僕の買ってきたエロ本を題材に妹が絵を描いているらしい 作:謎のミンティア妹味
ありがとうございます。
我が不出来な妹、稲川祈は非常に不出来な妹である。不出来が準備運動して全力疾走し始めたと言っても過言ではないくらい不出来だ。兄の目から見ても可愛いけど中身は無敵 of the 不出来。何回不出来と言っても間違いは一欠片も無いくらいには不出来だった。
そんな妹は今日も元気に僕の部屋でガサゴソと何かを探していた。
「あった!お兄ちゃん、最近の嗜好はロリ貧乳姪っ子ものだね〜にへへへ」
「だから僕の部屋来て、いの一番にベッドの下を探るなって!そこはデリケートゾーンなの!触られると社会的に死ぬの僕!」
「デリケートなら優しく触れば問題ないね!」
「扱い方の問題じゃねえよ!」
あ〜もう。頭に来た。
僕は依然下を覗き込む妹に手刀を叩き込むと、「ギャオス!」とモン○ンに出てくる恐竜みたいな悲鳴を上げながら蹲った。
これぞ正義の鉄槌。
「痛いよ〜それが健全な妹に対する兄の態度なの!?」
「中学生でエロ本ハンターしてるお前のどこが健全だ!?不健全だよ不健全!R指定だよ!」
「Hey!やってきたぜ兄の私室 驚天動地だヤツの事実 タメよりロリータお前の嗜好 ご覧の通りだお前の恥行」
「
もう一回チョップしてやる。
あいたぁ!と呻く妹に、僕は頭を抑えて溜息をつく。
どうしてこんな妹に育ってしまったのだろう。
思えば、小学生の頃は天然素材で作られたみたいに純真爛漫だった。
ある時は「ねえねえお兄ちゃんこれ何?」と川辺で拾ってきたエロ本を見せてきたり。
ある時は「これってどうやって見るの?」と川辺で拾ってきたエロビデオのDVDを不思議そうに掲げたり。
ある時は「このお兄ちゃん気持ちいい?」と川辺で拾ってきたマゾ向けエロ雑誌を食い気味で凝視したり。
アレ、思い返すと妹がアダルト系の何かしらを僕に持ってきた記憶しかない。
純真な妹は何処へ行ったのか。画面の向こう側へ旅立ってしまったのか。
眉間を抑えながらまた溜息を一つすると、クイクイと裾を引っ張られる。
「お兄ちゃん、0〜10でどれが好き?」
「なにそれ。意味分からないけど」
「いいから、いいから」
「じゃあ9」
「A、B、C、D…………Iカップが好きなんだね!って痛い!痛いから無言でチョップしないで!」
なんでおっぱいの話になるんだ。どういう思考回路してんのこの妹は。将来どころか学校生活とかも心配になってくるレベル。
「お兄ちゃんさっきから私のこと叩いてばっか!あ、分かった!頭を叩いて私のことを残念な女の子にする気なんだね?ちっちっち、だけどそうは問屋が卸さないよ?」
「こういう時だから言うけどお兄ちゃんは頭なんて叩く必要もないくらい祈はアホだと思います」
「酷い!誹謗中傷だよ!名誉毀損だよ!妹権侵害だよ!さてさて、かくなる上は出るとこ出てもらおうか?」
「そんな言葉だけで僕が屈するとでも
───いやごめん。ごめんなさい。ごめんだからその本をリビングに持ってこうとするのやめて。マジごめんって」
銀髪ロリ貧乳姪っ子ものの同人誌はヤバいって……!
親バレなんかされたら明白に僕の家庭内での地位が木っ端微塵になる……!
外聞も無く謝っていると満足したようで、妹は無い胸を張ると唇を弧に曲げた。
「バラされたくない?ねえねえバラされたくない?」
「ぐぬぬぬぬぬ……」
チラチラと僕と手に持った同人誌に視線を送る妹に、僕は無力だった。
「分かった!手を打とう。何をすれば良いんだ妹よ」
「そうだなぁ……じゃあ一緒にお風呂入る?」
「それは無理だ。まるで僕がシスコンみたいじゃないか」
「え〜。実質シスコンじゃん、違うの?」
遺憾である。
僕はノーマルだし、妹に彼女が出来ても笑って見送れるくらいには健常を持ってるつもりなのに。
「とにかく。もっと世間体の良い頼み事にしてくれ」
「んじゃあ、髪の毛洗いっこしよ」
「難易度上がってるから。風呂入ってる前提になっちゃってるから」
「なら風呂入らなきゃ良いんだよね?」
えっ。
そんな訳で善は急げと言わんばかりに僕は現在、妹の髪を洗っている。真正面に座る妹は僕の髪を洗っている……水着で。
これって風呂に入ってると言うんじゃないか?という確かな疑問は瞼まで垂れてきた洗剤の含まれた水滴のせいで霧散される。確かにシャワーだけども、浴槽には入ってないけども。
というか雑!
洗い方雑じゃない妹よ!
もっと丁寧にしてくれ頼むから。
洗剤が口に入ったら嫌だから口を開くことは出来ないし、目を開けることだって恐る恐るだ。
手をワシャワシャ動かしながら髪を撫でてやると、少し気持ち良さそうに妹は目を細めた。
犬だ。
完璧に大型犬のそれだ。
僕は今大型犬の雌を洗うブリーダーなのだ。
妹のスクール水着に何かしらの作為を感じつつも手を動かす。
僕とは違い肩まで掛かった妹の髪を洗うのは大変だ。
しかも互いに正面で向き合って洗ってるから背後に手を持って行って後ろ髪を洗うのが非常に非常に面倒くさい。
時折「あっ、んっ」とか意味もなく妹から出ている艶やかな声を除いて、互いに無言ながらキリキリと髪を洗う。
何なんだこの光景。
身体の方がまだやりやすかったろうに、何で髪の毛なんだ。何で洗いっこなんだ。片方ずつやればもっと楽でしょ。
そんな文句は横に置いといて、僕は温水シャワーを妹の頭にブッ掛ける。
「キャッ〜。お兄ちゃんのえっち〜」
「何でそうなるんだ……。良いけど目と口は閉じててよ?水入るからね」
「は〜い」
指で梳くように妹の髪の洗剤を落としていく。
こうしているとなんだか幼少期を思いだすね。
まだ妹が小学低学年くらいの頃はこうして一緒に風呂に入ったものだ。勿論水着なんて無しのすっぽんぽんで。
あの頃は互いに羞恥心なんて無かったから別に何食わぬ顔で洗っことかしたよなぁ。
……アレ、そういやいつから僕は妹と風呂に入らなくなったんだっけ。
思い出せばそれほど昔じゃないはず、多分僕が高校受験する前くらいの年だったような。
その時も妹は「お兄ちゃん、そろそろ入ろ?」と普通に誘ってきたし僕も違和感無く頷いた。
だけど僕はその時初めて気付いたんだ。
風呂に入ってる時の妹は、かなりの頻度で。
───チ○コを、凝視していた。
「………はっ!」
妹にシャンプーを落とされている最中に思い出した僕は、閉じていた眼を開けすかさず妹の目を見る。
……駄目だ、見えない。
僕の座高が高いのもあって妹は立ち上がって、上半身をくの字に曲げながら髪の毛に温水を当てていた。
その為に僕の視界に広がるのは妹の胸元だけで。
しかし、胸元から背中にかけて何故か一回りぽこりとしてるのは何でだろう。まるでタオルかなんかを水着の下で巻いてるような。
いや、そんなことより!
猛烈に今、僕は身の危険を感じてる!
「ふんふふ〜んふ〜ん。いっちばんデカイの北海道〜。お兄ちゃんのアッレもデッカイどう〜」
ほらやっぱり嫌な予感は当たりじゃんクソ!
この妹、やっぱダメだ。
何が駄目って言動思考その他その全てがダメだ。
粗方シャンプーを洗い落として妹がシャワーヘッドを壁に掛けるのを確認して、僕は口を開く。
「妹よ」
「なになに〜お兄ちゃん。もしかして興奮した?しちゃった?」
「してねえよ。しても絶対に言わねえよ。それよりさ、今お前の視線どこに行ってるか優しいお兄ちゃんに教えてもらえるか?」
「え?亀○。あと○茎」
「あのさ、お兄ちゃんもっと羞恥心とか持った方が良いと思うんだ」
「羞恥心ならあるよ?おっぱい見られたら「あ、はずかちっ」って思うし、それにお腹壊してトイレ籠もってる最中に鍵ピッキングされてドア開けられたら私だって顔が信号機みたいに赤くなっちゃうよ?」
「……その件はホントごめんって。あの時は好奇心旺盛だったんだ」
ホント、次からは誰もいない時にやってよね?とニコニコしながら妹は言った。誰も居なかったら鍵掛かってないけどね。
まあ趣味がピッキングだから仕方ない。
「反省してるならその印欲しいんだよね〜誠意っていうの?見せてほしいな〜。主にその水着の下のブツについて詳しく知りたいな〜」
「見せるか!」
にへらと笑う妹に僕は今日何回目かも分からない溜息を溢した。
本作はポテチ感覚で読める小説を目指してます。