提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え?   作:夏夜月怪像

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本作も、たくさんの方々に注目して頂いているようで……早くもUA数が7000台!


エムおばさん、聞いて!
私の小説を面白いって読んでくれる人がいるの!(by ド○シー)


9話 : Sとの邂逅/俺たちは二人で一人

「ご主人様の……相棒?」

 

自らをフィリップと名乗った、漣より少し歳上と思われる少年の発言に対し、漣は眉を(しか)めた。

 

 

「まぁ…今日が初顔合わせだし、君も翔太郎から話を聞いていないから、怪しむのも無理はない」

 

 

少しばかり警戒している漣の反応を当然であると受け止めながら、フィリップは漣をソファーへ促す。

 

「掛けてくれ。新しい事務所の仲間を、僕にも歓迎させて欲しい」

 

 

「ど…ども………」

 

翔太郎とはまた違う、ミステリアスな雰囲気を纏ったフィリップの言動に戸惑いつつも、漣はソファーに腰掛けた。

 

 

「………ん?」

 

 

ふと、ホワイトボードを眺めてみると、そこには沢山のことが箇条書きされていた。

 

 

深海棲艦や艦娘のこと。

 

艦娘と同名の軍艦、その歴史と繋がりについて。

 

 

中には、旧日本海軍と現在の新生日本海軍との比較表なども書かれていた。

 

 

 

 

「綾波型駆逐艦《漣》。元赤塚鎮守府所属、《海上の脚本家》と讃えられた海軍中将・沼田統也の初期艦にして艦隊のムードメーカー……。その明るさや急時の際の判断能力の高さから、多くの仲間に慕われていたんだね」

 

 

「ッ!!?」

 

急に何を言い出したかと思えば……

フィリップは、話してもいない『漣の半生』をスラスラと暗唱。それに対する感想まで添えてきた。

 

 

 

「その後については……君が直接、翔太郎に話すまで伏せておこう。一度調べ始めると、その全てを知りたい欲求に駆られてしまって、抑えが効かなくなってしまうのが僕の“悪い癖”なものでね」

 

そこまで言うと、フィリップは漣と目線を合わせる。

 

 

「君が受けた傷は簡単に癒えるものではないかもしれない……でも彼は、それを百も承知だ。後は僕らが…君が、僕の相棒を信じてくれれば充分だ」

 

 

その暖かな言葉と眼差しは、翔太郎と同じ温もりを持っていて。

 

漣は小さく頷き、その言葉を信じることにした。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「どうやら、心配要らなかったみてーだな?」

 

「あっ!ご主人様?所長サン!」

 

「ただいまぁ〜」

 

 

そこに、志穂理との話を終えた翔太郎と亜樹子が戻ってきた。

 

 

「ありゃ?フィリップくん!もう漣ちゃんと仲良くなったの?」

 

「その『仲良くなった』という定義が、亜樹ちゃんの判断基準に該当するかは、まだ検討の余地があるけど……とりあえず、君の相棒であることは認めてもらえたよ。翔太郎」

 

 

そうか、と翔太郎は朗らかな笑みを浮かべ、漣にも微笑みかけた。

 

 

「焦らなくていい。少しずつ……お前が大丈夫だと思えるペースで進めば良い。俺たちは、ちゃんと待ってるから」

 

 

翔太郎の言葉に、漣はまた泣きそうになる。

 

しかし、すぐに涙を拭い。

 

「漣の本気、必ず見せたげるからね?ご主人様!♪」

 

にかっと笑った。

 

 

「その意気だ♪………さてと」

 

そう言うと、翔太郎の目付きはキッと鋭くなる。

 

 

「捜査の進み具合は、あまり良くないようだね?」

 

「ああ……何しろ、現役軍人の捜索に加えてドーパントの捜査だ……。こいつぁ、また骨が折れそうだぜ」

 

 

そこまで言った後。翔太郎はフィリップにこう告げた。

 

 

「『検索』……頼めるか?相棒」




ハイ、また半端なところで切りますスミマセンm(_ _;)m


次回、本作初の『検索』!
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