バンドリTVは僅か6時間しか見れませんでした。
無念が残る中、25話を始めまする。
Afterglowの仲直りは簡単に終わり、巴はパジャマ姿だったのですぐに家に帰っていった。
そして涙目になっていた俺はみんなに気付かれないように涙を拭いてそっと部屋を離れた。
「それで蘭~昨日はお楽しみでしたかのー?」
「わ、わ、わ…私もそれ気になってたの!そ、それで志吹くんとはどうしたの蘭ちゃん?」
「~~~!!、言えない!!絶対にこれだけは言えないから!!」
「蘭~顔真っ赤だ~」
「やっぱり何かあったんだ…」
「けどおかしくない?舞衣ちゃんが居るんじゃないの?」
「舞衣はいないよ。明日帰ってくるって志吹が言ってた」
「えっ……!?そそそそそれって昨日二人っきりで過ごしたことだよね!?」
「つぐ動揺しすぎだよ…」
「いや~これは由々しき事態ですな~。さぁーて蘭~、昨日しーくんと何があったか洗いざらい話して貰いましょうぞ~」
「ちょ、やめ…」
モカが蘭に近づいてきていて、つぐみも少し照れながらだけどモカに続いている。
「モカにつぐみ、二人とも何やってんのさ?」
「しーくんだ~」「志吹くん!」
俺が目の赤みを消した後リビングに戻ったら、何かモカとつぐみが蘭に迫ってるから何事かと?
「ひまり、説明してくれるか?」
近くにいたひまりに聞いてみたが。
「わたしも志吹くんに聞きたいな、昨日蘭と何があったのかをね?」
「昨日?んーー、特にないが?」
「本当に?」
「ああ、蘭は夕飯食って風呂入って、すぐに舞衣の部屋にいったしな」
「………」
蘭のやつは何も言ってこないが、その後の事は伏せた方が懸命だな。大方この三人はそーゆーの聞きたいんだろうし。
「本当に何もなかったんだぁ」
「「………」」
モカとつぐみは何も言わないが、こりゃ信じてないな。
「それよりもさ話ついたんなら、これから蘭は帰って親父さんを説得するのか?」
「そのつもり」
「だったら巴はまた来るんだろ?その時に行かないとな」
「うん…」
数分後、私服に着替えていた巴が帰ってきて、みんなで蘭の家に向かった。
ーーー
蘭は親父さんを説得する為、一人で行った。俺たちは玄関前で待機してるのだが。
「うぅ…緊張する……」
「いやなんでひまりが緊張するんだよ」
「だって、蘭一人で行かせちゃったから心配なんだ、よ」
いつも明るいひまりが緊張のせいでとても暗い表情だ。
「私もひまりちゃんと同じだよ。す、凄く緊張してるよ…」
つぐみもさっきからお祈りするようなポーズをとっている。
「……」
「巴は平然としてるな」
「いや志吹、アタシも緊張してるよ」
「マジか」
巴までとはな。
「すーぴー」
え?モカさんよ、何しとるん?
「おいモカ…!人の家の玄関前で寝るなよ!」
寝てるし、しかも立ったまま。
「モカは…朝早かったから眠いんだな」
「うみゅ、そ~だよ~…どっかの誰かさんが起こすからモカちゃんはおねむなのです~」
「悪いなモカ、でも普通そうするだろ?」
そりゃそうだ。
「今更だけどさ、俺までついてきてよかったのか?」
なんせ俺は幼馴染でもなんでもないしな。
「いや、蘭を泊めたからもう十分当事者だろ」
「そっか、ありがとな巴」
「何言ってるんだよ、礼を言いたいのはこっちなんだぜ志吹」
「そうだよ!蘭の事で色々とありがとうだよ志吹くん!」
「そ、そうか?」
「しーくん?蘭は人に頼ることなんて滅多にないんだよ~?きっと蘭はしーくんの事信用してるんだよ。つまり~」
「俺の事、仲間みたいに思ってるって事、なのか?」
「まーそんな感じだね~」
「ああ、志吹はアタシ達Afterglowの一員みたいなもんだな!」
「うんうん」
「そうだよ、私はもうずっと前から思ってたよ」
「モカ、巴、ひまり、つぐみ…ありがとな」
なんか嬉しいな、こんなのは初めてだよ。なんだろうな、この感情は?なんだか暖かくてふわふわしている気分だから、後で笛を吹きに神社に行こっと。
「そろそろ30分経つね」
「そんな経つのか!?」
「だ、大丈夫だよね…?」
「ひまりちゃん…大丈夫だよ!」
つぐみよ、俺は知ってるぞ。足が震えてるのをな?
「あ、蘭が来たよ!」
「みんな…ずっと待ってたの?」
30分くらいな。てか蘭、その目は…?
「ど、どうだった蘭?」
「…………」
「ら、蘭ちゃん…?」
「……ガルジャムに来てくれるって」
「ほんとか蘭!?」
「うん、説得するのに凄く時間かかっちゃって皆には心配かけちゃったね」
「よかったぁ…」
つぐみはその場に座り込んでしまったよ。
「つぐ大丈夫!?って…実はわたしも緊張しちゃって」
ひまりまでもか…
「蘭~少し目と顔が赤いのはどーしてー?」
「少し、熱くなっちゃったから。それと…」
「それと?」
「それについては私が話そう」
「父さん、いつの間に!?」
玄関口に蘭の親父さんが立っていた。眼鏡をして黒い和服がよく似合ってて随分若く見える顔立ちだなぁ。そして何故か俺を見ていて。
「君が神子くんだね?君にちょっと話があるのだけど、いいかい?」
「え?あ、はい…なんでしょうか?」
「君が蘭を泊めたのだね?」
「はい、そうですが?」
「……ちょっと君と二人きりで話がしたい。付いてきてくれ」
「わかりました。じゃ行ってくる」
「「「「(頑張って!)」」」」
俺は蘭の親父さんに付いていって家の中に入っていった。といっても家の玄関の中だけどな。
「まず君にお礼を言わせていただきたい、昨日蘭を泊めていただいてありがとう」
「い、いえ!昨日の蘭…さんはちょっと落ち込んでましたといいますか、平気そうではなかったのでして」
本当は蘭からだったんだが、ややこしくなりそうだから改変しておこう。
「そうか、やはり蘭は…」
「?」
「すまない、あの四人とは昔なじみなのは知っているが、男の友達は聞いていないからな。君は蘭とは知り合ってどれくらい経つのだ?」
「一ヶ月、ちょっとですが…あの、それが何の関係が?
「いや、何でもないよ。蘭の話で君が出たから気になっただけだよ」
「はあ…?」
「ありがとう神子くん、これからも蘭とは仲良くしてやってくれるかね?」
「ええ、それは勿論です」
「話は終わりだよ。神子くん、月末にまた会うのを楽しみにしてるよ」
「……それはなりよりです」
蘭の親父さんか…、厳格そうに見えて優しそうな人、なのか?
「志吹、父さんは何て言ってたの?」
外に出ると蘭が待ち構えていた。後ろにみんないたけど。
「昨日の事でのお礼とまた会うのを楽しみにしてるぐらいだよ」
「そう…」
その後みんなで俺の家で昨日の夕飯だったのを昼飯にしていて、その後に昨日の練習を再開した蘭達。そして俺は…
ーーーーーーーーー
ライブハウスCIRCLE受付の前に俺はいた。
「いらっしゃい……って神子君だよね?随分と久しぶりだねぇ」
受付の人、月島まりなさんがそう言うが本当に久しぶりだな。15話振りだろうか?
「友希那ちゃんから話は聞いてるよ、そこの3番スタジオだからね」
「ありがとうございます、まりなさん」
「蘭ちゃんの次は友希那ちゃんかー、やるねえ神子くぅん」
まりなさんが何か言ってたが無視してスタジオへと向かった。
「それにしても友希那は突然『志吹、急で悪いけど昼1時にCIRCLEに来れるかしら。私達Roseliaの演奏を聞かせてあげるわ』と来たからな」
蘭達は地下室で練習しているし、俺は神社で笛吹こうと思っていたんだが、通り道だし友希那達の演奏を聴いてからその後でもいいかって承諾してしまったよ。
「ここが3番スタジオか、まずは…」
ノックしてリサっぽい声が返事してくれたので入った。
「やっほー志吹」
「志吹、遅いわよ」
「えっ…神子、さん?」
友希那とリサのの真逆な挨拶は無視して奥に目をやったら、見知った人物がいた…てか全員。
「紗夜さん?それにあこちゃんにりんりんさん?」
「あー!神子さんだー!」
「ど……どうも…です」
「あら、紗夜もあこも燐子も志吹と知り合いだったの?」
「まあ、知り合いというか、ねぇ…」
あこちゃんとりんりんさんは知り合いと言えるのか?友希那とリサと紗夜さんに大雑把にだけど説明した。
「ふうん、志吹って太鼓も出来るんだ。ドラムの経験もあるの?」
「全くございません」
「無駄話はいいわ、それより始めましょう」
友希那はそう言って、ステージのほうへ行った。
「待ってよ友希那ー、まずアタシ達のパートの説明からしよーよ☆」
「そうね、忘れてたわ」
「助かるよリサ」
俺はRoseliaも知らないからな、リサの配慮は助かる。
「Roseliaのボーカル、湊友希那よ」
「同じくRoseliaのベース、今井リサでーす☆」
リサはベースか、しかもめっさ赤い。
「ギターの氷川紗夜です」
紗夜さんは青いギターか。
「ふっふっふ…我が名は深淵よりも深き闇から誕生した堕天使……ドラムの宇田川あこです」
「……キ、キーボードの白金、燐子…です」
一通り自己紹介とパートの説明を終えて、とりあえずあこちゃんが何言ってるかわかんないし、りんりんさんもかなりキョドってるし大丈夫なんかな?
「それじゃ、始めるわよ」
え、もう?俺の自己紹介は…いらんか。
「いくわよ、『BLACK SHOUT』」
あこちゃんのカウントで演奏が始まった。
…………
そして、終了した。
「ふぅ、どうかしら志吹?」
「……ひとつ、質問いいですかな?」
「構わないわ」
「Roseliaって、結成してからどれ位なので?」
「半年も経ってない、かな?」
「ちなみに友希那とリサ、あこちゃんとりんりんさんは昔から知り合いでよろしいのですか?」
「は、はい…」
「そうだけど、言ってなかったっけ?」
聞いてないわ!それよりもこれは、なんというか…
「それで志吹、感想を聞きたいのだけど?」
「…………」
友希那は急かしてきてるけど、紗夜さんの表情が暗い。やっぱりわかってるんだな、Roseliaの問題を。
「先に言っておきますけど、俺はバンドに関しては素人ですよ?」
「ええ、わかってるわ」
「じゃあまず友希那は、歌については凄いの一言しかないですかな。正直これだけで売れるんじゃないかと」
マジで圧巻だわ、蘭より数段上手い。てかプロの歌手顔負けじゃない?
「ありがとう」
「次にベースのリサだけど…バンドの用語がよく知らないからちょっと間違ってるかもしれないけど、最初のパート?での演奏と歌にズレがあったような気がしましてね」
「えっ?」
「その曲は初めて聞いたので、わからないけど…俺には違和感しかなかったから」
「その通りよリサ」
「あちゃ~、またやっちゃったかー」
友希那にも言われてしまって、落ち込んでるリサ。
「で、次に紗夜さんですが」
「は、はい!」
「紗夜さんは特にないですね。ミスもなく淀みもなく、理想の形ではないでしょうか?」
「ありがとうございます」
本当に無駄のなく、面白味はないけどね。
「それでお次はドラムのあこちゃんは」
「ふっふっふ…我の演奏に一寸の狂いもなし」
「ありまくり、てか姉妹揃ってドラムだけ走り気味よ」
「うう…む、無念じゃ」
「あ、あこちゃん…しっかり!」
「えっと、最後にりんりんさん、いいですか?」
「……は、はい…」
なんかめっちゃ怯えてるんですけど!?言いづらいな。
「その、キーボード特有なのか知らないですけど、音ですかね。何かに怯えていません?遠慮といいますか、なんていいますか分からないですけど」
「………!?」
「すみません、俺も何言ってますかわからないですけど」
「い、いえ…」
感覚なんだよなぁ、これって。そういえばつぐみの時は何て言ったっけ?
「それで、全体を見ますと凄く上手く感じますよ。ですけど…音が合っているようで合ってないと、俺は思うんです」
「!?」
やっぱり紗夜さんはわかってたか。
「友希那とリサ、あこちゃんとりんりんさん、それぞれ音は合ってましたよ。ですけど全体としてはそう聞こえないんです」
「志吹、貴方どれだけ耳がいいのかしら?」
「一応、和楽器とはいえ音楽に関わって長いですからね。嫌でも耳はよくなりますよ」
「神子さんは絶対音感を持っているのですね」
「多分、そうだと思いますよ。以前にAfterglowのを聴いていても聴き分けられましたし」
バンドの楽器を生で聞いたのもそれが初めてだったしな。
「紗夜、どうして私が志吹に演奏を聴かせたか、これでわかったでしょう?」
「そうですね、私も神子さんでしたらいいと思います」
「あこも賛成です!是非神子さんにあこ達の」
「それは私から言うわ、志吹…貴方、私達Roseliaのメンバーになる気はないかしら?」
「……はい?」
えっと、何言ってんのかな、この人。
「友希那、ガールズバンドの意味わかってますか?」
「問題ないわ、女装すればいいじゃない女顔だから問題ないわよ」
「……馬鹿にしてるんですか?」
「馬鹿にしてないわ、私は本気よ?」
「女装はともかく、神子さんの感想のおかげで私達に何が問題かわかった気がします。私としても神子さんがメンバーにいてくれますと助かります」
紗夜さん、貴女もですか。
「わ…私も…神子さんに…入って貰いたいです…」
「あこも神子さんに入って貰いたいですけど、お姉ちゃんのバンドにもう入っちゃってます?」
「いや、入ってはないけど…みんなには悪いけどこの話は無かった事にしてくれますかな」
「どうしてかしら?理由があるのでしょう?」
本当の事はとても言えないからアバウトに説明するか。
「友希那達Roseliaに何か目標があるのでしょう?さっきの曲の歌詞で何となく想像つきますが、それにその歌詞は俺にも同じことが言えます。つまり俺は目的を果たすまではバンドとかには入るつもりはありません。それは蘭達Afterglowにも同じ事を言うつもりです」
最近何もしてないのは内緒。だって奥州の神職サミットで羽丘神社の関係者いないんだもの。
「どうしても駄目なの?」
「駄目です」
「わかったわよ。美竹さんにも入らないならしょうがないわね」
「わかってくれて何よりです」
「だけど、また私達の演奏を聴いてくれるかしら?」
「……たまに、でしたら構いませんよ」
「いいわ、それで構わないわ」
「友希那…」
「湊さん…」
頻度はわからないが、たまに聴く位だったら問題ないよな?
青薔薇のRoselia、夕焼けのAfterglowか。似てるようで全く違うバンドとはね。CIRCLEを後にした俺はそのまま羽丘神社に向かっていった。
「さて、夕方は笛吹きまくるぞ…!」
気合いを入れるのであった。
GWが長いけど、あと1~2話で終わりにします。
そして蘭達の目標も決まり、友希那の誘いも断り
果たして彼の運命とは…?
感想でも指摘でもメッセージにて送ってもらっても構いませんので、なんでもごされですので、どうぞ