僕の買ってきたエロ本を題材に妹が絵を描いているらしい   作:謎のミンティア妹味

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こういう兄妹の日常茶飯事

 僕には妹が1人いるのだが、最近、疑問に思うことがある。

 

「えへへ……お兄ちゃんこういうシチュが良いんだ〜」

 

 件の妹は僕のベッドで横たわりながら、本棚の裏に隠していたはずのエロ本を読んでいるがまあそれは大した問題じゃない。

 僕にはお気に入りの絵師がいる。

 「Pray」というハンドルネームで絵を描いてる先生で、主に巨乳姉妹ものや巨乳ロリもの───まあつまるところお乳大き目な美少女専門───を描いていたのだが、何故だがある日唐突に路線変更でもしたかのようにテーマが変わったのだ。

 具体的には胸が減った。

 大事なことだからもう一度言おう。

 胸が、減ったのだ。

 

「お兄ちゃん〜。残りはどこにブツ隠してる?」

「黙らっしゃい!今貴方の兄貴は真剣な事を考えてるんです!」

 

 あとブツとか言うんじゃありません!お袋に通報されたらどうするんだアホ妹!

 ブーブー言ってくる妹は無視して、とにかくPray先生の絵についてだ。

 最初は特に、こういう方向性も開拓していこうと思ってるのかなぁ、程度にしか僕も考えてなかった。

 だけど時を経て気付いたこと一つ。

 ───僕がエロ本を買うと、翌晩までにはその内容と似通ったジャンルの絵を上げてくるのだ。

 

 確かにその日、僕は艦船系ロリ妹ものを買った。胸は若干膨らみかけの蕾だったけどまあぺったんこの範疇だったし、メインはイカ腹のロリロリ美少女。個人的な感想としてとても良かったという一言を添えておこう。

 その翌日Pray先生が上げた絵も艦船ではなかったものの、ほぼ踏襲したかのようなデザインだった。加えるならばその絵は原作以上に僕の好みだった事をここに記しておく。僕は興奮した。

 

 落ち着いた後に僕は少し考えることにしたのだ。

 でもまあ、最初は偶然かと思った。てかあり得ないだろ考え直せ稲川柩、と。

 しかしそれが一ヶ月、二ヶ月、半年と続けば僕だって確信を深めざるを得ない。

 ─────そう、僕の身内の誰かが僕の買ったエロ本を把握してPray先生に描くよう伝えているのだ。それ以外には考えられない。

 

 僕の家は四人家族だ。父、母、僕、そして妹。

 父は真面目で堅物なので僕のエロ本なんか興味もないだろう。母もいつもフワフワとした言動をしていて、サン◯オとか大好きだし多分ない。

 んで、残った超最有力候補。

 

「お〜!お兄ちゃんの隠してたデカいのあった〜!」

「同人誌だから文庫よりは大きいけども!その言い方はヤメテ!」

 

 ───不肖、僕のエロ本を探るのが唯一の趣味の妹。

 稲川祈である。

 

 

 

 

 

────────────────

 

 

 

 

 

 とはいえ。

 流石に真正面から「お前Pray先生に僕の読んだエロ本のこと一から十まで漏らしてるだろ」とか妹に言うのは流石には憚られる。もし僕が妹ならそんな兄は警察に引き渡す。うん、間違いない。

 そもそも僕はPray先生には感謝しているのだ。だって買った好みのエロ本の、言わば二次創作を一瞬のうちに描きあげてネットに上げてくれるわけだし、何となく奇妙な感じこそあれど忌避感は無い。

 そんな訳で僕のエロ本嗜好情報をPray先生に流している妹にそこまで悪感情はない。

 ───でも止めてほしいのだ。

 これは苦渋の決断ではあるが、これから社会で生きてく以上仕方ないことである。妹に性癖を探られる兄とか世間的に宜しくないにも程があるのだ。何より妹メイドものとか買った日には、それを読んで妹から依頼されたPray先生が「へー妹ちゃんの兄貴って妹にエロ本読まれてんの分かってるのにこんなの買っちゃうんだぁ(苦笑)」とかシンキングしちゃうのかと思うと今すぐ首吊りながら腹にナイフ刺して死ねる!何で僕は好きな絵師から妹に性癖暴露する変態みたいな扱いをされらなきゃならないんだ……!

 

 と、そんなこんなもあって。

 

「被告、稲川祈」

「え、なにお兄ちゃん」

 

 いつも通りエロ本を漁りに僕の部屋に来た妹を捕獲した訳である。

 カチャリ、と念の為にドアの鍵を閉める。これで親父もお袋もこの空間の会話を聞くことはない。

 

「え、やだ。もしかしてご注文はレ◯◯ですか?にされちゃうの私!?」

「僕の買った同人誌をさも如何わしい動詞みたいに言うの止めてもらえませんかね!?」

 

 確かにR18エロ同人だけどさ!言って良いことと悪いことがあると思うんだぼかぁ!

 でもこうして妹の妄想が爆発するのは日常茶飯事、こうなった妹の処理だって兄として何度も熟している。

 

「祈、ここにプリンが1つある」

「うん」

「食べるか?」

「やったぁ!」

 

 バカめ。

 ベリベリベリッ!とドップラー現象が起きそうなほど素早い身のこなしでラベルを剥がしてスプーンを手に取り一口目を口に入れる。

 ───よし。

 

「さぁて、食ったな?」

「……!?ふぅっ!ふぇはぁひ!」

「飲み込んでから話そうな?」

 

 ンンッ、と我が妹ながら無駄に艶やかな声を出しながら妹はプリンを喉の奥へと流し込んだ。

 

「プリンに罪は無いよお兄ちゃん!」

「……いきなりどうした愚妹よ」

 

 まさかこの年で頭がおかしくなったのか?とか思っていると、妹は更に続ける。

 

「だってお兄ちゃん、プリンを食べた私にこの後何か要求する気でしょ!エッチなの!」

「するよ!?するけどエッチではねえよ!」

「でも食べたプリンに罪はないと思うの!つまりプリンを摂取した私も罪はないと思う!Q.E.D!」

「ドヤ顔で言われても意味分からねえよこのアホ!」

 

 したり顔の妹に思わず僕の右手が勢い良く滑り、これまた良い感じに妹の後頭部と接触した。「あいたっ!」と呻く妹にほんのり腹がスッキリした。

 

「……仕方がない。この妹、稲川祈!お兄ちゃんの要求をエッチな事を含めて聞いてあげようじゃないか!」

 

 そう言ってドンと来いとばかりに装甲値1くらいしかなさそうな薄い胸を張る。

 非常にムカつく口ぶりだが、僕も鬼じゃない。二度目のチョップは見逃してやろう。

 

「なら単刀直入に聞いてやろうじゃないか。祈、お前Pray先生と知り合いだよな?」

「……な、なんのことかさっぱ林檎〜」

「何だその売れない芸人みたいな語尾」

「ぷ、Prayセンセー?赤ペン先生の仲間?」

「進研ゼ◯じゃねえよ」

 

 あくまでもしらばっくれるつもらしい。

 でも今回は僕だって本気だ。逃がす気はない。

 

「なあ、プリン食ったよな?ならキリキリ吐けや」

「お兄ちゃん怖いよ!歌舞伎町を闊歩してるヤクザかってくらい怖いよ!」

「妹よ、Pray先生について吐くかエンコ詰めるか選べや」

「プリン食べたくらいで私小指切らなきゃいけないの!?」

 

 と、妹はプルプル子鹿みたいに震えだしたかと思えば何を思いついたのかドヤ顔になった。

 

「ってお兄ちゃんがそんなことするわけないじゃん!」

「え?」

「だってグロ全般無理じゃん!私よりも無理じゃん!雑魚じゃん!」

「は!?お前よりは全然見れるっつ〜の!グロ映画なんてハンバーグ食いながらでも見れるわ!」

「何イキって言っちゃってんのお兄ちゃんの癖に!私ならグロ映画見ながら!二郎が食べれる!」

「言ったな妹!なら今から検証してやるよ、夜出歩けなくなるくらい怖い映画選んでやる」

「望むところだよ!お兄ちゃんこそ震えて布団の中に隠れないでよね!先に戻した方が負けだよ!」

 

 と、何かを忘れている気がするがともかく、僕と妹は家にあった油そばを食いながらグロホラー映画を見ることに相成った。

 その後、互いに気持ち悪くなってトイレの占領合戦となったのは言うまでもない。売り言葉に買い言葉って、ダメ。絶対。

 

 

 

 

 

────────────────

 

 

 

 

 

 忘れてた。

 なぜ僕が昨日妹を自室に連れ込んで施錠したのかと言えば、ホラー映画を見ながら二人揃って仲良くゲロを吐くためじゃない。吐かせるのはPray先生の情報であって吐瀉物ではない。

 とは言え、真正面から行くのは無理そうなのが今回の作戦で分かった。クッソ下手な誤魔化しだったけど、露骨に永遠と続けてきそうな雰囲気があの妹にはあった。

 僕はPDCAが回せる男なのだ。ちゃんとこういうときの為に代替案だってある。

 

───────今僕は白昼堂々と、妹の部屋に侵入している。

 そもそも向こうだって毎日のように僕の部屋に入り浸っているのだ。これでおあいこだろう。

 

 さてさて、何があるかな〜と早速辺りを物色してみる。

 壁にかかったアニメポスターの裏をペラリと何の気なしに捲ってみる。流石に壁に何か穴を開けて隠しているとか、そこまでキチガイな行為はしてないようだ。

 しっかし、引き出しを開けるたびにアニメグッズが出てくるわ出てくるわ。何処からこんなに買うお金が湧いてくるのか。

 

「ん〜、Pray先生との連絡に関するものに出てくればなぁ」

 

 思わず呟く。

 手紙とかハガキとか……連絡手段として流石にアナログ過ぎるか。

 ……そうか、スマホか!

 僕は妹のきったない机の上に投げ捨てられていたスマホを手に取る。

 ……クッソ!小賢しくパスワードロックなんて掛けてやがるあのイモウトォ!

 

 試しに何度か開けようとしてみるけど開く気配はない。

 仕方ない、スマホは今度妹が操作してるところを盗み見るとして。

 次にここか、と僕が本棚を調べていると扉の外から近づいてくる声が聞こえた。

 

「スマホスマホ〜」

 

 マズイ。流石に侵入してるのがバレるのは駄目だ。

 咄嗟の身のこなしでベッドの下に潜り込む。

 その一秒後、ガチャリと扉の開く音が響いた。

 

「私、参!上!」

 

 一人で何やってんだこの妹。最近妹の行く末が心配だよお兄ちゃんは。

 

「ん……?なんかベッドの下にいる?」

 

 もしかしてハム太郎?と呟く妹。違います、貴方のお兄ちゃんです。

 それにしてもこのベットの下、ヤケに狭い。身じろぎする度何かとガチャガチャぶつかる。

 

「ん〜容疑者に告げる〜。これからベッドの下覗きますからね〜」

 

 思わず僕は顔の横にあった何かを確認しようとスマホのライトで照らしてみる。

 ───映ったのは、白骨となった人間の頭蓋骨。

 

「うわぁぁぁぁぁぁ!?」

「ぎにゃあぁぁぁぁぁぁ!?」

 

 そこからの記憶は鮮明ではない。

 ただ一つ、「これからは私の部屋入るの禁止!」と妹が告げたことだけは確かだった。

 

 




評価三件くらい来たら続けようかなという気持ちはあります(適当)

PS.マジで来ちゃったよ……
続きます。
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