壊尽のプリンシパル ─落第騎士の英雄譚─   作:嵐牛

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第42話

 人のいない合宿所の裏手、その外れにある木の陰。日差しを遮る暗がりに溶け込むように有栖院凪はいた。

 日頃の柔和な表情はそこにはない。

 硝子造りの(いばら)のように透き通った鋭さの面持ちで、彼は耳に当てた携帯電話の向こうの声の主と相対している。

 

 『潜入の調子はどうだ』

 

 「順調よ。あたしは既に破軍の主立った生徒から高い信頼を得ているわ。()()()()()()()()()()()()()。後は決行の時を待つだけ」

 

 『そうか……。そう断言できる程の仕事をした所で伝えるのも何だが、1つ伝達する事がある』

 

 「伝達する事?」

 

 

 『作戦が変更された。破軍学園の襲撃は中止。スポンサー直々の判断だ』

 

 

 有栖院の表情に大きな変化はない。

 しかし心を殺すことを生業の1つとする彼が僅かに見開いた瞼が、彼が味わった驚愕の大きさを如実に表している。

 

 「……この土壇場で、ですか」

 

 『ああ。新たにメンバーを加入させたが、その影響で強硬策の実行が困難になったらしい。事の詳細は関知する所ではないが、とはいえやるべき事はそう変わらないそうだ』

 

 「であれば、あたしの潜入は徒労になってしまったようですね」

 

 『安心しろ。上乗せ分としてもそう悪くない額が提示されているし、お前の報酬も問題なく支払われる。お前はそのまま潜入を続けろ。ここで消えても不自然だからな』

 

 「了解」

 

 そして通話は切れた。

 いよいよ作戦の決行まで秒読みという段階になって180度方針が変わるという想定外に、指示された事をやればよい立場の有栖院も流石に裏の事情を勘繰った。

 ────加入させると強硬策が不可能になるメンバーとは? 加入するメンバーの考えがスポンサーの方針と異なっているのか、だとすればそれを『通す』だけの力を、発言力を持っているのか。

 逆に言えば、作戦を変更する事になってでもスカウトするべき、せねばならなかった人物とは────……

 

 (……まさか、ね)

 

 襲撃が無くなったならそれでいい。

 いつも通りを続ければいい。

 今という時間は、まだ壊れない。

 

 「アリス。ここにいたの」

 

 不意にかけられた言葉に振り向くと、そこには彼を探していたらしい黒鉄珠雫がいた。

 

 「あらシズク。どうしたの?」

 

 「どうしたのじゃないわよ、昼食よ。時間になっても戻らないから探しに来たの」

 

 「いけない、もうそんな時間だったかしら。少し休憩のつもりが長引いちゃったわ」

 

 兄らを待たせてはならないと急ぐ珠雫の背中を小走りで追う。

 ───『今』という時間は、まだ壊れない。

 《解放軍(リベリオン)》の暗殺者、《黒の凶手》有栖院凪の表情には、明確な安堵が滲んでいた。

 

 

     ◆

 

 

 月影からの連絡はすぐに来た。

 一真を加えてメンバーを揃えた月影が、近く報道を集めて己の声明を発表するらしい。

 なので今日は他のメンバーとの顔合わせをさせるとの事だ。

 そして一真はいま月影からの指示により警視庁を出て、他のメンバー達が滞在しているホテルを訪れていた。

 フロントに名前を告げ、案内されたフロアへと上がる。秘密裏に準備を進められてきた計画の役者たちが多く拠点としているのだ……どうやら階層ごと貸し切っているらしいのは擬似的な人払いなのだろう。

 しかし………

 

 (明らかにまともな奴がいなさそうなんだよなァ……)

 

 何せ国の在り方を引っくり返す企てに加担させるのだ。新たな学園をでっち上げるにしても、《七星剣武祭》に出場できる年齢という条件下で考えればまずまともな経歴の学生騎士を集めるのは難しいだろう。()()()()()()()()()()()()()()()()()()を集めた方がずっと早くて確実だ。

 そう。

 それこそ、自分のような。

 

 『王峰。事情はどうあれ、これでお前は全ての学園の敵になった。舞台に上がるのなら迷いは断て。たとえ日本の危機だとしても、私はあいつらの純粋な闘志に水を差す気はないからな』

 

 『子供の遊び場を守るんは大人の役割さ。だからカズ坊もこの国を守るため、なんてお題目は忘れて好きに戦いなよぉ。あそこに持ってくのは、自分のエゴ以外にゃ何もいらねえんだからさ』

 

 あの後、2人にはそう言われた。

 自分への気遣いではなく、それは純粋な本心だったのだろう。

 しかし一真はその言葉を素直に受け止められないでいた。

 確かにどの道やるべき事はやらねばならないのだ、その結果一輝や刀華との約束を果たすチャンスが巡ってくるならこれは僥倖と言える。

 ───しかし、それでいいのか?

 皆の信頼を踏みにじってまでエゴを通して大悪党に成り下がった自分が、こんな裏道めいた方法で舞台に上がって「約束は守った」なんて───それで彼らに胸を張れるのか?

 

 結局のところ一真は、自分は舞台に上がる資格はないという思いから抜け出せないでいた。

 

 「来たようだね」

 

 「ええ。警察職員の視線が痛かったですが」

 

 「こっちだ。既に皆揃っているよ」

 

 月影の背中についていくと、その先には大きな扉があった。どうやらパーティーホールのようだ、そこに月影が手ずから集めた者たちが待っているらしい。

 ───いよいよ対面だ。

 仲良くなれるかな? なんて馬鹿みたいな心配はしていないが、少なくともコミュニケーション位は取れるような人間がいてほしい。

 これから共闘せねばならないのだから。

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 月影が装飾の施された両開きの扉を開ける。

 その途端、いくつもの目線が一真へと一斉に突き刺さった。

 注意。警戒。あるいは好奇。

 ある種の圧力すら伴って自分に向けられたそれらの主たちを、一真はゆっくりと見回した。

 

 夏だというのにモコモコと防寒具を着込んだ、凶暴な目元と口元を張り付けた少女。

 

 トップレスにそのまま絵の具まみれのエプロンを着けた、ステラを上回りそうなプロポーションを持つ女。

 

 和服の下からでも尋常でないとわかる身体の、黒髪を伸ばした目付きの鋭い偉丈夫。

 

 黒いゴシックロリータのドレスに身を包む、メイドを横に従えた眼帯の少女。

 

 長い睫毛の下で蒼い瞳を揺らす、少女のような顔立ちの少年。

 

 興味深げな仕草でじろじろと見回してくる、仮面を着けた道化師の衣装を着た男。

 

 総勢6人。

 純粋な圧力、突き刺すような鋭さ、得体の知れない不気味さ……纏う空気に個々のバラつきはあるものの、その全員が曲者だろう事は用意に想像がつく。

 特に和服の男は他のメンバーと比べても頭数個ほど飛び抜けている。この男1人だけで恐らくは代表選手の8割9割は薙ぎ払えるだろう。

 国のトップが己の人脈を駆使して集めた強者たち、その謳い文句に偽りは無さそうだ。

 

 ただ……

 どいつもこいつも………

 何というか……

 こう…………

 

 口元に薄く笑みを浮かべながら、月影は背後で立ち尽くしている一真に問う。

 

 「1人は別件でここにはいないが、君の目から見てどうかね。他の代表選手と比べても決して劣らぬと思うが」

 

 「………個性の多重事故って感じですかね……」

 

 ……これコミュニケーション無理そうかな………?

 世界に1つだけあれば充分な花がわんさか生えている様を前に、身長2メートル30センチ強のテロリストは軽く諦めの境地を垣間見ていた。

 

 

     ◆

 

 

 「あー……王峰一真だ。1つよろしく」

 

 月影に促され、一真は雑に自己紹介をした。

 しかし向こうからの反応はなく、値踏みするような目線が続く。もう少し何か喋るべきだったかと言葉を続けようとした時、2人の少女が近付いてきた。

 ゴスロリ衣装の少女と、その側に控えているメイドだ。

 

 「ほう。貴様が新たな同盟者か」

 

 にぃ、と芝居がかった仕草で笑い、彼女は瀟洒(しょうしゃ)な長手袋に包まれた手を差し出してきた。

 

 「我は爪牙を統べし(けだもの)の王、《魔獣使い(ビーストテイマー)》───仮初めの名を風祭(かざまつり)凛奈(りんな)。隣に在るは我が忠実なる従者シャルロット・コルデー。歓迎しようぞ《巨神の鉄槌(タイタンズハンマー)》………我と(くつわ)を並べるその栄誉、とくと噛み締めるが良い!」

 

 「お嬢様は『私風祭凛奈って言うんだ!こっちは私のメイドのシャルロット!よろしくね!』と申し上げております」

 

 「……おう。よろしく」

 

 1番世界観がわからない奴が1番友好的だった。

 差し出された握り潰してしまいそうなサイズ差の手のひらを取り握手を結ぶ。その際にメイドの視線に混ざった殺意と急に付けられた2つ名はもう気にしない事にした。

 《蹄鉄の暴王(カリギュラ)》よりかは穏当だが今後ずっとそれで呼ばれ続けるのだろうか?

 シャルロットの妬ましげな顔から顔を背けた先で、じっとこちらを見つめてくる裸エプロンと目が合った。

 

 「……サラ・ブラッドリリー。よろしく」

 

 「フフフっ、平賀(ひらが)冷泉(れいせん)と申します。王峰一真────《蹄鉄の暴王(カリギュラ)》さん、()()()()()()()

 

 頭の先から爪先まで検分するようなサラの視線を受けて一真は思わず身を(よじ)った。

 何と言うのだろう、視線の内に興味というか、ある種の(へき)が含まれているように感じたのだ。

 発音の1つ1つに全てを嘲笑するような響きを持つ、大仰な仕草で一礼するピエロは無視した。コイツは根本が合わないと直感が言っている。

 そしてその横にいた少女のような顔立ちの少年を見下ろして───思わず、身体の動きを止めた。

 

 「お前は………」

 

 「でっかいなぁ……。あ、僕()()(みや)天音(あまね)っていうんだ。よろしく。……どうしたの?」

 

 「……いや、別に。よろしくな」

 

 顔に何か付いてた? と自分の顔をペタペタ触る天音だが、一真は明確な答えを返さなかった。

 言葉を濁されたせいで不安になったのだろう、ねえちょっと何!? と腕を引っ張ってくる天音の手を優しく外し、一真はさっきから刺々しい視線を向けてきている防寒具の女を見る。

 お前は誰だと無言で促され、ケッ、と口を鳴らして彼女はようやく自分の名前を名乗った。

 

 「多々良(たたら)幽衣(ゆい)。……とでも呼んどけ」

 

 「……『仮初めの名云々(うんぬん)』って奴か?」

 

 「一緒にすんなド阿呆! ホイホイ本名晒す殺し屋がどこにいんだよ!」

 

 それもそうかと納得してしまうと同時に、やはり裏稼業の集まりなのかと一真は肩を落とした。

 なお多々良の態度が刺々しいのは一真の加入により破軍学園への襲撃が流れて暴れる機会が遠退いたからなのだが、それを一真が知る由もない。

 改めて落ちる所まで落ちたのだなと我が身を嗤う彼の背中を────

 

 直後に戦慄が走り抜けた。

 

 「……破軍の制服。《蹄鉄の暴王(カリギュラ)》」

 

 低い呟きが後ろから聞こえた。

 そこにいるのは黒髪を伸ばした和服姿の男。

 背中を撫でるような圧力に、一真は眼光を研いで振り返る。

 そうだ───経験した事がある。 

 嵐の直前には、()()()()()()()()()()

 

 「───平賀。貴様の言っていた《紅蓮の皇女》に並ぶ人間とはこの男か」

 

 気付けばその手には野太刀が握られていた。

 男を中心に漏れ出す()に煽られて天井の照明が揺れ、テーブルクロスがはためく。

 一触即発の気配にそれぞれが『最悪』に備える中、月影は厳しい表情で彼らを止めようとする。

 

 「()()()。この場所で危険な行動は謹んで───」

 

 「ええ、ええ、その通りです。ですがしかし困りましたねぇ、物騒な事になってしまいました。本気の貴方方(あなたがた)を止められる人間などこの場にはいないというのに……!」

 

 がしかし、面白そうに身体を揺する道化師がそれを遮るように状況を煽った。

 その言葉を侮りと感じて口を歪め犬歯を見せる者もいたが、一真は冷静に平賀へ言葉を向ける。

 

 「由比ヶ浜じゃ世話になったな。平賀とやら」

 

 「おや、バレていましたか? いやはや、あの時の姿には御見逸れしました。全てを破壊するあの力、まさに体制の転換には相応しく───」

 

 

 「────()()()()()()()

 

 

 おや、と語るに落ちたのを悟った平賀が仮面越しに口に手を当てる。

 一真としても大した根拠があったのではない。

 自分の素性や実力を知っている事を匂わせるかのような持って回った物言いに、今のように場を引っ掻き回して面白がるような性質。

 加えて堅気(かたぎ)の人間ではなく情報を他者に共有している、つまりこの集団の一員である可能性があるのではないか?

 ………という理由からカマをかけてみたら、見事に当たったという訳だ。

 これは釈明できないと察した道化師が、芝居がかった仕草で自白した。

 

 「フフフっ、これはこれはしてやられてしまいました。いやその通り。新たな人形が完成したタイミングで実力者たちが集まっていると聞き、いてもたってもいられずについ………。

 その節は多大なるご迷惑をお掛けして誠に申し訳」

 

 

 

 消し飛んだ。

 《プリンケプス》に正面から鳩尾(みぞおち)を蹴り抜かれた平賀の身体が、四肢と頭部をその場に残して消滅する。

 平賀の残ったパーツが地面に落ちるよりも、蹴り終わった彼が元の構えに戻る方が圧倒的に早い。

 踏み込んで蹴る、洗練された動作と圧倒的な魔力による強化はその単純な動作を不可視の領域にまで押し上げていた。

 だが。

 

 「………あん?」

 

 『身体が消し飛んだ』という現象に一真は怪訝な声を出した。

 いま彼は《幻想形態》を用いて平賀を蹴った。ならば平賀に傷が付くというのは有り得ない。この形態で破壊できるものは非生物のみなのだから。

 となると、つまり────

 

 

 「……フ、フフ、これは参りました」

 

 

 こういう事だ。

 破断した面から金属の骨組みと樹脂を晒す平賀の首が声を発した。

 平賀冷泉という男など存在しない。『平賀冷泉』という名の人形を、どこかの誰かが操っていただけだ。

 

 「情け無用の躊躇いのなさ、防御すら許さぬ横暴な力……感服致しました………このゲーム、貴方の勝」

 

 ダラダラ喋っていた頭を踏み潰した。最後まで聞いてやる道理がない。

 煙草の火を消すように何度か(にじ)った後、一真はちらりと横を見る。

 

 多々良幽衣が霊装(デバイス)のチェーンソーを一真の首に突き立てていた。

 が、一真に負傷の類いはない。

 破れていないのだ。

 一真が無意識で展開している魔力障壁を。

 

 「仇討ちか?」

 

 「な訳ねェだろ。こんなモン殺られた方が間抜けだ。……だがなァ、舐められっぱなしじゃアタイらの稼業は成り立たねェんだよ……!!」

 

 「……まァ、いいか。作戦に支障が出るような真似をした事に変わりはねえし」

 

 一真は指を3本立てて多々良に見せる。

 

 

 「3発。無抵抗で受けてやる」

 

 

 ───明確に下に見られている。

 多々良幽衣。自らの頭の血管が切れる音を、彼女は久方ぶりに聞いた。

 

 「食い散らかせェっ、《地摺(じず)蜈蚣(むかで)》ェェェええっ!!!」

 

 刃引き無し。

 唸り声を上げるチェーンソーが3回、フルスイングで一真に激突した。

 腹、首、胸、狂いなく急所を断ち切るはずだった刃の鎖はしかし魔力障壁に阻まれ、どれも一真の服を傷付ける事すら出来なかった。

 そして4発目。

 提示された無抵抗の回数を越えてなお振るわれた《地摺(じず)蜈蚣(むかで)》に、一真はとうとう反撃した。

 超高空から飛来する踵落とし。

 平賀に放たれたものと同じように、視認すら危ういその蹴りを────

 

 (馬鹿が、くたばれ!!!)

 

 ─────彼女は、完全に見切っていた。

 

 

 

 

 多々良幽衣。

 伐刀者(ブレイザー)ランクはB、能力は《反射》。

 受け止めた物理的な攻撃を全て相手に跳ね返す障壁、《完全反射(トータルリフレクト)》を得意とする。

 裏稼業として気持ちが熱くなる程に頭を冷たくする術を持つ彼女は、怒ってがむしゃらに攻撃するように見せかけて一真の攻撃を誘っていた。

 自分の力で傷が付けられないのなら、()()()()()()()()()()()()()

 あれ程の力、返されればただでは済まない。

 そうなれば後はどうとでも料理できる。

 

 冷静・冷徹な思考力。

 敵の攻撃を全て跳ね返す力。

 能力を十全に活かすために鍛え抜いた、降り注ぐ雨粒すら全て見切る動体視力。

 

 

 それらを兼ね備えた、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()───紛う事なき強者である。

 

 

 「────《屈従の刻印(セルウス・シニュム)》」

 

 踏み越え、踏み破る《踏破》の力。

 その力の持つ『優劣の劣を押し付ける』という因果干渉は、『踏む』という攻撃においては更に強化される。

 《完全反射(トータルリフレクト)》すら踏み破って多々良を沈めた一真は《プリンケプス》を消し、脚に絡んだ紫白の魔力の残り火を振り払う。

 全員が押し黙った。……いや、絶句したと言った方が適切かもしれない。

 新たなメンバーを加えて自己紹介したのも束の間、数分もしない内に1人が退場、1人が返り討ち。

 闘気を発していた黒鉄と呼ばれた和服の男も流石に閉口していた。

 頭頂部に大きな《血光》を散らし倒れ伏す多々良を爪先でつついて意識を失っていることを確認する。

 

 「……考えてみりゃこのメンバーで七星剣武祭に出るんなら、俺が加わったらどうしたって人数がオーバーするんだよな」

 

 ふと思い当たった自らの呟きに、そうだ、と一真は顔を上げた。

 言葉を失った月影に、彼は何一つ悪びれる事なく向き直る。

 早速己の何たるかを遺憾なく発揮した組織の劇薬は、それがさも名案であるように言い放った。

 

 「丁度いいや。この木偶人形の枠に俺が入ればピッタリでしょう」

 

 

 月影獏牙は1つ思い違いをしていた。

 一般的な常識と倫理を持っていようがそこを突いて納得の上で首輪を付けようが、彼が大人しくなるなど有り得ない。

 どこの誰と相対しようが、彼は王峰一真であるが故に王峰一真なのだから。


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