「今日は〇〇くんとお買い物……えへへ」
俺は今、知り合いの少女……倉田ましろとショッピング、いわゆるデートをしている。彼女とはバイト先のライブハウスで知り合い、そこから交流を重ねて仲良くなったのだが、その辺を語り始めると長くなるので今回はやめておく。
そんなましろは俺の隣で上機嫌そうに鼻歌を歌いながら歩いていた。
「ねえ、今日はどこに行こっか?」
「とりあえずショッピングモールでも行く?」
「うんっ!」
ご機嫌なのはいいのだが、先程から腕をしっかりと掴んでるためちょっと動きにくいし何より当たってるのが気になるのだが……。
「? どうしたの?」
「いや、なんでもない」
もしこれがバレて引かれてるのも嫌だからとりあえずは黙ってよう。
ましろが腕にしがみついたまま暫く歩いた。
相変わらず腕に当たっているのが気になるけど……。
「どうしたの?」
「あー、いや、ましろ……歩きにくくない?」
「え? そんな事ないよ?」
「そ、そっか」
やはり気になる。というか心臓に悪い。
「あれ? ましろちゃんに〇〇くん?」
そんな時、後ろから声をかけられた。
そこに居たのはつくしと七深。ましろと同じバンドのメンバーだ。
「やっぱり! 2人でお買い物?」
「ああ、ちょっとデートしてて……」
「おお〜、ラブラブだね〜」
「ら……!? も、もう! 七深ちゃん!!」
七深がそういうと、ましろは顔を真っ赤にして恥ずかしがっていた。なんか透子から変な影響受けてないか……?
「……そういや2人はなにしてんの?」
「私は七深ちゃんの探しものを手伝ってるんだ」
「うん。どうしても欲しいものがあるんだけど……ちょっと品薄気味なんだよね〜」
「へぇ〜。それってどんなヤツ?」
「それがね〜、『カシゾク』っていう食玩シリーズなんだけど……」
「カシゾクって……今話題のアレ?」
七深の探し物を聞いて、俺は一発でピンと来た。
「え!? 知ってるの!?」
「いや、知ってるも何も俺も好きなシリーズだから」
「そうなんだ」
「確かにアレすごい人気だからなぁ……。発売日翌日に買いに行ったらほぼ売り切れだったし、下手すりゃ当日でも朝イチで行かないと買えないもんなぁ」
「そーなんだよ! 広町もずーっと探してるんだけど全然買えなくてさ〜」
「酷い時には転売ヤーが買い占めて、メ〇〇リに転売してる事も多いらしいからなぁ」
「あ〜、その話聞いたことあるよ……」
「転売ヤーは即死罪でいいよホント、ウン」
「あはは……」
まさかの趣味の一致で七深と意気投合してしまった。その後、数分間その話で盛り上がってしまったのだ。
大事なことが頭から抜けたまま……。
「…………」
「…………」
私とましろちゃんはまさかの共通の話題で話し込んでしまった2人を他所に困惑していた。
「凄い盛り上がってるね……。七深ちゃんが探してた物ってそんなに人気なんだね」
「…………」
話を振ってみたものの、ましろちゃんは黙りを決め込んでいた。
「えっと……、ましろちゃん?」
やはり2人の方を向いたまま黙り込んでいる。……これはもしかしたら
「まーしーろーちゃん!」
「へ? あ……、つくしちゃん、どうしたの?」
「凄く上の空だったけど大丈夫?」
「え? へ、平気……だよ?」
ましろちゃんはそういうものの、その眼はチラチラと〇〇くんと七深ちゃんを見ている。
ホントにこういう所は相変わらずといった感じなんだよね……。
「ましろちゃん、ホントに彼のこと好きなんだね」
「え? そ……そう見える……?」
私がそう言うとましろちゃんは頬を赤らめ、俯いてしまった。
「……どんな所が好きなの?」
「へ? えっと……凄く優しくて、頑張り屋で何となく応援したくなっちゃうところとか……あ、それに○○くんが作ってくれるご飯がすごく美味しくて……この間もハンバーグ作ってくれたんだけどそれがジューシーで……」
ましろちゃんはさっきまでと打って変わって明るい表情で饒舌になった。その気迫に私はちょっとビックリしてしまう。
それからというものの、ましろちゃんの話は数分に続いた。あまりにも熱中しているのかすごく前の目めりになっている。
「あ……あの……ましろちゃん? ましろちゃんが○○くんが好きなのはよく分かったけど……向こうもお話終わったみたいだよ?」
「それから……、って……え?」
ましろちゃんが後ろを見るとそこには私たちの話が終わるのを待ってるかのように○○くんと七深ちゃんがいた。
「へ? あ……うっ……」
その状況に恥ずかしさの余りかましろちゃんは顔を真っ赤にして、顔を隠し俯いてしまった。さっきまで全力でお話をしていた子とは思えない程に。
「ましろ? おーい?」
「シロちゃん、大丈夫~?」
その光景に2人も思わず声をかけていたが、ましろちゃんは更に小さくなっていた。
「あ、七深ちゃん! そろそろいかないとその食玩うりきれちゃうかもしれないよ?」
「え? あ~、そうだね~」
「じゃあ、私たちはこの辺で! ○○くん、ましろちゃんのこと、宜しくね!」
「へ? わ、わかった!」
「ましろちゃん、○○くんと仲良くね!
じゃあまたね!」
「ばいば~い」
私と七深ちゃんはそうしてその場を後にした。それにしてもましろちゃんがあんなに我を忘れる程に語り始めるなんて……。見てるこっちまで熱くなりそうだったなぁ……。
「……ましろ? 大丈夫?」
「……うん」
つくし達と別れた俺はましろの調子が戻るのを待っていた。
「とりあえず水飲む?」
「……ありがとう、○○くん」
ペットボトルを受け取ったましろはちびちびと水を飲んでいた。
「……ねえ、さっきの話……もしかして聞いてた?」
「へ? ……う、うん」
ましろに上目遣いで聞かれて思わずドキッとした。この状態のましろには隠し事が出来なくなってしまう。
「うう……、恥ずかしいよぉ……」
それを聞くとましろはまた手で顔を隠し俯いてしまった。
「ま……ましろ、大丈夫だよ? ……むしろ、嬉しかったというか……」
「……ほんと?」
「……ほんと」
俺がそう言うとましろは顔を上げて、こちらの目をじっと見つめてきた。……顔が近すぎてホントに心臓に悪い……。
「……さっき、七深ちゃんと何はなしてたの?」
「え?」
「教えて」
ましろは更に顔を近づけて問い詰めてくる。さっきまで小さくなってたのにこの変わりようはなんなのだ。
「えっと……その食玩の話とか……その他の事とか……」
「その他の事って何?」
「えーっと……それは……」
「…………」
「……ましろのことです」
「……へ?」
やっぱりこの状態のましろには嘘はつけない。そこからは問い詰められるがままに全てを話した。……実は先程まで七深にましろの惚れ話をしてたことも……。
それを聞くとましろは顔を真っ赤にしながらも、これまで以上に笑顔になっていた。
「……そっか。へへ……、そうなんだ……」
……なんか俺も辱めを受けた様な気もするが、ましろが嬉しそうだしまあ良いか……。
「あ、そうだ。○○くん、ちょっとお願いがあるんだけど……」
「……どした?」
「その……○○くんがハマってる食玩のこと、私にも教えてくれないかな?」
「え?」
「だって……○○くんが好きなもの……、私も知りたいし……」
あー、もうホントに可愛いんだから!と思う心を何とか沈め、ましろに目を合わせる。とりあえず、ましろを困惑させてしまうから平常心だけは心掛けないと。
「うん。わかった」
「……! じゃあ早速ショッピング行こっ!」
そう言うとましろは静かに腕に抱きついてきた。
「……あの、ましろさん?」
「どうしたの?」
「えっと……その……」
「なーに?」
俺が何かを言いかけるとましろは更に腕を強く抱き、体も俺に寄せてきた。何かとは言わないが……腕だけじゃなく体にも感触が……。
「それで? どうしたの?」
「もしかして分かってやってる……?」
「なんのこと?」
その笑顔は普段のましろらしくないと言うか、ちょっと子供っぽいという点はましろらしいというか……。
まあ、それでも俺はそんなましろが好きなんだけど……。
○○くん、ちょっと戸惑ってるけど……。私だっていつも不安になってる。だって○○くんは本当に魅力的な人だから。
もしかしたら私よりいい人に出会うとそっちに行っちゃうんじゃ……なんていつも考えてしまう。
だから私は自分なりに彼の心にアタックし続ける。ちょっと意地悪かもしれないし、私らしく無いかもしれないけど……これが私だから。
だって私は……彼が大好きだから。
ご無沙汰しております。
前回からかなり間空きましたね~。
どうやら前回投稿から5年近く経ってるみたいですね。
うん、まじでスミマセン。
まあ最近は何とか調子戻そうと執筆頑張っておりますので良ければ今後ともよろしくお願いします。
それはそうと今日私誕生日なので是非高評価やコメントください笑
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