
【Select 1 Monster】
ハクアのデュエルディスクから光の輪ー"セレクトライト"が飛び、紫色のティラノサウルスの足元に広がる。
【Reverse!】
次の瞬間、《究極伝導恐獣》がカードに封印され、裏返る。
「地雷を1つ除去というわけだ。続いて、《星因子ベガ》(レベル4 ATK1200)を召喚」
【Summoned Effect】 (ハクア ユナイトカウンター:1→2)
「更に、《星因子シャム》(レベル4 ATK1000)を特殊召喚」
【Summoned Effect】 (ハクア ユナイトカウンター:2→3)
【1000 Damage!】
2人目の天界の戦士から光の矢が大悟へ放たれた。
「ぐっ!」
反場大悟 LP4000→3000
「《ガーディアン・オブ・オーダー》(レベル8 ATK2500)を特殊召喚」
現われるのは大柄な騎士。
「《精神統一》を発動」
【Search 1 Card】(ハクア ユナイトカウンター:3→4)
「そして、私は2体のサテラナイトとユナイトカウンター4個でコーリング!」
【Accept 4 Unite counters・・・】
デュエルディスクより放たれた4つの光がハクアの頭上でオーロラの円になり、ハクアへ放たれる。
「ユナイトイクイップ、偉大なる天界の戦機の力を我が元に!《タイタニック・チャンピオン》!」
ハクアに巨大なロボットのような黄金の腕が装着された。
これこそがユナイトモンスター、最大の特徴。プレイヤーとの合体能力ー『ユナイトイクイップ』。これにより、プレイヤーはモンスターと肩を並べて戦うことができるようになるのだ。
【UNITE EQUIP! Titanic Armor!】
ハクアATK0→3000→3500
「おおっと、ここでハクア選手のエースカード、《タイタニック・チャンピオン》の登場だぁ!過去のデータによると、このカードが出たデュエルの勝率は脅威の8割!」
《タイタニック・チャンピオン》
レベル8光属性戦士族・ユナイト・効果ATK3000 DEF2500/装備ATK+3000
自分フィールドのカードまたは手札2枚+ユナイトカウンター4個
モンスター効果
①:自分または相手ターンのバトルフェイズ中、自分の手札が3枚以下の場合、相手プレイヤーが魔法・罠・モンスターの効果を発動する度、自分のデッキからカードを1枚ドローすることができる。
ユナイト効果
①:プレイヤーの攻撃で相手モンスターを破壊した時に発動できる。プレイヤーはもう1度だけ続けて攻撃できる。この効果は1ターンに1度しか発動することができない。
②:自分のターンのエンドフェイズ時にこのカード以外にユナイトモンスターが装備されている場合、そのカードは自分のEXデッキに戻る。
《ファイティング・デュエリスト》
プレイヤーカード ATK 0
①:自分のターン中、自分が魔法・罠・モンスター効果を発動する度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに4度まで発動する事ができる。
②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。
③:ユナイトモンスターが装備されているこのカードの攻撃力は500ポイントアップする。
「来やがったか、《タイタニック・チャンピオン》!しかも《ファイティング・デュエリスト》の効果で攻撃力を高めていやがる。だが甘い。リバースカード《サンダ―・ブレイク》!」
【Select 1 Card】
ハクアにセレクトライトが迫る。
「甘いのはそちらだ。手札からトラップカード《レッドリブート》を発動」(ハクア ユナイトカウンター0→1)
ハクアLP4000→2000
【Chained Counter】
《サンダー・ブレイク》無効
「これで決める」
ハクアは左の拳を構え、爆炎とともに空へ舞い上がる。
【Player Attack!】
裏守備カードをハンマーの要領で打ちすえる。
【Effect】
「《タイタニック・チャンピオン》の効果!私はもう1度攻撃できる!」
【Player Attack 2nd!】
今度は右拳にブースターが点火し、赤いティラノサウルスの腹部を突き破った。
反場 LP3000→2500
「何ぃ!この布陣を突き崩すと言うのか!」
「これでとどめだ!《ガーディアン・オブ・オーダー》でダイレクトアタック!」
【LAST ATTACK!】
天の騎士の剣が大悟に殺到した。
反場 LP2500→0
「決まったぁー!勝者はユニティガーディアンのエース。ハクア選手だ―!」
―――――――――――――――――――――
会場内は興奮冷めやらぬ中、遊士と悟は先ほどの試合の話題で持ちきりだった。
「やっぱり、2人ともすげぇよ。あんなデュエルは俺には無理だ」
「ああ、しかもハクアは後攻1キル。しかも本当のプレイヤーカード使ってないんだろ。底知れねぇぜ」
「そうだよなー。それでもあんなに強ぇんだぜ。ユニティガーディアンはチーム同士で戦う場合は"アームドナイト"のカードを使うんだけど、他のチームと当たった場合は使わないんだよ。やっぱり噂通りなのかなぁ」
「噂って?」
「ああ、実は"アームドナイト"のカードってリアルダメージが発生するから使わないらしいぜ。」
「リアルダメージ発生って・・・犯罪に使う人もいるくらいだし、治安維持で使わない手はないもんなぁ」
そうかーと納得し、遊士は帰路に着いた。
夕方―――、
「全く帰って来て早々、お使いを頼まれるとは。もっと早く言ってくれたらなぁ・・・ってあれ?ここはどこだ?」
せっかくだからと近道を開拓しようとわき道にそれたのがまずかったか。
どうも道に迷ったらしい。
スマホをとりなしナビアプリを更新するとやはり、だいぶ道がそれていた。
元の道に戻ろうと、次の路地を曲がる。そして見てしまったのだ。
夕日に照らされた2つの異形の姿を・・・。
―――――――――――――――――――――――――
2話 アームドフォーゼ
狼怪人と銀のドラゴン、俺と合う2つの視線に竦み上がる。
狼怪人はガチャンと左腕と一体化したガトリング砲を俺に向ける。
逃げないと・・・!
だが、脚はガタガタ鳴って1歩も動くことができない。
マズルフラッシュが眼を焼く中、ドラゴンが怪人を突き飛ばす―――、
「おい人間!ボサッとすんな!とっとと逃げろ!」
「しゃべった・・・!」
「ああん?!」
ギラリと光る大きな爪。なんか怒っている気がする。
とにかくここから離れないと。俺の手には負えない。
ダッと脇を走り抜けようとする。
その時、見えてしまったのだ。人が倒れているのを。
「助けないと!」
死ぬかもしれない・・・。俺だけ逃げるわけにはいかないだろ!
狼怪人の視界に入らないよう駆け寄る。
夕日に照らされて見えるのは肩まで伸びた銀髪に切れ長の睫毛。同年代の女の子だ。
その時再び、閃光が視界の端に映るのが見えた。
「しまった・・・!」
ガトリングの射線上に奔る巨大な影。
ドォン
「ガァアアア!まだ逃げてなかったのかよ!」
眼前には倒れ伏した剣のドラゴン。
「そんな、俺たちを庇って」
「ただのかすり傷だ。ったく、何やってんだよ、人間」
「さあな。勝手に体が動いただけだ。お前もだろうがよ」
「はっ、確かにな!」
「だろ?後、俺の名前は遊士だ」
「んなこと言ってる場合じゃねえだろ」
狼怪人はガトリング砲に鈍く輝かせながらノシノシとゆっくりと迫ってくる。
それは恐怖を煽るかのよう。
「仕方ねぇ。おい遊士。お前、デュエリストだろ。この状況から抜け出させてやる」
そう言うやいなやドラゴンが光と化し、俺のエクストラデッキケースに吸い込まれた。
デッキケースを開くと光り輝く1枚のカードが増えていた。
「《ザンブレイド・ドラゴン》、それがお前の名前なのか」
その時、頭から声が聞こえてきた。
『ああそうだ。プレイヤーカードも見てみろ』
「これは・・・!」
プレイヤーカードは全く新しいカードに変わっていた。
《アームドナイト ビリーバー》
プレイヤーカード ATK 0
①:手札または墓地から自分フィールド上にモンスターが召喚・特殊召喚される度、このカードの上にユナイトカウンターを1個のせる。この効果は1ターンに5度まで発動する事ができる。
②:自分はEXデッキからメインモンスターゾーンにモンスターを特殊召喚できない。
③:自分のターン中、このカードの攻撃力は300ポイントアップする。
④:デュエル中、1度、ユナイトカウンターを5個取り除いて発動する。???
鋼でできた四肢に仮面。それは昼間、写真で見たあの姿に近いものだ。
「これはアームドナイトのプレイヤーカード・・・!」
『奴をデュエルで倒すぞ!』
「っ・・・!わかった、やってやろうじゃねぇか!」
【Set Player card】
デュエルディスクにプレイヤーカード、《アームドナイト ビリーバー》のカードをセットすると、光のキューブが全身を包む。
【Accept! ARMED PHOSE! This is the Armed Knight BELIEVER!】
両手をまじまじと見ると銀色の装甲が全身を覆っていた。その姿はまるでテレビの中の絵空事の存在。
「まさか、こんな事が・・・!」
『信頼、ビリーバーか。なかなか粋な名前じゃねぇか』
呆然としていると《ザンブレイド・ドラゴン》の呼びかけでハッとする。
「俺の未来を刻んでみせる!」
―――――DUEL!―――――
「俺のターン!モンスターを1体セット、リバースカードを2枚セットしてターンエンド」
アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)
LP4000
手札3枚
場:セットモンスター1枚 リバースカード2枚
プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK300→0 ユナイトカウンター0個
次は怪人のターンだ。
今にも問答無用で襲ってきそうな異形の体が手札を構えるデュエリストのような動きをとるなんて、なかなか奇妙な光景だと遊士は思った。
【Draw】
ガトリングの上面がパカッと開くとカードが飛び出る。続けざまガトリングに光が溜まり―――、
【Player Effect】
無機質な電子音がこだましながら、光弾が遊士を襲う。
アームドナイト ビリーバーLP4000→3500
「くっ、これは一体・・・!」
カードを出していないのに、いきなりダメージが来るなんてありえない。あまりの光景に目を見張る。
『あの"テラー"のプレイヤーカード効果だ。効果ダメージ持ちなんだろうな』
そんなのが存在するのかよ。
「そういや、"テラー"ってあの怪人の名前か!?」
『そうだ。俺達、カードの精霊がプレイヤーカードとくっついちまった存在だ』
「どういうことだよ、それ!?」
『話は後だ。奴が動くぞ』
"テラー"は獣のような手を器用に使い、ガトリングが変形したデュエルディスクにカードを置く。
【Summon】
《ビーストライカー》(レベル4 ATK1850)
【Effect】
【Summon 1 Monster】
《モジャ》(レベル1 ATK100)
「なんか、かわいいのが来たな」
怪人にマスコット、相当なミスマッチだ。
だが―――、
【Effect】
【Summon 1 Monster】
《キング・オブ・ビースト》(レベル7 ATK2500)
《モジャ》が光に包まれ、中から現れたのはおどろおどろしい化け物。
「怪人に化け物・・・。これはベストマッチってやつ・・・?」
『馬鹿な事を言ってる場合か!』
【Attack!】
《ビーストライカー》がセットカードに襲いかかる。
《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 DEF500)
「ちっ」
【Direct Attack!】
《キング・オブ・ビースト》の巨大な前足がズシンと頭上から槌の如く降り下ろされる。
「うわぁあああ・・・!」
アームドナイト ビリーバーLP3500→1000
あまりの衝撃に吹き飛ばされ揉んどりうってゴロゴロと転がる。
「さっきは気がつかなかったけど、リアルダメージありかよ・・・!」
キッと前を睨む。
その時―――!
【Player Attack!】
鋭い爪が眼前に迫る。
ウルフテラーATK500
「始めから攻撃力もあるのか!だけど攻撃力500。ならリバースカード《烈風の空牙団》!」
【Select 1 Monster】
【Effect Summon】(ビリーバー ユナイトカウンター0→1)
《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 DEF500)
「これ以上、ライフを削られる訳にはいかないな」
【Set 2 Cards】
【Turn End】
ウルフテラー
LP4000
手札2枚
場:《キング・オブ・ビースト》(ATK2500)、《ビーストライカー》(ATK1850)、リバースカード2枚
プレイヤーカード:《ウルフテラー》ATK500
《ウルフテラー》
プレイヤーカード ATK500
①:1ターンに1度、相手ライフに500ポイントのダメージを与える事ができる。
②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。
「俺のターン!ドロー!」
【Draw】
『なぜ《キング・オブ・ビースト》の攻撃で伏せカードを使わなかったんだ。ダメージをかなり減らす事ができただろう』
「このデッキは初動の1枚を止められるときついからな。召喚権を使ってない状態で空牙団モンスターを場に残したかったんだ」
ここまでのリアルダメージは予想外だったけど、と小さく呟く。
以前に使っていたデッキだったら、もっと楽だったんだろうが今はそう言っていられない。
いや、似たデッキタイプだからこそ、柔軟に対応できると思うべきか。
「ここからは戦闘ダメージを受けない。一気に畳み掛ける!《空牙団の飛哨 リコン》の効果を発動!」
【Summon 1 Monster】
しかし、
【Chain】
【Select 1 Monster】
【Invalid】
『む、《禁じられた聖杯》か!』
《空牙団の飛哨 リコン》効果無効
「やっぱりか。なら《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1200)を召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:1→2)
【Effect】
【Summon 1 Monster】
「《空牙団の闘士 ブラーヴォ》(レベル4 ATK1900)を特殊召喚!《空牙団の剣士 ビート》の効果!」(ビリーバー ユナイトカウンター:2→3)
【Effect】
【Search 1 Monster】
「《空牙団の英雄 ラファール》(レベル8 ATK2800)を手札に加え、ブラーヴォの効果で特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:3→4)
【Effect】
【Summon 1 Monster】
「ラファールとブラーヴォの効果を発動」
【Effect】
【Search 1 Card】
【Attack Plus 500 Points】
《空牙団の剣士 ビート》ATK1300→1800
《空牙団の闘士 ブラーヴォ》ATK1900→2400
《空牙団の英雄 ラファール》ATK2800→3300
サーチカード:《和睦の使者》
武器を携えた獣人や竜人達が一気に4体も並び立つ。
『この展開力。これを狙っていたのか!』
「そういうこと。だけど、まだ主役を呼んでないぜ」
『主役だと?まさか!』
俺は息を大きく吸い込むと、デュエルディスクに納められている4つのユナイトカウンターに触れる。頼んだぜ!
「俺は《空牙団の飛哨 リコン》とユナイトカウンター4個でコーリング!」
【Accept 4 Unite counters・・・】
オーロラ色の円から現れるのは、その身にいくつもの剣を宿したドラゴン。
【UNITE SUMMON】
「ユナイト召喚!戦場で勝鬨を上げろ!勇猛なる竜! レベル8《ザンブレイド・ドラゴン》!」
グォオオオ!
それは再び敵と見える歓喜の雄叫び。
「バトルだ。ラファールで《キング・オブ・ビースト》を攻撃!」
【Attack!】
英雄の一刀のもとに化け物は瞬時に塵へと還る。
ウルフテラーLP4000→3300
「次はブラーヴォ!」
【Attack!】
十字に交差する鋼の爪が《ビーストライカー》を貫く。
ウルフテラーLP3300→2750
「モンスターは全て倒した。《ザンブレイド・ドラゴン》と《空牙団の剣士ビート》でダイレクトアタック」
【Direct Attack!】
『フッ、オレにトドメをさせ、というのか。これは粋な計らいだな!』
《ザンブレイド・ドラゴン》は額と両肩、3つの剣を相手に向けて突撃する。
【Tri Blade Charge】
だが―――、
【Effect】
《波紋のバリア ウェーブフォース》
【All Bounce!】
「そうきたか!トラップカード《撤収命令》!」
デッキに戻される前に4枚の空牙団モンスターを手札に回収する。
【Chain】
【All Self Bounce】
「更にチェーン。《ザンブレイド・ドラゴン》の効果!来い!」
《ザンブレイド・ドラゴン》に向かって手を伸ばす。
『おう!』
【Chain Equip】
《ザンブレイド・ドラゴン》はその体を大剣へと変形し、自分の元へ飛来する。
【Fatal Blade!】
《アームドナイト ビリーバー》ATK300→2300
《ザンブレイド・ドラゴン》
レベル8地属性ドラゴン族・ユナイト・効果ATK2500DEF2000/装備ATK+2000
自分フィールド上のカード1枚+ユナイトカウンター4個
モンスター効果
このカード名の①か②の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか発動する事ができない。
①:互いのメインフェイズ中か自分のバトルフェイズ中、魔法・罠・モンスター効果を発動した場合に発動する事ができる。このカードをプレイヤーカードに装備する。
②:このカード戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、装備状態のユナイトモンスターを自分メインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。
ユナイト効果
①:自分が直接攻撃を受ける場合、このカードをメインモンスターゾーンに特殊召喚する事ができる。
「これが《ザンブレイド・ドラゴン》のユナイトイクイップ形態・・・」
ずっしりと感じる重み、それでも見た目よりかはずっと軽い。アームドナイトのカードの力で筋力が上がっているのだろうか。
自分は今まさにヒーローとして戦っているのだと、高揚感を覚える。
「いくぜ!」
柄をギュッと握りしめ、ウルフテラーに肉薄する。
生身ではありえない膂力。
【Player Direct Attack!】
「うおりゃああ!」
縦一閃!
ウルフテラーの叫び声と共に衝撃が手に伝わってくる。
ウルフテラー(ATK500)LP2750→950
「はぁはぁ、カードを1枚セットしてターンエンドだ!」
アームドナイト ビリーバー(奥田遊士)
LP1000
手札0枚
場:リバースカード(和睦の使者)1枚
プレイヤーカード:《アームドナイト ビリーバー》ATK2300→2000 ユナイトカウンター0個
【Draw】
『これ程のデュエリストがこの町にまだいようとは。遊士・・・、お前は一体』
《ザンブレイド・ドラゴン》は遊士の実力に目を見張っていた。
かつて、この町で出会ったデュエリストの中でもかなりの実力者だ。
まだ若い筈だが相当な経験を積んでいるのが判る。こんな所にこれほどの逸材が隠れていようとは・・・。
遊士は答えようとするが、ウルフテラーが再びガトリング砲を解き放つ。
【Player Effect】
アームドナイト ビリーバーLP1000→500
「ぐっ」
ライフは最早、風前の灯火。このターンを凌いでも次に奴にターンが回れば敗北は確定する。
【Effect】
《エアーズロック・サンライズ》
【Select 1 Graveyard Monster】
【Revive!】
《キング・オブ・ビースト》(レベル7 ATK2500)
「またそいつか!」
【Release】
《キング・オブ・ビースト》は再び粒子となり、天に立ち上る。
【ADVANCE SUMMON】
《偉大魔獣ガーゼット》(レベル6 ATK0→5000)
「ここで攻撃力5000か、だが耐性はない」
空牙団には効果破壊能力持ちのカードがある。
【Effect】
《ガーディアンの力》
【Equip】
「耐性補強か・・・!」
これはまずい。
【Direct Attack!】
《偉大魔獣ガーゼット》 ATK5000→5500
《ガーディアンの力》魔力カウンター1
巨大な悪魔の腕が迫る。
「リバースカードオープン、《和睦の使者》!」
【Effect】
アームドナイト ビリーバーLP500→500
バリアが周囲に展開された。
【Turn End】
ウルフテラー
LP950
手札0枚
場:《偉大魔獣ガーゼット》 (ATK5500)《ガーディアンの力》(魔力カウンター1)
プレイヤーカード:《ウルフテラー》ATK500
中々きつい状況だ。1枚だけの効果破壊では足りず、打点も高い。効果ダメージ持ちのサジータはこの町では禁止カードに指定されているため、このデッキには入れていないのが悔やまれる。
「俺のターン!ドロー!」
【Draw】
ドローカード:《空牙団の修練》
このカードでは状況を突破できない。どうすれば・・・!
『遊士、1つ手があるぞ。《アームドナイト ビリーバー》の効果をよく見てみろ!』
ユナイトカウンターをためる効果と攻撃力が300アップする効果以外に何かあったっけ?
さっきは指で隠していたようで、テキストの下の方を見るとまだ効果があるようだ。
この効果は・・・!
「《空牙団の剣士 ビート》(レベル3 ATK1300)を召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:0→1)
【Effect】
【Summon 1 Monster】
「《空牙団の闘士 ブラーヴォ》(レベル4 ATK1900)を特殊召喚!《空牙団の剣士 ビート》の効果!」(ビリーバー ユナイトカウンター:1→2)
【Effect】
【Search 1 Monster】
「《空牙団の参謀 シール》(レベル4 ATK1600)を手札に加え、ブラーヴォの効果で特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:2→3)
【Effect】
【Summon 1 Monster】
「シールとブラーヴォの効果を発動」
【Effect】
【Revive 1 Monster】
【ATK Plus 500 Points】
《空牙団の剣士 ビート》ATK1300→1800
《空牙団の闘士 ブラーヴォ》ATK1900→2400
《空牙団の参謀 シール》ATK1600→2100
「《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 ATK1000)を手札に加え、ブラーヴォの効果で特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:3→4)
【Effect】
【Summon 1 Monster】
「《空牙団の英雄 ラファール》(レベル8 ATK2800)をリコンの効果で特殊召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:4→5)
【Effect】
【Search 1 Card】
サーチカード:《速攻のかかし》
先程の展開を上回る5連続展開でユナイトカウンターを5個も貯めることに成功した。
そう、《アームドナイト ビリーバー》の最後のテキストはこう書いてあったのだ。
<④:デュエル中1度、ユナイトカウンターを5個取り除いて発動する。ターン終了時まで、相手フィールド上の表側表示のカードの効果を全て無効にし、このカードの攻撃力は2倍にする。>
「さぁこいつで最後だ!」
デュエルディスクを滑らせるように触れると5つのユナイトカウンターが宙を舞う。
すると、ビリーバーの体から銀色のオーラが迸る。
【Player Effect】
【Invalid All Card!】
《偉大魔獣ガーゼット》 効果無効ATK5500→0
《ガーディアンの力》 効果無効
【Double Up!】
《アームドナイト ビリーバー》ATK2300→4600
「うぉおおおおお!」
【LAST PLAYER ATTACK!】
銀色の光を纏った一撃がウルフテラーを貫き、爆発を起こした。
ウルフテラーLP950→0
ドォオオオン・・・!
「ムッチャ、爆発したけど大丈夫なんだろうか・・・」
脇には男性が倒れている。
『精霊が分離しただけで無事なはずだ』
確かに男性に傷は見当たらないし、呼吸しているのがわかる。
ホッと胸をなでおろすと、ヒラヒラと1枚のカードが飛んできた。
《ガトリング・ウルフ》
レベル3闇属性獣族・ユナイト・効果ATK1200 DEF1000/装備ATK+800
ユナイトカウンター2個
モンスター効果
①:このカードはリンク素材にできない。
ユナイト効果
①:1ターンに1度、相手ライフに500ポイントのダメージを与える。
どことなく、さっきのウルフテラーに似ているカードだ。
「って、オイ!こいつに触っても大丈夫なのか」
『さっきまでのはプレイヤーと融合して暴走していただけだ。このカードに憑いていた精霊は精霊界に戻っている』
「ならいいんだけど・・・。そうだ、さっきの子と合わせて警察に連絡を・・・」
女の子はどうなったのか、と後ろを振り返る―――――
そこには腕を組み、こちらを睨む仁王立ちした少女の姿。
「あー、悪い奴はやっつけたんだけど・・・」
あれ、もしかして俺、"アームドナイト"の姿だから怪しく思われてる?
普段はデュエルが終わると元に戻るんだけど、"アームドナイト"のカードはディスクから外さないと元に戻らないのかな?
「貴方。その"アームドナイト"のカードとドラゴンのカードを渡しなさい」
手帳のようなものを見せつけながら、冷ややかな声色で話す少女。
手帳には"UNITY GARDIAN"の文字が躍っている。
「え?」
『チ、今アイツらの所に行くわけにはいかねぇ。お断りだ!なぁ、"ビリーバー"!』
「え?え?」
「そう、抵抗するというのね。なら実力行使よ」
突如、獰猛な表情でデュエルディスクを構える少女。
【Set Player card】
盾のようにデュエルディスクが広がり、1枚のカードが差し込まれる。
「アームドフォーゼ!」
【Accept!ARMED PHOSE!This is the Armed Knight HAKUA!】
花びらのような曲線で構成された純白のプロテクター。
「ハクアってまさか・・・!」
思わず、昼間の試合の華麗なカード捌きが想起される。
あいつ、男じゃなかったのかよ・・・!
「私の誇りに誓って、あなたを倒す!」
女の子を助けたと思ったら、その女の子に襲われた件・・・。
文字にすると羨ましいんだけどなぁ・・・。マジで何なん、この状況。
ノリと勢いで書いてみましたが、いかがでしたか。
評価や感想をお待ちしております。
以下にユナイトモンスターとプレイヤーカードの解説。
ユナイトモンスター
プレイヤーカードが生み出すユナイトカウンターをコストにしてEXデッキからモンスターゾーンに特殊召喚するか、プレイヤーカードに装備(ユナイト)できる。カード枠はペンデュラムモンスターのように上半分に装備カードとしての効果と上昇攻撃力が記載されている。プレイヤーに装備されているときはモンスターとしては扱わないため、《炸裂装甲》などのモンスターを破壊する効果を受けない。(6/19追記:裏守備やモンスターが受ける攻撃力の増減はできず、吸収もされない)
プレイヤーカード
旧ペンデュラムゾーン(もしくはEXモンスターゾーンの外側)にデュエル開始時から置くカード。0の攻撃力とユナイトカウンターを生み出す効果、EXデッキの召喚制限などの効果を持つ。カード枠は無色。プレイヤーカードは効果を無効化されず、フィールドから離れない。また、モンスターではないため、《炸裂装甲》などのモンスターを破壊する効果を受けない。
※プレイヤーの戦闘
プレイヤーが攻撃対象になる場合は、直接攻撃を受ける場合のみ。プレイヤーの攻撃力が相手モンスターより低ければ、プレイヤーと相手モンスターの攻撃力の差の分だけ戦闘ダメージを受ける。プレイヤーの攻撃力が相手より高ければ、モンスター同士の戦闘と同じように相手モンスターを戦闘破壊でき、戦闘ダメージを与えることができる。。プレイヤーが攻撃する場合はモンスターカードと同じ。プレイヤーカードが攻撃する場合、そのバトル中、自分はダメージを受けない。
※装備カードとしての扱い
プレイヤーカードの後ろに置いて装備する。プレイヤーの装備可能枚数は2枚。プレイヤーが攻撃されて戦闘ダメージを受けた時、装備カード扱いのユナイトモンスターは戦闘破壊される。
世界観設定
遊戯王VRAINSと同じ世界。Den-Cityとは距離が離れている。
遊戯王(初代~ARC-V)までアニメになっていない設定