バンドリ短編集   作:キズカナ

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*この作品、作者は深夜テンションで書いてます。その意味は本作品を見てくだされば痛いくらいわかるかと。



君を支えたい(松原花音)

 

 

 生きているとどうしてもストレスというのは溜まってしまうものだ。

 

 現に俺もストレスが物凄く溜まっている状態である。今日もそういった出来事は起きた。大学の授業が終わったと思ったら緊急の補講説明会。しかもこれが無駄に長々とやるため疲労を疲労で上書きするような思いで放課後を過ごした。そしてそれが終わりようやく帰宅できると思いトボトボ帰宅していたらそんな俺を狙ったかのような突然の豪雨が降り注いできた。

 当然俺は傘を持ってなく近くにコンビニもない……はっきり言ってアウトな状況だった。それ故に少し走っていたのだが、埒が明かない為近くのファーストフードショップに避難した。……全く、一体俺が何をしたというのだか。

 とりあえず気分替えに何か食べていこうと思い100円のハンバーガーを1つ購入するため並んでいた。雨のせいか人も少なく俺の後ろには誰もならんでいなかった。

 

「次の方どうぞ……って風音くん?」

 

 自分の名前を呼ばれスマホから顔をあげる。するとそこには水色の髪をサイドテールにしてる大人しそうな女の子がいた。

 

「あ、花音か…。久しぶり。」

「うん…それよりびしょ濡れだけど大丈夫?」

「いや、全然大丈夫じゃない。」

 

 説明が遅くなったがこちらの少女は松原花音と言って俺の幼なじみだ。彼女は花咲川女子学園を卒業した後、女子大に進学しその傍らで高校時代から続けているこのアルバイトを頑張っている。

 

「もしかして…傘忘れた…とか?」

「忘れたと言うより突然雨降ってきたからそもそも持ってきてないんだよなぁ…。あ、ハンバーガー1つ。」

「えっ?じゃあどうやって帰るの?」

「走って帰る。」

「だ…駄目だよ。また濡れちゃうよ…?」

「でも他に方法無いんだよな…。」

「……あのさ、少し待ってて貰えるかな?」

 

 何か思い付いたかのように花音は言ってきた。因みにこのやり取りの間に注文と会計はすべて済ませた。

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「お待たせ。」

 

 俺が席に座ってスマホを弄っているとバイトから上がった花音が来た。

 

「で、どうしたの?急に。」

「風音くんは傘持ってないんだよね?」

「そうだな。」

「じゃあさ……私の傘に入って帰らない?」

 

 彼女の提案とはまさかの相合傘のことであった。

 

「花音の傘は?」

「ここにあるよ?」

「でも俺入ったら逆に花音が濡れないか?」

「大丈夫だよ。私にとっては…風音くんが風邪ひいちゃう方が嫌だから…。」

 

 ここまで言われると流石に彼女の好意を無下には出来ない。そう思いしぶしぶ彼女の要求を呑み共に1つの傘で帰ることになった。

 花音のお陰で打ち付ける雨から身を守る術は得たわけだがこの状況は少し気まずいのかもしれない。現に花音は先程から殆ど喋っていないのだ。……何か話すことは…。

 

「ねえ、最近どう?」

 

 この雰囲気をどうにかしようとしたのか花音は俺に聞いてきた。

 最近かあ…特にいいこと無いんだよなぁ…。大学では先生の授業による負担や無茶なレポートとかでストレスしか溜まらないし、ゲームやっててもなんかうまくいかないし、この間なんか見たい映画観に行こうとしたら夜上映枠しか無かったんだぞ?マジでふざけんな。

 

「えっと…まあなんともないかな?」

「……本当に?」

「………ホントホント」

「……嘘つき。」

「え?」

 

 花音の思いがけない一言に俺は思わず声を出した。

 

「風音くん…嘘つくとき片言になる癖があること知ってる?」

「……マジで?」

「うん。」

 

 なんてこった。まさかあの花音がそこまで見抜いているとは想定外だ。

 

「ねえ、今日…風音くんのお家に泊まってもいい?」

「えっ?いいけど…どうしたの突然。」

「ううん…風音くんにご飯食べて貰いたくて。私、料理上手くなったんだよ?」

「……じゃあ…お願いしようかな。」

「うん!」

 

 そんな話をしながら俺たちは俺が暮らしている家に着いた。花音は一度戻り荷物を纏めてくると言っていて流石に雨のなか1人でいかせる訳にはいかないので俺も着いていった。こうして再び俺の家に戻った俺たちは夕飯を作っていた。

 

「……ごめんね?お手伝いしてもらっちゃって。」

「いや、まかせっぱなしは気が引けるからな。」

 

 俺たちは分担して料理を作っていった。基本的には花音が作り、俺は補佐をするという形ではあったが。

 そして料理が出来上がる。ご飯、味噌汁、肉じゃが、サラダといったバランスのいいメニューがテーブルに広がっていた。

 「いただきます」と言って肉じゃがを口に運ぶ。お肉の柔らかさと甘口の味付けが口のなかに広がり凄く満たされたような気分になった。

 

「……こんな美味しいの久しぶりに食べた。」

「そ…そうなの?」

「うん。……あのさ、お酒飲んでいい?」

「あれ?風音くん…お酒苦手だったんじゃ…?」

「チューハイとかなら飲める。」

 

 そういって俺は冷蔵庫からスト○ングゼロを取り出し、缶の口を開けて飲む。そしてその勢いで肉じゃがを食べる。うん、ビールじゃないけど凄く美味しく感じる。肉じゃがのお代わり欲しい。

 

 そして暫くして俺たちは食事を終えて片付けをした後、2人でテレビを見ていた。しかし今日は特に面白い番組がやっている訳ではなかった。チャンネルを変えながら明日だったらパスパレが出る特番やってたのにねと話していたとき…

 

「……ねえ、もし私でも良かったらさ…風音くんの悩み…教えてくれないかな?」

「……花音?」

「こんな形でしか言えないけど……私も風音くんの助けになりたいんだ。……ダメ…かな?」

 

 弱々しくも力強い彼女の声が俺に届いてくる。……なんだろ、少しフワッとしてきた。さっきのお酒が今になって回ってるのかな?

 でもこの際どうなってもいいかもしれない。そう思った俺は…

 

「じゃあさ…言うよ?」

 

 少しずつ、気分に身を任せていった。

 

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「でさ、この間もさ……先生が理不尽なことに俺の言い分全く聞いてくれなくてさ……レポートの考察全部書き直せって言い出したんだよ…。」

「……そっか。」

「確かに俺の書いてたことも曖昧だったかも知れないけどさ、あってるところまで書き直せは無いじゃん!それに大体先生だってテストで肝心な図を手抜きしてるんだから文句言わないでよ!ホントあの*****で¤¤¤¤¤な先生は!!」

 

 先程から風音くんはこんな感じで普段から溜まっていたであろう不満を一気に溢しています。私は彼の気が済むまでその話を聞いていました。

 

「それにさ…バイトも帰ろうとしたら突然残業しろとか言い出すし、客も客でいちいち面倒なクレーム入れてくるし…俺が一体何をしたって言うのさ…」

「うんうん、風音くんは十分頑張ったよ…。辛かったんだね。」

 

 それにしても普段はこんなに感情的にならないのに…。もしかしたらさっきのお酒が回ってるのかな?あのお酒…確か結構アルコール度数高かった気がするし…。

 

「もうさ……ホント辛くて辛くて…」

 

 暫くすると彼は殆どの不満を吐ききったのかウトウトし始めた。もしかして眠くなったのかな?

 

「…か、風音くん…、眠いなら…布団引くよ?」

「……くら」

「えっ?」

「膝枕して…」

 

 ふええ…!?ひ…膝枕!?あの風音くんから要求をしてくるなんて…。

 

「じゃ……じゃあ…、寝る?」

「…うん。」

 

 私が正座をして膝を軽く叩くと風音くんはそのまま横になって私の膝に頭を置いて寝息を立てていた。頭だけだけど…膝にかかる重みからやっぱり風音くんも男の子なんだなと感じた。

 それにしても…凄くスッキリしたような顔をして私の膝で寝てる風音くんを見てると私も嬉しくなってきた。普段はあまり不満を表に出すような人じゃ無かったし、こうやって素直に甘えて来ることは無かったから私もなんだか嬉しい気分になっている。今私は彼の支えになってるんだなって感じることが出来るから。

 彼の頭をそっと撫でながら彼の表情を見る。触れる度にちょっと反応しちゃうところがまた可愛いなと思った。

 

「……花音~。」

「何?」

「……結婚しよ。」

「ふぇ?」

 

 彼の突然の言葉に私は数秒間、時間が止まりました。

 

「ふええ~!?け…結婚!?」

「……ダメ?花音は嫌?」

「えっ?い…嫌じゃないけど…」

「…俺は花音のこと…大好きだからさ…。」

 

 私は普段あまりお酒を飲まないからわからないけど…酔っちゃうとこんなになっちゃうものなの?さっきのお酒は風音くんが飲んでいたものを少し貰っただけだからそこまで飲んでないし……。

 

「……花音?」

 

 半開きの目で私を見ながら私の名前を呼ぶ彼に思わずきゅんと来てしまった。アルコールの力が入ってるとはいえ彼は自分の思いを伝えてくれたし…私も…自分の思いを伝えようかな。

 

「いいよ?」

「…にゅ?」

「風音くんがそう言うなら…やる?結婚。」

「…いーの?」

「うん、私も風音くんのこと、大好きだから。」

「……ありがとー…俺も……………すぅ…」

 

 そういって彼は安心したのか再び寝てしまった。私は勢いに任せてあんなこと言ってしまったけど後悔はしていない。だってお互いの気持ちを知ることが出来たし、もし酔いが覚めて彼がこの事を忘れていても…今度はアルコールの力じゃなくて…自分たちの力で思いを届けようと思う。

 

「すー…すー…すー…。」

「ふふっ、大好きだよ風音くん。」

 

 彼の寝顔を見ながら私はずっと傍にいた。この時間は2人で過ごしてきた中でも……凄く幸せな時間だった。

 

 

 暫くして彼は1度起きて、今度は布団で寝た。まだ酔いが覚めて無いのか今度は1つの布団で一緒に寝ちゃいました。

 

 そして次の日、全てを思い出した彼は顔を真っ赤にしてソファーに踞っていた。そんな彼を見て「可愛いなぁ。」と思ったのはここだけの話。それとあの時の告白が無効にならなくてすんだのはとても嬉しかったです。

 

 

 





色紙の花音ちゃんがめっさ欲しい。というわけで書いたら出るという原理を信じて書き上げました。花音ちゃんウェルカム!

良ければ評価やコメントよろしくお願いいたします!

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@kanata_kizuna

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