笛吹き少年は少女と共に運命に抗う   作:ジャムカ

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大雨のせいで長く間が空いてしまいました。

失踪は決してしませんから、気長に待っていてください!

でも平気で2~3週間投稿になりそうです。

それでは、19話をスタートしまっす!



笛吹き少年は天才の悩みを聞く

五月に入った

今日から舞衣は花咲川女子学園に編入するんだが。

 

「なぁ舞衣」

 

「何よ」

 

俺と舞衣は朝食を食べていたが、気になる事があったので聞いてみた。

 

「花咲川までの道は覚えたのか?」

 

前に一度下見に行ったらが迷ったらしいな。まあ俺も人の事言えないがな。

 

「……地図アプリを使うわ、駅までは問題ないし」

 

「おいおい大丈夫なのかよ?すっげえ不安になってきたわ」

 

「仕方ないでしょう!まだここに来て日が浅いんだから。それに志吹も案内してくれなかったし」

 

「俺も花咲川までの道は知らん。最悪りみか沙綾と一緒に登校したらどうだ?」

 

「沙綾って誰よ?」

 

「そっか舞衣は知らなかったか。やまぶきベーカリーの娘さんで、チョココロネの誓いの時にレジやってた人だよ」

 

「あー、あの笑ってた人ね」

 

「もしかしたら同じクラスになるかもしれないな」

 

「そうね。色々聞きたい事もあるから、りみにもその人にもね」

 

 

結局俺の提案はスルーされるし、一体何を聞くのやら。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

俺と舞衣、お互いに制服に着替えて家を出ていた。そして羽丘と花咲川はここからは反対だし。

 

 

「じゃあ舞衣、俺はこっちだからな。遅刻するんじゃないぞ?」

 

「っ!わかってるわよ!……少し不安だけど」

 

本当に心配だ。俺もついていったほうがよかったが、それだと俺が確実に遅刻するからな。地図アプリもあるしなんとかなるだろ。

 

 

「それじゃ志吹、また夕方ね」

 

「ああ」

 

 

俺と舞衣は互いに反対方向へと歩いていった。

 

 

制服について何か言いなさいよ!この鈍感男……

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が羽丘の教室に着くなり舞衣からLI○Eが来ていた。

 

『同じ制服の人に付いていけば大丈夫みたい、わたしって天才ね!』

 

何が天才だよ!?お前は天災だろーがよ!天才ってのは日菜みたいなのを言うんだよ。

 

 

「おはよう志吹。何朝からしかめっ面してるの?」

 

「蘭か、おはよ…舞衣からだよ今日から花咲川に編入するからな。全く面倒な奴め」

 

「ふうん」

 

そう言って蘭は自分の席に座っていった。隣だけどな。

 

 

「なあ蘭、一つ聞きたいんだけど」

 

「なに?」

 

「Roseliaの湊友希那先輩と何か因縁でもあんの?」

 

 

昨日友希那がやけに蘭を意識していたからな。もしかしたら蘭もそうなんじゃないかなって。

 

「………あたしが一方的にライバル視してるだけだよ」

 

「そうなんだ」

 

「うん。あの人には負けたくないから」

 

 

何だよ二人ともライバル同士になってるやんけ。一方的じゃないよ蘭。そんな事言ったら否定しそうだからやめとく。Roseliaの演奏を聞くのが本当に楽しみになってきたよ。

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

「つぐみ、昨日はお世話になったね」

 

 

いつもの昼休みの屋上で、俺は昨日つぐみのお礼も兼ねてな。

 

「私は大した事はしてないよ、志吹くん」

 

 

つぐみは回りを見ていた。俺たち六人しかいないのを確認すると。

 

 

「昨日お父さんが言ってたけど、両親の夢を見てたの?寝言で言ってたから」

 

 

「「「!?」」」

 

 

俺と蘭、そしてモカが驚いた。巴とひまりは二人で話しているせいか驚いていなかったけど、会話が止まって俺のほうを向いてきた。

 

「しーくん……」

 

「志吹……」

 

蘭とモカは悲しそうな顔で俺を見てるし。

 

 

「「………」」

 

ひまりも巴も同じ顔して俺を見るなよ。

 

 

「……つぐみの言う通り両親の夢を見たよ。かなりリアルにな。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

流石に内容までは教える気はない。まだ、な。

 

 

「店の中で寝ちゃって悪いなつぐみ。…つぐみっ!?」

 

 

「ご、ごめんね志吹ぐん"っ"!うっ、ひっぐ…」

 

 

つぐみが泣いていた。

 

 

「どうしたんだよつぐみ。ほら、これで涙を拭いて」

 

 

俺は昨日つぐみに貰った花柄のハンカチをつぐみに渡した。

 

 

「う"、ん、ぐすん…」

 

「いや志吹、何でハンカチ持ってるの。しかも明らかに女物だし」

 

「蘭~、つぐが昨日しーくんにあげたんじゃないかな~?」

 

「そうなるよなぁ。ってどうしたんだひまり?」

 

「つぐがツグってるね」

 

 

ツグってるってなんぞや?てかお前らつぐみが泣いてるのに冷たすぎやしないか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「泣き止んだかつぐみ?」

 

 

あれから数分経った。つぐみは何とか泣き止んだようだけど目がまだまだ赤いな…昼休み終わるまで大丈夫かな。

 

 

「うう…本当に迷惑かけてごめんね志吹くん。それと無神経に両親の事も言っちゃって」

 

ああ、泣いてた理由はそれか。

 

「迷惑なんて思ってないし、両親の事はもう大丈夫だよ。ははっ!つぐみは本当に優しいな」

 

 

俺は思わずつぐみの頭を撫でた。

 

 

「~~~!!」

 

 

「「!?」」

 

 

あれ?目だけじゃなく顔まで赤くなっているんだが、一体どうしたんだろうか?

 

 

「ふんっ!」「え~~い!」

 

「あだっ!!」

 

 

頭を蘭に叩かれ、背中をモカに叩かれた。しかも同時に。

 

 

「何するんだよお前ら、いてて…」

 

「志吹の馬鹿」

 

「しーくんのバカ~~」

 

 

何だってんだよ?

 

 

 

「巴、この空気どうしよっか?」

 

「アタシは少し離れて食べるよ、ひまりも来るか?」

 

「そうする」

 

 

ひまりと巴は弁当持って離れていくし、何だよもう。

てか前にもこんな事あったよな!?

 

 

 

 

ーーー

 

放課後、あいつらはバンドの練習があるからと先に帰ったから俺は学校の屋上でまた笛の練習をするかな。

 

 

 

「友希那がいませんように……」

 

 

俺は屋上に向かっていったが途中、天文部の扉が開いた。

 

 

「あ、ブッキー発見!」

 

「げっ…」

 

そこから出てきたのは日菜だった!ある意味友希那より会いたくない人だった。

 

「む~!あたしに向かってその態度は酷くない?」

 

日菜は頬を膨らませてむくれている。だって苦手なんだもんこの人は…だけど色々聞きたいこともあるから。

 

「う~んと日菜、この後時間ありますか?」

 

とりあえす話てみよう。呪いとかはまだ伏せるけどね、これを言って日菜に押し付けたら俺は最低な屑野郎と親族…いや人類全員から蔑まれるな。そうなったら多分俺は生きてはいないだろう。

 

「あるけど、なになに!?ブッキーって意外と積極的ー?」

 

「どう積極的かは知りませんが、俺は日菜と話がしたいだけですよ」

 

「う~~ん、いいね!るんってきたよ!」

 

 

だからそのるんっとは何なんだよ!?

 

 

「じゃブッキー、話するならあそこに行こっ!」

 

「どこですか?…はぁ、全くもうこの人は人の気も知らないで」

 

俺の手を掴んで引っ張らないでくれますかな?結構恥ずかしいんだけど。ほら、回りの生徒達が俺と日菜を見ているから。

 

 

「あの人は一年生?氷川さんとはどんな関係なのかしら?」

 

「大変な目に合わないといいわね、学校を辞めたりしそう」

 

「そうそう、去年は随分とね……」

 

「氷川さんはわからないね?本当にいつもいつも突拍子な事ばっかりして」

 

 

 

…………気持ちはわからなくもないが、少し辛辣じゃないのか?日菜だってさ…

俺の手を掴んでいた日菜は少し力が弱くなった。そして表情も暗く…はなってかった。

 

「日菜……」

 

「あはは、ごめんねブッキー」

 

日菜は完全に俺の手を離した。少しモヤモヤした気持ちで学校を出て日菜に付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーー

 

 

「ついたよ」

 

「ここって、ファーストフード店じゃん!話するのに向いてるかなぁ?」

 

「まあまあ気にしない!入ろ入ろ」

 

 

日菜に押し出されるように店の中に入った。そして注文して二人掛けのテーブルに座ると日菜が口を開いた。

 

 

「で、ブッキー。話ってなあに?」

 

日菜のトレイには大量のポテトがあったが食べながら聞いてきた。

 

「んっとね……まずはどこから話そうかな?」

 

夕方とはいっても不思議と人はそんなにいなかった。ある意味絶好な環境だ、席も奥のほうだし。

 

 

「まず最初なんだけど、日菜は自分が天才と思ってる?」

 

 

最初だけど核心を突く。俺が一番聞きたかったからな。

 

 

「わかんない」

 

「……そうだろうね」

 

意外ではない、両親を亡くしてから叔父の家で暮らしていた時に従姉妹にあたる子がいてな。

何でも出来て俺よりも笛の技術、演奏もな!だから俺はあいつの事は嫌いだった。日菜を見ると思い出してしまうんだよ…!

俺はあの時も日菜と同じ質問したら同じ答えが返ってきたからな、想定内だよ。

 

 

「あたしは簡単に出来てどうしてみんなは簡単に出来ないっていつも思うの。ブッキーもそう思うでしょ?」

 

「日菜、俺は日菜みたいに天才じゃない。それ故に凡人の、考え、苦労がわからないんじゃないのか?」

 

あいつも同じだったから、きっと日菜もそうだろうと思う。だからそれを理解してくれる人がいれば…。

 

 

「……やっぱりブッキーもみんなと同じ事を言うんだ?」

 

「まあね、だけど俺が凡人だろうと努力は怠る気はしないし、ましては挫けたりもしない!絶対にだ」

 

 

実はあの時挫けかけたのは内緒だ、とても日菜には言えないな。

 

「少し昔話をするけど、いいかな?」

 

「うん、いいよ」

 

「中学の時に日菜と同じような感覚で天才肌の奴がいたよ。俺よりも笛の技術も全て上で恵まれた環境でな」

 

 

そう、あいつだ!舞衣も嫌っていたのかは知らないが。

 

「ねえブッキーはその人の事は嫌いなの?」

 

「嫌いですよ。あいつから逃げるようにこっちの学校に来たのも理由のひとつですから」

 

向こうはどう思ってるかは知らないが。

 

 

「そっかあ…あたしと同じ悩みを持ってる人はいたんだね」

 

「日菜も大切な人との確執でもあったような口ぶりですね。まあ俺もそいつとは昔は仲良かったですよ」

 

 

「やっぱりそうなんだよね。ブッキーとあたし、どこまで同じなんだかなぁ」

 

 

日菜は少し涙目になりながらもポテトを食べている。俺はセットメニュー頼んだのにまだ一口もつけていないから、俺もさっさと食べよう。

 

 

「ごめん日菜、凄く傷つける事を聞いちゃって」

 

 

悪いとは思ってるよ。でも俺はそんなつもりで聞いた訳じゃない。いつかは帰ってあいつと歩み寄ろうと思ってるから。

 

熊野にいた木こりのおじさんも言っていた。

 

『逃げずに立ち向かえ』と。あのおじさん元気にしてるかなぁ?

 

 

「違うの、ブッキーは悪くないよ。悪いのは無神経なあたしだから」

 

「ねえブッキー、聞いてくれる?あたしの悩み」

 

「こちらの話を聞いてくれましたから、それは当然聞きますよ」

 

本当はこっちが色々話すんだったけど、日菜にもあるんだな。

 

「あたしね、おねーちゃんがいるんだ。双子だから学年は同じだけど学校は違うんだ」

 

双子でも学校が違うとは珍しいな。

 

「おねーちゃんとあたしもね昔は仲がよかったの」

 

「まるで今は、あっ…」

 

「うん、ブッキーが思った通りだよ。今は悪いって訳じゃないんだけど、何かね…お互いによそよそしい感じなんだ」

 

「…………」

 

俺とは少し違うな、こっちは本格的に嫌ってるから。

 

「あたし、ギターやってるんだ。Pastel*Palettesってアイドルバンドは知ってる?」

 

「すみません、全く知りませんです」

 

「ブッキーは関西だから知らないかー。それでね、おねーちゃんはギターやってるからあたしも真似をして初めてみてね。すぐに弾けるようになっておねーちゃんに見せたら凄く驚いて、怖い顔してね。そこからおねーちゃんとギクシャクし始めたの」

 

「…………」

 

 

やべえ、俺、日菜のお姉さんの気持ちがすっげえわかるわ。

 

 

「日菜、俺と初めてあった時の事は覚えてますか?」

 

「んーー?屋上でブッキーを驚かせた時の事だよね?」

 

「そうです、その時に日菜は俺の笛を吹きましたよね」

 

 

間接キスは黙っておくか。

 

 

「あー、あの笛って持ち方がるんっ!ってきたの。ブッキーの見よう見まねで」

 

「実はあの音色を出すように出来ますのは、最初は無理ですから。ましてや初めて笛をやる人なら尚更不可能です」

 

「んー?でも、適当にやったら出来たけど」

 

 

適当だったのかよ!!

 

 

「俺は1ヶ月はかかりました。それでも早すぎるくらいなんですけどね。ですが日菜はすぐに出来ました、これは何を意味するかわかりますか?」

 

「…………わかんない」

 

「お姉さんは沢山練習してギターを弾けるようになりました。日菜はどれだけやったかは分かりませんが、少なくともお姉さんよりは遥かに短いでしょう?」

 

「それを目の前で見せられましたらどんな気持ちになりますか想像してみてください」

 

 

長い時間をかけて積み上げてきたものを、妹が少しやっただけで追いつかれてしまう気持ちは、ね。天才と凡人…努力だけでは到底天才に敵わないって思ってしまう。

 

「俺もあの時はそんな気持ちになりましたよ。一日で立ち直りましたがね」

 

そんな訳ない、今でもまだ引きずってるさ。

 

 

「おねーちゃんの気持ち、あたしは全然わかってなかったんだ……今まであたしは酷い事をおねーちゃんにしてたんだ」

 

「ひ、日菜!?」

 

 

なんと、日菜の目から涙が出てきていた!今日二人目だよ!!つぐみといい、日菜まで!?

 

 

「ブッキーごめんね……!」

 

「日菜…」

 

俺はこの時どうすればよかったのだろうか?しかしそう考える間もなく。

 

 

「ちょっと貴方!!日菜に何をしたの!?」

 

 

「えっ?」

 

 

後ろから声が聞こえていたから向いてみると、日菜と同じ髪色でロングヘアーの人がいた。

あの制服は花咲川女子学園だ。どことなく日菜と顔が似てるな…でも今、日菜って言ったよな?

 

 

「お、おねーちゃん?」

 

少し目を赤くしていた日菜がそう言った。




予想以上に長く書いてしまった!

作者のオリジナル要素がここからかなり入れますし
少し時系列もごっちゃになりますのでご容赦を。


感想でも指摘でもメッセージにて送ってもらっても構いませんので、なんでもごされですので、どうぞ
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