遂にキズカナがヤンデレに手を出しました。
ヤンデレを書くのはこれが初めてなので至らぬところも多々ありますが読者様、お許しください!←謎のチャー研
「あ~今日も授業疲れた~。」
高校から帰っている途中で独り言を溢す青年がいた。彼の名は『涼南風音』。何処にでもいる普通の高校生だ。
「全く…なんであの先生は最後の最後で授業に関係ない話するんだよ。しかもそれがノロケ話とかふざけてんのか。最近ようやく彼女出来たからって当て付けか?」
と、道の途中で独り言を呟く。もし周りで誰かに見られたら変な目で見られるだろう。
「……ったく。とりあえず癒しが欲しいしあそこに行くか。」
そういって彼は1人歩みを進めた。彼の目的の場所は…
「さーて、バンドリのコーナーは…」
向かったのはアニマート。俗に言うアニメショップだ。
言い忘れていたが彼はバンドリが大好きなオタク。推しは丸山彩らしい。バンドリのCMを見て面白そうだなと思いプレイしてみたところドハマリしてしまい、それ以来推しのグッズやCDを買い集めるほどのオタクになったらしい。
「あったあった。何か新しいグッズが出てないかな~。」
と、バンドリのグッズが置いてあるところを一通り見てみる。だがどれも自分が持っていたり目的の品ではなかった。
「今日も無しか…」と思い帰ろうとしたときコーナーの角にある1つの箱が目に入った。
それは…
「え?彩ちゃんのフィギュア?」
そこには普段置いてないフィギュア…それも推しである丸山彩のフィギュアがあった。
箱を手に取り周りを確認する。傷ひとつ無いところを見ると新品だろう。だが、普段この店にフィギュア関連は置かない上にあったとしても昼までに来た誰かが買ってしまうケースが殆んどだ。
「夕方なのにまだ残ってるって……これは運命かな?」
と本人は特に深いところは気にせず2000円を払ってフィギュアを買って帰った。
◆ ◆ ◆ ◆
家に帰った風音はフィギュアの箱を開けて本体をじっくりと眺めていた。
「いや~本当に彩ちゃん可愛いな~。髪型もどんな感じでもいいしトチってる時も可愛いな~。あ~結婚したい。」
「おっとそうだ。」とフィギュアを机に置きパソコンを開いた。彼は毎日ネットサーフィンをしている。と言っても閲覧するのはアニメに関する情報や面白そうな記事を流しているだけなのだが。
「バンドリの情報は無し。他も……めぼしい情報は無しか…。」
部屋にカチカチとマウスをクリックする音だけが響く。10分ほどして「今日は面白い記事が無いな。」と思い閉じようとしとき、サイトの下の1つの文章が目に入った。
「別世界に行く方法…?」
いつも使うサイトにこれまでは無かったこの文字。怪しいと思いながらもクリックしてみる。するとそこにはこう書かれていた。
『行きたい世界の詳細を無地の白い紙に書きます。アニメやゲームの世界の場合はタイトルを書いてください。紙の大きさはどれでも構いません。アニメの世界などで好きなキャラがいる場合はそのキャラクターの名前を書き、そのキャラに関係するフィギュアなどのグッズを枕元に置きます。そして書いた紙に更に☆マークを4角に書いて枕の下に引き午前2時に布団に入ります。すると眠気が生じるのでそれに身を任せて寝てください。
次に目を覚ますとあなたは自分が望んだ世界に行けるでしょう。
信じるか信じないかはあなた次第です。』
「いやなんだこの終わり方。なんでMr都市伝説のキメ台詞で終わったんだよ。」
パソコンを眺めながらそう呟いた。
「……にしても異世界にか~。これが本当なら俺もバンドリ世界に言って彩ちゃんとかに会えるのかな~。いや、でも向こうは俺のこと絶対知らないよな。……まあただの都市伝説だし…ね。」
そう言ってパソコンを閉じた。
この時彼は下に書かれていた文章を見逃していた…。
『このやり方で異世界に行けますが元の世界に帰ることは出来ません。また、別世界に行くと元の世界ではあなたは最初からいなかったことになります。
やる際にはこの事を了承した上でお願いします。』
◆ ◆ ◆ ◆
午前2時…
「疲れたな…。なんでこんなに難しい課題沢山出したんだよあの先公は…。」
課題を終えた風音がふと時計を見ると既に午前2時をまわっていた。
「もう2時か…そろそろ寝よ……2時?」
そこで昼間のサイトをふと思い出した。もしあれが本当なら…。
「まさかとは思うけど…試してみようか。」
白いコピー用紙に『バンドリの世界』『丸山彩』と書き、4角に☆マークを書く。そしてそれを枕の下に引き、今日買った彩のフィギュアを枕元に置いた。
「まあ…明日起きても同じ天井だろうけど。」
そうして風音は眠りについた。
◆ ◆ ◆ ◆
ピピピピ…
携帯のアラームがなり目を覚ます。そこは何時もと変わらないアパートの部屋だった。
「ほら何でも無いじゃん」
元々高校から訳ありで1人ぐらしをしていた為、普段からこうやってスマホのアラームで起きていた。
「………あれ?フィギュアが無い。」
枕元に置いていた彩のフィギュアがなくなっていた。もしやと思い枕の下にを見ると例の紙も無くなっていた。
「……まさかね。」
首を横に振り、服を着替えて朝食を食べると外に出る。
「それにしてもフィギュア無くなったのはショックだな…。あれやっとの思いで手に入れたのに…。」
◆ ◆ ◆ ◆
しばらく歩いて見たもののあまり違和感は無い。これではここがいつもの世界なのかバンドリの世界かわからない。まあ…バンドリ世界なら商店街に行けば1発でわかるけど商店街どこかな…。と考えていた時、交差点の角で誰かとぶつかった。
「いたた…。」
「いって~。……え?」
顔を上げて思わず驚きの声をあげた。
何故ならそこにいたのは
「すみません、大丈夫ですか?」
丸山彩だったのだから…。
(え?何で彩ちゃんがここに……。まさか本当にバンドリの世界に来ちゃったのか?)
「あの…怪我はありませんか?」
「あっ…はい。大丈夫です。」
「良かった~。すみません前見てなくて…。」
「いえ…。」
「あの…どうかしましたか?私の顔に何かついてますか?」
「あ、いや…その…もしかしてパスパレの丸山彩さんですか?」
「はい!まん丸お山に彩りを!Pastel*Palettesのふわふわピンク担当、丸山彩でーす!」
ゲームやイラストなどでよく見るポーズをしてくる彩を見て風音は「本当にバンドリの世界なんだ…」と確信した。
「えっと…俺は涼南風音っていいます!ファンだったので会えて嬉しいです!」
「知ってるよ?」
「そうか~知ってるのか~…………え?」
「だって…」
「この世界に君を呼んだのは私だからね。」
その言葉と同時に風音の体に電流が走り、彼はそのまま意識を失った。
◆ ◆ ◆ ◆
「知らない天井だ。」
風音が気がつくとそこは知らない部屋だった。それも明らかに女の子の部屋で可愛らしいぬいぐるみが置かれていた。
「気がついた?」
声をかけてきたのは丸山彩。バンドリの世界で彼が好きな子だ。
「丸山…さん?」
「彩でいいよ。」
「とりあえず…これはどういうこと?」
「そっか。説明してなかったね。」
そのまま彼女は語り始めた。
まず風音を知ったのは夢でのことらしい。最初はただの夢だと思っていたが、毎日彼の夢を見ているうちに好意を持ったという。
それから彼女は風音を探した。ネットで調べたり、多彩な情報網を駆使して毎日探した。警察が使う顔認証システムを使ったこともあるらしい。だがそれでわかったことはただ1つ。
『涼南風音はこの世界にはいない』ということだ。
彩は酷くショックを受けた。だがそれ以上にどうしても彼に会いたかった。
だからどうにか会おうとした。それで異世界に行く都市伝説を見つけた。でも彼女は夢にまでみたアイドルの願いをかなえた。それに彼に私たちの歌を聞いてもらいたい。だから彩がそっちの世界に行くことは出来ない。
しかし彼女は思い付いた。
だったら『彼をこっちに連れてくればいいんだ』と。
彩はこころの力も借りた。弦巻のデータベースを使い、あらゆる彼が閲覧するサイトに異世界への行き方を記載した。もちろん実際行けるのかは黒服の人たちの調査によって確信へと変わった。
後は彼が来るのを待つだけ。彼が来ると彼女のスマホに反応が来るからそれにあわせて彩も行動を始めた。
「それでやっと風音くんに巡り会えたの。わかった?」
「え?それって…。」
「うん、君とどうしても会いたかったんだ。だから君に会うために私も頑張った。」
「・・・・・・・・」
「君も私のことを好きだって思ってると知った時は嬉しかったよ。だからきっと一緒になれると思ったんだ。」
「彩ちゃん…?」
「もちろん皆にも紹介するよ。私の恋人だって。あ、でも日菜ちゃんや香澄ちゃんは君に興味持ちそうだし、千聖ちゃんやイヴちゃんは女優やモデルだから浮気させたら困るな~。
そうだ!じゃあ念のため私のことを絶対に頭から離れないようにしておこっか。」
そう言いながら彩は風音にアイマスクとヘッドフォンを着けた。アイマスクには彩の写真が印刷されていて、ヘッドフォンからは「風音くん、大好き。愛してるよ。」という音声が止まることなく流れた。風音はなんとかとろうとしたけど手足は完全に拘束されていて取り外すことが出来なかった。
「ふふっ。必死に悶えてる姿も可愛い。
でも駄目だよ。この世界には可愛い子が多いから君が他の誰かに捕られちゃう危険があるんだ。だから私のことをずっと君の中に刻み込んであげるね。」
「風音くん、ダイスキダヨ。」
いかがでしたか?
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因みに言っておきますが本編での異世界への行き方は作者が適当に考えたものなので実際にやってもなんともない筈です。
もし試してみて仮に何かあったとしても当社は一切の責任を負えませんのでご了承ください。
次回は…こころか日菜かかなぁ…。
前書きにその話ごとの設定書いた方がいいですか?
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いる
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いらない