漫才師が異世界に転生しましたよ!【声劇台本】   作:くるしみまし

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テンポよく読むと面白い台本だと思います


漫才師が異世界に転生しましたよ!

登場人物:

ともひさ(A):

けんじ(B):

神・N::

天子・ダズリー(謎の大男):

 

 

 

 

 

 

A「ここは異世界……私たちが一般的に認識している世界、ここでは【実世界】とでも呼ぶか。【実世界】とは常識というタグを根本からかけ違えてしまった異端。それが俺たちが飛ばされてきた異世界……名付けて【アーク・マギア・クロスマジョリティ・ニューエンシェント・トゥーンワールド・パンドラ・ウォルトディズ……」

 

B「なげぇぇぇえええ!!」

 

A「いってぇ!いきなり人の頭ひっぱたいちゃいけませんって数学の時間で習わなかったのかよ!」

 

B「いや、数学でそんなこと習うわけないだろ…そうじゃなくて、異世界の名前が長すぎるわ!」

 

A「はあ?かっこいいと思った単語全部入れた結果なんだから仕方ないだろ」

 

B「【実世界】が端的すぎてグレード落ちてるみたいで虚しいわ!それに何!?途中の単語も直訳で新しい古で矛盾してるとか、遊〇王カード出てきたりとかツッコミどころが多すぎたけど…最後お前言ってはいけない人出そうとしたろ!」

 

A「ヴォルデモート?」

 

B「それはそれで名前を言ってはいけない人だけど……いや、そうじゃなくて……ほら……ウォルトなんとかって……」

 

A「ハハッ!言いたいことがあるならハッキリ言いなよ!(甲高い声で)」

 

B「ハァ……お前と話してたら疲れるわ…よくこんな状況でそんなボケられるな。」

 

A「あはは!これでも一応プロの漫才師だからな。普段と違う舞台だからって口数減るような稽古はしてないよ。そう言うお前こそいつも通りのツッコミのキレじゃんか。」

 

B「まあ……おれだってプロだしな。それに腹立たしいことだけど、お前に突っ込むのは最早反射で勝手に出るから仕方ないんだよ。」

 

A「ははは!いや流石おれが見込んだ男なだけはある!…………なあ?」

 

B「あ?今度は何だよ?」

 

A「……強がったのはいいけど、正直なこと言っていいか?」

 

B「あー……多分俺も同じこと考えてる。」

 

A「ここはいったいどこで……」

 

B「俺たちはこれから……」

 

A・B「どうしたらいいんだ………」

 

Aマインド「俺たちはひょんなことから異世界に飛ばされて,ドラゴンや謎の獣の声に囲まれた森の中で途方に暮れていた」

 

ーーーーーーーー間ーーーーーーーーー

 

N「この世界は彼らの言っていたような【アーク・マギア(以下略)】などという名前では無い。真の名を『イブ』。いや、まあこれはワシが勝手につけたのじゃが……。何はともあれ、まずは彼らが『イブ』に飛ばされてしまった経緯について語るとしよう。時は少し遡り、舞台は彼らの【実世界】……ではなく、神々の住まう天界に………」

 

ーーーーーーーー間ーーーーーーーーー

 

神「そう!ワシが神じゃ!!」

 

天使「貴方はいったい誰に名乗りを上げたんですか……?」

 

神「ん?天使お前…そぉんな小さいことを気にしていたら将来ハゲるぞ?名乗った方がスムーズな展開になるってワシが思った。それだけじゃ。あ、物語の展開とワシらのいる天界をかけたわけじゃ無いからあしからず」

 

天使「は、はあ…そうですか。」

 

神「ぬぅ……」

 

天使「どうしたんですか?急にそんな酷く不細工な表情を浮かべて」

 

神「うるさいわ!……ここの奴らは非常につまらん」

 

天使「はあ、そうですか」

 

神「それじゃぁ!!」

 

天使「急に大きな声出さないでください。轢き殺しますよ。」

 

神「あ、ごめんなさい……じゃなくて!お前らのそう言う冷めた反応がつまらんと言ってるのじゃ!もっとこう…日本の漫才の様に色々ツッコミというものがあるじゃろ!」

 

天使「ツッコミ……ですか。例えばどんなものです?」

 

神「た、例えば?…えっと、なんでやねん!とか、お前はサムギョプサルか!とか…かの?」

 

天使「とりあえず貴方にセンスがないことだけは分かりました」

 

神「無慈悲!この鬼!」

 

天使「天使です。……はあ、今貴方はそれどころでは無いと言うことを自覚していますか?」

 

神「へ?……あー…あれのことか」

 

天使「はい。貴方が作った世界『イブ』のことです。今『イブ』がどう言う状況か分かってないとは言わせませんよ?」

 

神「どう言う状況だったかのぉ……」

 

天使「遠い目をしてもダメです…今あの世界は一言で言うなら「爆発寸前」ですよ。貴方が面白そうと言う理由だけで様々な多種族を1つの世界に纏めたせいで、多種同士の価値観のなすり付け合いが止まらず不満が募り、いつ大規模な戦争が起こってもおかしく無い状態です。」

 

神「そんなことは分かっておる……とは言ったものの、どうしたものか。」

 

天使「作ったからにはどうにかしてくださいよ……貴方が直接関与しなければ基本的には何をしても良いのですから。天界から使者を送るなりして…」

 

神「ここの奴らをあの世界に送ったら全種族殲滅しかねんわ。却下じゃ」

 

天使「まあ否定はしません……後始末が面倒にならなければなんでもいいんですよ。先程言っていた漫才で笑わせて和ませるでもなんでもいいんですよ。まあ勿論ジョークですg」

 

神「……いい案じゃな」

 

天使「え?」

 

神「確かにあの世界には笑顔が足らん。それを考慮した上でお笑いという選択肢を取るとは....やるではないか天使」

 

天使「あの、ジョーク、あの」

 

神「そうじゃな!ジョークは大切だ!そうとなったら早速人員探しじゃぁ!!」

 

天使「しまった……!まさかジョークをジョークと取られないとは…こんなことなら普段からもうすこしジョークを言っておくんだった。し、しかしそう簡単に人員が見つかるはずが……」

 

〜下界にて〜

 

B「いやぁ遅れてしまった。申し訳ない」

 

A「いや、ほんとに遅いよ。母さんも部屋で...あの...あれを長くして待ってる。」

 

B「首を?」

 

A「いや耳」

 

B「エルフやないか!」

 

神「君に決めたああああああ!」

 

天使「な、なにぃ!?」

 

 

ーーーーーーー間ーーーーーーー

 

 

天使N「こうして神に目をつけられてしまった漫才師のボケ担当『加藤 ともひさ』・ツッコミ担当『伊藤 けんじ』。この後面接とか色々ゴタゴタがあったのは今後説明するとしよう……そして時間は先ほどの二人に追いつく」

 

 

ーーーーーーー間ーーーーーーー

 

ともひさ(A)・けんじ(B)「どうしたらいいんだ……」

 

けんじ「……とにかくだ。こんなところにずっと留まっててもしょうがないし、移動しよう。ここにいたらいったいどんな化け物に襲われるか分かんないからな。」

 

ともひさ「賛成〜。俺だってこんなところで野垂れ死にたくないしな。それに、襲われるんだったらボインで美人な姉ちゃんにいただかれたいもんだわ。」

 

けんじ「そのボインで美人な姉ちゃんに骨までいただかれちゃう訳だな。」

 

ともひさ「ははは!お前なぁ……いや、それもありっちゃありだな。」

 

けんじ「今までありがとうな。お前と組んでる間そこそこ楽しかったぜ。ただ、俺お前とは価値観が違うみたいだからそろそろ解散……」

 

ともひさ「まってぇ!?ここでお前に見放されたら俺この世界で一人ぼっちだからやめてぇ!」

 

けんじ「ははは。それだけ元気なら大丈夫だろ?」

 

ともひさ「お、お前なぁ……はあ、移動するにしても当てはあるのか?」

 

けんじ「ああ、それならあの神とか名乗ってた人から貰った地図がここにあるぞ」

 

神「説明しよう!この地図は今自分が向いてる方向や、近場の村や町の場所がなんやかんや分かる地図である!なおこの声は二人には聞こえていないゾォ!」

 

ともひさ「とりあえずどこへ向かうんだ?」

 

けんじ「んー。なんやかんや近場の村の位置が分かったからそこに行こうと思うんだけど。」

 

ともひさ「なんやかんやって……そんな適当で大丈夫なのか?」

 

けんじ「いまはこれにしか頼れないし仕方ないだろ?ほら行くぞ。」

 

ともひさ「えー。こいつ急に仕切り出したんだけど…おまえあれだな?普段物静かなのに文化祭とか体育祭で急に仕切り出すタイプの」

 

けんじ「やっぱりお前とは価値観が違うみたいだな!俺もう行くからお前も1人で頑張れよ!」

 

ともひさ「ごめんじゃぁあん!?ジョークだから!俺を一人にしないデェ!あたしを捨てないデェ!貴方好みになって見せるカラァ!」

 

けんじ「色っぽい声で彼氏に振られためんどくさい女みたいなこと言いながら走ってくるんじゃねぇ!」

 

ともひさ「んー……今のツッコミは少し長すぎるからもう少し端的に纏めたほうがいいんじゃ無いか?」

 

けんじ「確かに少し長いからテンポ悪くなる……って今は漫才の反省してる場合じゃ無いわ!ってなんだこいつ気持ち悪りぃ!」

 

ともひさ「いや!お前が走るのやめないから俺止まったら置いて行かれるんだけど!?あと後ろ振り向いてすぐキモいは酷くね!?」

 

けんじ「それもそうだな!」

 

ともひさ「ハッ……ハッ……ハッ……いや、止まれぇ!?それもそうかって言うんだったらせめて足を止めろぉ!?確かに最近のツッコミはボケもこなせなきゃいけないけど、すっとぼけすぎだし、ここまで肉体張るのはコントでもなかなかやらねぇぞ!」

 

けんじ「……………………」

 

ともひさ「………………お前さては俺が嫌いだな!今度は無視なのか!イジメはカッコ悪いんだぞ!あなたのことイジメをする様な子に育てた覚え私無いわよ!?私悲しい!」

 

けんじ「……黙って走れ」

 

ともひさ「え?あの…本当に何か気に触る様なことしたかな?それだったら俺も一回ちゃんと話し合いたいからさ。お前がいったい何を感じているのか俺に聞かせてく…」

 

けんじ「うるせえええええええ!黙って走りやがれ!もしくは後ろ見ろ!」

 

ともひさ「あ?後ろ?……なぁんだ。豚ヅラの全身緑で筋骨隆々な大柄パンイチ男が全力で追いかけてきてるだけ…ってなんだこいつ気持ち悪りぃ!」

 

けんじ「だから走れって言ってんだよバカ!それとも何か!?あいつに捕まってケツを掘り殺されるのがお望みなら足を止めるんだな!」

 

ともひさ「い、いやだあああああ!童貞よりも先に処女を失うのは嫌だああああ!」

 

けんじ「え、お前童貞だったの?」

 

ともひさ「えぇ!今そこに食いつく!?童貞だよ悪いか!?」

 

けんじ「そうだったんだな……なんか今まで辛く当たっててごめんな?」

 

ともひさ「哀れんだ目で見るんじゃねぇ!?あったまきた!これでも食いやがれ!」

 

けんじ「ぬぅおわ!お前今俺の靴のかかと踏みやがったな!うわあああ!!さっきよりも不細工が間近に!?」

 

ともひさ「ははは!中古品は俺のために生贄になるが良い!」

 

けんじ「誰が中古品だ馬鹿野郎!?お前なんて売れ残りだろうが!」

 

ともひさ「言ったなぁ!?」

 

けんじ「やんのか!?」

 

緑の大男「グウオオオオオオオオ!!!」

 

ともひさ・けんじ「ぎゃあああああああああああ!!…………え?」

 

N「二人に緑の大男が追いつき右手を突き出す。そしてその手の先を見ると白い小袋が握られていた。二人はこれが神と名乗っていたものから預けられていた袋だと思い出す。」

 

けんじ「あ、走ってるうちに落としてたのか……もしかして俺たちに渡そうと思って追いかけてたんじゃ無いか?」

 

ともひさ「え、まじかよ……こんな見た目していい人なのか?」

 

N「ともひさが恐る恐る手を伸ばすとすんなりと袋を手渡してくれた。それどころか大男は受け取ったのを確認するといい笑顔で親指を立てる」

 

ともひさ「いい人……イケメン!好き!抱いて!やっぱりブサイクごめんなさい!」

 

けんじ「失礼だろ!あ、あの、ありがとうございます。すみません勘違いして逃げ出してしまい」

 

ともひさ「いやこの風貌に追われたらマイクタイソンだって裸足で逃げ出すわ」

 

けんじ「この世界で通じないボケを出すな。と言うかお前は黙ってろ」

 

謎の大男「(なんか適当に意味不明な言語で)」

 

けんじ「しまったな……もしかして言語が違うのか。何言ってるか全然分からん…」

 

ともひさ「ここは英検4級の俺に任せな」

 

けんじ「うん。英検4級って大したことない上に、そもそも英語じゃないから……とは言ったもののどうしたものか……神から貰った袋の中で何か役立ちそうなものあるか?」

 

ともひさ「えっと……この中に役立ちそうなもの?そんな簡単に何か出てくるわけが……あ」

 

けんじ「お?何かあったか?」

 

ともひさ「なぁんだいのびたくん。言葉が通じなくて困ってるってぇ?」

 

けんじ「けんじです。何急にモノマネなんか始めてるんだよ。」

 

ともひさ「そんな時はこれを使いなよぉ。タララッタッタラ〜♪」

 

けんじ「……なんだそれ」

 

ともひさ「ほーんーやーくーかーんーてーんー」

 

けんじ「お前ふざけるのも大概にモゴォッ!?」

 

ともひさ「まあまあ。どうせ二つあるんだし騙されたと思って食ってみようぜ。あーむ。ん!結構いけるな」

 

けんじ「ゴホッゲホッ!お前急に何するんだよ!?」

 

謎の大男「あ、あの……大丈夫ですか?」

 

けんじ「きええええええ!喋ったああああああ!?」

 

ともひさ「す、すげぇ。まさか本当にほんやくこん●ゃくと同じ効果があるとは…。あの神とか言うの……実は21世紀に生まれた猫型ロボットなんじゃ……あ、でも俺たちが食べるだけでいいんだったら、さりげなくあの青狸より万能だと…」

 

神「説明しよう!二人が食べた寒天は、食べるだけで言語の壁を取り払うことのできる魔法の寒天だぞ!あとワシは猫型ロボットじゃなくて正真正銘の神じゃよ!もちろん二人にこの声は聞こえてないぞ!」

 

謎の大男「あ、お二人の言葉が理解できる。いやぁ。急に走り出した時は驚きましたがこれでやっとお話ができますね。」

 

けんじ「え?あ、ああ。先程は失礼な態度をとってしまい申し訳ありません。いささか気が動転していたもので。」

 

ともひさ「うちの子がご迷惑をかけてしまい申し訳ありません……私もなんでこんな子に育ってしまったのか…うぅ…ごめんなさい!きっと母さんが育て方を間違えたのね!」

 

けんじ「母さん。大丈夫だよ。それ以前に貴方が間違いの塊みたいなものだから」

 

謎の大男「二人は……親子なんですか?」

 

ともひさ「はい。固い絆で結ばれた」

 

けんじ「仕事仲間です!貴方も信じないでください!ええっと…あ、すみません名前をお伺いしても?」

 

ともひさ「人に名前を聞くときは自分からって習わなかったの!?」

 

けんじ「名乗らずボケ倒してるお前が言うな!えーと、私はけんじ。そしてこっちのうるさいのがともひさです」

 

ともひさ「ともひさでーす」

 

謎の大男「ふふふ……いや、あなた方は大変賑やかで面白い。申し遅れました。私はこの近くの村で農家を営んでおるダズリーというものです。」

 

ともひさ「近くの村……けんじ。」

 

けんじ「わかってる。えー、ダズリーさんですか。荷物を拾っていただいてありがとうございます。あの…すみません。私たちはこの辺りの地理や文化に疎いものでして……よければ色々お話を聞かせていただいても?」

 

けんじM(できればなんとか気に入られて衣食住を安定させないとな……。村の人間に出会えたのは運が良かった。)

 

ダズリー「ああ、そういうことでしたか。それでは案内するのでついてきてください。足元が少々荒れているのでお気をつけて。ああ、お荷物お持ちしましょうか?あれだけ走ったのなら疲れたでしょう。」

 

けんじM(行動はイケメンなんだけど…顔がなぁ……)

 

ともひさM(近くの村と四角のブラって韻踏めてるって言おうとしたのに…何勘違いしたんだろう?)

 

 

ーーーーーーー間ーーーーーーー

 

 

天使「あ、あの者たちで本当に大丈夫なんでしょうか?」

 

神「ははははははは!見てて飽きないから良いではないか!」

 

天使「貴方のその無神経さがたまに羨ましくなりますよ」

 

神「お?いまばかにしたな?バカにしたろ?」

 

天使「いいえ、褒めましたよ」

 

神「ぬ?褒めたのか。さすがワシじゃな!わははははははは!」

 

天使「はあ……どうなることやら」

 

神「ところで話は変わるがあのダズリーとかいうのと、お前の声似てね?」

 

天使「メタいこと言わないでください」

 

 

 

➖一話完➖

 

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