バンドリ短編集   作:キズカナ

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君と見る星空(氷川日菜)

 

 放課後。それは学生の皆が授業から解き放たれて自由となる時間。生徒たちはそれぞれ部活に行ったり、家に帰ったりしていた。中には残って勉強をするものもいる。

 そんな中で授業が終わったことにより机に伏せている者がいた。1日の疲労により暫く伏せていてやっとの思いで顔を上げる。

 

「風音くん、屋上いこ!」

 

 そんなとき1人の少女が彼に声をかけた。

 

「この間ね、るんってくる本見つけたんだ!一緒に読もっ!」

「わかったから少し休ませてよ日菜…。」

 

 こちとらそろそろ体力的にヤバいから。少し寝てないと体が持たないから。

 

「そっか~……あっ!いいこと考えた!」

「良いことって…日菜の言う良いことって俺にとってろくなことがないn「ポテトLサイズ奢るから来て?」速攻行かせていただきます!」

 

 と、いうわけでポテトLサイズに釣られた俺は日菜に引っ張られるがままに屋上へ連行された。だって仕方ないじゃない、ポテト美味しいんだから。氷川姉妹……というか姉の方が好きになる気持ちも十分わかるわ。

 

 

一方

 

「ハックション!」

 

 ライブハウス『CiRCLE』にて練習をしていたRoselia。その中のギター担当、氷川紗夜は練習中に大きなくしゃみをしてしまった。

 

「どしたの紗夜?風邪?」

「いえ、そういう訳ではないんですが…。」

「紗夜さん大丈夫ですか?」

「私…何か温かい飲み物買ってきましょうか…?」

「いえ、今のは風邪というより誰かに噂をされたような気が…。」

「紗夜が体調を崩すとは思えないけど…。とにかく風邪には気をつけて頂戴。」

「はい、わかりました。」

 

 

こんなことがあったとか。

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 場所は変わって羽丘高校の屋上。

 

「ねっ!この内容るんっ♪って来るでしょ?」

「……まあ何となくはわかるけど…天体関係ないよねこれ…。」

 

 屋上の天文部の部室に来て数分がたった。来たのは良いんだけど日菜が面白いと言って出してきた本はどれも天文とは関係のないものばかりだった。

 

「え~でも面白いじゃんこのオリジナル星座占いとかさ~。あ、この『お手製夜空の作り方』とか良くない?」

「いや、それ前にやるために日菜が墨汁ぶちまけようとして俺が止めたやつじゃん!」

「そうだっけ?」

「そうだよ。」

 

 「全く…」と頭を抱えながらも日菜に勧められた本を読む。確かに内容は面白いしあの日菜が興味を持つのもわかる。

 

「あっ!ねえ風音くん!これ見てよ!」

 

 日菜が身を乗り出して一冊のノートを見せてきた。

 

「流れ星の見える丘?」

 

 そこには『実際に調べた!流れ星が最も綺麗に見える場所!』と書かれていて、この付近の丘がそのスポットらしい。

 

「だからさ、今日の夜行ってみない?」

「本当急なんだけど…。」

「いーじゃんいーじゃん!それに今日は結構星見えるからさ!天文観測も出来ると思うんだよね!」

「しょーがないか…。」

 

 こうして俺たちは今日の8時、その丘で待ち合わせることになった。

 

 

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

「ここか~。」

「確かにいっぱい星が見れるね~。」

 

 例の場所に来た俺たちは夜空を見上げていた。都会だと空気汚染とかの問題でちょくちょく空が綺麗に見れないときがあるが、そこは1つ1つの星がそのままの輝きで存在していた。

 

「あ、あれ白鳥座じゃない?」

「ほんとだ。じゃああれが琴座で…あっちが牡牛座か。」

「早速夏の大3角形見つかったね!」

「そういやもうすぐ七夕か~。日菜は何か願い事とかあるの?」

「うーん…思い付かないかな~。おねーちゃんとは最近上手くやれてるし…。」

「そっか。なら良かった。」

 

 日菜はお姉さんの紗夜さんとはもともといざこざがあったがどうやら最近は2人とも上手くやっているみたいだ。それを聞くと何故か自分の事のように嬉しくなった。

 

「あ!流れ星!」

 

 そんなことを考えてると日菜が空に指を指しながら言った。

 

「……見逃した…。」

「あはは…まあきっとまた見れるって!」

「そうかな……」

 

 そう言った矢先に空を見ると2つの流れ星が見えた。日菜もそれに気づいていたみたいだ。

 

「ダブル流れ星だね。」

「そういや流れ星に願い事をすると叶うって本当かな?」

「さあ~?まあそっちの方がるんっ!って来て楽しいけどね。」

「因みに日菜は何かお願いしたの?」

「うーん…秘密!」

「秘密って…。」

「そう言う風音くんは?」

 

 顔を近づけながら日菜は聞いてきた。

 

「そうだな……これからも日菜ともっと仲良くできますように…とか?」

「え…?」

 

 試しに本心を言ってみたところ、単調な返事をしたまま黙ってしまった。

 

「日菜?」

「えっ…何…?」

「どうしたの?顔赤いけど…?」

「~~~!!風音くんのバカ!!」

「ウェ!!?」

 

 そう言ったきり日菜はそっぽを向いてしまった。

 

(何で!?)

 

 その理由がわからないまま、しばらくの間、俺は1人苦悩するのだった。

 

 

 

 

一方…

 

(何でそんなことさらっと言っちゃうの…。)

 

 顔を赤くしていた日菜は風音から顔を背けていた。だが別に嫌いになったからではないようだ。

 

(言えるわけないじゃん…『これからもずっと風音くんの側にいられますように』って願ったなんて…。)

 

 そんな2人を見守るかのように夜空では夏の大3角形が綺麗に輝いていた。

 

 

 





はいどうも!とりあえず恋愛だとキャラを赤面させたくなる系作者キズカナです!

日菜編はいかがでしたか?
良ければコメントや高評価よろしくお願いいたします!

そして新しくコメントをくださったぴぽさんありがとうございました!
☆9評価をくださったオニャンコさんありがとうございました!

次回のヒロインはりみりんです!お楽しみに!

twitter
@kanata_kizuna

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