提督が鎮守府より“出撃”しました。これより艦隊の指揮に入りま………え?   作:夏夜月怪像

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お気に入り登録者数が90名越え!!

皆さん、ありがとうございます!!

Aパートの『着任先』も、UA53000越えてお気に入り登録数も260名を突破しました……

もう、ホントに嬉し泣きしか出来ねえです……!!(`;ω;´)


15話 : Sとの邂逅/空っぽの笑顔

スマイル・ドーパントの捜査中、漣が慕っていた提督を陥れ、その報復を受けたことを逆恨みした元海軍司令部職員・瀬尾島啓太(任官当時:曹長)の奇襲を受けた翔太郎と漣。

 

しかし、ハイエナ・ドーパントと化した瀬尾島を迎え撃つべく、翔太郎は漣の前で『仮面ライダーW』に変身。

見事これを撃破し、メモリブレイクも成功。

通報を受けた、超常犯罪捜査課の警官たちによって連行されていったのであった。

 

 

「ご主人様…今のって……」

「あー……悪いな、漣。これは一般には秘密なんだ。出来れば、他の人には言わないで欲しい。頼む!」

 

 

両手を合わせ、頼み込む翔太郎。

 

「そ、それは良いですけど………!漣が聞きたいのは、瀬尾島の奴がガイアメモリを出したとき『なるほど、そういうことか……』とか言って、独り納得してた理由ですぅ!!」

「へっ?……ああ、その事か」

 

(わり)ぃ悪ぃと、軽く苦笑いしながら謝ると

 

 

「……出てこいよ。お前が手を出す様な被害は出ちゃいねえぜ?」

 

 

人が居ない筈の物陰に向かって、翔太郎は呼びかけた。

 

 

やがて……

 

『………う…ぁ………』

 

「アレは……この前のヤツ!?」

 

 

翔太郎と漣に襲いかかった、スマイル・ドーパントが姿を現した。

 

………しかし、何処か様子がおかしい。

弱っているのか、足もどこか覚束無(おぼつかな)い。

 

「ご主人様!早く逃げないと……!!」

「いや……逃げる必要はねえ」

 

 

翔太郎の言葉に疑問を抱いた、その時。

 

スマイル・ドーパントが倒れ、メモリが排出された。

 

「えっ………!?」

 

その正体は、フィリップが当初推理していた通り、白川志穂理だった。

 

 

 

 

「う…そ……。なんで………」

「漣……お前になら分かるな?()()()()()()()()()()()

 

 

目の前で倒れている少女の下へ、漣は震えながら歩み寄っていく。

 

 

「ゆぅだっちゃん………。夕立ちゃああぁぁぁあんッッッ!!!!!!」

 

 

間違える筈が無い。

 

目の前の彼女は

 

 

自分と同じ、元・赤塚鎮守府所属の“艦娘”。

 

 

白露型駆逐艦《夕立(ゆうだち)》だった………。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

スマイル・ドーパントの正体は『白川志穂理』ではなかった―――。

 

当初の依頼……『白川成一の捜索』と『死去して還ってこない筈の捜索対象が見つかった』という大きな矛盾。

これらを結びつける手掛かりがあると思われた、依頼人『白川小百合』と白川成一の娘である志穂理……彼女こそがスマイル・ドーパントの正体であり、『笑顔の死体』を生み出している元凶かと思われたが、彼女を目の当たりにした漣の反応から、その推理は外れた。

 

しかし……同時に、微かに浮上していた可能性が確信に変わった。

 

 

 

風都警察病院 03:38 p.m.

 

酷く衰弱していた為、白川志穂理改め『白露型艦娘・夕立』は警察病院へ搬送されることとなった。

 

 

それと時を同じくして、フィリップは翔太郎と共に戻ってきた漣の了解を得た後、『本当の白川志穂理』について検索を開始した。

 

 

「検索の結果が出たよ。本物の白川志穂理の行方についてだが……残念ながら、彼女も既に亡くなっているようだ」

「そうか……」

「そんな……じゃあ、あの娘は志穂理ちゃんに成り済まして小百合さんに近付いたってこと?」

 

「ゆうだっちゃんは、そんな悪どい考えで人に接したりしないです」

 

亜樹子の質問に対し、漣はキッパリと答えた。

 

「私の前の前のご主人様……沼田統也中将との『人に優しくできる娘になりなさい』っていう約束を守り続けてたゆうだっちゃん……夕立が、そんな事する訳がありません!」

 

その眼差しは力強く、微塵も疑いはしない決意に満ち溢れていた。

 

「漣ちゃん……しかし」

 

フィリップが反論しようとした時。

翔太郎がフィリップを制した。

 

 

「漣……俺も信じるぜ。お前が信じる、あの娘の心をな」

「ご主人様………ありがとう!」

 

翔太郎の言葉で、少しだけ元気を取り戻した漣の笑顔を見て、翔太郎は安心する。

 

「さてと。俺はもう一度聴き込みをしてみる。フィリップはいつでも検索出来るようにスタンバっててくれ!亜樹子は万が一に備えて、照井に連絡を!あー、それとだな……」

「ん、分かってる。夕立ちゃんと漣ちゃんについてはまだ秘密…でしょ?」

「さすが」

 

 

翔太郎の指示に対し、フィリップが頷き、亜樹子が了解した時。漣はキョトンとした。

 

「え?所長サン、ご主人様。今のってどおゆう?」

「あー…そうだった。漣にはまだ言ってなかったな。亜樹子の旦那、この街の警察なんだよ」

 

「うん。あっ!でもだいじょーぶ!仕事はちゃんと仕事として分けてるんで。依頼人やワケありさんのプライベートや秘密はキチンと守りますよ?」

 

「……ま、そーゆーこった」

 

そう言うと、翔太郎がバイクに跨り、出発しようとした時。

 

「待って!ご主人様、漣も一緒に行きたい!」

「えっ……!?いや、しかしだな……」

 

まさかの申し出に戸惑う翔太郎だったが、漣の意思は強かった。

 

「ゆうだっちゃんがこんな事になっちゃった原因は、漣にも関係してる事だと思うの!逃げずに向き合わなきゃ……艦娘として、ゆうだっちゃんの友だちとして戦わなきゃ、沼田提督(ご主人様)が安心して眠れない!だからお願い、ご主人様!漣にも戦わせてッ!!」

 

 

その目と言葉に、翔太郎は胸が熱くなるのを感じた。

彼女がここまで尊敬する、前提督の人望の厚さと指揮官としての優秀さ・偉大さに敬意を。そして、漣と会わせてくれた事への感謝の念を抱いた。

 

 

「……分かった。でも、ヤバくなったらその時は絶対に俺の指示に従ってもらうぜ?じゃなきゃ、俺がお前の元司令官に殺されちまうからな」

「ニシシ♪ご主人様の性格上、半熟丼の甘さは許容範囲だと思われますよ〜」

「なんだそりゃ……まっいいか。さあ、行くぜ?」

「ラジャスタン!」

 

 

フィリップから予備のヘルメットを借り、漣はそれを被ると翔太郎の後ろに乗り、しっかりと掴まった。

 

「よし……ちょっと飛ばすぜ?」

「ん!」

 

 

スロットルを回し、翔太郎は漣を乗せて出発した。




風都艦隊第1章、もうちょい続きます(^_^;)
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