提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え? 作:夏夜月怪像
これを一つの節目として、現在連載中の『着任先の新提督が色々とマトモじゃない。』の別視点を描いたお話をこちらで始めようかと思います。
※尚、本作はあくまでスピンオフ、或いはBサイドの物語なので、かなり更新が遅れます。
自己解釈、ご都合主義などてんこ盛りですので、生温かい眼差しで見守っていただければ幸いです。
0話 : 行き倒れて辿り着いた、其処は………
《艦娘》―――
それは、人々の安全と平和、そして海を脅かす脅威《深海棲艦》と戦うことを定められた少女たち。
しかし、現実は想像を絶するものだった。
艦娘を指揮する立場にある《提督》や、艦娘や提督たちの拠点である鎮守府を管理する《大本営》の中に、艦娘を非人道的に扱う者たちが多数存在し、彼女らの心身を蝕み、苦しめていたのである。
「『石ノ森鎮守府に新たな提督が着任』……かぁ」
今朝の新聞を眺めながら、一人の少女が見出しを読み上げる。
少女の名は《
今は亡き智将が運営していた、赤塚鎮守府に在籍していた艦娘である。
その智将が亡くなって、鎮守府には後継者が一人も居なかったために解体され、在籍艦たちは散り散りとなってしまった。
姉妹や仲の良い仲間たちとも別れてしまい、漣は独りトボトボと宛も無く歩き続けていた。
「くぁ〜……。艦娘が陸路を進むとか、誰得なシチュエーションだっちゅーの……」
誰も居ないからこそ、余計に出てくる愚痴。
しかし、その愚痴をツッコんでくれる姉妹も悪ノリしてくれる仲間も居ない………。
「あはは……参っただすなあ……こりゃあ…」
やがて、漣は通りかかった近くの公園で一休みすることにした。
途端……漣はバッタリと横倒しになってしまう。
「っ…やっべ………目眩とか…ガチヤバス……」
ここに来て、漣は己の状況を再認識した。
鎮守府が解体された際、慰謝料として幾らかばかりの資金は各自配給されたが、その貯えも既に無し。
それから4日。
もう、何も食べ物を口にしていない………。
「ハァ……ハァ……ッ……お腹…空いた……」
こういう時ほど、昔を思い出してしまう。
間宮や伊良湖、鳳翔が作ってくれた料理の数々。
提督が連れて行ってくれた、小さなレストランで食べたオムライス―――。
「ご主人…さま………ゴメン、ナサイ……」
漣は……今から、そっちに………
意識が途切れる直前、漣は穏やかな風と温もりを感じた―――。
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風の吹く街《風都》―――。
その名に相応しく、街の至る所で、大小様々な風車が回っている。
この街では、小さな幸福も大きな不幸も、等しく風が運んでくる。
俺に出来ることは、その悲しみを少しでも拭い去ってやる事ぐらいだ………。
「………今日の風は、ちょいと塩気を感じるぜ……」
……などと、独り夜の街を眺めているこの男の名は《左 翔太郎》。
この風都にて、探偵業を営んでいる。
愛用のケータイで自撮りをして、いい画を撮れたと満足しながら事務所へ帰ろうとした…その時。
「………?おい、大丈夫か!?」
公園のベンチで横たわっている少女――漣を発見。
尋常ではないその様子に、翔太郎は危機を察知。
迷う事無く119番通報をした。
―――これは、海で戦うことを定められた少女たちと、人々の自由と平和を守るために戦うことを運命づけられた男たちの出会いと共闘の物語である………。
ハイ、ちょっと悪ノリし過ぎました(-_-;)
だが私は謝らn(((殴
今後もボチボチやっていく予定です(^_^)ノシ