盾の勇者が廃人   作:宵影

5 / 12
ステンバーイ……ステンバーイ


廃人の世界

 

 

マインの装備を整え、城門を抜けると見渡す限り草原が続いていた。

一応石畳の道があるが一歩街道から外れると何処までも草原が続いていると思うくらいに緑で覆いつくされている。

 

ゲームでは自然の匂いや風に吹かれて揺れる草木のモーションなどはカットされていたからな、やはり現実の自然はいいものだ

 

「では勇者様、このあたりに生息する弱い魔物を相手にウォーミングアップを測りましょうか」

 

「そうだな、マインの実力次第でレベリング場所が変わるからな、ここらの魔物なら子供でもボコれる」

 

「え?勇者様が戦うんじゃないんですか?」

 

「いや、俺の場合火力高すぎてここで戦ったら周りの土地が禿げる」

 

「そ、そうですか……」

 

一本街道にそって歩きながらマインと会話をしているが、マインは既に試験が始まっているのに気が付いていないようだ。

……少し教えてみるか

 

「……さて、マイン」

 

「はい?どうかしましたか?」

 

「今ちょっとこの一本街道に非殺傷性の地雷をいくつか埋めてみたんだが……いまからその地雷に引っかからないようにして町まで戻ってみろ」

 

「え?え!?いつ仕掛けたんですか?というか地雷って!?」

 

「ん?地雷を知らないのか?いいか、マイン地雷っていうのはだな、廃人プレイヤー御用達の護身用罠の一つでな?地面に埋めて使うんだ」

 

「地面に……ってことは後ろの道に埋まっているんですか!?」

 

「ああそうだ、ついでに言うとこっから町まで約700mで、地雷は大体20∼30個程埋めた」

 

「地雷に引っかかるとどうなるんです?」

 

「普通なら四肢が捥げる程の威力だが、今回のは非殺傷性の奴だからただ上に吹っ飛ぶだけだ」

 

実は埋め方を調整して飛んだ先にちょうど地雷が来るようにしているが言わなくていいだろう

 

「ほらさっさと逝ってこい、安心しろ魔物はまず寄ってこない」

 

「わ、わかりました」

 

少し怯えながらマインが勇気を出して一歩前に踏み出し……見事に地雷を踏み抜いて町まで強制的に飛んで行った

 

「まだまだだな、廃人なら飛びながら錐揉み回転してポージングするというのに」

 

情けない声を上げながら飛んでいくマインを見ながら通ったばっかの道を戻った

暫く歩いていると、遠くで錬が戦っているのが見えた、あれは……最弱の魔物として有名なオレンジバルーンか、廃人プレイヤーならアクセサリー扱いされるくらいには弱い。

因みにオレンジバルーンを死なさずに長時間戦闘をこなせるかで廃人具合が決まる

そう考えてるうちに錬はオレンジバルーンへと走り出し、少し近すぎるくらいで剣を振り始め、3体のオレンジバルーンを一撃で薙ぎ払った

遅すぎる、剣の廃人なら一突きで20体は屠れるぞ……!しかも剣先もブレッブレであれじゃあ別方向から力を加えられたらすぐに負けるぞ?

 

(廃人にとって)あまりにも弱すぎる事に驚愕しながら歩いていると、一本街道の先からマインが息を切らせながら走ってきた、

 

 

その後ろに明らかにこんな平原に出るはずのないオオトカゲを連れて

 

 

「勇者様ー!逃げてくださーい!」

 

「あれはレッサードレイクか?こんなとこに出るはずがないのに……縄張り争いに負けて追い出された個体か?」

 

マインの声を半ば無視していると、すぐさまマインが横を通り過ぎ、目の前には食べるぞと言わんばかりに大口を開けるレッサードレイクがいたので

 

 

下顎を蹴り上げることで強制的に閉じさせ、すぐさま上に飛んで上顎をつかみそのまま地面にめり込ませた

 

「雑魚が、彼我の差をよく考えないで喧嘩売るから縄張りを追い出されるんだぞ」

 

頭を地面にめり込ませて気を失ったレッサードレイクをそのままに踵を返し、遠くから見ていたマインに声をかけた

 

「おいマイン!この程度のトカゲ擬きに何逃げてんだ!」

 

「いやそれドレイクですよね!?普通死にますよね!?」

 

ん?こいつもしかしてトレインしてきたのか?

ほっほうどうやら直接鍛えられたいようだな

 

「ほらマイン、こっちはもう安全だからこっち来い。レベリングはしばらくお預けだ」

 

「レベリング…?いやそれよりまだ死んでませんよね?」

 

「それなら大丈夫だ、この手の魔物は 縄張り争いに負けた個体だからこっちが強いと分かればそのまま帰ってくさ」

 

そういいながらレッサードレイクに目を向けると目を覚ましたのかレッサードレイクが地面に埋まった頭を抜こうと四苦八苦しているのが見える

 

「それより町に戻るぞ、そこでお前を少し鍛えるから」

 

「町に演習場ってありましたっけ?」

 

「あるぞ、知ってる奴なんかほとんどいないが」

 

そういって俺たちは一日目のレベリングを切り上げ、城下町へと戻るのだった

 

 

「……そういえばマインの防具買うの忘れてたな」

 

「えっ今気づいたんですか?」

 

重要なことを忘れていた俺に心外と言った顔で告げるマイン

 

「仕方ない、マイン防具買いに行くぞ」

 

「わかりました!じゃあ今朝方紹介しそびれた場所に案内しますね!」

 

そういってスキップするような歩調で案内したのは、武器屋

 

「マイン、ここ武器屋にしか見えないんだが?」

 

「大丈夫ですよ、ちゃんと防具も扱ってます」

 

マインの言葉に頷きながら店の内装を除くと……あった、確かに防具も扱っている

 

「いらっしゃい」

 

店に入ると店主き元気よく話しかけられる、筋骨隆々のまさしく絵に描いた武器屋の店主と言った人物がカウンターに立っている。

世の中にはまるでオークを数倍ひどくした外見の人物が武器屋やってたりするからここは当たりのようだ

 

「お、お客さん初めてだね。当店にはいるたぁ目の付け所が違うね」

 

そりゃ時たま眼球が虚空飛び始めるくらいには違うね

 

「ああ、彼女に紹介されてな」

 

そういってマインを指差すと、マインは手を上げて軽く手を振る

 

「ありがとうよお嬢ちゃん」

 

「いえいえ~ここら辺りじゃ親父さんの店って有名だし」

 

「うれしいこといってくれるねぇ。ところでそこの変わった服装の彼氏は何者だい?」

 

ああ、そういえば今の服装はあっちの世界の服装だったな

これじゃあ異世界人ですよと言ってるようなものだ、あとで買えとかなきゃ

 

「親父さんもわかるでしょ?」

 

「ってことは勇者様かい!へー勇者様が四人もこの店に来てくれるたぁ運がいいな、俺は!」

 

へぇ錬達もこの店寄ったのか、しかしこの親父まじまじと俺のことみてくるな……

 

「あんまり強そうには見えねぇな」

 

「人は見かけによらないって言いますよ」

 

「それもそうか!」

 

そういいながら笑う親父は裏表のない見ていて気持ちのいい人だ

廃人になると笑う=戦うだからなぁ……

 

「っと、そうだった俺の名前は岩谷尚文だ、盾の勇者をやらせてもらってる。今後とも利用するからよろしく頼む」

 

自己紹介、大切。廃人相手に自己紹介忘れると言うまでリスキルしに来るからな

 

「ナオフミ殿ね、お得意様になってくれるのならいい話だ、よろしく!」

 

元気な店主だこと

 

「ねぇ親父さん、何かいい装備ない?あ、武器はもうあるから防具がほしいんだけど」

 

するとさっきまで防具を眺めていたマインが親父さんに上目遣いで尋ねる

 

「そうだなぁ……予算はどのくらいだ?」

 

「銀貨500枚までなら出せるぜ?」

 

最初の町とは言え城下町だからな、少し多めに予算出した方がいいだろう

 

「となると……あそこの奴がちょうどいいんじゃないか?」

 

そういって親父が指した方向にあったのは……フルプレートのヘビーアーマー

 

「マイン、あれで飛んだり跳ねたりできるか?」

 

「いや無理ですよ……え?まさかやれなんて言いませんよね?」

 

はっはっは、まさか(目逸らし)

 

「いや冗談だ、親父。他にいい防具は?」

 

「それなら確か……これがあったな」

 

親父に他にないか聞くとカウンターの奥に行ってすぐに戻ってきた、手にもっているのは……見たところ銀鉄の鎖帷子か。さて……性能の方はどうだ?

 

 

銀鉄の鎖帷子 防御アップ(中) 斬撃耐性 刺突耐性

 

 

うーんいまいち、まぁ最初の町だからこんなもんか

 

「それで値段なんだが……おまけして600枚だな」

 

……!?あれで金貨600枚!?

 

「……銀貨ですからね?」

 

驚いたのが伝わったのかマインが小声で教えてくれた、ああびっくりしたなんだ銀貨か

 

「じゃあそれで」

 

「まいど!ついでに中着をおまけしておくぜ!」

 

この親父さっきの冗談(勝手に勘違いしただけ)と言いおまけと言い良い店主だわ

 

「ここできていくか?」

 

「はい!」

 

「ん?坊主の方じゃねぇのか?」

 

あ、こんなとこで食い違ってたのか

 

「まあ一応盾の勇者だからな、防御は高いんだ、んで今回はマインの装備をかいにきたんだ」

 

「なんでぇ坊主が買うんじゃないのか」

 

「支払いは俺だからある意味俺が買ってる」

 

代金を払い、マインが鎖帷子をもって更衣室に入り、しばらく待つと更衣室が開き鎖帷子を着たマインが出てきた

 

「だいぶ似合ってるな」

 

「ありがとうございます!」

 

マインの防具を買い、店を出ると、日もだいぶ傾いていたので、近くの宿に寄った。ふむ一部屋30銅貨か、安いな

 

「二部屋で」

 

「わかりました」

 

宿屋の店主が揉み手をしながら俺達が泊まる部屋を教えてくれる。

プレイヤーが経営する宿屋よりだいぶ安いことを気にしながら、宿屋に並列してある酒場で食事をとり。

何事もなく宿に戻り就寝した

 

 




ああ、やっとだ
やっと次回からラフタリアが仲間にできるところまで書ける……
この瞬間のために書き始めたと言っていいくらいだ……

取り合えずマインの未来は既に書き終えている


以下廃人プレイヤーにおける常識

初期装備縛りは中盤超えるまで
ステータス上げるときは廃人に絡まれてから
野宿すると身ぐるみ剝がされるから基本宿で止まれ
NPC経営の宿だと偶に盗賊RPしてる廃人に身ぐるみ剝がされるからNPC経営は最終手段
プレイヤー経営は基本ぼったくり値段だが並の盗賊RP廃人が束になっても攻略不可だから安全

プレイヤー経営≦ラストダンジョン(重要)

因みに廃人鯖の新規プレイヤーは貴重なため大切に扱われます(ただし廃人ルート直行)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。