提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え? 作:夏夜月怪像
あと、『風都探偵』6巻GETしました!
泣けたです…マヂで……(つд⊂)エーン
「ビンゴだ。メモリの正体が判明したよ」
『
「メモリの名称は『スマイル』……文字通り『笑顔の記憶』のガイアメモリだ」
「ガイアメモリ……?」
聞き慣れない単語に対し、漣は疑問を浮かべる。
それを受け、翔太郎はフィリップや亜樹子とアイコンタクトを取ると、1枚の写真を取り出した。
それは大型のUSBメモリを撮った写真で、骨の装飾などで化石の様なデザインに飾られている外装と表面に浮かび上がったアルファベットを象ったアイコンが不気味さを際立たせていた。
「何すか、コレ……?」
「『ガイアメモリ』……コレを身体に刺した人間は、中に詰められた膨大なデータを受けて超人になる」
「まあ…超人っぽい見た目の奴は少ないけどね………。言っちゃ悪いけど、たいてい怪物」
翔太郎の説明に、亜樹子がジェスチャーを混じえながら補足したことで、漣は先程の怪物を思い出し、表情が強張る。
「怪物………」
その様子を見て、翔太郎は改めて話すことにした。
風吹くこの街に秘められた闇の話を……。
「かつて……この街にメモリをばらまいていた組織が存在した。それは壊滅したんだが、今でもメモリは街に残り、
翔太郎の推理に対し、フィリップが小さく頷いた。
「可能性は極めて高いね。スマイルメモリは、その名称と内包された記憶の通り、対象にとって最も笑顔になれる幸福な瞬間や記憶を読み取り、幻覚の様な形で投影し、見せることが出来る。勿論、既にこの世に存在しない家族との再会だって不可能ではない」
「スゴイ………でも」
フィリップの説明の途中、亜樹子は何かを言いかけて口をつぐんだ。
その訳を知っている二人は、亜樹子の言いかけたことに対して頷く。
「所長サン…?」
「死んだ人間は還らない………それは漣ちゃんもよく理解している事実だ。スマイルメモリが見せるのは、あくまで『対象者が幸福だと感じる過去』だけだ。現実ではない」
すると、今度は翔太郎が質問を投げかける。
「精神に働きかけて、強い暗示をかける特殊系なメモリって訳か………。しかし、俺と漣が遭遇したあのドーパントは、ジャグリングのボールみたいなのを投げつけて爆撃しようとしたぜ?そこん所はどういう事なんだ?フィリップ」
「その事についてなんだが………一つ、とんでもないカラクリが判明したよ」
本のページを捲りながら、フィリップは表情を険しくした。
「翔太郎。君たちが遭遇した、スマイル・ドーパントから投げつけられた物……それはただの爆弾ではない」
「えっ!?」
「スマイル・ドーパントは、標的とした人間に球状のエネルギーを当てたり触れさせることで対象者の記憶を読み取り、模写している。記憶を読み取ったボールをドーパントが持ち続ける限り、対象者は永遠に幸福な記憶の中に浸り続ける……覚めない夢の中で眠り続けるかのように」
「なんだって………!?」
「しかも、写し取った記憶に対する想いや執着心が強いほど、読み取ったボールを攻撃に転用した時の威力が強まるそうだ。しかし……」
「ボールに内包された記憶も一緒に破壊されてしまう。その影響は、コピー元になった対象者自身の記憶も例外ではない」
「ッ!!!」
フィリップの読み解いた、スマイルメモリがもたらす怖ろしい副作用に翔太郎たちは戦慄した。
「ドーパントが……白川さんたちの記憶を壊したってのか………!?」
どんどん、どんどん…
狂っていきますぜ!!
次回、翔太郎たちはどう動く!?