では、どうぞ!
俺は王都に襲撃してきた魔族、ベルゼブブから逃げ回っていた。
「なんで追ってくるんだよぉぉぉぉーーー!!!」
「貴様からは面白い気配がするからのぉ。その見てくれで、男の気配じゃ。貴様、何者だ?」
「!?」
と、何故か男なのがバレていた。いや、思い当たることはある。てか、さっきのなんで追ってくるんだよーも完全に男言葉だしな。
色々気になるが、今はあまり考えている余裕は無さそうだった。
ベルゼブブが放つ魔法は凄まじい威力で、多分当たれば一撃でサヨナラになるだろう。面白いと言う割には本気で殺しに来てる。
「まぁよい。ちょうど退屈しておったのでな。貴様で暇を潰すとするわ。」
と、理不尽魔族はそんな笑えもしないことを言い出した。
「だーもう!なんでこんな時に冒険者どもは遠出してやがんだよぉ!!」
俺はそんな愚痴を言いつつ、このまま逃げてれば冒険者達が帰って来ることを期待し...
「冒険者どもが出かけたのは今朝だそうだ。帰って来るには時間がかかりそうだな。」
と、心を読んだのか、ベルゼブブが俺の希望を容赦なく潰してきやがった。
(終わったな俺...)
「く、クリエイト・ウォーター!!」
俺は半分諦めつつも、抵抗した。
「クリエイト・ウォーター」
俺と全く同じ魔法を使ってきた。
だが、ベルゼブブが放つ魔法は俺のと違い轟音と共に爆風が吹き荒れる程の威力で、俺の魔法は容易くかき消された。
「なっ!?無理ゲーじゃねぇか!」
俺が泣き言を言っていると、ベルゼブブは右手の掌をこちらに向け、
「もう飽きたわ。インフェルノ!」
そう言い放った。
「ぐあっ!!」
その魔法は今までのチート魔法を上回る威力で、俺の目の前の地面をエグり、その衝撃で俺は後方へ飛ばされ、壁に激突した。壁が少しへこんだ。
「ぐっ...!痛い...こんな痛いのは初めてだ...!!」
俺は直撃もしていないのに一歩も動けなかった。あの魔族、強すぎる。だが、それ以前に...
「俺...よえぇな。」
自分の弱さに落胆していた。
「これで楽にしてやろう。」
そう言いながらベルゼブブは、さっきと同じ構えを取った。
(今度こそ終わりだな。ホント、どんな世界に来ても、不幸だよな。)
「インフェルノ!」
ベルゼブブの手から紅蓮の炎が放出される。
(結局、弱くて不幸な俺には、生まれ変わっても幸せは訪れないってことか。分かってた、分かってたけど...)
俺は、自分が今から死ぬという悲しみよりも、こんなことを思った。
(アイリスに、ちゃんと謝って、仲直りしたかったな...)
そう後悔しながら俺は目を閉じ...
「セイクリッド・エクスプロード!!!」
横からの突然の斬撃に、ベルゼブブの魔法は打ち消された。
「これってまさか...!!」
斬撃が来た方向を見ると、一番会って話がしたかった、金髪の可愛らしい少女が立っていた。
「アイ...リス...!?」
俺がそう弱々しい声でその少女の名前を呼ぶと、少女、アイリスは小走りで駆け寄ってきた。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
空きすぎて覚えて無いって方はぜひ前回も見直して下さいね!
では、また次回!