遊戯王BELIEVER ~遊戯王の新作シリーズをフラゲしてきた(笑)~   作:ミスタータイムマン

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4話 更なる脅威

一進一退の攻防を繰り広げるビリーバーとハクアのデュエル、それはハクアのデュエルディスクを通して、ユニティガーディアン本部にも映し出されていた。

 

 

―ユニティガーディアン 司令室ー

 

 

「ハクアがここまでおされるとはな。奴は何者だ?」

 

そう言うのは"ユニティガーディアン"、局長 片桐蓮斗(かたぎり・れんと)。その厳つい風貌から放たれる静かな圧が事態の深刻性を物語る。"アームドナイト"のカードは選ばれた者しか持てない不世出のモノ。組織外の手に渡ってはいけないのだ。

 

「調べました。使用カテゴリ【空牙団】。使用者は80名程。ですが、彼女を追い詰める程の練度となると、少なくとも、1部リーグクラスの実力者です。1部リーグに在籍している者の中に【空牙団】の使用者はいません」

 

モニターにはNo Dataの文字。

 

「正体不明という訳だね。これ程の存在がいようとは決闘者(デュエリスト)としては中々、心が踊るね」

そう飄々と話す優男は光導翼(こうどう・つばさ)。かつて、最強の"アームドナイト"と呼ばれていた天使族デッキの使い手。

"テラー"の最高幹部が一斉に襲来した際、その1人を打ち倒す戦果を挙げている。しかしその時のデュエルが元で大怪我を負ってしまい、未だに戦線からは復帰できていない。

 

「副局長代理」

 

片桐の静かな叱責に肩を竦める翼。

 

「局長、すみません。決闘者の性です。それにジンも、そう思っていると思いますよ」

 

翼のすぐ横には紫色の忍者装束を纏った男性の姿が。

 

「拙者は影故、ただ黙するのみ」

 

その言葉に茫然となる片桐を含む一同。

特に呼びかけた翼が。

 

「どうしたの、ジン?なんか変・・・」

 

「んー、なんか深刻な雰囲気だったからキャラ変してみたんだけど、いまいちでしたかねー」

 

重苦しい空気が一気に霧散する。

この軽いノリ、彼こそが忍者の癖にユニティガーディアン1のムードメーカー、"アームドナイト シジュ"のジンである。

 

「まー、興味深い存在だとは思いますよ。"アームドナイト"になれている以上、一向に契約者が見つからなかったあの気難しい《ザンブレイド・ドラゴン》と友好関係を築いている訳ですから。仲間にしちゃった方が丸くおさまると思うんすけどねー。それに一応、ハクア-アイナちゃんを追い詰めてますし、実力的にも申し分ないと思いますよー」

 

「ふむ。先にスカウトするのもありか」

 

その言葉に思案顔になる片桐。

 

「凍也も良一も非番ですから、俺が行きますよ。アイナちゃん放っとくと関係拗れちゃいますし」

 

「ジン、頼んだぞ」

 

あいよーと返事をするとジンはその場からドロンと消え失せた。

 

ジンの周りを引っ掻き回す言動に一同は自然と溜め息が出る。

その時―――、

 

ビービービー!!

 

突然の緊急警報にオペレーターが反応する。

 

「"テラー"出現反応あり!この反応は幹部級・・・!"マスターテラー"です!」

 

「馬鹿な!まさか!」

 

ジン、間に合ってくれ。

 

片桐は両の拳を握りこんだ。

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

その少し前

 

司令室を後にしたジンこと、仲町仁(なかまち・ひとし)はマスクの下で肝を冷やしていた。

何故なら―――、

 

「【空牙団】デッキであの実力、それにあの声。我が弟の友人の遊士クンじゃん」

 

世間、狭っ!

(さとる)が『スゲー強いやつが転校してきた。自分のチームに入れてみせる』とか言ってた意味が改めて分かる。俺が見た時も悟をボコボコにしてたもんな・・・。

 

あの時、動揺を誤魔化せて良かったぜ。追及されてたら危なかった。

 

さぁて、日常を整えてきますかね。

 

―――――――――――――――――――――――

 

「フッ、ここまで私のライフを削るとは。どうやら貴様を侮っていたようだ。私のターン!」

 

『あー、ハクア。さっきの斬撃を受けて思うんだが、コイツ、悪い奴じゃ・・・』

 

【Draw】

 

《タイタニック・チャンピオン》が言いかけるがハクアは頭に血が上っているようで話を聞いていない。

 

「墓地から《ユナイト・ウェポナイズ》を除外して、その効果を発動!ユナイトカウンターを1つ増やす」

 

ハクア ユナイトカウンター:1→2

 

「《星因子 アルタイル》を召喚し、効果を発動!」(ハクア:ユナイトカウンター:2→3)

 

【Summoned Effect】

 

「手札の《空牙団の伝令 フィロ》を捨て、ラファールの効果を発動!《星因子 アルタイル》の効果を無効にする!」

 

【Chain!】

 

《星因子 アルタイル》→効果無効

 

 

「フン、ユナイトカウンター2個でコーリング!」

 

【Accept 2 Unite counters・・・UNITE EQUIP!】

 

「ユナイトイクイップ!我が元へ宿れ!《レーザー・ファルコン》!」

 

光のゲートからハクアの頭上に舞い降りたのは、光輝く翼の浮遊砲台。

 

【Feather Ray!】

 

 

《レーザー・ファルコン》

レベル4光属性鳥獣族・ユナイト・効果ATK1600 DEF1100/装備ATK+1100

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚に成功したターン終了時まで、自分フィールド上の光属性以外のモンスターのモンスター効果は無効になる。

ユナイト効果

①:装備したプレイヤーが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。

 

 

《アームドナイト ハクア》ATK3400→4500

 

 

「攻撃力4500の2回攻撃・・・!」

 

ちらりとセットカードを見やる。

これは耐えきれるのか・・・。

 

その時――――、

 

ヒュルルル・・・・  ドゴォオオオン!

 

辺りに衝撃波がまき散らされ、砂埃が舞う。

 

砂埃が晴れた先にいたのは2人の人影。

 

1人は亀の怪人。もう1人はサングラスをかけたホストのようなスーツ姿の男。

 

男はサングラスをずらし、口を開く。

 

「随分おもしろそうなことやってんじゃねぇか、ああ?!」

 

背筋に悪寒がはしる。こいつは間違いなく、さっきのテラーよりも数段マズい・・・。

 

「貴様は・・・!まさか?!」

 

そいつはサングラスを外すと、皮膚が赤黒く変色し、蛇をあしらった怪人へと変化する

 

「そうさ、俺様は四魔侯が1人。"蝕毒(しょくどく)のヒュドボロス"!せいぜい嬲られてくれや!」

 

鼓動がドラムのように脈動を刻む。

 

『ビリーバー、呑まれるな!』

 

「くっ、ここは一時休戦だ!蝕毒のヒュドボロスよ。私が相手だ!」

 

「はっ、いいぜ、そっちの震えている奴はコイツが相手をしてやる!」

 

ヒュドボロスがは亀の怪人の肩にポンと手を置く。

 

『ヒヒ、ヒュドボロス様。やってしまってもいいんで?』

 

「俺1人でやっちまったら悪ィからな。子分には分け前を与えねぇとな」

 

『感謝します。小僧、この"タートルテラー"様が相手だ!』

 

 

 

―――――DUEL!―――――

 

 

『小僧、下級テラーを倒していい気になっているようだが、オレは中級テラー、一捻りにしてやるぜ!オレのターン!』

 

挑発を受けてもビリーバーは俯いたまま。

 

『オレは《番兵ゴーレム》を召喚。更に魔法カード《トランスターン》を発動だぁ!』

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

「現れろ!《クリオスフィンクス》!」

 

門に手足が生えたゴーレムが粒子へと変わり、中からスフィンクスが現れた。

 

『圧倒的な力を見せてやる!《クリオスフィンクス》をリリースし、姿を現せ!レベル8《守護神エクゾート》(DEF4000)!』

 

伝説のエクゾディアを模したモンスターが大地に降り立つ。

 

『言葉も出ないか!オレはカードを2枚セットして、ターンエンド』

 

【Turn End】

 

 

タートルテラー

LP4000

手札0枚

場:《守護神エクゾード》(DEF4000)、リバースカード2枚

プレイヤーカード:《タートルテラー》ATK600

 

 

 

『ビリーバー、しっかりしろ!』

 

ビリーバーは大きく息を吐くと顔を上げる。

 

「あー、ったく!どいつもこいつも!」

 

ビリーバー‐遊士は決して怯えてはいない。その瞳には怒りが宿っていた。

 

「ザンブ、それからそこの亀、俺が1番気に入らないものを教えてやる!それは弱者に思われることだ!俺のターン、ドロー!」

 

【Draw】

 

『スタンバイフェイズ時に《バトルマニア》を発動!貴様はこのターン、攻撃しなければならない!』

 

【Effect】

 

「それがどうした!《空牙団の飛哨 リコン》(レベル2 ATK1000)を召喚!」(ビリーバー ユナイトカウンター:0→1)

 

【Effect】

 

【Summon 1 Monster】

 

「《空牙団の伝令 フィロ》(レベル1 DEF0)を特殊召喚!リコンの効果!」(ビリーバー ユナイトカウンター:1→2)

 

【Select 1 Card】

 

【Destroy!】 

 

『甘い!対象となったリバースカードオープン!《D2シールド》!エクゾードの守備力は8000となる!』

 

《守護神エクゾード》DEF4000→8000

 

『更にオレがいる限り、相手はバトルフェイズをスキップできず、1ターンに1度、次のドローを放棄することで、フィールドのカードは破壊されない!これで貴様は袋の中の鼡だ!』

 

 

《タートルテラー》

プレイヤーカード ATK600

①:1ターンに1度、自分フィールド上のモンスターはカードの効果では破壊されない。この効果を適用した次のターンの自分のドローフェイズをスキップする。

②:相手はバトルフェイズをスキップできない。

③:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

 

 

「随分と穴だらけな戦術だな!《空牙団の舵手 ヘルマー》(レベル2 DEF2000)を特殊召喚!更に《空牙団の参謀シール》を特殊召喚」(ビリーバー ユナイトカウンター:2→3→4)

 

 

【Effect】

 

【Draw】

 

「ヘルマーの効果で《空牙団の豪傑 ダイナ》を捨ててドロー、《空牙団の闘士 ブラーヴォ》(レベル4 ATK1900)を特殊召喚!その効果でダイナを回収する」(ビリーバー ユナイトカウンター:4→5)

 

ビリーバー:手札1→2

 

『随分と雑魚を並べたなぁ!それがどおしたぁ!』

 

「俺はカードを1枚セット。セットカードとユナイトカウンター4個でコーリング!」

 

 

【Accept 4 Unite counters・・・】

 

 

「ユナイトイクイップ!戦場で勝鬨をあげる勇猛なる竜の牙! 《ザンブレイド・ドラゴン》!」

 

【UNITE EQUIP! Fatal Blade!】

 

ビリーバーATK300→2300

 

 

「行くぜ、俺は魔法カード《ユナイトイベント―勇猛果敢》を発動。自分フィールド上のモンスターを全て手札に戻し、その数までユナイトカウンターをのせる!」

 

ビリーバー ユナイトカウンター:1→6、手札1→6

 

 

《ユナイトイベント―勇猛果敢》

通常魔法

①:このカードはプレイヤーがユナイトモンスターを装備している場合のみ、発動することができる。自分フィールド上のモンスターを全て手札に戻し、手札に戻したカードの枚数まで自分プレイヤーカードにユナイトカウンターをのせる。

 

 

「俺はユナイトカウンター1個でコーリング!」

 

 

【Accept 1 Unite counter・・・】

 

 

「ユナイトイクイップ! 《トリック・スネーク》!」

 

【UNITE EQUIP! Tric Whip!】

 

ビリーバーATK2300→2500

 

「手札を1枚捨て、《トリック・スネーク》の効果を発動!」

 

【Effect!】

 

《守護神エクゾード》DEF8000→ATK0

 

 

《トリック・スネーク》

レベル1水属性爬虫類族・ユナイト・効果ATK200 DEF300/装備ATK+200

ユナイトカウンター1個

モンスター効果

①:このカードが特殊召喚に成功した場合、相手はデッキからカードを1枚ドローする。

ユナイト効果

①:1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体を対象として発動することができる。そのモンスターの表示形式を変更する。

 

 

『何だとぉ!』

 

「こいつで最後だ!」

 

 

デュエルディスクを滑らせるように触れ、5つのユナイトカウンターを解放すると、ビリーバーの体から銀色のオーラがフィールドに迸る。

 

 

【Player Effect】

 

【Invalid All Card!】

 

 

【Double Up!】

 

ビリーバーATK2500→5000

 

 

【LAST PLAYER ATTACK!】

 

銀色の一閃が闇夜を切り裂いた!

 

『こんな小僧にあっさり負けるとは・・・!そんな馬鹿なぁあああああ!』

 

タートルテラーLP4000→0

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

その銀色の閃光はハクア達の所にも届いていた。

 

 

「この光は・・・?!」

 

「チ、あの野郎負けやがったか、ったく使えねぇなぁ」

 

ぼやきながらも口元に笑みを浮かべるヒュドボロス。

 

「少しは楽しめたぜ。お前をやったら次はアイツだな」

 

2本の黒色の短剣を弄びながら銀色の光の方を見やる。

 

 

四恐侯 蝕毒のヒュドボロス

LP3000

手札2枚

場:リバースカード2枚

プレイヤーカード:《マスターテラー:ヒュドボロス》ATK2800、《カースド・ナイト》(装備ATK+900)×2

 

 

《マスターテラー:ヒュドボロス》

プレイヤーカード ATK1000

①:デュエル開始時、自分は500ポイントライフを失う。

②:自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚する事ができない。

③:自分フィールド上のカード1枚か手札1枚を墓地に送り、相手フィールド上の表側表示モンスター1体までを選択して発動する。そのモンスターはターン終了時までモンスター効果が無効になり、攻撃力と守備力が300ポイントダウンする。このカードにユナイトカウンターを2つのせる。この効果はお互いのターンのバトルフェイズにのみ発動することができる。

 

《カースド・ナイト》

レベル3闇属性戦士族・ユナイト・効果ATK900DEF1200/装備ATK+900

ユナイトカウンター2個

モンスター効果

①:このカードがユナイト召喚した次の自分のスタンバイフェイズ時まで、自分フィールド上の闇属性以外のモンスターの攻撃力は300ダウンする。

ユナイト効果

①:このカードがフィールド上に存在する限り、相手プレイヤーと相手フィールド上の全てのモンスターの攻撃力と守備力は300ダウンする。

 

 

 

アームドナイト ハクア LP1000

場:なし

プレイヤーカード:《アームドナイト ハクア》ATK400→0、ユナイトカウンター2個

手札:2枚

 

 

「まだ終わってはいない!私のターン!」

 

【Draw】

 

「《精神統一》を発動!」(ハクア ユナイトカウンター:2→3)

 

【Effect】

【Search 1Card】

 

「魔法カード《ユナイト・リバイブ》を発動!」(ハクア ユナイトカウンター:3→4)

 

【Effect】

【Select 1 Monster】

 

 

《ユナイト・リバイブ》

通常魔法

①:プレイヤーが装備していない場合のみ、自分の墓地のユナイトモンスター1体を選択して発動する。そのモンスターをプレイヤーに装備するか、自分フィールド上に特殊召喚する。

 

「《タイタニック・チャンピオン》を装備!」

 

【Equip!Titanic Armor!】

 

《アームドナイト ハクア》ATK0→2800(ATK600ダウン)

 

 

「随分と弱体化してるなぁ!そんなんじゃ俺には届かないぜ!」

 

嘲るヒュドボロス。

 

「それはどうかな?私はこの一撃にかける!ユナイトカウンターを4つ取り除き、《The White Arcanum》を発・・・」

 

 

「はい、ちょっと待った。ハクアちゃんストーップ」

 

カードを持ったハクアの腕をガシッと掴む忍装束の男性の腕。

 

 

《The White Arcanum》

通常魔法

このカード名の効果はデュエル中に1度のみ適用できる。

①:このカードはプレイヤーカードが《アームドナイト ハクア》でユナイトモンスターを装備している場合のみ、ユナイトカウンターを4個取り除いて発動する。???

 

 

 

「「貴様・・・!」」

 

「ワーオ、敵味方から同じ事言われるなんて初めての経験だね。俺はハクアちゃんと新参者の子を連れ戻しにきただけだよ。それにヒュドボロスさんも1対3はきついでしょ」

 

「は、雑魚が!言わせておけば調子にのりやがって!」

 

ヒュドボロスは怒気とともに更に殺気を纏う。

 

しかし、

 

『ヒュドボロス、遊びは止めてそろそろ戻りなさい』

 

ヒュドボロスのデュエルディスクから聞こえるのは機械のように平坦な女性の声。

 

『"ティアフィネル"か。俺に指図するんじゃねぇ』

 

はぁ、と溜め息が漏れる。

 

『あなたなら全力を出せば何とかなると思いますが、今はその時ではありません。特にその男はあの創世期から生きる大怪鳥の契約者。何をしてくるかわかりませんよ』

 

ヒュドボロスは怒りを抑えるかのようにガンと床を砕く。

 

『仕方ねぇ、今回は勝負を預けた。精々震えてやがれ!』

 

 

ヒュドボロスの周囲に魔方陣が展開されると、次の瞬間何事もなかったかのように消え去っていた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

ハクア-白砂(しらすな)アイナはアームドナイトのカードを無言でデュエルディスクから取り出して元の姿に戻ると、おもむろにジンの脛を蹴りつける。

 

「よっ、と。イライラするのは分かるけどさ。多分、アレでは削りきれなかったと思うよ」

 

半歩ずれるだけでキックを避けたジンはあの攻防をそう評した。

 

「むぅ」

 

「それにさ、あの《ザンブレイド・ドラゴン》はビリーバーくんと共に保護する事に決まったんだ。けどアイナちゃんがボコボコにしてたから、彼けっこう警戒しちゃったんだよね」

 

「何が言いたいんですか」

 

『アイナ、だからこそ俺も闘いを一旦、止めるよう言おうとしたんだが。彼の斬撃は悪意など微塵も感じられなかったのだから』

 

「バトルマニアは黙っていてください」

 

で、と話の続きをジンに促す。

 

「逃がしちゃったw」

 

「は?貴方こそ、何をやってるんですか!」

 

「ジン先輩って呼んで!要するにあのままだと警戒しっぱなしだから、まずは信頼関係を上げとこうと思ってさ。ピンチに颯爽と登場したりして良い感じになってきたところで勧誘しようという作戦さ」

 

アイナははぁ、と溜め息をつく。

 

「それならジン・・・先輩が始末書を書くべきですね」

 

「マジで先輩って呼んでくれた!俺、始末書がんばって書くわ!あ、アイナちゃんの分の報告書も書こうか?」

 

「・・・」

 

――――――――――――――――――――――――

 

銀色の一閃がタートルテラーを爆散させた頃に戻る。

 

「何とか倒せたぜ」

 

遊士は、変身を解除すると落ちていたカードを拾う。

 

 

《キャノン・トータス》

レベル6炎属性爬虫類族・ユナイト・効果ATK1300 DEF2300/装備ATK+2000

ユナイトカウンター3個

モンスター効果

①:このカードは1ターンに1度、戦闘またはカードの効果で破壊されない。

ユナイト効果

①:なし

 

 

『遊士・・・、お前』

 

「さっきのあれか。俺、引っ越すちょっと前までヤンチャしててさ。見下されるっていうかなんつーか、モヤモヤしちゃうとあの頃みたいにキレちゃうみたいなんだよな。デュエルだと、特にさ。だからこそ、あんまりデュエルしないようにしてたんだけど」

 

『そうか・・・』

 

そこへ―――、

 

 

 

「とぅ、我が名はジン。貴殿がビリーバーか?」

 

スタッと勢いよく着地したのは紫色の忍者。

 

「えっ、忍者マジで?!」

 

『そうじゃないだろ、追っ手だと思うぞ』

 

「お兄さん、そこは『アイエエエエ! ニンジャ!? ニンジャナンデ!?』って言って欲しかったんだけど」

 

随分と軽いノリの忍者がいたもんだなぁ。

だけど、アームドナイトの事を知っていると言うことはあの人もユニティガーディアンの筈。気を引き締めないと。

 

「アンタもユニティガーディアンなんだろ、俺達を捕まえにきたのか」

 

「ノンノン、できれば任意同行してもらいたいところだけど。今日のところはいいや。一応、挨拶さ。弟の友人にね」

 

弟の友人?何を言ってるんだ、と思うや忍者は自らマスクを脱ぐ。

 

(ひとし)さん?!仲町(なかまち)のお兄さん!」

 

昼間に試合を一緒にみた友人、仲町(さとる)の兄だ。前に仲町の家で見たことがある。ユニティガーディアンだったのか。

 

「そう言うことだ、遊士くん。今日はとにかく帰りなよ。明日、俺ん家に来てくれ。色々教えてやるからさ」

 

ほいよ、と買い物袋も渡してくれると、仁さんは霞のように消えていった。

 

「仁さん、良い人だわ」

 

『懐柔されるの、早くないか・・・』

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

―ユニティガーディアン・副局長室―

 

「ご苦労だったね。ジン」

 

椅子にゆったりともたれかかるのは、光導翼 副局長代理。

 

「ビリーバーと接触した。《ザンブレイド・ドラゴン》はかなり彼になついているようだ」

 

「これで5人の"アームドナイト"が揃った。ようやく始まる、楽しみになってきた、そうだろ、ジン。それにティア」

 

翼のPCのモニターには、ヒュドボロスから"ティアフィネル"と呼ばれた青い髪の女性の姿。

 

「ええ」

 

「拙者は影故、ただ黙するのみ」

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