笛吹き少年は少女と共に運命に抗う   作:ジャムカ

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今年も後もう少しでございますね


相変わらずの遅筆で申し訳ございません。

それぢわ、24話いきませう


笛吹き少年は仲直りを羨ましがった

GW三日目 朝7時

 

 

朝特有のやわらかい日差しがカーテン越しに部屋を照りつけている。まだ五月だからか少し肌寒いが俺はこのくらいが一番好きだ。

 

まだ昨日の疲れがあんまり取れてないが、今日はちょっとやる事が多いんだよな。取りあえず起きるとするかな?

 

 

俺はベッドから出ようとすると。

 

 

 

      

むにっ

 

 

「んっ…」

 

 

何だこの柔らかい感触は?そして声までしたゾ?

 

 

俺は声のしたほうを向いてみると…

 

 

「ら、蘭っ!?」

 

 

蘭が俺のベッドで寝ていた。

 

 

なんで蘭が俺のベッドにいる!?ここは俺の部屋だよな??

 

俺は部屋を見渡したが壁に紋がある。うん、俺の部屋だ。ちょっと昨日の事を思い返してみよう。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

 

 

風呂を出て寝間着を着ていた蘭がリビングで俺を待っていた。

 

「志吹って長湯なんだね。ちょっと意外」

 

「そうだな、と言いたいが今日は色々あって疲れていたからな」

 

 

今日二回も呪いの演奏をやったからな。蘭には言えないな、どうせ信じてもらえないだろうし。

 

 

「で、どうして蘭は寝間着なんて持ってきているんだ?」

 

「う……」

 

「最初から泊まりに来る予定だったんだろ?」

 

「そうだよ。最初はモカの家にお邪魔するつもりだったから。でもあたしが…」

 

「ああ、そうだよな」

 

 

練習中に皆と気まずくなったからモカにも頼めなくなって訳で、事情も知らない俺しかいなかったんだな。例えそれが男であっても。

 

 

「志吹、あたしはもう寝るね。舞衣の部屋はどこなの?」

 

「階段上がってすぐ手前の部屋だよ。ベッドの手入れとかは自分でやってくれないか?舞衣は俺を頑なに入らせようとしないから。俺のカンだけど、あの部屋にはセンサーか何かあると思う」

 

「怖いからやめてそういうのは!」

 

「声を荒げるなよ。だから蘭だけ入れば多分大丈夫だと思う」

 

「はぁ…何かあったら怒るからね?おやすみ、志吹」

 

「ああ、おやすみ」

 

 

かなり蘭は納得いかなそうな顔をして階段を上がっていった。

 

 

「さて、俺は音楽作りとりみにLI○Eだな」

 

 

しばらく音楽作り、LI○E通話でりみと会話をしていた。

 

 

 

 

 

ーー

 

 

「それでね、舞衣ちゃん沙綾ちゃんと喧嘩になるところだったんだよ。だけど誤解だったからそれで打ち解けてクラスみんなともう仲良くなっちゃった、凄いね舞衣ちゃんは」

 

「まあな、あいつは友達作るのはうまいんだよ。性格が問題あるのになぁ…不思議だよ」

 

 

ほんとそれな!

 

 

「そんなことないと、思うかな?志吹君が知らない舞衣ちゃんだってある、でしょ?」

 

「そりゃまあな。幼馴染といっても舞衣の事を全部把握してる訳でもないしな」

 

 

しばらく舞衣の話になったが俺はりみがバンドやってることを聞いてみた。

 

 

「そういやりみはいつから音楽やってたんだ?」

 

「え?えっとね、お姉ちゃんの影響で中学入った辺りからかな?」

 

「へぇ、ゆりさんからか。それでりみはどのくらい上手いんだ?」

 

「そんなに上手くないよ、だって…」

 

 

「だって?」

 

「うちね、こっちに来てから一度やめてしもうたんよ。でも香澄ちゃんがバンドやるってゆうて、いつの間にか一緒にやろうってなったんよ。それでまた再開したん」

 

「でも香澄は初心者なんだろ?大丈夫なのか?あと関西弁になってるからな」

 

「あっ…~~/////」

 

「ははは、りみはまだまだやな」

 

 

りみとLIN○Eは終了した。

 

 

 

 

 

▼▼▼▼▼▼▼

 

 

「うう…恥ずかしい」

 

「随分長電話だったけど誰から?」

 

「あ、お姉ちゃん。中学の時同級生だった志吹君だよ」

 

「やっぱり神子君だったのね!りみが楽しそうに話してたから。彼、こっちに来てるの?」

 

「うん!でも学校は違うけどね」

 

 

羽丘は今年共学になったんだよね。花咲川も共学になったら来てたのかな?

 

 

「そう…りみ、頑張りなさいよ」

 

「頑張るってどういう意味?」

 

「何でもないわ、変な事聞いてごめんね」

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 

りみとLI○E通話も終わり、NEOの「アマツ」曲も完成形が見えてきた。期限は今月末だったから余裕で大丈夫だな。

 

 

「まだ日付が変わるまで時間あるな…」

 

 

あと一時間、何すっかな?

 

 

「志吹」

 

うわぁ!

 

 

後ろから声がした。

 

 

「驚きすぎ」

 

「そりゃ寝たはずの蘭が起きて、俺の後ろに立って声かけられたら驚くわ!」

 

 

足音も立ててないしな!

 

 

「で、どうしたんだよ蘭?」

 

「…………舞衣のベッド、固くて眠れない」

 

「は?」

 

「だから!ベッドが固くて寝れないの!」

 

「あーー、そーゆー事ね。じゃあ俺の部屋で寝たらどうだ?」

 

 

俺のベッドなら大丈夫だと思うが、そんなに舞衣のベッドって固いのか?

 

 

「いいの?志吹はどうするの?」

 

「俺はソファーで寝るよ。いくらなんでも一緒に一つのベッドで寝る訳にはいかんだろ?」

 

 

今日は我慢すっか、蘭にはちゃんと寝てほしいしな。

 

 

「……いいよ

 

「ん?今なんて言った?」

 

「一緒に寝てもいいよ…し、志吹だって疲れてるからちゃんとした寝床で寝ないと駄目なんだから!」

 

「ま、まあな…だけど蘭、わかってるのか?俺と蘭は男と女、つまりだな…」

 

「あたしは志吹の事を信じてるから!だから一緒に寝ても大丈夫だよ///」

 

 

蘭は真っ赤な顔で言ってきた。相当恥ずかしいだろうな、全く…仕方ねーな。

 

 

「わかったよ、じゃあ一緒に寝るか」

 

「う、うん……!」

 

 

俺はパソコンの電源を落として自分の部屋に向かった。いつも日付変わった時にやる笛での演奏は朝やれば問題ないしな、本当はどの時間まで大丈夫なのか知らないが、この演奏を怠ると()()()()()()()()()()()()()()()()()()からな。ちゃんと忘れないようにしないとな。

 

 

「ここが、志吹の部屋…なに、これ?」

 

「気にしたら負けだ、それよりさっさと寝ようか」

 

「……うん」

 

 

俺と蘭は一緒のベッドで寝たんだが、やっぱり二人だとキツイな。幅は余裕があまりないし、突然蘭が俺の左手を掴んできていた。

 

 

「蘭?」

 

「少しだけこのままでいさせて、少ししたら離れるから」

 

「あ、ああ…」

 

「ありがと」

 

 

震えてる?やっぱり不安が多いのかな、俺とか巴とか親父さんの事もあるしな。

 

 

「大丈夫だよ蘭、明日一緒に付いていってやるから安心しなよ」

 

「うん…本当に今日はありがとう志吹。あたし、志吹がいなかったらどうなってたかわからないよ」

 

「大げさだな、俺のちっぽけな存在なぞ大した事じゃないだろ?」

 

「違うよ。あたしにとって志吹は……何でもない」

 

「そっか、何でもないよな」

 

 

やばいな、少しだけ蘭の事が可愛く思ってしまった。こんなこと本人にはとても言えないな。ちなみに左壁際にベッドがあって俺が手前で蘭が奥だ。

 

 

疲れていたのかすぐに俺の意識は途切れた。蘭と俺の手は握ったままで。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

回想終了

 

 

そうか、思い出したよ。蘭と手を繋いだまま寝ていて…そしてその左手はそのままで右手が蘭の胸を…

 

 

「ん~志吹?、おはよ……」

 

「お、おはよう蘭」

 

 

蘭はまだ寝ぼけている。なら早く右手を離さないと…

 

 

「な、な、な、な…!?」

 

 

あ、遅かった。

 

 

「~~~~!!、志吹のスケベ!変態!」

 

「誤解なんだがなぁーーー!」

 

 

蘭が左手で平手打ちをしてきた、避けようとしたが俺の左手を掴まれたままで動けずにモロに蘭の攻撃を食らってしまった。

 

 

「信じられない!寝てるあたしの、む…胸を触るだなんて!!」

 

「元々は蘭が手を握るからだろーが!俺はそれを忘れてて起きようとしたら、そうなっただけなんだよ!」

 

 

憤慨してる蘭をほっといて、俺はさっさと部屋を出て地下室で笛の演奏をし始めた。

 

 

「ったく蘭め…」

 

 

まだ頬が痛い。いつもの演奏を終わった後、まだ怒ってた蘭と朝食を食べていたが。

 

 

「ねえ志吹、地下室でなんで笛を吹いていたの?」

 

「笛の練習だよ」

 

「嘘、本当の事を教えてくれる?時々志吹の行動には変に思ってたから」

 

 

なんだよ蘭のやつ、俺が変な時あったかな…?

 

 

…………

 

 

あったわ色々と。

 

 

それでも答える訳にはいかない、これは俺の呪いの事だから無関係な蘭に教えたら蘭に危害が及ぶんだ。舞衣は関係者だから知ってるが。

 

 

「悪い蘭、これは俺自身の問題だからな。理由は絶対に言えないんだ」

 

「そ……」

 

「………」

 

 

うん、お互い沈黙が続く朝食になっちゃったな。

 

 

ピンポーン

 

 

ん?こんな朝早くから誰だろう?新聞の勧誘かな?

 

 

「はい、どなたです……か?」

 

 

玄関の扉を開けた先にいたのは……

 

 

「おはよう志吹、朝早いし連絡もなく訪ねて悪いな」

 

「と、巴!?」

 

 

そこには俺と同じくらいの身長(タッパ)で腰まである赤い髪をした宇田川巴がいた。

 

 

「お、おはよう巴…こんな朝早くからどうしたんだよ?」

 

「そこに蘭いるんだろ?」

 

「ああ、いるけど」

 

 

俺が最後まで言い終わる前に巴は家に上がっていった。

 

 

「お、おい巴…そんなに慌ててどうしたんだよ?」

 

 

俺は巴の後をついていった。

 

 

「巴…」

 

「馬鹿!!親父さんが心配してたんだぞ!!どうして連絡しなかったんだよ!!!」

 

 

巴が蘭に怒鳴り散らしている。おおう、こんな巴初めてみた。てか怒ってるのすら初めてか。

 

 

「父さんが…?」

 

「ああ、朝に蘭の親父さんから連絡きてな。昨日から帰ってないからって」

 

「…………」

 

「アタシがみんなに連絡したけど、モカもひまりもつぐの家にも泊まってないからさ、まさかとは思って志吹にも伝えようとしたらそこで充電切れちゃったんだ」

 

「だからって普通訪ねるか?誰かの借りればよかったんじゃ?」

 

「志吹の家近いしそのまま来ちゃったよ、少し恥ずかしいなこの格好は」

 

 

巴の格好は、まあなんというか…パジャマだな、赤色の。

 

 

「ごめん心配かけて。だけど昨日は帰る気はなかったから」

 

「だったら連絡くらいしろよ!……ん?おい、蘭」

 

「なに?」

 

「今更だけどさ、昨日は志吹の家にと、泊まったのか?」

 

「うん、そうだけど?」

 

「マジかよ…ってそれより早く親父さんに連絡しろよ、心配してっから」

 

「あんまり気が進まないけど、心配してくれてたのが本当かどうか聞いてみるよ」

 

 

そう言って蘭はリビングから出ていった。そして巴は仰向けに倒れた。

 

 

「はぁーーーー、どっと疲れたよ」

 

「お疲れ巴、いらん心配かけちまって」

 

「なあ志吹、蘭と親父さんって何かあったんだろ?昨日蘭と揉めたって言ってたからさ」

 

「理由は聞いてるし大体の事情も知ってる。多分この後蘭から言うとは思うが」

 

「だったらみんな集まって話そうぜ」

 

「だな」

 

 

 

その後モカ、ひまり、つぐみに連絡をしてすぐに来てくれた。

 

 

 

そしてみんな集まってリビングにいる。

 

 

「みんな昨日はごめん!あたしが父さんの事でイライラしてて、ひまりにも八つ当たりするようにしちゃって!」

 

「蘭……」

 

「父さんはバンドなんてお遊びはやめて華道に専念しろって言われて頭にきて、それで昨日は帰るつもりはなかった」

 

「それでしーくんの家にお泊まりとか蘭、だいたーん」

 

「お、お泊まり!?志吹くんと!?」

 

「それは置いといてくれるかな?二人とも」

 

 

メチャクチャ恥ずかしいんだけどな、何でつぐみが慌ててるんだ?

 

 

「ん、それであたしは華道もバンドも辞めるつもりはないから!今月末にあるガルジャムで結果を出してお父さんに認めさせてあげようと考えてる…みんなはどう?」

 

「すごくいいと思うよ蘭!私は賛成、ライブも出来るし蘭の問題も解決して一石二鳥じゃん!」

 

 

や、まだ解決とか以前にまず認めるかわからんだろ。

 

 

「そうだな、ひまりの言う通りアタシも賛成だ」

 

「意義な~し」

 

「やろうよみんな!わ、私も頑張るし蘭ちゃんのお父さんにも認めさせていこっ!」

 

「ったく、昨日言ってくれればこんな事にはならなかったんじゃないか?」

 

「あたしの問題でみんなを巻き込みたくなかった…だから」

 

「もー蘭は一人で背負いすぎなんだよ~モカちゃん達を少しは頼りたまへ~」

 

「モカ…そうだね」

 

「よかったぁ、昨日はどうなる事かと思ったから…」

 

「つぐみも心配かけてごめん」

 

「ううん!蘭ちゃんがそんな事になってるのに、気が付かなかった私達こそごめんね」

 

「よーし、じゃあ月末のガルジャム向けてがんばろー!えいえいおー!」

 

「「「「…………」」」」

 

「そこは乗ってよね!!?」

 

「あっはははは!!ひまりはそーじゃなきゃな!」

 

「巴ひどーい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

みんなの笑い声が聞こえてきている中、俺は…

 

 

 

 

また、泣いていた。

 

 

 

 

はぁ

 

 

 

 

どうしてあいつらを見てると

 

 

 

 

()()()()(()()()())()()()()()()()()()()()()

 

 

 

「俺も前を向いて進まなきゃな、つまらん意地張らずにな」

 

 

 

だけど羨ましいよ

 

 

 

喧嘩しても、すぐに仲直り

 

 

 

こっちはどうなるかわからないのにな。




大変申し訳ありませんが
投稿間隔を1~2週間から1~3週間に変更させてください。失踪はしませんので、どうか。

それでは、よいお年を。


感想でも指摘でもメッセージにて送ってもらっても構いませんので、なんでもごされですので、どうぞ
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