笛吹き少年は少女と共に運命に抗う   作:ジャムカ

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みなさま、コロナウイルスには気を付けましょう
絶対に…絶対に…!


では、28話始めますね。


笛吹き少年は説得をした

GW過ぎてからあわただしくなった。

まず舞衣がこの家を出ていった。近くに引っ越すから花咲川は通うのは辞めないとは言ってたが、それよりもこっちに来た理由を暴露してくれた事には驚きだ。

 

まあ最初から知ってたけどね、監視だって…

でも少し顔を赤らめていたのは何なのかわからなかったがな。

 

 

「それよりも今俺がやるべき事は…」

 

 

わからん!今は待つしかないな。遥さんもあれから何も音沙汰ないし心配だけど…

 

 

 

五月中旬

 

 

放課後、蘭達はまたCIRCLEでバンド練習に行ったみたいだ。月末のガルジャムに向けて猛練習だそうだな、蘭の親父さんに認められる為とはいえ、無理だけはしないでくれよ?

 

 

俺はまた屋上で笛を吹く事にした、何だか習慣になってきたなこれ。

 

 

そしてまた待ち人に出会うのもな。

 

 

「……あら、志吹じゃない」

 

 

ほらね?今回は友希那だよ、廊下でだけど。

 

 

「帰る」

 

 

回れ右した

 

 

「あっ、待ちなさい!」

 

 

友希那が追いかけてきたので俺は逃げる!走って逃げる!ダァーーーーッシュ!!

 

 

「えっ?」

 

「わっ!?」

 

 

ウ○インボルト並みの速さで廊下を走ったのはいいが、廊下の曲がり角で出会い頭に人とぶつかってしまった。

 

 

お互い少しよろけただけで済んだけど、これは明らかに俺の不注意だ。

 

 

「いてて…あ、あの大丈夫ですか?」

 

「ああ、問題ないよ」

 

 

凛々しい声をあげたその人はそう言った、あっ…この人は。

 

 

「瀬田…先輩ですよね?」

 

 

紫色の髪に俺とほぼ変わらない身長の人、そして二年生の中で一番有名な先輩、瀬田薫。

 

演劇部に所属していて、その演技は誰もが引き込まれるとかでファンが沢山いるそうだ、その先輩に俺は何て事を……!

 

 

「そうだが、そういう君は神子志吹君だね?」

 

 

何でこの人が俺の名前を知ってるのだろう?

 

 

「あの、どうして俺の名前を…?」

 

「ああ、それはだね…っと悪いが子猫ちゃん達が待ってるからこれで失礼させて貰うよ」

 

 

そう言って瀬田先輩は行ってしまった。鼻が少し痛いけど帰るとする…あっ。

 

 

「やっ…と、追いついたわ…足、速いのね…志吹は」

 

 

友希那に捕まった、もう諦めるか。

 

 

体力無さすぎだろ友希那よ?

 

 

「全く、俺に何か用ですか」

 

 

正直今の友希那にはあまり会いたくない、どうせあの事だろうから。

 

 

「聞きたい話があるの、前に貴方が言った事についてだけど」

 

 

ほらな?

 

 

「私とリサ、燐子とあこは音が合ってるのは何となく分かる気がするのだけど」

 

 

一度間を置いて友希那は

 

 

「紗夜にだけは何も言わないのはどうして?」

 

 

……どこまでわかってるのかなぁ…この人は。だけど真意を教える訳にはいかない、それは自分の為にもならないし紗夜さんにも。

 

 

「あの時俺は紗夜さんにはこう言いましたよね?」

 

 

特になく、ミスもないと

 

本当に型通りすぎて逆に面白くない!自分の音ってのが全くないからね。真逆な日菜の音も聞いてみたいな、どれだけ違うのかを。

 

 

「それよ、私は紗夜の技術は凄いと思っているのよ。でも最近は…志吹に聴かせる前からどうもおかしいのよ」

 

「おかしい?」

 

「ええ…紗夜らしさがないの、音がどうも感じられないとも言うかしら」

 

 

紗夜さんらしさがない?どういう事だろう。

 

 

「志吹は紗夜の音には気づいてたのでしょう?どうして何も言わなかったの?」

 

「俺は紗夜さん…いや、Roseliaの演奏を聴くのは初めてですから分かるわけがないでしょう、ただ型通りすぎるだけで…あっ」

 

 

しまった!つい言ってしまった…

 

 

「やっぱり…どうしてあの時言わないのよ!紗夜はあの日からずっと調子を悪くしてバンド練習を休んでいるのよ?……志吹、今から会いにいってきなさい。これは先輩命令よ?」

 

 

は?

 

 

「は?」

 

「早く行きなさい?じゃないとこの事は美竹さんに報告するわよ?」

 

「な、何を報告するつもりですか…?」

 

「そうね、私に酷い事したとか…アドバイスのせいでメンバーが一人スランプになったとか」

 

 

最初のは嘘じゃねーか!でも俺のせいなのか?

 

 

「はぁ…わかりましたよ。今から行ってきますよ、全く何で俺がこんな事を…横暴だ」

 

 

俺は友希那と別れて学校を出ていった。だけど…

 

 

 

 

 

 

紗夜さんどこにいるんだよ!?

 

 

 

 

 

 

 

▼▼▼▼▼▼▼

 

 

 

「友希那ー、志吹と何話してたのー?」

 

 

志吹と別れてすぐにリサがやってきた。

 

 

「紗夜の事よ、今から会いに行ってきなさいって言っておいたわ」

 

「ゆ、友希那!?それって前に志吹が言ってたのが紗夜のスランプの原因とかじゃ、ないよね?」

 

「そうよ、だから命令して行かせたのよ」

 

「あちゃー」

 

 

リサは驚いていた、どうして?

 

 

「紗夜がどこにいるのか知ってるのかな?それに志吹は紗夜との連絡先もだけど」

 

 

私は何も告げてなかったわね。

 

 

「アタシから志吹に教えてあげとくよ、紗夜の連絡先」

 

「ありがとうリサ、助かるわ」

 

 

リサは志吹のLI○Eに紗夜の連絡先を送ったけど

 

 

「すぐに返信きたよ。あっ…志吹、知ってたって」

 

 

取り越し苦労だったみたいね。

 

 

「でもさ、何で友希那は志吹にそこまで気に掛けてるの?音感だけじゃないよね?」

 

「それは、わからないわ…私にも」

 

 

そう、わからない。何なのかしらね?

 

 

 

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

リサからLI○Eで紗夜さんの連絡先を教えてくれたけど、俺はもう既に紗夜さんの連絡先を知ってるって返した。

そして紗夜さんにLI○Eで今どこにいますか?と送ったら今はファーストフード店にいるとの事だった。

 

 

紗夜さん学校帰りじゃないの?完全に買い食いだよね!?

前もそうだったっけ。

 

微妙に苦笑いして紗夜さんのいるファーストフード店に着いた。

 

 

「紗夜さん…」

 

 

あまり食べる気は無かったけど、て○たまセットを頼んで紗夜さんのいる席へ座った。以前日菜と一緒に座った場所と同じだ。

 

 

「!?神子さん、どうして…」

 

 

友希那に脅されてきたから、なんて言えたらなぁ。

 

 

「まぁ、食べながら話しますよ。色々ありますので」

 

「食べながら喋るのは行儀が悪いですよ」

 

 

いやアンタ何言ってんねん!その山盛りのポテト見てどの口が?

 

と、言えたら良かったが、そんなツッコミしてる場合じゃないんだよ。

 

 

「まずここに来ましたのは、前に俺がRoseliaの曲を聴いた日より前から紗夜さんは…調子を落としてるのですよね?」

 

「っ…!どうしてそれを!?」

 

 

あ、紗夜さんのポテト食う手が止まった。

 

 

「友希那から聞きました、ですが俺は…」

 

「待ってください!神子さんはあの時言ってましたよね?私の演奏にはミスがない理想の形と」

 

「ええ、確かに言いましたよ」

 

「だったら!どうして?」

 

 

言うしかないのか、やっぱり。

 

 

「紗夜さん、少し…いえ、かなり残酷な言い方になりますけどよろしいですか?」

 

「ええ、構いません」

 

 

即答かよ!だったら言ってやるよ。

 

 

「紗夜さんの音、と言いますか…人には一人一人独自の音が出ているのですよ。友希那にせよ、リサもあこちゃんにせよ…りんりんさんもちゃんと出ていました」

 

「ですが、紗夜さんにはそれが全く無かったのです。まるで教科書通り、型通りのようにね」

 

 

紗夜さんは俺の話を黙って聞いていた、ポテトすら手をつけずに。

 

 

「ハッキリと言いますよ、Roseliaで音の調和がなってないのは紗夜さんが原因なんです」

 

「あの時紗夜さんは分かってると思ってましたが、違ったようでしたね。紗夜さん…まさかとは思いますが日菜とはまだ…?」

 

「………はい、まだ…日菜とは」

 

 

ヤバイ紗夜さん涙目になってるよ、あわわわわ…!

 

 

「紗夜さん、俺から言えますのは一つだけです」

 

 

て○たまバーガーを頬張って答えた。

 

 

「日菜は紗夜さんのをどう真似したって、それは日菜でしかない。紗夜さん自身のは紗夜さんしか絶対に出ない」

 

 

……我ながらブーメラン発言だとつくづく思うよ。

 

 

「……本当に、そうなんでしょうか?」

 

 

説得力ないから否定されるか。

 

 

「……少なくとも、俺はこれからはそうします。以前ここで話しましたよね?詩音の事です」

 

「覚えています、確か日菜と同類…いえ、同じでしたね」

 

 

言い直さなくても同じなんだけどね。

 

 

「そうです、その詩音が近いうちにこちらの学校に転校してくると思います。理由は…多分俺の事でしょう」

 

 

何でか知らないけど、俺と同じ学校じゃないと嫌だって中学の時は駄々こねてたっけ。

 

 

「神子さんの?それは一体どういう事なんでしょうか?」

 

「分かりません」

 

 

本当に分からないからそう答えるしかない、紗夜さんはさっきまでの暗い表情から少しだけど明るくなっていた。

 

ポテト食うの相変わらず早いよなぁこの人、一体どんだけ好きやねん?

 

 

「少し話が逸れましたね、つまりは日菜は日菜、紗夜さんは紗夜さんなんですよ?それを絶対に忘れないでください。そして日菜とはちゃんと…っとそれは俺もでしたね」

 

「神子さん…ふふっ、そうですね」

 

 

紗夜さんが笑うところを見るとは、堅物な人だと思ってたけど違うんだな。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

紗夜さんと別れた後もう六時になろうかという時間だった。ちなみに丸山さんとすれ違ったのは内緒、向こうは気づいてないし、紗夜さんはまだ店にいるからまた面倒な事になりそうだから声はかけなかった。

 

 

「……つぐみの店にいくか」

 

 

ハンバーガー食ったから胃が少し重い、口直しついでに珈琲でも飲もう。

 

 

 

羽沢珈琲店についたのはいいが…

 

 

「お帰りナサイマセ旦那様」

 

 

店に入るとイヴがまたふざけた挨拶をしてきた。

 

 

「オヤ、シブキサンではありませんか!ツグミさんはまだ帰ってきてませんよ?」

 

「普通にコーヒーを飲みに来ただけ…つぐみはバンド練習だよ」

 

 

何で説明いるのさ。

 

 

「それは失礼シマシタ!

では、いつもの席へドーゾ!」

 

 

俺のお気に入りカウンター席に座るとリサから通知が来ていた。

 

 

『紗夜から連絡来たよ、なんか吹っ切れたってさ。志吹はどうやって紗夜を立ち直らせたの?』

 

と、きていた。簡単…じゃないがお互いに似たようた立場だったからそれを説明しただけだよ、と返した。

 

 

今度は友希那からだ。

 

 

『その、紗夜の事でありがとう。私では出来なかったから…志吹、このお礼はいつか返すわね』

 

 

友希那…横暴だったけどな!もう少し頼み方ってのがあると思うぞ、と返した。

 

 

「さ、コーヒーとサンドイッチをたの…ん?」

 

 

俺は違和感に気づいた…鞄を見ると何かが引っ掛かってる。これは…手帳?

 

 

鞄の紐の部分と手帳の紐が絡まってたみたいだ、でもいつこんなのが?舞衣がやったのか!?

 

 

俺は紐をほどいて手帳の中を見てみた。

 

 

「こ、これは…!?シェイクスピア?演劇の事と…ハロー、ハッピーワールド??」

 

 

何の事かさっぱりわからん。だけどその後のページをめくると、とてもマズイような気がするが…

 

 

「好奇心には勝てんな、どれどれ…私は本当はザッハトルテより雑煮のほうが好きなんだよ、それによくシェイクスピアを理解してないのだ」

 

 

何だこれ?日記みたいだな。最後のほうに名前が書かれていた…

 

 

 

瀬田薫

 

 

 

 

 

ぶつかった時に引っ掛かってたのか。

 

 

「…………見なかった事にして、明日さりげなく

落とし物箱にでも入れとこう」

 

 

 

そう決めたのであった。

 




今回もほぼ紗夜さん回でしたね

次からは蘭達が出ます(多分)


感想でも指摘でもメッセージにて送ってもらっても構いませんので、なんでもごされですので、どうぞ
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